非正規社員の割合は年々高くなっていると聞いたことがある人は少なくないと思います。
ただその割合に対して、正社員になりにくくなっている、企業は簡単に人員調整をできる非正規社員ばかり雇うようになっているという風に安易に受け止めてはいけません。
今回はそのデータの正しい見方を紹介していきましょう。
目次
非正規社員は4割もいる!?正社員になれないのも仕方がない?
総務省の「労働力調査」の結果によると、非正規社員の割合は37.2%。労働者のうちおよそ4割、2039万人が正社員以外の派遣社員、契約社員、パートと言った非正規社員として働いています。
かなり多いという印象を持つ人は多いでしょう。
2004年時点では31.4%であり、年々増加傾向にもあります。
これだけ多いと正社員になるのは相当難しい、年々正社員になるのが大変になっている、正社員になれないのも仕方がないなんて考える人がいるかもしれません。
ただもう少し詳しく見てみると、実はそんなこともないことが見えてきます。
非正規社員の内訳
では詳しく非正規社員の内訳について見て行きましょう。
非正規社員の男女比率
まずは非正規社員の男女比率は以下の通り。
- 男性:31.8%
- 女性:68.2%
女性が3分の2を占めています。
非正規社員の年齢比率
続いて非正規社員の年齢比率。
まず男性は以下の通りです。
- 15~24歳:17.6%
- 25~34歳:13.8%
- 35~44歳:10.2%
- 45~54歳:9.1%
- 55~64歳:23.0%
- 65歳以上:26.3%
続いて女性は以下の通り。
- 15~24歳:9.1%
- 25~34歳:13.3%
- 35~44歳:22.0%
- 45~54歳:25.5%
- 55~64歳:19.6%
- 65歳以上:10.5%
思いのほか、年齢が高い層が非正規社員として働いていることがわかります。
非正規社員の雇用形態別の比率
続いて雇用形態別の比率。
- パート・アルバイト:69%
- 派遣社員:7%
- 契約社員:14%
- 嘱託:6%
- その他:4%
非正規社員の大半はパートやアルバイトとして働いています。
フルタイムで働くつもりはないが家計の足しに働く人などが多いことが主な理由でしょう。
実は派遣社員や契約社員としてフルタイムで働く人の割合は少ないのです。
男女別の非正規社員比率
続いて男女別の非正規社員比率を見て行きましょう。
- 男性:22%
- 女性:55%
女性は半数以上が非正規社員として働いていますが、男性の場合は2割程度におさまっています。
年齢別の非正規社員比率
年齢別の非正規社員の比率は以下の通りになります。
- 15~24歳:47.7%
- 25~34歳:25.9%
- 35~44歳:28.6%
- 45~54歳:32.3%
- 55~64歳:47.1%
- 65歳以上:74.7%
比率が最も高いのは65歳以上。すでに定年を迎え、嘱託社員として働いている人が多かったり、アルバイトをしている人もいるのでかなり割合は高くなっています。
55~64歳も60歳以上の人は定年を迎えていますから同様の理由で比率は高くなっています。
15~24歳は学生でアルバイトをしている人が多い為、比率が高くなっています。
非正規社員として働いている人は正社員になれないのではなく、ならないだけ
ここまでの調査結果を見て、いくら非正規社員が4割いると言ってもそのうちかなりの割合が非正規社員になりたくてなっているということ。
正社員の仕事がないから非正規社員をやっているというわけではないのです。
ほとんどの人が非正規社員になりたくてなっている
非正規社員のうち、最も割合が高いのはパートやアルバイト。
学生アルバイトや、フルタイムでは働けない人達が時間の都合に合わせて働けるこの働き方を選んでいます。
非正規社員には非正規社員のメリットがあります。自分の望んだ働き方ができる雇用形態を選んでいるだけなんですね。
実際、非正規社員がその雇用形態を選んだ理由は以下の通りになっています。
- 自分の都合のよい時間に働きたいから:26%
- 家計の補助・学費等を得たいから:20%
- 正規の職員の仕事がないから:13%
- 家事・育児・介護等と両立しやすいから::12%
- 専門的な技能等を活かせるから:7%
正社員の仕事がないからという理由は1割程度にとどまり、ほとんどの人は希望して非正規社員として働いていることがわかります。
近年の非正規社員の割合増加の理由
非正規社員の割合は確かに年々増加しています。
10年前と比較すると4%(33.5%⇒37.3%)上がっています。
ただそれの主な要因は高齢化社会になったことが主な要因。厚生年金の受給開始年齢が引き上げられたこともあり、定年後に働く人が増えたからだと考えられます。
正社員としての仕事が少なくなり、非正規社員として働くしかなくなったというわけではありません。
