最近大手企業を中心に導入している企業が増えている裁量労働制。自由な働き方ができる、時間ではなく成果で給料が決まるということで魅力的な働き方であるかのように謳われている場合が多いです。
ただ実際に裁量労働制で働いている人に話を聞くと、メリットがあるのは会社側で労働者側にはデメリットばかりという場合が多いようです。
そこで今回は実際に裁量労働制で働いている人に聞いたメリットやデメリットを紹介していきます。
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裁量労働制とは
ではまずは簡単に裁量労働制とは何なのかについて紹介していきましょう。
裁量労働制の概要
裁量労働制とは、就業時間が決められてなく、労働者の裁量で自由に働くことができる制度です。
通常の働き方であれば就業開始の時間は決められており、就業時間を超えて働く場合には、その時間分だけ残業代が支払われることになります。
ただこれでは仕事が遅く成果を出していない人ほど残業が多くなって高い給料が支払われることになり、逆に仕事が早い人ほど残業が少なくなって給料が低くなってしまうという理不尽なことが起きてしまいます。
それに対して裁量労働制では、何時に会社に来て何時に帰るかということは決められておらず、給料は時間によって変わりません。
5時間働こうが、10時間働こうが給料は変わらない為、仕事ができる人ほど給料が低くなるという理不尽さがなくなります。
ただ裁量労働制はどのような職種でも適用できるわけではなく、労働時間が成果と比例しない職種にのみ可能となっていまし、労働基準監督署への届け出も必要となります。
職種に関しては「裁量労働制のメリットや問題点。残業代はどうなる?」を参考にしてみてください。
裁量労働制の場合の残業代
裁量労働制の場合、そもそも残業代という概念がありません。
1日8時間勤務が基本となっている会社で、6時間しか働かなくても8時間働いた場合でも、12時間以上働いた場合でも、手当は支払われないので給料は変わりません。
基本的にはあらかじめ決められた賃金の中に仕事量からみなされた残業代が含まれている場合がほとんど。
例えば基本給30万円、みなし残業代30時間分で6万円、合計36万円が支給されることがあらかじめ決まっていて、実際に残業が30時間に満たなくても変わらないし、逆にそれ以上に残業をすることになっても給料が増えることはありません。
休日出勤手当と深夜勤務手当はある
裁量労働制では残業代はでないものの、休日出勤手当と深夜勤務手当は支払われます。
休日出勤手当は法定休日で1時間あたり賃金単価の135%以上、法定外休日で1時間あたり賃金単価の100%以上となります。
そして深夜勤務手当は、10時から5時の時間帯で賃金単価の25%以上となります。
裁量労働制でみなされている残業は会社が決めている勤務日のみに適用される為、深夜労働の場合、その時間を働いた分の給料はすでに月給に含まれているとみなされ、深夜に働いたことによる割増分のみが支払われます。
一方休日に働いた分は、あらかじめみなされた労働時間に含まれていない為、その時間に働いたことによる時間給と割り増し分が支払われることになります。
裁量労働制と固定残業代の違い
裁量労働制とよく混同されがちなものに、固定残業代があります。
営業職によく導入されているものですが、あらかじめ想定される残業代が給料に含まれているものです。
ここまで聞くと裁量労働制と同じではないのかと思うのですが、固定残業代の場合はもし想定した残業時間より実際の残業時間が多くなってしまった場合は、そのはみでた部分が加算されて支払われるという点です。
一方でもし残業時間が少なくなっても、あらかじめ決められた残業代は支払われます。
固定残業代だからいくら残業しても給料は変わらないと勘違いしている人も多いんですがそれは間違いであり、サービス残業の温床になってしまっている場合があります。
一方で裁量労働制はあらかじめ想定された残業時間より増えようが減ろうが給料は変わりません。
裁量労働制とフレックスタイム制との違い
裁量労働制もフレックスタイム制も。決められた出勤時間はなく従業員の都合によって始業時間や就業時間を変えることができるという点は同じ。
しかしフレックスタイム制は一定期間内で会社が決めている労働時間よりも少ないと給料が減額されてしまうし、超えてしまったらその分だけ残業代が支払われることになります。
例えば、週40時間と定められているにも関わらず35時間しか働かなければ給料が厳格されてしまいますし、逆に50時間働けば10時間分の残業代が支払われることになります。
一方裁量労働制では、そもそも1週間に働かなくてはいけない時間が決められておらず30時間だろうが、50時間だろうが、80時間だろうが給料は変わりません。
実際に働いてみて感じた裁量労働制のメリット
このような特徴を持った裁量労働制。自由に働くことができて良さそうではありますが、この形態で働いている人は実際のところどう感じているのでしょうか。
ここではフレックスタイム制から昇格を機に裁量労働制に変わった人の体験談に基づき、どういったところにメリットがあったかを紹介します。
残業時間にしばりがない
裁量労働制で最も良かったのは残業時間にしばりがないことでした。
フレックスタイム制の時は毎月の残業時間が決められていて、絶対にやらなくてはいけない仕事があるのに時間がなくてできず四苦八苦することが何度もありました。
時間があろうがなかろうが関係なく、仕事は終わらせなければならないし、終わらなければ上司にきつく怒られます。
このことが負担になって追い込まれてしまった人も少なからずいましたね。
遅刻がない
元々フレックスタイム制だったので決められた出勤時間はなく、朝寝坊しても遅刻扱いにはなりませんでしたから、裁量労働制になったからと言って特に変わりはありませんでした。
ただ普通に決められた時間で働いている人が裁量労働制になったら、このことは大きなメリットになるんではないかなと思いますね。
何か用があれば、早く帰っても問題ありませんし。
実際に働いてみて感じた裁量労働制のデメリット
では続いて裁量労働制のデメリットの部分。実際のところこっちのほうがかなり多かったようです。
給料で損をしている
裁量労働制になったタイミングでは、みなし残業が月30時間。
しかし実際は毎月50時間以上残業することになっていたので、20時間分以上の残業代が貰い損。
同期でも違う部署にいる人は裁量労働制にならなかったんですが、残業時間は自分よりも少ないのに給料はそっちのほうが上になっていて、正直いやになりました。
ちなみに裁量労働制2年目でも、前年の残業実績は考慮されずに30時間のままです。
労働時間は増加
元々フレックスタイムの時は1ヶ月30時間ほどだったんですよ。36協定では特別な事情がない限り1年でできる残業時間の上限は360時間と定められていましたしね。
ただ裁量労働制になると残業時間が増加。もちろん昇格したということもあるんですが、残業のしばりがなくなったせいであれこれと仕事を付与されるようになるんです。
裁量労働制では、自分の仕事をやっていれば早く帰っても良いなんていいますが、どんだけ早くやっても結局上司からどんどん仕事を与えられるだけ。どれだけ頑張ったって早く帰るなんてまず無理です。
月末が特にひどい
特にひどかったのが月末。
後輩には裁量労働制ではない人も多く、月末になると残業のしばりがあってやらなければいけないのに時間がないという状態になってしまいます。
そしてその溢れた仕事をするのは結局自分。毎月、毎月やってられないくらい仕事が増えます。
裁量労働制のある企業に転職する場合は要注意
このように、裁量労働制には多々デメリットがあります。
しっかり機能していればいいんですが、自由な働き方ができるなんて良さそうな言葉を並べるだけで、実態は単に残業代を減らしたいだけという場合も多々あります。
ですからこれから転職をしようと考えている人は、裁量労働制のある企業は要注意。ひどい長時間労働になってしまう可能性があることを忘れないでください。
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