昇給とは?種類や平均額、昇給時期、大企業や中小企業の格差について

長く勤めている人ほど給料が高くなる傾向が強い、日本企業。いわゆる年功序列というものです。

ただだからと言って毎年必ず昇給するわけではありません。中には10年以上働いてるのに昇給は1万円もしていないという人もいるのが現実です。

では一般的には1年間でいくらくらい昇給するものなのでしょうか。

今回は昇給の種類や平均額、時期などについてまとめました。

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昇給とは?種類や法律に関する決まり。

昇給とは、勤続年数や昇格・出世により給料が上がること。

そしてその昇給にも色々な種類があります。

昇給の種類

定期昇給

定期昇給は、社員の年齢や勤続年数に応じて毎年基本給を上げる制度のことを言います。

ただ昇給額は全社員一律ではありません。それぞれの会社で決められている給与体系にもよりますが、勤続年数等や評価に応じて変わる場合がほとんどです。

たとえば2年目から3年目になった人の昇給額は5,000円、6年目から7年目になった人の昇給額は6千円、15年目から16年目になった人の昇給額は1万円といった具合に年齢が勤続年数によってまず昇給額に差がつきます。

また定期昇給の昇給額は必ずアップする基準分と、それぞれの人で変動する評価分に分けられており、これによっても昇給額に差がでてきます。

たとえば平均昇給額が5,000円で基準分が4,000円、評価分が1,000円だとすると、同期でも昇給額は4,000円から6,000円まで差がつくということです。

 

この定期昇給制度により、基本的には年齢が高ければ高い人ほど、勤続年数が長ければ長い人ほど、給料は高くなっていきます。

いわゆる年功序列の代名詞とも言える制度の一つでしょう。

ただこの制度の場合、能力が低くてもただ年齢が高いというだけで高い給料を貰っている人がいる一方で、能力が高いのに年齢が若いだけで給料が低い人もでてきてしまいます。

当然後者は不満を抱きますよね。人によっては転職する人だっているでしょう。

すなわち、会社にとっては優秀な人材の流出につながってしまうという大きなデメリットがあるわけです。

その為、近年は定期昇給のうち評価による変動分を大きくするなどして、能力や成果によって給料に差をつける成果主義制度にシフトして行く会社が増えてきました。

ただ全くなくなったというわけではなく、厚生労働省の賃金引上げ等の実態に関する調査の概況によれば、約85.1%の会社で定期昇給制度があるとされています。

ベースアップ

ベースアップとは、従業員全体の給料を一定金額もしくは一定率底上げすることです。

たとえばその会社の給与体系が、25歳で25万円、30歳で30万円だったとしましょう。

ここにベースアップ3,000円があったとすると、給料が底上げされ、25歳で25万3千円、30歳で30万3千円となります。

そしてもし定期昇給もあれば、1年たつと「定期昇給+ベースアップ」分の昇給となります。

 25歳26歳
定期昇給のみ250,000円255,000円
ベースアップのみ253,000円253,000円
定期昇給+
ベースアップ
253,000円258,000円

ベースアップの金額については、一定額もしくは給料に対する割合で決められる場合が多いです。

その為、金額が一定なら全社員のベースアップによる昇給額は同じですが、割合の場合だと昇給額は異なってきます。

たとえばベースアップが1%だと、基本給が20万円の人のベースアップ分は2,000円ですが、基本給が30万円の人のベースアップ分は3,000円です。

ただこのベースアップの実施について企業は慎重な態度をとります。

定期昇給の場合、社員全体の給料が上がるものの給料の高い人が定年退職を迎えいなくなって、給料の低い新入社員が入ってくるので、年齢比率によって多少変化するもののおおよその人件費は変わりません。

しかしベースアップの場合、全員が底上げされ減る部分がないのでそのまま人件費が上がってしまうことになります。

たとえば従業員が100人いる会社だと、ベースアップを3,000円しただけで人件費は1ヶ月あたり30万円の増、年間では360万円の増、基本給が上がることによるボーナス増加分も踏まえると400万円近い人件費の増加になるのです。

