派遣社員は3年、契約社員は5年、その後はどうなる?

派遣社員は3年、契約社員は5年までしか契約期間の上限であることはなんとなく知っている人も多いかもしれません。

ただ実際のところ、その後どうなるのかについてはあまり良く理解することができていないのではないでしょうか。

そこで今回はその派遣社員の「3年ルール」、契約社員の「5年ルール」について紹介していきます。

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※1 2020年9月

 派遣社員の3年ルール

まずは派遣社員の3年ルールについて解説していきます。

上限3年は法律で定められているルール

派遣社員は同じ職場で働き方できる上限は3年であるというのは、労働者派遣法によって決められていることです。

この上限は派遣社員の不安定な雇用形態を少しでも改善することを目的に決められています。

企業が派遣社員を雇用しているのは、需要に合わせて増員することが可能であることが主な目的。

正社員として一度雇用してしまうと辞めさせるにはかな厳しい縛りが発生しますが、派遣社員であれば一定の契約期間が終われば契約延長しなければ良いだけなので、人員の調整が容易になる為、非常に重宝されている雇用形態です。

ただこれは派遣社員として働く人にとってみれば、いつ仕事がなくなるかわからないという不安定な状態が続いてしまうことを意味します。

もし無制限で派遣社員は雇用し続けることが可能となってしまうと企業はいつでも辞めさせることができる派遣社員ばかりを雇うことになるでしょう。

長く働かせて仕事に慣れさせておきながら、いざとなったら簡単に切り捨てる。これがいくらでもできてしまうわけですからね。

しかし3年という制限をつけることで長く働くことができる人材は正社員にしなければならないという形にし、正社員を増やし雇用を安定させることができると考えられた上で、法律で義務付けられていることになっています。

専門26業務でも3年制限

元々は機械設計、開発、秘書といった専門26業務では、派遣社員であっても無期限で働くことができました(専門26業務は下記参照)。

しかし2015年に派遣法が改正され、他の業務同様3年間の上限がつけられることになりました。

専門26業務で働いている派遣社員の人にとっては影響は大きいかもしれません。

以前までは同じ会社で働き続けなけることが可能だったけれど、3年置きに職場を変えなくてはいけなくなるわけですからね。

ただたとえ期限が無制限であっても、派遣社員として働いている限りは雇用は不安定です。

よくこの法律改正があった為に、3年で職がなくなるかもしれないということが書かれているものも見ますが、雇用期間が無制限であってもその企業が不景気になれば、契約延長をしてもらえなくなる為、雇用が不安定であることには変わりません。

専門26業務(参考:政令で定める26業務

  • ソフトウェア開発
  • 機械設計
  • 放送機器等操作
  • 放送番組等演出
  • 事務用機器操作
  • 通訳、翻訳、速記
  • 秘書
  • ファイリング
  • 調査
  • 財務処理
  • 取引文書作成
  • デモンストレーション
  • 添乗
  • 建築物清掃
  • 建築設備運転、点検、整備
  • 案内・受付、駐車場管理等
  • 研究開発
  • 事業の実施体制の企画、立案
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  • 書籍等の制作・編集
  • 広告デザイン
  • インテリアコーディネータ
  • アナウンサー
  • OAインストラクション
  • テレマーケティングの営業
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
  • 放送番組等における大道具、小道具

