退職月の給料はいつ貰える?支給額は少ない場合も多いので要注意

退職月の給料は、基本的にはこれまでと同じ日に振り込まれますが、場合によっては異なる場合もあります。

また、その給料も前月に比べると様々なものが引かれ、想像以上に少ない場合があるので注意しなくてはなりません。

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退職月の給料はいつ支給される?

退職月の給料はいつ支給される?

退職月の給料の支給日は、基本的にこれまでと同じ給料日に支払われるのが一般的です。

ただ場合によっては、もっと早く貰えるケースや退職時点で既に受け取っているケースもあります。

翌月払いの場合は翌月の同じ給料日に支払われる

給料の支払い日について末締め翌月25日払い、末締め翌月15日払いのような「翌月払い」を採用している企業が大半です。

そして退職者に対しても、基本的にはその企業が決めている支払日に給料が振り込まれます。

たとえば末締め翌月25日払いだとしましょう。

この場合、3月31日が退職日だとすると3月分の給料は4月25日に振り込まれます。

また、もし3月15日が退職日だとしても給料の支払日は4月25日です。

この場合、日割りで15日までの給料が振り込まれる為、それまでの給料よりも支給額は少なくなります。

当月払いの場合は退職時に既に支払われていることも

企業によっては末締め当月25日払いのように、実際に働いた分だけではなく、この先働くであろう日も見込んで給料を支払う「当月払い」を採用している企業があります。

このケースでは、退職時点で既に給料が支払われている場合もあるので注意しなくてはなりません。

退職時点で既に支払われているケース

では、末締め当月25日払いのケースを具体的に考えてみましょう。

たとえば3月31日で退職した場合、3月分の給料は3月25日に支払われています。

26日から31日の分についても繰り延べて支払われています。

よって退職後に支払われるケースはありません。

ただし、退職月に残業がや休日出勤があった場合は、その残業分のみ翌月の25日に支払われます。

退職後に支払われるケース

同様に末締め当月25日払いのケースで考えてみます。

たとえば、退職日が3月15日のように支払日よりも前にある場合は、退職後その月の25日に支払われます。

給料の額は、実際に働いた日数を日割りで計算した額です。

ただ、その月の残業代は翌月になる場合が多いです。

すなわち、3月15日で退職した場合は3月25日に3月分の基本給と2月分の残業代が支払われ、4月25日に3月分の残業代が支払われます。

退職後に2回給料の支払い日があるわけです。

請求すれば退職から7日以内

一般的には、退職してもそれまでと同じ日に給料が振り込まれます。

しかし、特別請求をした場合はその請求日から7日以内に支払われなければいけないと法律で定められています。

労働基準法第23条1項

使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。

当月翌月25日払いで3月15日に退職した場合、何もしなければ最後の給料日は4月25日と1ヶ月以上先になり、3月16日に請求すれば3月22日までに支払われるため1ヶ月以上短縮できます。

なお請求方法は会社によって異なります。

フォーマットが決められている場合はそれに従って記載し提出、もしない場合には自分で書面を作り提出するようにして下さい。

退職後の給料は少ない場合も多いので要注意

退職後の給料は少ない場合も多いので要注意

退職後の給料は、それ以前に貰っていた給料の額に比べると、かなり少なくなるケースもあるので注意しなくてはなりません。

いざ退職してその給料をあてにしていたら、想像以上に少なくて困るといった失敗がないよう、自分がいくら貰えるのかしっかり把握しておきましょう。

当月払いの場合は残業代しか貰えない

先ほども述べた通り、給料の支払い方法が当月払いの場合、退職時点ですでに支払われている場合が多いです。

たとえば末締め25日の場合、退職日が3月31日だとするとすでに給料が支払われており、退職後に貰えるのは残業代程度となります。

また、もし3月26日に退職していると実際は働いていない27~31日までの給料も既に支払われています。

そのため、翌月の残業代から引かれたり、足りなければ返却を求められたりする場合があるので注意が必要です。

当月払いか翌月払いかによって、退職後の給料の額は大きく異なります。

ただ、決して損しているわけではありません。

その会社に入社した時、当月払いであれば翌月払いの人よりも早く給料を手にできます。

たとえば4月1日に入社すると、末締め当月25日払いの人は4月25日に初めて給料が振り込まれるのに対し、末締め翌月25日払いの人は初めて給料が振り込まれるのは5月25日です。

