あなたの会社の年間休日数は何日ですか?
よく105日や120日という数字がありますが、中には100日を切ってしまう場合もあります。
年間休日数が少ないとなかなか疲れもとりにくく、ストレスもたまりがちです。
そこで今回は年間休日数の平均や計算方法、よく聞く105日、120日の働き方についてご紹介していきます。
あなたの会社は平均に比べ多い方でしょうか、少ない方でしょうか。
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年間休日数の概要
まずは簡単に、年間休日とは何かについて解説します。
年間休日数とは
年間休日数とは、会社で定められている1年間の休日数です。
土・日・祝日、正月などの長期休暇がこれに当たり、有給休暇はこの休日に含まれません。
そのため年間休日数が同じでも、有給休暇が取りやすい会社かどうかによって休日数の合計は変わってしまうのです。
年間休日数と法律の関係
年間休日数は法律で決められてはいませんが、週おける休日数については労働基準法第35条に以下のような規定があります。
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1年間は【365日÷7日(1週間)=52.14週】ですから、最低でも53日間の休日を取らねばならないということになります。
法定休日と法定外休日
休日には、厳密にいうと法定休日と法定外休日の2種類があり、前述した53日間は法定休日に当たります。
しかし労働基準法には休日数以外に労働時間の決まりもあり、1週間の労働時間は40時間以内(労働基準法第32条)と定められています。
この制限を守るために、企業は法定外休日を別に設けて調整する必要が出てくるのです。
週休2日制の会社を例にとると、土曜日を法定外休日、日曜日を法定休日と定めていることが多いです。
無意味な区別にも見えますが、休日出勤などに関係しており法定休日では割増賃金が1.35倍、法定外休日では1.25倍となるので、この違いはないがしろにできません。
年間休日数の平均
厚生労働省が発表している令和2年就労条件総合調査の概況によれば、1人あたりの年間休日数は116.0日。
つまりよく聞く105日は平均以下、120日あれば平均以上ということになります。
ちなみに有給休暇の取得日数の平均は9.4日で、合算すると125.4日、1年の3分の1以上が休日ということになります。
企業規模別の平均
上記の調査では、企業規模別の結果も出しています。
企業規模 | 年間休日数の平均 | 有給休暇の平均 |
---|---|---|
1000人以上 | 120.1 | 11.9 |
300~999人 | 117.2 | 9.5 |
100~299人 | 114.4 | 9.2 |
30~99人 | 109.6 | 8.7 |
大企業ほど休日・有休が多く、中小企業との差は年間休日数だけでも最大10日以上、有給休暇を合わせるとその差はさらに広がります。
また従業員数が300人以下の中小企業は、109~115日が年間休日数の平均にあたるといえます。
年間休日数の分布
年間休日数の分布についても確認しましょう。
- 130日以上 ・・・2.9%
- 120~129日・・・28.9%
- 110~119日 ・・・18.7%
- 100~109日・・・32.7%
- 90~99日・・・・7.4%
- 80~89日・・・・4.7%
- 70~79日 ・・・・3.1%
- 69日以下 ・・・・1.6%
最も多いのは100日~109日。8時間労働の最低ラインである105日もこちらに含まれています。
続いて多いのが120日から129日で、130日以上の割合と合わせると30%以上の会社が120日以上の休日数を設けていることがわかります。
年間休日数105日について
年間休日数105日という数字は、求人票でよく見かけます。
平均日数に比べるとかなり少ないのですが、これはどういった計算で出てくる数字なのでしょうか。その仕組みを紹介します。
年間休日数105日は最低ライン
では実際に、105日の計算方法について確認していきましょう。
予備知識として、週の労働時間が40時間以内、1日の労働時間が8時間以内(労働基準法第32条)であることを頭に入れておいてください。
1年間の総労働時間の上限
52週(1年間)×40時間(1週間の労働時間)=2080時間
※52.14週は、52週として計算
1年間の総労働日数
2080時間÷8時間(1日の労働時間)=260日
年間休日数
365日ー260日(総労働日数)=105日
よって、8時間勤務における年間休日数の最低ラインは105日となります。
宿泊業、飲食業などは100日を切ることがありますが、それはシフト制などにより1日の労働時間が8時間未満になるためです。
しかし105日は違法ではないとは言え、ワークライフバランスはかなり厳しいものになります。
年間休日数105日の生活
年間休日105日の内訳は、具体的に以下のようになります。
<内訳例①>
<内訳例②>
|
105日間でも生活できないわけではありませんが、カレンダー通りの休みは取れません。
他の人が休んでいる間に働かねばならないことも多いため、どちらかというと仕事中心の生活になってしまいます。
年間休日数120日について
次に年間休日数120日についてもチェックしていきましょう。
年間休日数120日の生活
120日以上という数字は、ホワイト企業かどうかの指標にもなっています。
<内訳例>
|
労働条件に恵まれている大企業や公務員などは120日を超えていることが多く、さらに夏季・年末年始がそれぞれ5日以上あれば、130日を超える会社も出てきます。
105日では難しい3連休もとれるので、120日もあればワークライフバランスを保ちやすいです。
100日未満でも違法とならない場合がある?