ちなみに2015年の法律改正の際、それまでどれだけ働いたかは関係なく改正された日にいったんリセットされ、そこから3年が上限となりました。

その為、改正された2018年9月末には専門26業務で派遣社員として働いていた人がその職場を一斉に辞めることになり、2018年問題と言われています。

同一組織はダメでも同じ会社ならOK

派遣社員として働いて3年たつと、また違う仕事を派遣会社に紹介してもらう必要があります。

ただ、同一組織内でだめなだけで、同じ会社でも問題はありません。

下記は厚生労働省の「平成27年派遣法改正」に書かれている例ですが、課が変われば、同じ会社であっても可能となってます。

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3年たった後の実態

派遣社員として3年働いた後、企業はその人を派遣社員としてではなく、契約社員や正社員として直接雇用するか、もしくはそのまま辞めてもらうかという選択肢があります。

ただかなり優秀な成果をだしタイミングにも恵まれない限り、ほとんどの場合は直接雇用ではなく辞めることになります。

直接雇用は期待できるような確率のものではありません

企業にとってはまた違う派遣社員を雇用すればいいだけなので、わざわざ直接雇用するメリットはありませんからね。

その為、派遣社員として働く場合には3年後にまた違う仕事をしなければならない人が大多数でしょう。

ですから、もし正社員になりたいと考えているなら3年働いてからの直接雇用を目指すのではなく、自ら転職活動を行い正社員の仕事を探すことが必要となります。

 契約社員の5年ルール

次に、契約社員の5年ルールを紹介していきましょう。

契約社員の雇用期間については、労働契約法によって定められています。

5年を超えたら無期雇用に

契約社員の上限が5年というのは、以下の法律から来ています。

無期労働契約への転換・・・有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みを導入する。

厚生労働省「労働契約法の改正について

もしも5年を超えて働く場合、労働者が無期雇用であることを望んだなら、企業はそれを受け入れて無期雇用に転換しなくてはいけません。

有期雇用の時には辞めさせたいとなった時に契約期間を延長しないという手がありましたが、無期雇用になるとそれができず、正社員同様にそう簡単には辞めさせることができなくなるわけです。

その為、多くの場合は5年を超えて働かせず、5年で契約を打ち切る場合が多く、それ故に上限が5年と言われています。

この法律も派遣社員の場合と同様、いつまでも有期雇用として雇い失業の不安を抱えながら働き続けることになることが目的となっています。

本当に無期雇用される?

ただ実際はどうなるでしょう。

もちろん中には無期雇用に転換する場合もありますが、相当優秀でなければまた新たな契約社員を雇用することを選びます。その方が企業にとってリスクが低いからです。

結局上限である5年手前で退職、また違う仕事を探さなくてはなるという場合がほとんどであることを覚悟しておかなくてはなりません。

いずれは正社員にと考えているならば、派遣社員同様に正社員登用に淡い期待を持つのではなく、自分で転職活動した方が確実です。

下手に5年を費やすことは、だめだった時のことを考えると正直リスクが高すぎます。

5年を超え無期雇用となっても正社員と同じ待遇にはならない

もし契約社員として5年以上たち運よく無期雇用に転換できたとしても、正社員と同じ待遇になれるとは限りません。

あくまで法律上は有期雇用から無期雇用になることが決められているだけ。待遇に関しては何も決められていません。

その為、5年たっても賃金などは契約社員の時と同じ。変わったのは単に無期雇用であるということだけというのはよくある話です。

3年後、5年後をしっかり考えておく

派遣社員や契約社員として働く限り、必ず3年後、5年後のことは考えておく必要がありません。

中には正社員として雇用されるケースもありますが、これまでも話した通りその可能性はごくわずか。ほとんどの人が仕事を変えることになります。

高い確率で仕事がなくなり、探さなくてはいけない期間が発生してしまうのです。

しかも必ず仕事が見つけられるかというとその保証はありません。

今のように人手不足が深刻で多くの企業が人を欲しがっている状況であれば良いのですが、もしかしたら不景気となり派遣社員や契約社員の仕事ですら見つからないということもありえますからね。

実際リーマンショックの時は有効求人倍率が0.5倍を切り全く仕事が見つからない人も多かったのです。

仕事が見つかってもずっと不安は続いてしまう

そしてもし新たな仕事が見つかったとしても、また3年後、5年後のことを考えておく必要がでてきます。

要するに派遣社員や契約社員として働いている限り、数年後の不安は続いてしまいます。それどころが不安はどんどん大きくなっていくでしょう。

むしろ徐々に年齢が高くなっていく為、仕事は見つかりにくくなってしまいますからね。

だからこそもしこの先ずっと働くつもり、働くことが必要と考えているなら早めに正社員になることが必要。

長期間働くことができることに対する安心感というのは、やはり非常に大きなことです。

もちろん正社員に転職するのは派遣や契約社員として働くよりも難しいです、

派遣社員や契約社員として働いている人の中には、本当は正社員で働きたいと考えている人も少なくなく、実際非正規として働いている2割程度の人は正社員の仕事が見つからず、やむを得ず正社員を続けているというデータもあります。

ただ少なくとも正社員を目指した転職活動は行わなければ、なれるものもなれません。

正社員を目指して転職活動を行うことが大切

正社員に転職することは、確かに難易度は高いかもしれません。

ただ、絶対に不可能ということはありません。

中には、40代でも派遣社員から正社員に転職することができた人もいます。

少なくとも、まずは行動を起こし、諦めずに続けてみることが大切です。

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