常用型派遣のメリット、デメリット。派遣会社の正社員で無期雇用だけど辞めたい人は多い。

派遣社員と聞くと多くの人は契約期間が決まっている「登録型派遣」を思い浮かべますが、実はそれだけではありません。

派遣の中でも派遣会社と期間に定めのない雇用契約、いわゆる無期雇用で働くという形があり、その派遣形態は「常用型派遣」と言われます。

今回紹介するのはその常用型派遣のメリット、デメリットや実際に働いている人の現実。

これから常用型派遣として働くことを検討している人は参考にしてみてください。

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※1 2020年9月

常用型派遣とは

派派遣と一言で言っても様々。

期間に定めのある「登録型派遣」が一般的ですが、派遣先の企業に直接雇用されることを前提とした「紹介型派遣」や今回紹介する「常用型派遣」というものもあります。

常用型派遣の概要

常用型派遣は雇用契約を派遣会社と結び、派遣先で働きます。この点では登録型派遣と変わりません。

違うのは有期雇用か無期雇用か。

登録型派遣が派遣先の企業で働いている期間のみ雇用契約を結ぶ有期雇用であるのに対し、常用型派遣は無期雇用の契約を結び派遣会社の社員として派遣先の企業で働きます。

常用型派遣の場合、ある一つの派遣先での仕事が終了したとしても雇用契約は継続されますから、すぐまた違う派遣先で働くか、派遣先が見つかるまで派遣会社の中で仕事を行っていくことになります。

常用型派遣の種類

常用型派遣の中にも、若干異なった形があるので注意しましょう。

正社員型派遣

まず一つ目が正社員型派遣。

名前の通り、派遣会社に正社員として採用され様々な会社に派遣されるという形になります。

無期雇用派遣

無期雇用派遣はあくまで雇用期間が無期であるだけで、派遣会社の正社員ではないという点に注意しなくてはなりません。

期間に定めがないという点は変わりませんが、給料面などの待遇が正社員に比べて低い場合が多くなります。

常用型派遣のメリット

この常用型派遣にはどういったメリットがあるでしょうか。

登録型派遣に比べて雇用が安定する

最も大きいメリットは無期雇用となり雇用が安定するという点。

一つの派遣会社での就業が終わっても仕事がなくなるわけではなくまた次の派遣先での仕事をすることになり、仕事がなくなるかもしれないという不安は登録型派遣に比べればかなり少なくなります。

同じ会社、同じ組織で3年以上働くことができる

期間に定めがある登録型派遣の場合、同じ会社の同じ組織では最大でも3年しか働くことができません。

ただ常用型派遣として無期雇用で派遣されている人の場合は3年を超えて働くことが可能。

元々3年という縛りは雇用の安定を図る為の措置である為、すでに無期雇用されている人には関係ないのです。

なお登録型派遣の人が3年を超えて同じ会社の同じ組織(例えば課が同じなど)働くことになった場合、派遣会社には以下の努力義務が発生します(参考:厚生労働省「労働者派遣法の改正」)。

  1. 派遣先への直接雇用の依頼(派遣先が同意すれば、派遣先の社員となります)
  2. 新たな派遣先の提供
  3. 派遣元での派遣労働者以外としての無期雇用
  4. その他雇用の安定を図るための措置(紹介予定派遣の対象となること等)