社会保険料が2ヶ月分とられるケースがある

社会保険料に関しては以下のルールがあります。

  • 原則その月の分を翌月の給料から徴収される
  • 社会保険の資格喪失日は退職日の翌日
  • 社会保険料は資格喪失日の前月分まで納める必要がある
  • 社会保険料は月の途中で退職しても日割り計算はされない
  • 退職の場合は前月分と当月分の保険料が徴収される

ではこれを踏まえて、退職時の社会保険料を考えてみましょう。

当月払いで月末退職の場合は社会保険料が2倍

たとえば末締め25日払いで3月31日に退職するとします。

この場合、資格喪失日は退職日の翌日の4月1日です。

社会保険料は資格喪失日の前月分まで支払うため、このケースだと3月分も支払う義務が発生します。

そして、3月分は本来であれば4月の給料から差し引かれますが、当月払いで4月は給料が発生しないため3月の給料から差し引かれます。

よって、3月25日に支払われる給料からは2月分と3月分の社会保険料が引かれ、普段よりも手取りは少なくなるのです。

たとえば、月給30万円の人は普段は社会保険料が4万3千円程度、源泉徴収税が7千円程度引かれるので手取りは25万円程度です。

しかし、最終月は社会保険料が2倍になるため、手取りが20万円ちょっとしかなくなってしまいます。

当月払いで月末以外の退職であれば社会保険料は2倍にならない

資格喪失日は退職日の翌日なので、たとえば3月30日、月末の1日前に退職すれば資格喪失日は3月31日となり月をまたぎません。

そのため、支払うべき社会保険料は2月分までとなり、3月分の給料からはこれまでと同じ1ヶ月分の社会保険料しか引かれません。

たとえば月給30万円とすると、働いていない1日分の給料が引かれる代わりに社会保険料が2倍にならないので、手取りは23万から24万円程度と月末に退職するより多くなります。

