働く上で非常に大切な休日ですが、その日数は会社によって様々となっており、多い会社だと130日以上、少ない会社では100日を切るような場合もあります。
ではその中間の年間休日110日というのは、平均なのでしょか。
本記事ではこの日数に焦点を当て、内訳や働き方、平均との差について紹介していきます。
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年間休日110日の仕事ってしんどい?
年間休日を105日としている会社は多く、それに比べれば110日は悪くはありません。
1年間は52週間あるので、平均すれば1週間に2日と他に6日間は休める計算になります。
しかし、この話を聞いて「それだけ休めるなら多いとは言えないけれど十分なのかも……」と思ってしまった方は、今まで休日が少なかったのではないでしょうか。
実際、年間休日110日の仕事に就くと「休みが少ない」と感じ、そのせいで仕事がしんどいと思う方がほとんどです。
株式会社ジャストイットが実施した仕事の悩みに関するアンケート調査では、実に100人中28人もの方が「 休みが少ない、または休みが取りにくい」という点を悩みとして挙げています。
また、「残業が多い」「業務量が多い」と回答している方も、広い意味で考えると休める時間が少なくて悩んでいると言えます。
こう考えると、仕事の悩みの多くは休みの少なさからきていると言えるわけです。
年間休日110日の仕事の実態
年間休日110日だとどういった働き方になるのか、内訳等を見て確認していきましょう。
休日の内訳、土日や祝日は休める?
休みの内訳は、土日を休日とする会社やシフト制をとっている会社によって異なります。
それぞれのパターンで見て行きましょう。
土日休みの会社の場合、祝日は原則出勤
土日が休みの完全週休二日制の会社の場合、それだけで年間休日数は104日になり、残りは6日間しかありません。
そして、その6日間で年末年始休みやお盆休みに充てられるといった形になります。
そのため、祝日は原則休みではなく出勤で、ゴールデンウィークもシルバーウィークも休みではありません。
みんなが祝日で休んでいる時も働くわけです。
祝日が休みであれば月に1回程度3連休があるのですが、それがないという計算になります。
一部の土曜日に出勤
会社によっては、土曜日の一部を出勤としている会社もあります。
基本的には、土日休みでも月1回土曜日出勤として、その分の年間休日数が92日となり、残りは年末年始やお盆休み、ゴールデンウイークに割り当てるといった形です。
また、土曜日は隔週での出勤(日曜日は完全に休日)とし、年末年始やお盆休み・ゴールデンウイーク以外に他の祝日も休みとしている会社もあります。
求人票だと、土日祝休み(土曜日が隔週で出勤)と書かれています。
祝日が休みなので3連休もたまに取れるものの、その代わり週6日出勤となり休みが1日だけです。
週6日勤務は正直かなり辛く、6日連続で働いて1日休んだらまた5日連続で働くという感じでリフレッシュできません。
隔週で週休2日制
土曜日の一部を出勤にする企業の他にも、隔週で週休2日にする企業というのもあります。
隔週週休2日制とは、1週間に6日勤務する週と1週間に5日勤務する週が交互に来るシステムのことを言います。
ここで落とし穴になりやすいのが、週休2日は連休とは限らず「水・日の休み」や「火・土の休み」などとなるケースです。
応募しようと考えている求人が隔週週休2日制だった場合は、休みのとり方がどうなっているのか必ず聞くようにしましょう。
シフト制なら4週8休の場合が多い
サービス業の場合はシフト制のところが多く、4週8日という休みの形態をとっている会社が多くあります。
4週8日なので1年間(52週)で104日、残り6日は年末年始や各自の長期連休用で使うことになります。
平均年間休日数よりも少ない
厚生労働省「令和3年就労条件総合調査 結果の概況」によれば、労働者1人あたりの年間休日数の平均は116.1日となっていて、このコラムのテーマである年間休日110日は平均以下です。
確かに、休日を110日程度にしている会社はたくさんあります。
しかし、120日以上の年間休日数がある会社も数多く存在する中で、年間休日110日は恵まれている休日数とは到底言えません。
年間休日110日の会社で働いてみて感じる厳しさ
実際に年間休日数110日という条件で働いてみると、そのきつさやしんどさがよく身に沁みます。