また基本給は一度上げてしまうと、そう簡単に下げることはできません。その為、売り上げが落ちても変わらず同じだけの給料を支給しなければいけなくなるというのも企業として中々実施しない理由の一つです。

昇格や出世による不定期昇給

金額は違えど毎年上がる定期昇給と、会社が実施を決めた場合に行われるベースアップ以外に、昇格や出世によって給料が上がる不定期昇給もあります。

毎年ではなく実際に昇格したタイミングのみ、全員ではなく選ばれた人のみ(上にいくにつれて少なくなっていく)というのが特徴です。

会社によっても異なりますが、定期昇給に比べると昇格や出世による昇給分は高い傾向があり、役職につけるかどうかによって同じ年齢でも給料は大きく異なってきます。

昇給に関する法律。昇給は義務ではない

昇給の実施は法律で定められているものではなく、極端な例ですが何十年働いても昇給なしでも問題はありません。

昇給有無、そして金額の決定はあくまでそれぞれの会社に委ねられています。

ただし昇給に関しては就業規則、労働契約で規定することが義務付けられています。

労働基準法第89条

常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

2項、賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

労働基準法第15条1項

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

厚生労働省令23号

使用者が法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働
条件は、次に掲げるものとする。

3、賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算
及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

昇給を実施した企業の割合

厚生労働省の賃金引上げ等の実態に関する調査の概況によれば、従業員が100人以上の会社のうち、2018年に賃金の改定を実施した割合は90.0%。

ただこのうちの一部は昇給ではなく賃金引き下げという賃金改定であった為、昇給が行われた会社は89.7%という結果になっています。

10社中9社とほとんどの会社で昇給があるのです。

ただこのデータはあくまで従業員が100人未満の会社が除かれているもの。もし100人未満の中小企業、零細企業まで含めたら割合はもう少し落ちることが予想されます。

昇給の平均額はいくら?大企業と中小企業はどれだけ違う?

昇給が平均でいくらだったかというデータについて、2つ紹介します。

まず厚生労働省の「賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」による昇給の平均額。

まず全体では、以下の通りになっています。

 昇給平均額昇給率
2018年5,675円2.0%
2017年5,627円2.0%

また2018年について企業規模(従業員数)に分けてみると以下の通りになります。

 昇給平均額昇給率
5,000人以上7,109円2.2%
1,000~4,999人5,645円1.9%
300~999人5,247円1.9%
100~299人5,039円1.9%

企業規模が大きくなるほど、大企業であればあるほど、昇給額が大きくなっていることがわかります。

従業員数99人未満の中小企業のデータは含まれていませんが、さらに低くなることが容易に予測できます。

次に紹介するのが日本労働組合総連合会(連合)によるデータ

 昇給平均額昇給率
2018年5,934円2.07%
2017年5,712円1.98%

厚生労働省のデータとは対象企業が異なる為、若干数字にずれがありますが、大きく変わりありません。

また企業規模別に見ると以下の通りになります。

 昇給平均額昇給率
1,000人以上6,287円2.09%
300~999人5,493円2.03%
100~299人5,083円2.03%
~99人4,219円1.86%

こちらの結果でも大企業になるほど昇給額は大きく、1,000人以上の企業と100人未満の企業では2,000円もの差がでています。

昇給時期はいつ?

