現在契約社員として働いている人の中には、いずれは正社員として働くことを望んでいる人も多いかと思います。
そして契約社員が正社員になる為の一つの手段が「正社員登用」。
契約社員としての求人表でもその言葉が載っていることがしばしばあります。
ただこの正社員登用ですが、必ずしもメリットとならない場合もあるので注意が必要です。
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契約社員からの正社員登用のについて
社員登用とは非正規雇用から正社員へと雇用転換を行う制度です。
契約社員の正社員登用は広く行われていることであり、正社員になることを希望している人にとっては魅力のある制度です。
ただし、そのハードルは転職して正社員になるよりもずっと高い場合が多く、単なる時間の浪費となってしまう場合があるので気を付けなくてはなりません。
正社員登用は本当にありえる話?
正社員登用自体は決してありえない話ではありません。
実際正社員になれたという人も多いし、中には転職はおろか、新卒での就職活動でも就職することが困難な大手人気企業で正社員登用されたという人だっています。
ただし確率として考えた場合、決して高いとは言えません。
契約社員の正社員登用制度がある会社自体が約半数、そしてその制度自体をある程度利用している企業がさらに半数くらいに考えておいた方が良いでしょう。
また、正社員登用をそれなりに実施している会社に契約社員として入社したとして、全員が正社員になれるかというとそういうわけではありません。
正社員になれるのはほんの一握りなのです。
人材を集めるために利用しているだけの場合もあるので要注意
求人票では正社員登用ありと書かれており、面接等でも可能性はあると言われたとしても、その言葉を全て信じることは避けるべき。
正社員登用というのは労働者にとって魅力的なものであるが故、求人を行う際に人を集める手段として行われている場合が多々あるからです。
もちろん実際にその制度が適切に定期的に行われている場合もありますが、単に制度があるだけで前例はなかったり、過去にたった一度だけあった実例を大げさに言っているだけの場合もあります。
正社員登用される為の条件
では契約社員から正社員登用されるとしたらどういったことが必要でしょうか。
まず大前提が会社自体に正社員として登用する意思があること。
その上で数年働き他の契約社員以上、正社員と同様のレベルであることを示さなくてはなりません。
さらに上司に好かれることも必要なこと。いくら仕事ができても上司に好かれなくては推薦して貰うことができず正社員になることはできません。
また大手企業の場合では正社員登用試験が行われている場合がほとんどです。
面接、論文などが主。ただこの試験は誰でも受けることができるのではなく、勤続年数等の条件がついていたり、上司からの推薦が必須となる場合が多いです。
無理そうなら正社員登用ではなく転職を
大手企業でも正社員になれるかもしれないという魅力的な正社員登用ですが、リスクがあることも忘れてはいけません。
正社員になれるかもしれないと淡い期待を抱いて数年働き、結局なれずに終わってしまうと年齢が高くなりさらに正社員へ転職することが難しくなってしまうのです。
ですからあまり正社員登用にこだわりすぎず、無理なら転職へと舵をきることも必要です。
正社員登用されたからといって実は良いことばかりではない
さらに正社員登用には、運よくなれたとしても良いことばかりではない部分も多いので注意しなくてはなりません。
もちろん正社員になれたことによる大きな恩恵を受けることができる人もいるでしょう。
ただそれは会社次第。
正社員登用されたものの、想像していた正社員の姿とは全然違った、むしろ辛くなったと感じる人も多いのが現実です。
契約社員から正社員に正社員登用されて良かったこと、悪かったこと
では具体的に正社員登用されて良かったこと、悪かったことにはどういったことがあるでしょうか。
正社員登用されて良かったこと
まずは正社員登用されて良かったことから紹介します。
無期雇用になり雇用が安定
やはり大きなメリットは有期雇用から無期雇用になり、雇用が安定すること。
契約社員として働く場合は有期雇用者として半年なり1年の雇用期間を、延長して働くという形。
ただ5年を超えて繰り返し更新された場合、雇用者側の意思とは関係なく労働者の意思次第で無期雇用への転換が可能となる為、多くの場合は5年以上更新を繰り返さなくなります。
要するに契約社員として働く以上、いつまで更新して貰えるかという不安、そして5年が過ぎてしまうとまた次の仕事を見つけなくてはいけないという不安がつきまとうことになります。
しかし正社員になれば契約は無期雇用。倒産やリストラがない限り、定年まで働くことができますし、会社によっては退職金も支給してもらえます。
