基本給17万円、この金額に対してあなたはどう考えるでしょうか。
年齢にもよりますが、ほとんどは少ないと感じることでしょう。
今回はそんな基本給17万円の会社で働く上での留意点やリアルな生活事情などについて解説していきます。
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給料の基本!基本給と手取りとは
基本給とは、会社から受け取る給料のベースとなる賃金の事であり、年齢や経験、技能などによって算定されます。
ここには、残業手当や通勤手当等の手当やオプションは含まれません。
基本給と月給が混ざりがちですが、月給とは基本給に毎月固定で支払われる手当などを足したものです。
基本給と同様に、金額が変動する残業手当や通勤手当は含まれず、月単位で金額が決められ支給されます。
毎月の手取りは、基本給に各種手当てを加え各種控除を差し引いたものを指します。
手取りは具体的に何が引かれている?
基本給、残業代、その他手当を足した給与額面から税金や保険料を引いた金額が手取りとなります。
手当やボーナス、残業代は会社次第で異なるものの、ここでは以下の前提で年収を計算してみましょう。
- 手当は基本給の1割(月1万7千円)
- ボーナスは年間3ヶ月分(年51万円)
- 残業代は月20時間分(月2万5千円)
基本給17万円とこれらを合算すると年収は約305万円、手取りは244万円となる計算です。
月単位でみると、基本給から社会保険料や税金が引かれた手取りは137,671円、手当てと残業代を足しても179,671円、残業が少ないと17万円以下になる可能性も出てきます。
基本給17万円の手取り内訳 | |
総支給額 | 170,000円 |
健康保険 | 8,415円 |
介護保険 | 0円 |
厚生年金 | 15,555円 |
雇用保険 | 510円 |
所得税 | 2,408円 |
住民税 | 5,441円 |
手取り額 | 137,671円 |
基本給17万円は実際のところ少ないの?
基本給17万円という金額は実際のところ少ないのでしょうか。
ここでは、学歴別の初任給を参考に比較していきます。
新卒初任給との比較
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると、学歴別の新卒初任給は以下の通りになっています。
- 大学院修士卒:23万8千円
- 大学卒:21万
- 高専・短大卒:18万3千円
- 高校卒:16万7千円
これらの中には残業代のほか住宅手当等の手当も含まれます。
ただ初任給には家族手当や勤続手当などは含まれないので、ほとんど基本給に近い金額でしょう。
よって基本給17万円というのは高専・短大卒より若干低いくらいの賃金であるということが見えてきます。
ただ、大卒や大学院修士卒と比べると4~7万円も低い賃金です。
平均月給との比較
続いては、平均月給について見ていきます。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男女・年齢別の月給は20~24歳の場合、男女ともに20万円を超えています。
基本給17万円の手取り内訳で算出した137,671円に手当てと残業代を足しても179,671円、20代前半と比較すると3~4万円は低いことがわかります。
そのため、基本給17万円という金額は20代前半の平均月給と比べてもかなり低い状態と言えるでしょう。
年齢 | 男性 | 女性 |
20~24歳 | 22.0万円 | 21.6万円 |
25~29歳 | 25.9万円 | 24.0万円 |
30~34歳 | 29.7万円 | 25.4万円 |
35~39歳 | 33.5万円 | 26.8万円 |
40~44歳 | 36.3万円 | 27.5万円 |
45~49歳 | 38.8万円 | 27.8万円 |
50~54歳 | 41.0万円 | 27.9万円 |
55~59歳 | 41.6万円 | 28.0万円 |
基本給17万円で働く場合の注意点
これから基本給17万円で働こうと考えている人は、いくつか注意しておきたい点があります。
生活につながる大切なことなのでしっかり目を通してください。
基本給が低いことのデメリットは知っておくべき
基本給が17万円と言っても、住宅手当や家族手当などの手当次第で給料は上がります。
手当が8万円ついたらそれだけで25万円、さらに残業が多く5万円程度となれば月給30万円にもなります。
ただ、月給が多くても、基本給が少ないことにデメリットがある点に注意しましょう。
例えば、ボーナスは基本給を基準とする場合が多い点です。
手当込みの金額の○ヶ月分ではなく、基本給の○ヶ月分となるので、基本給が少なければボーナスも少なくなります。
他にも、基本給を基準とするものには残業代や退職金などもあります。
また、ボーナスが多い場合も注意が必要です。
例えば、基本給17万円、月給20万円でも、ボーナスが年間100万円あるとしましょう。
20万円×12ヵ月+100万円で、年収は340万円になります。
ボーナスがない人で月給28万円の場合とほぼ同じ年収です。
ただ、ボーナスは業績によって変動するものなので、会社の業績が悪化すればあてにしていたボーナスが減額されたり、カットされたりすることもあるでしょう。
そのため、基本給が17万円と安くてもボーナスをあてにして今の会社にいる人は、会社の将来性も考えていかなければなりません。
給料以外の面は充実しているか
基本給17万円は、平均賃金と比べても低い賃金です。