昇給時期がいつなのかというのは会社によってばらばらですが、最も多いのは4月、次いで1月です。

事業年度の切り替わりのタイミング、もしくは年が変わるタイミングで行うことが一般的です。

ただもちろん他の時期に行う会社もあります。たとえば決算が3月ではない場合、たとえば8月の会社だと新しい期の始まりである9月に行う会社もあります。

また中には4月と10月の2回昇給がある会社もありますし、定期昇給は1月でベースアップは4月というように内容によって分けている場合もあります。会社によってばらばらです。

もし自分が勤めている会社の昇給時期が知りたいなら就業規則を確認するか、入社時の雇用契約書を確認することで知ることができます。

昇給率1%から3%、3,000円から7,000円までの給料増加予想

ではここで一つ、もし一定の昇給率もしくはで給料が上がって行ったらどうなるかについて計算をしてみましょう。

 1%2%3%
22歳200,000円200,000円200,000円
30歳216,571円234,332円253,354円
40歳239,229円285,649円340,487円
50歳264,258円348,205円457,586円
60歳291,905円424,460円614,957円

もし昇給率が1%しか上がらないと、定年まで働いても給料は30万円未満。10万円も上がりません。

またもし2%ずつ上がっても、給料は倍程度までにとどまり、ボーナスと合わせても年収は600万円程度。

順調に上がったとしてもこの程度にとどまってしまうのです。

では昇給額が一定の場合はどうなるでしょう。

 3,000円5,000円7,000円
22歳200,000円200,000円200,000円
30歳224,000円240,000円256,000円
40歳254,000円290,000円326,000円
50歳284,000円340,000円396,000円
60歳314,000円390,000円466,000円

もし毎年5,000円昇給したとしても定年時の給料は40 万円未満。ボーナスを考慮しても年収500万円から600万円程度にしかなりません。

やはり昇給による大きなアップや役員手当等の何かがないと、中々給料は上がっていかないのです。

会社によって昇給額に大きな違いが出る理由

初任給が同じであっても、数年もたてば会社によって給料はかなり違います。そして10年、20年とたてば、その差はさらに広がっていきます。

定期昇給の額の違い、昇格による昇給のしやすさや額の違い、手当の違いなど、昇給のしやすさは会社によって全然違うのです。

では会社の昇給額の違いはどういった点から生まれてくるのでしょうか。

利益の大きさや安定性、一人当たりの利益の大きさ

会社として利益が上がっていなければ、人件費が上がる昇給は当然行うことはできません。

また給料は一度上げてしまうと下げれないという特徴がある以上、一時的利益が上がったとしても安定性がなければ大きな昇給をすることができません。

また全体としては利益が大きくても、ただ人数が多いだけで一人あたりの利益に直してみると少ないような場合も昇給はあまりできません。人数が多い分、売り上げが落ちた時の赤字幅も大きくなる為です。

昇給額はその会社の長い目で見た時の経営状態にかなり左右されるのです。

経営者自身の考え方

中小企業の場合は特に、経営者が一人で昇給を含めた決定を行っています。

もしその経営者が人材は宝だと考え、働きに対して目に見える形で評価しようと考えているなら昇給はしやすいでしょう。

しかしもし経営者が人材は単なる労働力で、自分さえ潤えば良いと考えているなら昇給はそれほど期待できません。

昇給は経営者の考え方に大きく依存するのです。

労働組合の有無やその影響力

しっかりと会社に対して強い影響力を持った労働組合があれば、昇給についても会社と対等な立場で交渉することができます。

何もしなければ経営者の一存で給料は上げないと決めつけられてしまうところに、団体で交渉することができるわけです。当然昇給もしやすくなります。

転職時は将来の年収も出来る限り確認しよう

たとえば30歳で転職したとしましょう。

給料が30万円で昇給率が1.5%だとすると、定年時には約47万円になっていることになります。単純にこの給料だけで転職後の生涯年収を計算すると1.4億円になります。

一方で給料が25万円で昇給率が3%の場合だとどうなるでしょう。定年時には約61万円になり、同様に生涯年収を計算すると1.5億円です。

もちろん昇給はこんな単純に一定の伸びはしません。経営が安定したまま続くか、役職につけるかなども大きく関わってきます。

ただどれほど昇給するかというのは最初の給料よりも非常に重要なことであるというのはわかりますよね。

だからこそ転職時には、昇給に関して転職エージェントを介してどの程度なのかを聞くなどして、できる限り情報を集めなくてはなりません。