これは年齢別の非正規社員の比率の推移を見ればわかります。
- 15~24歳:46.4%⇒47.7%
- 25~34歳:25.8%⇒25.9%
- 35~44歳:27.2%⇒28.6%
- 45~54歳:30.6%⇒32.3%
- 55~64歳:40.9%⇒47.1%
- 65歳以上:67.3%⇒74.7%
上昇率が顕著なのは55~64歳と65歳以上。他はそこまで大きな上昇は見られません。
正社員になるハードルは徐々に下がっている
正社員になるハードル自体はむしろ徐々に下がっています。
過去10年の正社員有効求人倍率(7月度のデータ)は以下の通りです。
2006年 | 0.64倍 |
2007年 | 0.62倍 |
2008年 | 0.57倍 |
2009年 | 0.25倍 |
2010年 | 0.32倍 |
2011年 | 0.39倍 |
2012年 | 0.49倍 |
2013年 | 0.56倍 |
2014年 | 0.68倍 |
2015年 | 0.75倍 |
2016年 | 0.88倍 |
2017年 | 1.01倍 |
2018年 | 1.11倍 |
リーマンショックによる不況で0.25倍まで下がった正社員有効求人倍率も今では1倍以上。2004年の調査開始以来、初めて1倍を超えています。
現在多くの企業で正社員不足に悩まされています。正社員を採用しようと考えている企業はたくさんあり、正社員のなりやすさはかなり高いのです。
ただし正社員になりたくてもなれない人はいる
ただし正社員になりたくてもなれない人がいるのも事実。
上述したように非正規社員として働いている人の13%は正社員になりたくてもなれずにいます。
確かに正社員にはなりやすくなりました。
ただそれでも簡単になれるかというとそうではないというのも事実です。
ただその事実に対して文句を言っても仕方ありません。
少なくとも今は正社員になりやすい状況であるのは確かなこと。
もし正社員になることを希望するなら、ぜひ転職活動を行い正社員を目指す努力をしてください。
非正規から正社員を目指す場合のおすすめ転職サービス
最後にいくつか派遣から正社員を目指す場合のおすすめの転職サービスを紹介します。
おすすめは以下の通り。
まずdodaですが利用は完全無料、登録には公式HPからオレンジ色の「会員登録をする」をクリックした後、必須となっているピンク色の項目を埋めていくだけで履歴書や職歴書の登録もないので5分もかからず終わります。
住所も都道府県のみを入れるだけでOK、業種や職種なども大体あってそうなもので問題ありません。
dodaは求人検索や診断テストの利用、プロによる転職サポートなど転職に必要な機能が揃っている満足度No.1の転職サービスであり、登録すると全国各地の転職フェアや転職セミナーへの参加も可能になります。
転職サービスとしては日本最大級で求人数は10万件以上、全国に拠点があり経験者から未経験者まで若手からミドル層まで誰でも利用できます。
キャリア相談から履歴書や面接対策、年収交渉などをして貰えるので、転職活動がかなり楽になるし、何より8万件以上ある非公開求人を紹介して貰えるというのが最大のメリット。
待遇の良い求人は応募が殺到する為、検索しても出てこない非公開求人となっている為、優良企業、ホワイト企業に転職したいなら非公開求人抜きで考えるわけにはいきません。
大手なだけあって dodaは対策のテクニックの質も高く、求人数も十分。転職を強制されることもありませんので、どうせ無料と思って使ってみてください。
もちろん面談等はせずに転職サイトのみの利用も可能です。
■公式サイト:doda
20代にはハタラクティブもおすすめ。
派遣社員はもちろんですが、学歴や社会人経験を問われない若手向けの転職サービスとして最大手です。
未経験者の転職に関して強く、内定率は80%超えと高い数字、サポート体制の評判も良好なのでまずは相談だけしてみるだけでも価値はあるでしょう。
ただ求人は関東が主。他の地域ならdodaなど全国対応している大手を利用しましょう。
■公式サイト:ハタラクティブ
もう一つ、さくっと登録しておきたいのがミイダス。
オファーを待つタイプの転職サイトです。
ここは最初に登録して後は待つだけ、基本放置でOKという手軽さ。
それだけで好条件の会社から面接確約のオファーを貰える可能性があります。
また登録時に年齢、職歴、学歴などから想定年収を算出してくれたり、7万人の転職事例を見ることができるといった点もかなり良いポイントです。
■公式サイト:ミイダス
ちなみに情報収集を目的にするなら国内No.1のリクナビNEXT。転職希望者の8割が使うと言われているサイトです。
求人量、スカウトメール、診断テストなどが充実していますから、チェックしておくと何かと役に立ちます。
■公式サイト:リクナビNEXT