求人票でよく見かける「4週8休制」は、サービス業などを中心に幅広い業種・職種で取り入れられている勤務体系です。
本記事では、この4週8休制についてどんな勤務体系になるのか、労働基準法上で注意しなければいけない点、想定される年間休日数などを紹介していきます。
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販売業やサービス業で多い「4週8休制」とは?
まずは4週8休制がどういった制度で、どのような休み方をとるのか見ていきましょう。
完全週休二日制との違い
4週8休制とは、その名前のとおり4週間に8日間の休日がある制度で、「変則労働時間制」の一つです。
逆に原則労働時間は、労働基準法32条で規定された「法定労働時間」で1日8時間、1週40時間以内での勤務になります。
完全週休二日制勤務は、この原則労働時間の一般的なパターンとなり、4週間で8日間の休みがある点が共通しているものの、1週間に最低2日の休みが必要となります。
一方で、4週8休制は1週間に休みが0日でも1日でも良く、4週間で合計8日間の休みがあれば問題ありません。
極端なことを言うと、1週目の休みが0日、2週目が0日、3週目が1日、4週目が7日という偏った形で休みを取っても良いのです。
すなわち、4週8休制は完全週休二日制に比べると柔軟な働き方で、販売業やサービス業などで導入されていることが多いです。
4週8休の勤務体系
柔軟な働き方ができる4週8休制の勤務体系は、主に完全シフト制と1日固定のシフト制の2つのパターンに分けることができます。
完全シフト制
完全シフト制は毎週〇曜日は絶対に休みという固定休がなく、全ての休みを仕事の忙しさを考慮した上で同僚と調整しながら決めるパターンです。
例えば、次のようなスケジュールになることがあります。
1日しか休みがない週があったり、3日休みがある週があったり、土日を休みにできる週もあります。
シフトの組み方次第では、休みがない週も発生するでしょう。
1日固定、1日シフト制
特定の曜日が必ず休みで、残りの4日分をシフト制で決めるスタイルの会社も多いです。
最低でも毎週1日は必ず休みとなるので、連続勤務は最大でも6日となります。
例えば、保育士のように日曜日は保育園自体が休みなどとなっている場合はこの半シフト制をとる場合が多いです。
労働基準法の関係や連続勤務日数は?
シフト次第では1週間に1度も休みがない可能性がある4週8休制について、これって法律的に問題ないの?と気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは4週8休制と労働基準法の関係及び連続勤務の可能性について紹介していきます。
週1日休みが確保されていれば違法じゃない
労働基準法では休日に関して以下の通り定められています。
労働基準法第35条
- 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
- 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
2つあるうち、原則として適用されるのは1項目の1週間に1回の休日です。
週に1回固定休がある場合や、固定ではないけど週に1回は休みをとるように義務付けられている場合は、この1項を守っているので問題ありません。
ただし、完全シフト制で1週間に1度も休みがない場合は1項に抵触するため、2項に該当するよう調整しなければなりません。
このとき、2項を適用するためにはいくつかの条件があります。
就業規則に記載すれば、1週間休みなしでも問題なし
2項を適用するには、就業規則もしくはそれに準ずるものに、労働基準法 第35条の2項を適用することと、4週間の起算日(4週間で区切った最初の日)を示す必要があります。
加えて、例外として1週間休みがない場合もあることも規定しておくと良いしょう。
こうして就業規則に示すことは、「変則労働時間制」だからこその縛りであり、特に起算日の記載は義務付けられているため必ず守らなくてはなりません。
就業規則に規定しなかった場合は、2項の適用外となるためこの点は注意が必要です。
労働基準法施行規則第十二条の二、2項
使用者は、法第三十五条第二項の規定により労働者に休日を与える場合には、就業規則その他これに準ずるものにおいて、四日以上の休日を与えることとする四週間の起算日を明らかにするものとする。
参考:厚生労働省「労働時間、休憩及び休日」
最大連続勤務の可能性
4週8休制でも、特定の曜日が必ず休みとなっていれば最大でも連続勤務は6日です。
ただ、完全シフト制の場合は極端な例ですが最大20連勤になる可能性もあります。(1日が起算日)
変則労働時間制の最大連勤日数は24日なので、20連勤は違法ではないものの約3週間も無休で働く状態になります。
さすがにこのようなシフトになる例はありませんが、完全シフト制の場合は柔軟なスケジュール調整ができる変わりに、このような極端なシフトの組み方もできてしまうのです。
4週8休制の祝日や年間休日数は何日?
祝日が休みになるかどうかによって、休日数は大きく異なります。
では4週8休制をとっている会社の場合、祝日の扱いや年間休日数はどうなるのでしょうか。
年間休日数は最低105日
4週8休制の場合、年間休日数は最低105日となります。
厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、労働者1人の平均年間休日総数は114.7日なので平均以下の休日数です。
ただ、祝日・夏季休暇・冬期休暇などがある会社は、年間休日が120日以上になります。
同じ4週8休制でも年間休日数は会社によって差がありますから、転職活動の際は必ず年間休日数をチェックしましょう。
年間休日数が多い会社に転職するためのポイント
年間休日数が多い会社に転職するには、いくつかポイントを押さえた会社選びが重要です。
求人票で見るポイントや会社の内情を知る方法を紹介していきます。
年間休日数や福利厚生を確認しよう
求人票に記載されている年間休日数や休暇制度は、必ずチェックしてください。
同時に、併せて福利厚生の内容が十分納得できるものかも見ておきましょう。
また、「完全週休2日制」と「週休2日制」は似ているようでも異なる制度です。
完全週休2日制は、毎週2日の休日が1年を通して取得できるもので、週休2日制は、1ヵ月の間に週2日の休みが1回以上あることです。
週休2日制は必ずしも毎週2日休めるわけではないので、この点は正しく理解しておきましょう。
内情を知るために、転職エージェントを活用する
求人票の中には、年間休日数や福利厚生などが魅力的で目を惹く企業もあります。
ただ、求職者を集めるために実情とは異なる内容を掲げている可能性があり、すべてを鵜呑みにすることは危険です。
かといって自分一人では企業の実情を見抜き正しい判断をすることは難しいものがあります。
また、在職中の会社の仕事が忙しく年間休日数が多い企業を地道に探す時間がない、面接で休日数について質問できないという方もいることでしょう。
こうした状況の方は転職のプロに相談しながら転職活動を進めることをおすすめします。
転職エージェントは、転職先企業の情報を豊富に保有しており、あなたにマッチする企業を紹介してくれます。
加えて、年間休日数や祝日の扱いなど企業側に質問しづらい部分も、彼らを通して情報収集することが可能です。
転職エージェントを利用して、年間休日数が多い企業に転職しよう
年間休日数が多い企業に転職したいなら、転職エージェントの活用をおすすめします。
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