長時間労働は精神的にも肉体的にもとても大きな負担になるもの。
これによって体を壊してしまう人は後を絶たず、最悪の場合には過労死に至ってしまう人もいます。
これに対し国は健康障害が生じた際の労働との因果関係を判断する為のものとして過労死ラインを設定。残業が月間80時間を超えた場合に健康障害が労働によるものである可能性が高いとしました。
また残業が月間45時間を超えた場合、健康障害のリスクは徐々に高くなってくるという通達も出しています。
しかしながら現実としては残業45時間を超えることが当たり前なんて会社はざらにありますし、残業80時間以上、下手したら100時間以上することになっていても会社としてまったく問題視していない場合も少なくありません。
ただもちろんそんな仕事ばかりではありません。正社員だからと言って毎月数十時間の残業は当然、残業は致し方ないものだという考えは間違い。残業が少ない会社、残業なしという仕事は意外に多いです。
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残業ははっきり言って会社次第、個人の力量関係なし
残業をする理由は仕事が終わらないから。個人が努力して仕事を時間内で終わらせることができるようになれば残業はしなくてすむ。
残念ながらそんなことはほとんどないでしょう。
自分の仕事は終わったからと毎日のように一人だけ早く帰ったらどうなるでしょうか。
チーム内で月間残業時間が大きく違うようなことになれば、チームとして協力する自覚がないなんて言われてしまうこともありますし、最終的には仕事の再分配が行われて結局仕事は増えていきます。
ではチームとして効率化を図りチーム全体の残業時間が減ったとしたらどうでしょう。
すると新たな仕事をどんどん命じられるだけで仕事量は増加、余計ストレスがたまることになってしまったなんて場合もあります。
その為、結局残業が多いかどうかというのは会社次第、職場次第。個人の力どうこうでなんとかなるような話ではないんです。
労働者の立場としてもみんながみんな残業がないということを喜ぶわけではありません。
特別プライベートを重視するわけでもなく、残業代を稼いだり評価を上げる為に残業を良しと考えており、会社として規制を設けない限りどんどん残業が増えていってしまうような人もいて、残業を良しとしない人もその流れに巻き込まれてしまうなんていう場合も少なくありません。
そもそも毎月45時間以上の残業が続くのはおかしいこと
そもそも残業が45時間以上続くというのは決して普通のことではなく、おかしいことであるという認識を持たなくてはなりません。
残業をさせるには労使間で36協定を結ぶ必要がありますが、36協定を結んだ場合でも残業の上限時間は決められており、その上限は1ヶ月で45時間、1年間で360時間と決められています。
協定を結ぶ際に「特別条項」というものを付ければこの上限を超えることが可能とはなりますが。超えていいのはあくまで一時的な場合に限られており、恒常的に上限を超すことが許されているわけではありません。
すなわち基本的に残業時間は年間360時間という上限のもと働くべきであり、1ヶ月あたり30時間程度となるはずなんです。
30時間という残業時間が多いか少ないかは人次第ですが、少なくとも毎月50時間、100時間なんていう残業は普通ならばしなくていいはずのことなんです。
それでも残業が少ない会社は多々存在する
残業の多い仕事をしていると、つい残業がないなんて会社、定時で帰ることができる会社なんて存在していないのではないかとも思ってしまうかもしれません。
会社によっては当たり前のように19時以降に出席必須の会議が組まれている場合なんかもありますよね。
しかし実際はそんな会社ばかりではありません。
平日の17時台、18時台は帰宅ラッシュで電車にサラリーマンがたくさんいますからね。多くの人はそんな時間に帰ることができているということです。
正社員として働くならば仕方がないと諦めるのは早すぎ、実際にあなたが希望した働き方ができている人はたくさんいるのです。
残業なし、残業が少ない会社に転職する方法
残業は少ないほうが良いと考えるならば残業が少ない会社に転職するしかありません。
ではどうすれば残業なし、もしくは残業が少ない会社に転職することが可能となるでしょうか。