それでもその会社で働きたいと思うなら、福利厚生が充実しているかをチェックしましょう。
給料も福利厚生も満足できない、おまけにサービス残業もあるならその会社はおすすめできません。
給料が安くてもせめて福利厚生が充実していれば、仕事に対するモチベーションも違ってくるでしょう。
また、職場環境が良い、休みを取りやすいなど働きやすいことも重要な要素です。
こうした給料以外のことに魅力を感じないなら、転職を視野に入れて離れる選択もありでしょう。
長期的に収入アップは望めるか
時給1,500円の派遣で1年間フルタイムで働いた場合、1日8時間で残業無し、年間休日120日だとすると年収300万円です。
残業があればもっと年収は増えると考えられます。
すなわち下手したら正社員でも平均的な派遣社員以下の収入となってしまうわけです。
ただ、正社員には昇給があり、長く働くほど昇給が期待できます。
もしも、昇給制度がない、制度があったとしても微々たる金額の場合、平均的な派遣社員の年収を下回る可能性もあるのです。
そのため、これから新しく仕事に就く場合は、将来的に収入アップするのかどうかという点も確認しておかなくてはなりません。
お金の余裕は心の余裕につながる
基本給17万円での生活は、金銭的な余裕がなく毎月ギリギリの状態になることも想像できます。
常にお金に余裕のない状態では精神的な余裕もなくなり、買い物も必要最低限にするなど生活そのものが厳しい状況となるでしょう。
反対にお金に余裕があるときは、欲しい物を買ったり貯金したりと気持ちも豊かになります。
基本給17万円で一人暮らしはだいぶ厳しい
仕事に就いてから自分自身が稼いだお金を使って、一人暮らしを始めてみたいと考える人も多いと思います。
しかし、基本給17万円での一人暮らしはかなり厳しく、生活費だけで手一杯になる可能性があります。
もし、東京で一人暮らしをするならば家賃の問題は大きいでしょう。
会社によっては基本給に手当が加算され、社宅を安く借りられることもありますが、一人暮らしは家賃の他にもさまざまな費用がかかります。
一人暮らしの出費をシミュレーションすると、次のような状況になります。
出費 | 金額 |
家賃 | 43,000円 |
水道光熱費 | 6,500円 |
食費 | 20,000円 |
通信費 | 6,000円 |
交通費 | 4,000円 |
医療費 | 2,000円 |
日用品 | 2,000円 |
交際費 | 15,000円 |
趣味・娯楽 | 6,000円 |
衣類品 | 6,500円 |
貯金 | 9,000円 |
合計 | 120,000円 |
基本給17万円の手取り内訳で算出した手取り額137,671円を参考にすると、家賃を抑えれば一人暮らしができないわけではありません。
ただし家賃4万3,000円は全国的に見てかなり安く、首都圏や大阪府・兵庫県・愛知県など主要都市では家賃が高いので、趣味や娯楽費・交際費を減らすといった切り詰めた生活となるでしょう。
貯金を優先する場合は食費も切り詰めるなどさらなる工夫が必要です。
このようなことからも、基本給17万円での一人暮らしの場合、ほぼ贅沢はできないことや、急な出費が発生したときに対応できないなど生活が苦しく感じるでしょう。
将来を考えて収入を増やす事も考えよう
上述した基本給17万円で一人暮らしにかかる費用は、必要最低限の生活費であって急な出費への準備は含まれていません。
病気や怪我で入院した場合などの費用も考えなければならないでしょう。
こうした状況から見ると基本給17万円での生活は貯金も難しいです。
学生時代から貯金していて多少のお金があるとしても、貯金が尽きる可能性を考えると焦りや不安も生じます。
お金の余裕は心の余裕と言うように、お金の不安から自身の心の不調につながることもあるのです。
安心して生活できる程度の収入がなければ、欲しいものや食べたいものにお金をかけられず、ストレスも溜まっていくでしょう。
このようなメンタル不調を避けて、今よりお金と心に余裕ある生活をしたいなら、まずは今の会社内で昇給や昇進を目指してください。
ただ、会社により昇給が年功序列だったり、昇進する人数を絞っているところもあり、そういった会社では収入を増やすことは難しいです。
その場合は基本給が今よりも高く、昇給や昇進が見込める会社に転職して収入を増やすことも検討してみましょう。
給料に不満があるなら転職を考えるべき
もし、今の給料に強い不満を感じているなら、満足いく給料がもらえる会社への転職をおすすめします。
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また、あなたが20代前半と若く「自分にはまだスキルがない」と思っていたとしても、給料に不満があるなら転職を検討するべきです。
20代の方の中には、「やりたいことをやる」「まだ見習いレベルだから」といって給料が低くても我慢する方がいますが、あなたのスキルを認めてくれる会社は他にたくさんあります。
給料に不満がある、今の会社にいても給料が上がる気配がないなら、無理にがんばらず転職を検討しましょう。
年収アップの可能性を上げるなら、転職エージェントがおすすめ
今の給料では生活に余裕が持てない、これ以上は切り詰められない場合、あなたの心とお金の余裕はほぼない状態です。
今より余裕ある生活をしたい、収入を増やしたいと思うなら、基本給が高い会社への転職を考えましょう。
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