月の残業時間が200時間というのは、はっきり言って異常です。
たとえしっかり残業代がでていたとしても、それほどまでの残業時間を許容し、認めてしまっている時点でその会社はブラック企業であると言っても過言ではありません。
そもそも近年の法改正により残業が200時間以上あることは違法となりました。
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残業月200時間は原則違法!最大でも100時間まで
200時間というのは、誰がどう考えたっておかしいレベルの残業時間です。
年間で考えた場合の普通くらいの残業時間ですから、たった1ヶ月でなんてひどすぎます。
当然こんな残業時間、認められてはいません。
以前まではいくらでもできたが、残業は最大でも100時間までと法改正
残業時間の上限は、以前まではないに等しいものでした。
原則は月45時間・年間360時間と決まっていましたが、「特別条項付き36協定」を結ぶことで、その上限をなくせることができ、実際いくらでも無制限に残業ができてしまう制度となっていたのです。
しかし、2018年7月に成立した「働き方改革関連法案」が成立し、これまでは実質無制限であった残業時間に明確に残業時間が設けられることになりました。そしてこれは2019年4月から施行されています。
この法律では、残業時間の上限に関して以下のように定められています。
- 原則は月45時間・年360時間以内
- 臨時的な場合であっても年720時間以内
- 複数月平均80時間以内(休日労働含む)
- 月100時間未満(休日労働含む)
- 月45時間を超えることができるのは、年間6ヶ月まで
参考:厚生労働省「働き方改革」
月200時間は、休日出勤分を含んだとしても一発アウト。しかも上限の2倍で問題外です。
つい最近までは問題なかったということで、この法律が施行されてもそのまま続けている会社があるかもしれませんが、違法は違法です。会社としてやらせてはいけません。
中小企業は2020年4月から
ただしこの法律の施行は現時点では大企業のみに適用されていて、中小企業での施行は2020年4月からとなっています。
一応中小企業では2019年現時点では、残業を月に200時間以上させることは、合法の範囲内でできるというわけです。
しかし、だからと言って問題ないかと言うとそんなことはありません。ここまでの残業時間は心身ともに大きな負担。許容範囲を大きく逸脱しています。
なお中小企業以外にも、以下の事業・業務ではこの上限規制が以下のように猶予されています。
- 自動車運転の業務:施行5年後に上限規制を適用(ただし適用後の上限時間は年960時間)
- 建設事業:施行5年後に上限規制を適用
- 医師:施行5年後に上限規制を適用
- 鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業:施行5年後に上限規制を適用
- 新技術・新商品等の研究開発業務:上限規制は適用しない(医師の面接指導等の健康確保措置を設けた上で)
参考:厚生労働省「働き方改革特設サイト」
そもそも基本は月45時間、年間360時間まで
月200時間は問題外ですが、たとえば月80時間の残業が問題ないかというとそうではありません。
実際にやったことがある人はわかりますが、月100時間の残業って相当しんどいですから。
あくまで残業時間の上限は月45時間・年360時間です。
これを上回り、月100時間未満・年720時間以内という残業時間が認められるのはあくまで「臨時的に超えなくてはいけない特別な事情」がある場合のみ。毎年、毎年、超えることが前提で当たり前のように行っていいものではありません。
月200時間の残業はすぐにでも辞めるべき労働時間
このように大企業であれば違法となる月200時間の残業ですが、実際のところまだやらされているという人も少なからずいるでしょう。
そもそもサービス残業という形でやらされているので、法的に残業時間の上限ができても何ら改善しなかったなんて人もいるかと思います。
そんな人はとにかくすぐに今の会社を辞めましょう。転職すればもっとまともな会社が見つかるはずです。
はっきり言って月200時間はあまりにも異常。たまたまだとか、忙しいから・人がいないからなんて言う理由でやらせていい残業時間ではありません。
過労死ラインを大幅に上回る残業時間
健康障害リスクが高くなる時間外労働時間を指す過労死ラインは以下のように決められています。
- 発症前2ヶ月ないし6ヶ月にわたって1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外労働
- 発症前1ヶ月におおむね100時間を超える時間外労働
1ヶ月でも100時間が過労死ライン。それで十分体を壊すリスクあり。実際に多くの人がこれくらいの残業で体を壊しています。
200時間なんて、はっきり言ってとんでもない残業時間なのです。たった1ヶ月であっても認めて良いものではないし、労働者のことを考えている会社では間違いなくありません。、
プライベートなんて一切なし
もし残業200時間するとしたら、たとえば1日8時間残業で、さらに休日出勤が4日あるという働き方になります。
毎日8時に出社し、翌1時まで勤務、帰ったら寝るだけ。休日も1日は出社しなければならず、週1日しか休みがない。その1日はぐったりして何もする気がおきない。
プライベートなんてもう全くありません。仕事だけの生活。それどころか睡眠時間など生きる上では必要な時間を削ってまで仕事をしなければいけません。
残業代以上に失うものが多すぎる
もし残業代がしっかりでるなら、月の200時間の残業で得るお金というのは確かに大きいです。
たとえば基本給が20万円だとしても、残業代は以下のとおりになります(所定労働時間8時間・週5日勤務、稼働日数21日、深夜勤務80時間)
残業代=200,000円÷(8時間×21日)×1.25×200時間=297,619円
深夜勤務手当=200,000円÷(8時間×21日)×0.25×200時間=59,523円
残業代だけでおよそ30万円、深夜勤務までいれたら36万円ものお金を手にいれることができます。
ただ失うものはそれ以上に多すぎます。
プライベートの時間はなし、満足に睡眠時間をとることもできない、疲れはとれずに溜まっていく一方。こんな働き方体を壊して当然です。
月36万円ほどの残業代では、全く割りにあいません。
サービス残業させられているならもってのほか
残業が200時間をしている場合、多くの人は残業代は一部しか支給してもらえず、ほとんどがサービス残業となってしまっているのではないでしょうか。
健康を、いやそれどころか人生すらも犠牲にしてまで行った残業なのに、本来貰えるはずの数十万円の残業代が毎月奪われていく。そんなの認めていてはいけません。
すぐに仕事を辞めるべきです。派遣だっていい、アルバイトだってよりいい、どんな仕事でも今よりはまともな生活を送ることができるはずです。
辞めることは難しくない、手遅れになってしまう前に行動を
仕事を辞めることは、それほど難しいことではありません。
たとえ相手がブラック企業で、辞めるといっても辞めさせてくれないなんてことがあったとしても、そんなの無視して辞めればいいだけです。
あなたには辞める権利があります。それを引き止めたり妨害したりする権利は会社側にはありません。
ぜひ手遅れになる前に辞めて下さい。
そこまでの残業をしていたら、失業保険はすぐに貰うことができますし(参考:残業45時間以上が続いているなら失業保険はすぐに貰える)、今の人手不足の状況であれば次の仕事だって見つかります。
今のまま働けばほとんどの人は体を壊します。もし耐えることができたとしても人生は充実したものにはならず、やっててよかったなんていう風に思えることだってありません。
後になって後悔しないよう、動くべきはまさに今です。
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