※1がダメだった場合は2~4のいずれがを実施する必要がある。

登録型派遣であっても無期雇用へと転換すれば3年を超えて働くことも可能になるということです。

月給制、ボーナスや昇給

派遣会社に正社員として採用されている場合、時給制ではなく月給制となり、かつボーナスや昇給もあるというメリットがあります。

休みが多い月だと給料が少なくなるといった不安もなくなります。

ただ正社員型ではなく無期雇用派遣の場合は、必ずしも月給制とはなりません。時給制のままでボーナスもなしという可能性も十分にあります。

空白期間にも給料が支払われる

登録型派遣は一つの派遣先での就業が終了するとそれで雇用契約は終了。次の派遣先で働きだすまでの期間に給料は支払われません。

ただ常用型派遣の場合は一つの派遣先での就業が終わっても雇用契約は継続されているので給料は支払われ続けます。

基本的には間なくすぐに次の派遣先に行くことになるか、次の仕事までは派遣会社の中で仕事をする場合が多いです。

大手企業へ派遣される可能性が増える

常用型派遣の中でも特に正社員型派遣だと、大手企業へと派遣される可能性が増えます。

かなり難しいことではあるものの直接雇用される可能性も増えますし、何より大手は中小企業に比べると労働環境が優れているというメリットがあります。

有給が使いやすかったり、パワハラ等がないように気を使っていたり、派遣に無茶な頼みをしなかったり、やはり働きやすい環境であることは多いです。

常用型派遣のデメリット

続いて常用型派遣のデメリットです。

同じ会社でずっと働けない

常用型派遣の場合は3年を超えて働くことも可能ですが、だからといっていつまでも同じ会社で働き続けることができるわけではありません。

その会社がもう派遣はいらないと言ってしまえばそれまで。結局は色々な会社、色々な職場を転々とすることになります。

何度も何度も知らない会社でゼロからスタートするというのは、やっぱり大変なことです。

登録型派遣に比べて融通は利かない

常用型派遣として働く場合は基本的にフルタイム。そして好きなように仕事を選べず、会社の指示に従うことになります。転勤することになる場合もあるでしょう。

派遣には融通が利く、やりたい仕事ができる、勤務地を選べるといったメリットがありますが、それはあくまで登録型派遣のこと。

常用型派遣で働く場合、そのメリットはないと考えましょう。

実際、私の知人は一つ目の派遣先が東京、2つ目が九州、そして現在は愛知で働いています。

あくまで派遣であることには変わらない

派遣先で働いている人達にとっては結局派遣社員であることには変わりません。

同じ立場では見てくれないし、いつまでたってもお客様扱いなんてことも。雑用ばかりでスキルアップなんてできないということも少なくありません。

当然、自分より後から入ってきた人に指示されるようになるということも多々あります。

派遣先の正社員に比べると給料は低い

常用型派遣の給料は決して良いとは言えません。基本的に派遣先の正社員に比べると給料は低くなる場合が多いでしょう。

派遣先が無くなると休業扱いになり給料が少なくなる

雇用契約が継続する常用型派遣ですが、もし不景気等で派遣する企業が無くなってしまうと休業扱いにされ自宅待機を命じられる可能性があります。

そしてその時の給料は60%。

仕事がなくなってもそれが貰えるという点はいいのですが、生活を考えると正直なところかなり厳しくなるのでしょうか。

常用型派遣で働いている人の現実

ではここからは実際に常用型派遣で働いている人の現実を紹介して行きます。

今後は派遣以外で働きたいと思っている人が大半

厚生労働省の「派遣労働者実態調査の概況」によると、現在常用型派遣で働いている人が希望している今後の働き方は以下の通りになっています。

  • 派遣労働者以外(正社員、パート等):46.6%
  • 派遣労働者として働きたい:24.4%
  • その他:27.7%
  • 不明:1.2%

無期雇用という雇用の安定性を一応は確保されていても、大半の人は派遣社員として働くことを希望していないのです。

正社員として働くことを希望している

さらに派遣労働者以外(正社員、パート等)の雇用形態の内訳は以下の通り。

  • 正社員:83.3%
  • パート等:9.0%
  • その他:6.9%
  • 不明:0.2%

多くの人が派遣社員ではなく直接雇用された正社員として働くことを希望していることがわかります。

やっぱり辛いことは何かと多い

無期雇用という雇用の安定性が確保されていても、やはり派遣社員として働くことは辛いことが多いようです。

  • 給料が低い
  • 一つの会社で落ち着けず職場を転々としなくてはいけない
  • 毎回人間関係をゼロからスタートしなくてはいけない
  • 仕事を一から覚えなくてはいけない
  • 派遣社員に対して冷たい扱いをされることもある

実際に話を聞くとこういった話を聞きました。

常用型派遣で働く上で考えなければいけないこと

常用型派遣で働くことにはもちろんメリットもあります。

ただデメリットも大きいという点はあらかじめ知っておかなくてはなりません。

事実、多くの人が常用型派遣ではなく直接雇用された正社員として働くことを願っています。

なぜ常用型派遣で働くのか、今一度ぜひ考えてみて下さい。

もしその理由が直接雇用された正社員で叶うことなら、そっちを目指してみた方が良いのではないでしょうか。

現在の転職市場はかなりの売り手市場、なれる可能性は十分にあるはずです。

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