祝日は周りが休みなのに自分は仕事で、ゴールデンウイークといった長期休暇もとれるかどうか分かりません。
長期休みはお盆と年末年始に5日間ほどある程度で、それ以外に3連休をとるには有給休暇を取得するしかないのです。
そのため、有給がとりにくい会社だったら3連休は少ないどころかほぼありません。
たまにある3連休は、リフレッシュやストレス発散の為には非常に重要です。
もし祝日休みで土曜が隔週で出勤の場合も、それはそれでしんどいでしょう。
結局は我慢と不満の連続です。
休日の多い業種と少ない業種
世の中にはさまざまな仕事があり、中には休日がとても多い仕事と、その反対に少ない仕事というのがあります。
厚生労働省の「平成 30 年就労条件総合調査の概況」による「労働者1人平均年間休日総数」にて休日の多い業種と少ない業種がわかるようになっています。
仕事のモチベーションを維持するためには、休日の数というのが収入と同じくらいに重要になりますのでチェックしましょう。
休日の多い業種TOP3
1位:電気・ガス・熱供給・水道業の120.9日
インフラの要とも言える「電気・ガス・熱供給・水道業」は年間休日総数が約121日と非常に多いものとなっています。
電気・ガス・熱供給・水道業はそれらを供給するだけでなく、雨水や下水の処理施設の点検なども業務に入ります。
まず仕事が無くならない業種ですので、安定性と休みの多さのバランスがとても良い仕事と言えるでしょう。
2位:情報通信業の119.8日
名前だけではイメージがしにくいと思われる情報通信業には、電気通信業・有線放送業・提供サービス業・インターネット関連サービス業などがあります。
また、情報サービスはシステム管理などだけでなく、ゲームソフトやアプリといったソフトウェア開発も仕事に含まれます。
Googleなどのように競争率の激しい仕事が多く、やりがいを求めている社員ばかりがいる業界なので休みが少ないイメージを抱く方もいると思います。
しかし、情報通信業全体を見ると土日・祝日のほか、お盆休みや年末年始もしっかりと休みを取っているところが多く見られます。
3位:複合サービス事業の119.7日
年間休日総数が119.7日とあるのが複合サービス事業です。
しかし、複合サービス事業と聞いても「何の仕事かわからない」という方も多いでしょう。
複合サービス事業とは、信用事業・保険事業・共済事業などの各種サービスを提供する事業を指し、これにあたるのは郵便局や農林水産業協同組合のような協同組合になります。
まず、リストラの可能性が低い職業とされており、年間の休日数も多いため、雇用の安定性と休みの多さを重視する方に適した仕事です。
休日の少ない業種TOP3
1位:飲食業・宿泊業の102.9日
休みが少ない、取れない職業として名前が挙げられやすい飲食業・宿泊業は、街のどこにでもあります。
接客業として学生のアルバイト先にも選ばれやすいものの、実態としては休みが取りにくくきつい仕事になりがちです。
学生でアルバイトをしてみたい方や副業をしたい方、転職したい方も休みが最も少ない業種だと理解した上で、求人に応募するようにしましょう。
2位:生活関連サービス業・娯楽業の105.6日
生活関連サービス業・娯楽業とは、エステ・クリーニング・美容師・映画館・劇場(興行場)といった人々の生活と娯楽として非常に身近な業種です。
希望者が多く、華やかなイメージを持たれやすい業種である一方、休日の数はワースト2位となっています。
もちろん、実際にやってみると非常に楽しいものですし良い思い出にもなるでしょう。
しかし、休みが少ない事実は忘れないようにしましょう。
3位:運輸業・郵便業の106.6日
2020年、コロナの流行によって世界的な自粛が始まった際、最も忙しく動いていた業種の1つが運輸業・郵便業と言えます。
そのほかにも震災の被災地に物資を届けるという重要な役目も行ってくれているため、届けたい人のために代わって働いてくれています。
そのため、荷物が多くなるほど休みが減る業種となっています。
Amazonを初めとした通販社会において縁の下の力持ちとして欠かせない仕事で、利用者が多いほど休みは少なくなります。
完全な体力仕事でもあるので、体力に自信のない方は避けた方が良い業種かもしれません。
知っておきたい年間休日110日と法律の関係
ここで一つ、年間休日110日と法律の関係について紹介しています。