ただし、その代わりに国民年金と国民健康保険の保険料を支払う義務が発生します(社会保険料の喪失した月からなのでこのケースでは3月分)。

翌月払いの場合も2倍になることはない

翌月払いの場合、月末退職でも社会保険料は2倍になりません。

たとえば、末締め翌月25日払いのケースで考えてみます。

3月31日に退職する場合、資格喪失日は4月1日となり前月分の3月まで社会保険料を納める必要があります。

そして、この分が4月25日に支払われます。

2月分の社会保険料は3月25日ですでに引かれていますから、4月25日に引かれる社会保険料の額は1ヶ月分です。

では月末以外、たとえば3月30日に退職した場合はどうなるでしょう。

資格喪失日は3月31日となり支払うべき社会保険料は2月分までです。

そして2月分の社会保険料は3月25日にすでに引かれています。

よって4月25日に支払われる3月分の給料は社会保険料が引かれず、手取りは普段よりも多くなるわけです。

住民税がまとめて引かれるケースがある

住民税は、前年分の収入を6月から翌年5月まで支払う必要があります。

すなわち退職したとしても、支払わなくてはいけない住民税が残っており、退職後も支払い続けなくてはなりません。

そして残った住民税の支払い方法は、退職時期におって異なります。

1~5月の間に退職する場合は基本的に天引き

退職日が1月1日から5月31日の場合、残っている住民税は基本的に退職月の給料や退職金から天引きされ会社が支払います。

たとえば1月末に退職すると、その1月に支払うべき住民税に加えて2~5月の4か月分、合わせて5ヶ月分も最後の給料から引かれるわけです。

前年の給料によっては軽く10万円以上になり、退職月の給料が極端に少ないケースもあり得ます。

ただ退職する際に「普通徴収」という自分で支払う形にする手続きを行えば、給料からの天引きではなく後日送られてくる納付書で自分で支払う形をとることも可能です。

結局支払う住民税の額が変わるわけではないものの、その月で天引きされるのがきついのであれば、その手続きを行いましょう。

6~12月の間に退職する場合は天引きなし

6月から12月の間に退職する場合は給料から天引きされるのではなく、「普通徴収」として後日送られてくる納付書で自分で支払います。

ですので住民税によって手取りが変わる心配はありません。

前払いした手当を引かれる場合がある

退職月の給料からは前払いした手当が引かれる場合もあります。

よくあるのが通勤手当。会社によって、まとめて3ヶ月分、6ヶ月分など前払いで支給している会社も多いです。

たとえば、6ヶ月をまとめて支給されたが5ヶ月分を残して退職したなら、その5ヶ月分は返納する必要があり退職時の給料から差し引かれます。

ボーナスは退職後に貰うことができる?

ボーナスは退職後に貰うことができる?

続いては、退職後にボーナスを貰えるのか解説します。

退職後にボーナスが貰えるかどうかは会社によって異なる

まず最初にボーナスを貰えるかどうかは、会社の就業規則の賃金規定によって支給額や支給対象決められており、退職後にボーナスが貰えるかどうかは会社によって異なります。

その中でも多くの会社は「支払日在籍要件」、いわゆるボーナスを支給日時点に在籍している社員にしか支払わなくてもよいという取り決めをしています。

「支払日在籍要件」を就業規定に定めておけば、ボーナスの支払い額を決める算定提唱期間に働いていたとしても、ボーナスを支払う前に退職した社員に対し支払う必要が無くなります。

もしも会社側が「支払日在籍要件」を就業規定に設定していない場合は、退職後にもボーナスが貰えるかもしれません。

しかし、そういった会社は少ないと思われます。

退職手続きをする前に確認しよう

「退職日が少し早かったからボーナスを貰えなかった」という事態を避けるために、退職前に就業規則を再度確認してください。

特に退職の希望日を伝える前に確認するのがポイントです。

そして、就業規則に「賞与は支給日に在籍している従業員に支給する」とあるなら、退職日は支給日よりも後にしたほうが安心でしょう。

反対に「賞与は支給日の前月末に在籍していた従業員に支給」とあるなら、ボーナス支給月の前月末に退職してもボーナスは受け取れます。

このように、ボーナスが退職後にも貰えるかどうかは就業規則を確認しておくのがベストです。

最後の給与明細の項目を確認するべき

最後の給与明細の項目を確認するべき

会社を退職した時、最後に出される給与明細を特にしっかり確認する必要があります。

最後の給与明細にあまり目を通さずないがしろにしてしまうと、後々に会社とのトラブルの原因になりかねません。

ここでしっかり確認してほしい項目は社会保険料についてです。

健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料が含まれる社会保険料の支払いに不備があった場合、今後の自分自身の生活に影響を及ぼす可能性があります。

いつもの給与明細と同様かそれ以上に、最後の給与明細には気を付けるようにしてください。

当月払いか翌月払いか、締め日がいつかを知るためには?

当月払いか翌月払いか、締め日がいつかを知るためには?

ここまで紹介したように、退職時の給料は何かと引かれる可能性があるものも多く、少なくなる場合が少なくありません。

その中でも最も影響が高いのは「当月払い」なのか「翌月払い」なのかという点です。

てっきり翌月払いだと思っていたが実は当月払いで、期待していた退職後の給料1ヶ月分が入らないとなるとかなり厳しいでしょう。

ですから、自分が勤めている会社が当月払いなのか、それとも翌月払いなのかはしっかりと把握しておかなくてはなりません。

確実なのは就業規則や入社時に貰った労働条件通知書等で確認することです。

支払いタイミングだけでなく、締め日も把握できます。

そして、退職する際は今の会社だけでなく、次の会社にも気を配る必要があります。

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