毎月の手取りが30万円や40万円であることが理想ですが、世の中そんなに甘くないもの。毎月口座に振り込まれるのは30万円どころか20万円を切って18万円程度という方は珍しくありません。
ただ、実際に手取りが18万であると、ほぼ生活費に消えてしまうため、贅沢が出来ないことに不満を抱えている方も少なくないでしょう。
とはいえ、転職したほうが良いのかどうかはちょっと悩むラインの給料ですよね。
そこで今回は、そもそも手取り18万は少ないのか、手取りアップを狙うにはどうすれば良いのかなどを紹介します。ぜひ参考にしてください。
関連:転職で年収アップさせる為の7つの方法。給料を増やしたい人は要確認。
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手取り18万円って普通?少ない?
そもそも手取り18万円は、普通なのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?
様々なデータを参考に、一緒に確認していきましょう。
年収で言えば300万円から350万円くらい
手取りは、総支給額(月収)から所得税・住民税、厚生年金・健康保険・雇用保険を差し引いた額であるので、一般的に手取り額は総支給額(月収)の75~80%になると言われています。
そのため、手取りが18万であれば、額面は23万程度。年収に換算すると300万円前後となります。この「前後」というのは、ボーナスの有無によって変動があるからです。
厚生労働省のデータによると、ボーナスの目安は以下のようになっています。
- 大企業:月給2.4か月分
- 中小企業:月給1ヶ月分
ボーナスなしであれば、年収は280万円程度、ボーナスありであれば、年収300万円~350万円程度となります。
国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によれば、日本の平均年収は436万円であるため、「手取り18万は平均以下である」といえるでしょう。
しかし、少ないかというとそうでもありません。一部の方が高い給料を貰って平均年収を引き上げているだけで、実は「半数以上の方が年収400万円以下」というデータもあります。
実際、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、全体の年収中央値は370万円程度です。中央値は、 大きすぎたり小さすぎたりするデータがあっても、ちょうど真ん中をとるので最終的な数値に影響を及ぼしません。そのため平均値よりも中央値の方が、一般庶民の感覚に近いといえます。
ですから、手取り18万は年収だけで見れば標準レベルといえるでしょう。
手取り18万ではどのような生活が送れる?
今まで確認してきたように、手取り18万円は年収だけで見れば標準レベルです。
しかし、同じ給料でも「実家暮らし」か「一人暮らし」かによって生活レベルは異なります。
実家暮らし
実家暮らしであれば、家賃を負担する必要がありません。ですので、手取り18万円でも問題なく生活できるでしょう。
多少実家に生活費を入れたとしても、娯楽費などでお金を使いすぎない限り、余裕のある生活ができるはずです。毎月5〜10万円程度の貯金も夢ではありません。
一人暮らし
一方で、一人暮らしの場合は、家賃の負担の有無や家賃補助の金額によって生活レベルが大きく変わってきます。
家賃補助がないケースですと、家賃6万円を差し引いた金額はおよそ12万円。ここから、光熱費や携帯等の固定費の約2万円、食費や交際費の約6万円、そして雑費約1万円を差し引いても、毎月3万円程度は貯蓄に回すことができるといえます。
しかし、この計算は自炊などの節約を心がけることを大前提としています。外食が多かったり、趣味や娯楽費が多くかかったりする場合は、赤字になることも考えられるため注意が必要です。
性別・世代別で確認すると
続いては、国税庁の調査結果を参考にして、性別・世代別に確認していきましょう。
20代後半であれば平均程度
20代後半の正社員の平均年収は352万円です。そのため、手取り18万はだいたい平均年収程度といえます。
ただし、男性に限っていえば、平均年収が382万ですので、平均を若干下回っています。
一方で、女性の平均年収は306万円であるため、平均を大きく上回っているといえるでしょう。
30代だと少ない
30代の平均年収は、30代前半で397万円、30代後半で432万円ですので、手取り18万円程度は平均年収を下回っているといえるでしょう。
さらに男性に限っていえば、30代前半で451万円、30代後半で510万円となっているので、かなり少ない方かもしれません。
ちなみに、女性の場合は30代前半で307万円、30代後半で299万円ですので、平均年収程度といったところでしょうか。
正社員だとかなり少ない
これまで紹介した平均年収は、派遣社員や契約社員はもちろん、フルタイムで働いていないパートといった非正規社員も含めた値です。そのため、正社員に限定して考えると手取り18万はかなり少ないといえるでしょう。
というのも、正社員の平均年収は全体で485万円(男性が536万円、女性が367万円)です。手取り18万円で得られる年収は高くても350万円程度ですので、約100万円程少ないといえます。
手取り収入を増やすには?