年間休日数110日は労働基準法に違反していない
まず、労働基準法では休日について以下のように定められています。
労働基準法第35条によると以下の通りです。
労働基準法第35条
- 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
- 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
法律では、最低でも週1日の休日としています。
週休二日制だとしても年間休日数は「年間52週×週休2日=104日」となるため、年間休日数110日に違法性はありません。
次に労働時間についての法律は労働基準法第32条をチェックしましょう。
労働基準法32条
- 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
- 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
1日8時間、1週間40時間が上限で、これ以上となる場合は残業時間となり割り増し賃金を支払う必要があります。
ここで疑問なのが1日8時間勤務で週6勤務の48時間だとどうなるのかという点です。
もし7時間半だとしても、週の所定労働時間は45時間になります。
ただ、この場合でも即座に法律違反とはなりません。
労働時間は変形労働時間制の採用が必要
このような勤務体系をとっている会社でも、「1年単位の変形労働時間制」を採用すれば法律上の問題ありません。
たとえば1週間単位で40時間を超えていたとしても、変形労働時間制を採用していれば1年トータルで見た時に平均40時間を下回れば問題ないとされます。
すなわち、1日8時間勤務であれば平均で週2日の休み、1年間は52週ですから合計104日の休みがあれば良しとなるわけです。
ちなみに1日7時間半とすると87日となります。
よく求人票で年間休日数105日や87日という条件を見かけるのは、こういった理由からです。
1日の上限時間は8時間なので、年間休日数110日の場合はこの最低日数をきらず、法律上は問題のない働き方です。
ただ、最低限の日数から毛がはえた程度の日数であることには変わりありません。
ホワイト企業は最低でも年間休日120日以上
基本的に休日のみで考えた時、ホワイト企業の基準は120日です。
なぜなら、土日に加え祝日まで休みとなれば120日くらいになるからです。
基本的に週二日休み、たまに祝日のおかげで週3日休みの週があり、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始と長い連休が年に3回あるという休み方ができます。
この程度あれば、割と気持ちに余裕を持ってプライベートも充実させながら働けるでしょう。
ちなみに厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査 結果の概況」によると、年間休日数が120日以上ある企業の割合は33.3%なので、3~4社に1社はこれだけの休日が確保されています。
加えて有給を取ると考えると、年間で130日前後の休みも珍しくないでしょう。
もし、あなたがこれから転職活動を進めるなら、年間休日120~130日を一つの基準として考えてみてください。
休みが少ないと不満を感じているなら転職も検討しよう
休みが少ないのは労働者にとってかなり不満を感じることです。
たとえば給料なら出世してアップしていくかもしれないし、人間関係であれば異動等で改善されていくかもしれません。
しかし、休日ばかりは会社が決めており基本的には変わらないものなので、休みが少ないという不満はいつまでたっても解消されないのが現実です。
だからこそ、もしあなたが今の仕事に対して「休みが少ない」と不満を持っているなら、ぜひ転職することを考えてください。
現在は好景気に加え、少子化による労働人口の減少といった状況から人手不足が顕著となっており、転職のしやすさを示す有効求人倍率がかつてないほど高くなっています。
ようするに、とにかく転職しやすい状況になっているのです。
もちろん、転職は中々勇気がいる決断でしょう。
上手くいくか不安に感じている方は、転職エージェントを活用してみてください。
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