先ほど、1日8時間未満であれば休日数が105日未満でも問題ないとお伝えしました。
1日7時間勤務を例に、年間休日数の最低ラインを計算してみましょう。
1年間の総労働時間の上限
52週(1年間)×40時間(1週間の労働時間)=2080時間
1年間の総労働日数
2080時間÷7時間(1日の労働時間)=297.1日
年間休日数
365日ー297日(総労働日数)=68日
たった1時間の差でも、これだけ日数の変化が出てきます。
年間休日数68日は、105日という数字を見たあとでは非常に少なく感じますが、法的には問題がありません。
つまり100日未満であるからといって、必ずしも違法と限らないのです。
年間休日数の多い業界・少ない業界
厚生労働省の「平成 30 年 就労条件総合調査の概況」では、年間休日数の多い業界、少ない業界についても調査しています。
年間休日数の多い業界
年間休日数の多い業界1~5位は以下の通りです。
業界 | 年間休日数の平均 | |
1 | 電気・ガス・水道業 | 120.9 |
2 | 情報通信業 | 119.8 |
3 | 専門・技術サービス業 | 119.6 |
4 | 金融業・保険業 | 119.1 |
5 | 製造業 | 117.6 |
1位のインフラ業界の多くは大手企業が占めており、もともと休日・福利厚生ともに充実している傾向があります。
また表にある業界の中でも、特にBtoB企業はクライアントが休日のときに仕事が発生しないため、必然的に年間120日以上の休みが多くなるのです。
5位の製造業、すなわちメーカーの場合は、GW、お盆、年末年始を工場のメンテナンスで停止させることが多くため、大型連休ができやすい傾向にあります。
年間休日数の少ない業界
次に、年間休日数の少ない業界についてです。
業界 | 年間休日数の平均 | |
1 | 宿泊業・飲食サービス業 | 102.9 |
2 | 生活関連サービス業・娯楽業 | 105.6 |
3 | 運輸業・郵便業 | 106.6 |
4 | 鉱業・採石業・砂利採取業 | 109.9 |
5 | 卸売業・小売業 | 111.0 |
土日問わずに営業しているホテルや飲食店はシフト制がほとんどで、人手不足のところも多く休日が取りにくいです。
運輸業も24時間稼働していたり、世間が長期休暇のときこそ積極的に動かねばならなかったりと、休日の確保が難しい環境にあるといえます。
求人の年間休日数は信用できる?
年間休日数の計算方法や業界による違いがわかったところで、求人票の年間休日数の見方についても知っておきましょう。
記載事項を鵜吞みにしてしまうと、企業によって休日数の捉え方が違うこともあるため「思っていたより少なかった…」という事態も起こり得ます。
休日出勤があるかどうか
企業によっては、休日出勤が年間休日数に含まれていることがあります。
たとえば求人票に「休日出勤」の文言が無かったものの、フタを開けてみれば高確率で土曜出勤がある、といったケースです。
後から知ってトラブルになるのを避けるためにも、面接や口コミサイトで事前に確認しておくことをおすすめします。
有給込みであるかどうか
一般的に年間休日とは有給を含まない休日数のことですが、中には有給を社員が利用すること前提で、有給込みの年間休日を掲載している求人もあります。
それでも十分な休日数が確保されているケースがありますが、有給が実際にとれないのに年間休日に加算しているところもあるので、本当に有給が取れる環境か見極めなければなりません。
「有給の取りやすさ」の背景には、会社の人手が足りていること、繁忙期のタイミングが決まっていることが指標になるので、直接聞きにくい場合はこの2点を面接の際に確認しておくと良いでしょう。
転職前には年間休日数の確認を
年間休日数について、知ると知らないでは損得も変わってきます。
知識は最大の防御です。働きやすい環境に巡り合うには、曖昧に感じた部分を放置せず、しっかり確認しておくことが大切です。
また聞きにくいことも、転職エージェントを介すことでスムーズに聞きやすくもなるので、必要に応じてエージェントサービスも活用してみてください。
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