1. 昇進や昇格などによる給与アップを目指す
最も堅実に手取り額を上げる方法は、昇進や昇格によって給与をベースアップさせることです。
成果を上げることを常に意識し、日々の業務に取り組んでいく中で昇進や昇格を目指しましょう。企業の評価基準を把握しておくと効率よく進められると思います。
ただ、同じ職場でのキャリアアップを目指す場合は、長期的な視点を持っておく必要があります。 昇進や昇格の機会は多くても年に数回程度ですし、必ずしも結果が評価されるとは限りませんので、いますぐ手取り額を増やしたいという方には適していない方法です。
2.空いた時間で副業する
本業とは別に副業収入を得ることで、手取り額を増やすことも可能です。
ダブルワークをしたり、クラウドソーシングを通して仕事を請け負ったりすると、空いた時間を活用して効率的に収入を上げることができます。
とはいえ、本業に加えて仕事をすることになるので、体力的・精神的な負担が大きくなるという懸念は拭えません。 本業に支障が出ては本末転倒ですし、そもそも企業によっては副業を容認していないこともあるのでそこはよく確認しましょう。
3.資格を取得する
資格手当などの制度が職場にある場合は、資格を取得することで月々数千~数万円の給与アップが見込めます。
資格勉強はスキルとして身に付きますし、仕事に活かせる場面も多いです。また、昇給や昇格への足掛かりとなることも少なくありませんので、積極的に取得することをおすすめします。
4.投資を行う
少ない労力で収入を上げる手段として、投資を行うことも候補の一つです。
株式などの資産をうまく運用することで、いわゆる不労所得を得られます。
とはいえ、月々ある程度まとまった収入を得るためには、多大な元手が必須です。 たとえ、5%の利回りを実現したとしても、月1万円の利益を安定して上げるためには、200万円ほどの元手資金が必要です。そのため、生活に余裕がそれほどない状態で投資に手を出すのはおすすめできません。
また、投資にはリスクが伴います。投資した金額を丸々失う可能性もゼロではありませんので、その点は理解しておきましょう。
5.給料の高い職場に転職する
誰にでも実現可能かつ最も確実な手取り額アップの方法は、転職です。
職種や仕事内容は同じでも、職場を変えるだけで、月々数万円ほど給与が上がるケースも珍しくありません。 また、月給にそれほど違いがなくても、ボーナスのある職場に転職するだけで、年収が数十万円アップすることもあります。
そのため、「昇格や昇進が見込めない」「業績がかんばしくなく、ボーナスや手当も支給されていない」という方は、現職よりも条件の良い企業への転職を検討することをおすすめします。
とはいえ、給与だけに焦点を当てて転職をするのはおすすめできません。不向きな仕事では長続きしませんし、給与が高いだけで労働環境が劣悪なのであれば、体調を崩してしまう恐れもあるので気をつけましょう。
転職するかしないかの判断はどうする?
