入社半年以内に有給休暇。試用期間の扱いや、付与されていないのに休んだ場合の扱い。

労働者の権利である有給休暇ですが、入社して半年以内だとまだ付与されておらず使うことができない場合がほとんどです。

しかし、体調不良や家族の看病、など様々な理由でどうしても休暇を取らなければいけない場面も発生してくるでしょう。

そこで、今回は入社半年以内に会社を休んでしまった場合の扱いや、試用期間の扱いについて紹介します。

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入社半年以内だと有給休暇は使えない?

体調不良などで会社を休まなくてはいけないタイミングは誰にだってあるもの。

しかし入社半年以内の場合、そもそも有給休暇が付与されておらずに使えない場合が多いので注意が必要です。

法律上、有給休暇の付与は入社後半年

有給休暇の付与日数はフルタイムで働く場合に下記のように法律で定められています(労働基準法第39条)。

勤続年数 半年 1年半 2年半 3年半 4年半 5年半 6年半以上
付与日数

10日

11日 12日 14日 16日 18日 20日

見てわかるように、初めて付与されるのは入社してから半年のタイミング。そこでようやく10日付与されます。

半年までは付与されないため、有給休暇保有日数は0日となります。

有給休暇がなければ当然使えない

入社半年以内で有給休暇が付与されておらず、保有日数が0日であれば当然有給休暇を使うことはできません。

したがって、もしどうしても会社を休まなくてはいけないことが起きた時には、欠勤扱いなど他の形で仕事を休まざるを得なくなります。

会社によっては入社してすぐに有給休暇を貰える場合も

上記で紹介した日数及び付与タイミングはあくまで最低限のものです。

多くの会社はこれに従っていますが、必ずしもそうとは限らず、なかには入社時点で数日の有給休暇を付与してくれる会社もあります。

そういった会社であれば、たとえ半年以内であっても有給休暇を使って会社を休むことができます。

最初の付与まで半年もかからない場合も

また、入社時点でなくても付与のタイミングが入社半年後とは限らない場合も多いです。

有給休暇の付与日が決まっている場合は半年より前に付与されることになります。

たとえばこんなパターンがあります。

有給休暇付与日は以下のように設定する

  • 1月1日(対象者:7月1日から12月31日入社)
  • 7月1日(対象者:1月1日から6月30日入社)

このように設定されている場合、たとえば10月1日に入社した場合に最初に有給休暇が付与されるのは翌1月1日。入社から始めて付与されるまでの期間は2ヶ月ということになります。

社員数が多い場合、個別に有給休暇の付与タイミングを決めると管理が大変になるため、一括に設定している会社は少なくありません。

有給休暇の付与日数がわからない場合は就業規則、雇用契約書でチェック

法律上で定められている有給休暇に日数、および付与のタイミングはあくまで最低限守らなくてはいけないものです。

それよりも早いタイミング、多い日数を付与することは何も問題はなく、会社が自由に決めることができます。

そこで気になるのは自分の会社はどのタイミングで付与されるのか、自分はどれほど付与されるかということではないでしょうか。

これは就業規則もしくは雇用契約書で確認することができますので、わからない方はチェックしてみてください。

入社半年以内で有給休暇がない状態で会社を休む場合の扱い

ではもしも有給休暇が付与されていない状態で、やむを得ず会社を休む場合はどういった扱いになるのでしょうか。

特別休暇がある場合

会社によっては福利厚生の一つとして、様々な特別休暇を設けています。

たとえば忌引き休暇、結婚休暇、病気休暇といったものが代表なものとして挙げられます。

こういった休暇が福利厚生として設けられていて、なおかつ休む理由が該当するものであれば、決められた上限の範囲内で休むことができます。

ただし有給休暇と違い、給料の100%を保証してくれるとは限りません。

会社によって100%としている場合もあれば、90%、80%、50%などと定めているため、若干給料が減ってしまう可能性もありえます。

またこういった休暇があっても、休む理由に対して該当するものでなければ当然使うことはできませんし、診断書の提出を求められるなど条件もありますので注意が必要です。

特別休暇がない場合

会社として特別休暇がない場合、もしくは特別休暇を使えない場合は欠勤扱いとなります。

ノーワーク・ノーペイの原則により、休んだ日数分、給料は減額(欠勤控除)されます。

欠勤分の減額についての一般的な計算方法は以下の通りです。

①年平均の所定労働日数で算出する場合

 基本給÷年平均の所定労働日数×欠勤日数

②各月ごとの所定労働日数で算出する場合

 基本給÷月の所定労働日数×欠勤日数

たとえば①の場合、年間の労働日数が240日(月平均20日)、基本給が20万円だとすると1日の欠勤で1万円給料が減額されます。

一方で②の場合、同様に基本給が20万円だとすると所定労働日数が22日の場合は1日の欠勤で9,100円(端数切り上げ)、所定労働日数が18日の場合は9,000円減額されることになります。

またボーナスがある場合、ボーナスも減額される可能性が高いです。

最初の半年には試用期間もカウントされる

入社半年後に付与される有給休暇ですが、その半年の中に試用期間分は含まれるのかという疑問を持つ方もいるでしょう。

これに対する回答は「含まれる」です。

たとえば試用期間が3ヶ月であろうが、試用期間があれば6ヶ月であろうが、半年後になれば有給休暇を付与されます。

もし試用期間が7ヶ月あったとしたら、試用期間中に10日以上の有給休暇が付与されるということです。

有給休暇については以下のように決められています。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

正社員であるとか、契約社員であるとか、試用期間であるとかは関係ありません。どんな形態であっても雇用された日から半年で最低10日の有給休暇を付与しなくてはいけないのです。

なお試用期間であるからと言って、以下のようなことも認められません。

  • 最低賃金以下の給料
  • 社会保険に未加入

使用期間中、自分の会社が上記に当てはまるといった場合は、違法ではないか一度確認してみることをおすすめします。

まとめ

入社半年以内の人が知っておくべきことをもう一度まとめ直すと以下の通りです。

  • 入社半年以内であれば有給休暇が付与されていない場合が多い
  • 付与されていない場合であれば当然使えない
  • 例外的に半年以内でも特別休暇を付与してくれている会社もあるので就業規則等でチェック
  • 有給休暇、特別休暇がない状態で休むと、欠勤扱いとなり給料が減額される
  • 半年の中に試用期間も含まれる

有給休暇の取得は労働者の義務です。

もしも有給休暇が満足に取れないような会社に入ってしまった場合、知識として頭に入れておけば自分の身も守る術にもなるはずです。

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