残業が少ないと求人票に書かれていても実際はめちゃくちゃ多かったり、サービス残業が多かったりする会社もある中で、自分の希望にあった会社を見つけるには少々コツが必要です。
業界、職種によって残業時間は全然違う
残業が多いか少ないかというのは身を置く業界、そして職種によって本当に大きく違います。
ですので仕事を探す際に、どの業界でどの仕事をするのかというのは残業が少ない仕事に就くためにはとても必要ですね。
まず業界ですが、広告やIT業界、金融業かなんかは残業が多いとされていますが、機械メーカー、医療機器メーカー、インフラ業界なんかは平均して残業は少ない傾向があります。
ただ職種にも注目しなくてはなりません。職種によって残業時間は大きく変わってきます。
私の知人でとある大企業のメーカーに勤めていた人は、会社自体の残業平均時間が20時間未満であったもののその部署だけは平均40時間以上。たまに同期に会った時にあまりの格差に驚くそうです。
ただ中途採用で職種を変えようと思うと中々難しい部分があるかもしれません。そんな時は前職での経験を生かしつつできる仕事を探しましょう。
例えば営業であればルート営業、生産技術ならば品質保証にといった具合に全くの未経験者としてではなく残業が少ない職種に転職することは十分に可能です。
みなし残業等の働き方は選ばない方が良い
残業の制度として、単純に超過した分を残業時間とみなされるものだけではなく、少し違った仕組みをとっているものもあります。
例えば「みなし残業」、「固定残業代制」、「裁量労働制」といったものです。
これらの制度は仕事がバリバリできてさっさと終わらせることができれば、残業しなくても残業代が支払われるという労働者にありがたそうな制度なんですが、実態はそんな良いものではありません。
基本的にあらかじめ見込まれた残業時間以内で仕事を終わることはなく、それどころか何十時間もオーバーすることが大半。
私の知人でこういった制度で働いている人もたくさん知っていますが、一人として得をしているという人は聞いたことがありません。
基本的には求人票において書かれていますが、稀に書いていない会社も存在しているので、入社前には雇用契約書等でしっかり確認しておく必要があります。
会社の社風を確認する
会社がどういった社風なのかもよく確認しておく必要があります。
体育会系の会社、仕事を効率化よりも体力勝負を求める会社、仕事のやりがいを強くアピールし残業することが悪いことだと考えない会社、それどころか残業を賞賛する会社なども実際にあるので、入社前にできる限り見極めなくてはなりません。
社風は入社前でもある程度までは知ることが可能。求人票でアピールしている内容、企業サイトでの社長メッセージなど、面接で人事と対面した時の雰囲気など、意外に得られる情報は多いです。
年収と基本給を確認
転職する際に年収を気にする人は多いと思いますが、最終的には想定年収に対して、そのうち基本給がいくらで年収がいくらなのかというのは確認しましょう。
サービス残業がある場合を除けば、年収の内訳がわかればおおよその残業代がわかり、そこから残業時間が推定することが可能です。
直接聞いてみる
残業がどれくらいあるのかというのは、面接時などで直接聞いても問題ありません。
とはいえ言い方には気を付ける必要があります。残業は嫌だという印象を持たれてしまうと仕事が嫌いだと受け止められたりもしますから。
その為、は残業自体をネガティブなことだと捉えていないことをアピールした上で聞く必要があります。
また聞く際には会社の平均時間ではなく職場の平均自体。残業時間は職種によって大きく変わるので会社平均は全く参考になりません。
転職エージェントから情報を得るのも有効な手段
企業の内部事情を調べようと思っても、なかなか一人でやろうと思っても限界があります。
その為、転職エージェントを利用して内部事情を教えてもらうという手段が有効になります。
転職エージェントは企業の人事とつながっているので実情を手に入れやすいですし、残業時間だけではなく有給休暇取得率なども聞くことができるので、入社前に知りたいけれどなかなか知ることができない情報を手に入れやすいです。
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