これまでの結果から考えると、正社員として働いている場合、手取り18万円は少ないというのが結論になります。
ただ、転職は給料の為だけにするものではありません。もし今の年収が200万円程度であるならば、絶対に転職したほうが良いと思いますが、そうではありませんので、その他の点も含めて慎重に判断することが大切です。
20代であればわざわざしなくても良い
20代の場合、今後の昇給で給料が上がっていく可能性が十分にあります。ですので、転職するかどうかは今後の昇格次第であると言えるでしょう。
会社によっては昇格して一気に給料が上がるなんてパターンもありますから、自分の会社のシステムをよく理解しておいてください。
あなたが今、仕事自体が好きで楽しく働くことができているならば、無理に給料だけを追い求めて転職する必要はありません。
給料の高さを重視しすぎて、毎月の手取りが数万円程度上がった代わりに、毎日つまらない仕事をするようになってしまうのは本末転倒ですので、気を付けましょう。
しかし、30代になってもそれほど昇給が望めない上、今の仕事自体楽しいとは思っていないならば、転職のしやすい20代のうちに転職しておくことをおすすめします。
また、30代で手取り18万円ならば、積極的に転職にチャレンジすることをおすすめします。
残業が多いなら転職を考えたほうが良い
残業時間が長いにも関わらず、手取りが18万円である方は、迷わず転職をしたほうが良いでしょう。
例えば毎月の残業が40時間である場合、残業代は5万円程度です。にも関わらず、手取りが18万円しかないのであれば、サービス残業になっているか、基本給が低いかのどちらかです。
サービス残業ばかりで、まともに残業代を貰えていないのであれば、転職したほうが良いのは当然ですが、基本給が低い会社で働くのも危険です。
基本給が低いと、景気が悪化して残業禁止となった場合に、手取り14万円程度になってしまう可能性があります。いつも残業ができるという考え方は非常に危険であることを覚えておきましょう。
20代後半以降であれば給料アップの可能性は高い
20代後半以降の転職であれば、給料アップの可能性がかなり高いです。
特に、平均年収が高い大都市では大いに可能性があると言えるでしょう。
「どうせ転職しても給料は上がらないだろう…」なんて考えている方は、とりあえず転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。意外と良い条件の転職先が見つかるかもしれませんよ。
転職で手取りを増やすための4つのポイント
1.成長傾向にある業界を選ぶ
転職先を決める際には、業界の市場規模というマクロな視点から検討することが大切です。
特に業界全体が成長過程にあるかどうかは、重要な判断基準となります。例えば、IT業界やWEB広告業界などは業界自体が成長しているので、会社の業績も伸びやすく、あなた自身も高収入を目指すことができるでしょう。
一方で、医療・介護業界などの業界の成長率が傾いている業界は、企業の利益が上がりづらいため、年収が頭打ちになる可能性が高いです。
2.経験が活かせる仕事(職種)を選ぶ
未経験の職種であると、現職よりも手取り額が下がってしまう可能性があります。
手取り額アップを目指すのであれば、「これまで経験したことのある職種」か「経験を活かせる職種」を選ぶことが必須であるといえます。
3.求人は賞与や家賃補助、固定残業代にも注目する
賞与や家賃補助を貰えると、生活に大きな余裕が生まれます。そのため、求人をチェックする際には必ず目を通すようにしてください。
もちろん、固定残業代などの給与に直接関わる条件の確認も忘れてはなりません。
4.自らのスキルやポテンシャルを客観的に把握する
転職活動では、自身の能力を正しく把握したうえで、仕事や環境への適性を見極め、それにふさわしい対価(給与)を得られる転職先を見つけることが重要です。
自分で自分を客観的に把握することは難しいですので、転職エージェントを積極的に活用することをおすすめします。
年収アップの為の転職活動ですべきこと
手取り18万は、20代後半なら平均的ですが、30代であればかなり少ないといえます。 ですので、年収アップを目的に転職をするのも良いでしょう。
その場合、ハローワークや転職サイトで検索できる公開求人から募集するのではなく、転職サイトや転職エージェントを上手く活用することが大切です。
転職サイトは求人を探すだけではなく、自分の強みや市場価値の診断ができたり、スカウトサービスを使えば好条件の非公開求人からオファーを貰うことができたり、場合によっては書類選考や1次面接が免除となる場合もあります。
また、転職エージェントではキャリアの相談にのってくれたり、履歴書の作成補助、面接の練習といったものをしてくれますし、何より自分に合った仕事、自分が希望している仕事を多数紹介してくれます。
転職エージェントとの面談は土日でも可能である為、働きながら転職活動を進める場合であっても柔軟に対応してくれます。
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