将来に対する不安からの脱却という面は、正社員登用への大きなメリットであると言えるでしょう。
給料アップ、ボーナスアップ
契約社員から正社員登用されることによって給料が増えた、ボーナスが増えた、ボーナスを貰えるようになったという場合も多いです。
会社によっては正社員と契約社員では給料体系が異なり契約社員の給料が低い場合が多いので、給料アップに繋がる可能性は高いです。
他にも福利厚生の受けれる恩恵が正社員と契約社員で異なっている場合があり、それもまた収入面でのアップに繋がります。
正社員としての職歴がつく
長い目で見たとき、過去に正社員として働いてきたという職歴を持つことは大切なこと。
なぜなら転職時にはどういった職歴を持っているかが、どういったスキルを持っているかと同様に評価のポイントになるからです。
正社員として働いたって倒産やリストラがあるんだから不安定だと思う人もいるかもしれませんし、確かにそうなる場合もあります。
ただ万が一そうなった時にどちらが次の仕事を見つけやすいかと言えば、やはり正社員として働いた経験を持っている人です。
また正社員として働き経験を積めば、さらにキャリアアップしていくという選択を取ることが可能になることも一つの良い点であると言えるでしょう。
転職ではなかなか難しい会社で正社員として働くことができる
これまで紹介した内容は、正社員登用ではなく転職活動で正社員としての転職先を見つけた場合も同様のこと。
では正社員登用だからこそのメリットにはどういったものがあるでしょうか。
まず一つ目が難易度の高い大手企業に入社できる可能性がある点。
これは実際にあること。
大手企業は毎年定期的に契約社員や派遣社員から正社員になる為の正社員登用試験が行われていて、合格できれば正社員として働けるようになります。
もちろん倍率は物凄く高く、相当な難関。
ただ学歴、職歴、経験有無を見られる中途採用市場では受からなくても、契約社員として働きながら自分をアピールすることで正社員の座を掴んだという人は確実にいるのです。
仕事がわかった上で正社員として働くことができる
せっかく正社員として転職できたのに、いざ働くと仕事がつまらなかったり、人間関係が上手くいかなかったり、残業が多いなど仕事がハードすぎたりと、仕事に合わず結局辞めることになってしまう人も少なからずいます。
ただ正社員登用の場合、実際に働いて自分の身で知っている分、そういった失敗が無くなります。
正社員登用されると同時に違う部署に異動となったという事例もありますが、基本的には同じ職場で働くことになるので新たに人間関係を築いていく必要もありません。
正社員登用されて悪かったこと
では続いて正社員登用されて悪かったことです。
待遇が何も変わらず
正社員登用されたものの、契約社員の頃と待遇は結局変わらなかったという人は少なくありません。
それどころか正社員として働くのは1年目だからという理由で給料が少なくなってしまったという人もいるようです。
また、正社員登用と言いながら現実は他の正社員と給与体系が異なる場合もあります。
準社員、無期契約社員などと呼ばれ、場合によってはボーナスなし、退職金なしなんてことだってあり得るのです。
仕事の責任、仕事量が増大
正社員になった途端、仕事の責任は増え、仕事量が増えて辛いという人も少なくありません。
契約社員として働いていた頃には気づけなかった正社員の人達の仕事の負担の大きさをいざ自分で味わうとしんどいと感じてしまうのです。
正社員として働くことになり、これまでと同じ仕事を同じようにできると思ってはだめです。
正社員登用されるからにはしっかり正社員としての働き方を知っておく必要があります。
残業、休日出勤が増えた
残業時間、休日出勤も正社員になった途端に一気に増えたという人もいます。
それまでは月10時間程度だったのに、50時間以上になったなんて場合だってあります。
また会社によっては正社員が普通にサービス残業している場合もあります。
単に雰囲気が良いから、仕事が上手くやれているからという理由で正社員登用されてしまうと、労働環境面で苦労することになるので、しっかり見極めなくてはなりません。
転職も一つの選択肢に
望んでいる会社に希望通り正社員登用されるのであれば願ったり叶ったりですが、その確率は決して高いものではなく、時間を浪費するリスクもあることは知っておいて下さい。
そしてもし本当に正社員になりたいと考えているなら、正社員登用だけではなく、正社員として転職することも視野に入れるべきです。
特に今は多くの会社で正社員が人手不足の状態。これまで正社員としての経験がない人、未経験の人も転職がしやすい状況になっています。
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