もう会社に行かないと決めて翌日に電話で仕事を辞めた時の話

会社に行きたくない、そのまま仕事を辞めてしまいたい。

そう思っている方はおそらくかなり多いのではないでしょうか。

もちろん、そう思ってもなかなか辞めるなんてできませんが、いざという時は気持ちに従った行動も必要です。

今回紹介するのは、前日まで普通に行っていた会社をもう行かないと決めて仕事を辞めたAさんの話。

いざと言う時は、こういうやり方もあると知っておくといいかもしれません。

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Aさんが明日から会社に行かないと決めた理由

Aさんが明日から会社に行かないと決めた理由

普通ならば最低でも辞める1ヶ月前には退職を申し出て、しっかり引き継ぎを行った上で退職するのが筋です。

しかし、Aさんは一切その手順を取らず、それまで普通に行っていた会社に翌日から行かず、そのまま辞めました。

何もかもが限界だった

なぜAさんがそんな辞め方をしてしまったか。

その一つ目の理由が、精神的にとにかく限界だったからです。

毎日夜遅くまで残業して残業代もろくに支払われない。

特に何も考えずにどんどん与えられる膨大な量の仕事。

後輩の仕事の責任を被り、謝ってばかりの毎日。

文句と嫌みしか言わない上司の存在。

そんな毎日を過ごしていたAさんは、もうすでに限界を超えていて、突然ふっと「もうこんな会社は辞めてしまおう」と思い立ってしまったのです。

すぐ辞める為の手段があることを知っていた

Aさんは、辞めようと思えばすぐ辞める手段があると知っていたため、今回突然会社を辞めるという決断をしました。

退職は前もって言わなくても、有給休暇を使えば次の日から行かなくてもいい。

もし正当な手続きを踏まずに突然行かなくなっても、損害賠償をとられたりしない。

そういったことがAさんの退職を後押しました。

普通には辞められないことがわかっていた

以前にAさんの先輩が辞める時、それはそれは大変できつい引き止めが行われ、暴言まで吐かれ、退職までにかなり苦労するのをAさんは見ていました。

Aさんは「自分がもし辞めると言ったら、まあ同様の対応になるだろうな」とわかっており、「いくらこっちが正当に辞めようとしても、それを受け入れてくれないなら、正当にやったって苦労するだけだ」という気持ちが強かったのです。

罪悪感がなかったわけではない

とは言え、Aさんにとって罪悪感が全くなかったわけではありません。

Aさんの上司はひどい人だったので、特別上司に対しては何も思いませんでしたが、同僚に対しては申し訳ないという気持ちをAさんは持っていました。

ただ、その罪悪感を余裕で超えるくらい、Aさんの精神的には限界でした。

Aさんが電話で退職の意思を伝えた時の上司の反応と退職まで

Aさんが電話で退職の意思を伝えた時の上司の反応と退職まで

では、Aさんが実際に会社に行くことを辞め、電話で仕事を辞めると告げた時はどんな様子だったのでしょうか。

上司には当然厳しいことを言われた

Aさんは、当然上司からかなり厳しく言われました。

「何を言っているんだ」、「せめてマナーは守れ」、「引継ぎもやらず辞めて申し訳ないと思わないのか」。

罵声とまでは行かないまでも、電話口ではかなり強い口調で責められたことをAさんは覚えてます。

それでもAさんは、撤回してまた会社に行く方がもっと恐ろしかったため、引き下がりませんでした。

そして、とりあえず一度会って話をしようとなり、翌日、上司がAさんの家の近くまで来る流れになりました。

直接話したのは、近くの喫茶店での一度だけ

Aさんの家に来ると上司は言いましたが、それではそれこそ怒鳴られたりもするだろうし、撤回するまで家に居座られても困ると思ったのでAさんは喫茶店で話すことにしました。

実際に喫茶店でAさん、上司、そして一緒に来た人事の人と話したわけですが、正直Aさんが思っていたよりはスムーズに話が進み30分ほどで終わりました。

Aさんの上司も冷静で、なぜ仕事を辞めるのか、なぜこんな辞め方になってしまったのかなどを正直に話すと、素直に納得してくれたのです。

大きなトラブルなく退職

そこからは特にトラブルもなくAさんは退職できました。

Aさんの有給休暇はかなりあまっていたので結局退職日は1ヶ月後になり、1ヶ月間は有給休暇を使用、給与未払いもなく、退職金も満額でした。

この対応にAさんは申し訳なく思い、同僚に何回か電話して引継ぎをしましたが、その後会社に呼ばれることもありませんでした。

Aさんの仕事を辞めてからのその後

Aさんの仕事を辞めてからのその後

Aさんが仕事を辞めてからどうなったのでしょう。

失業保険を受給した

Aさんはまず失業保険を受給しました。

退職日の1週間後くらいに離職票が届いたので、Aさんはすぐに失業保険受給の手続きの為にハローワークに向かいます。

Aさんの場合、自己都合の退職であったものの残業が常に45時間を超えている状態であった為、特定受給離職者に認定され、3ヶ月間の給付制限はつかずに7日間の待期期間のみで需給が開始されました。

転職活動開始から次の仕事で働き始めるまで

転職活動自体は辞めて数週間たったタイミングで始めたものの、失業保険もあったし退職金もあったためついだらだらしてしまいました。

ようやく次の仕事が決まったのは退職日から4ヶ月後です。

Aさんが真面目にやりだしてから内定を貰うまではだいたい2ヶ月くらいでした。

転職して感じたこと

Aさんは転職してから今の時点で2年たっています。

そこでまずAさんのが感じたのは、「こんなまともな会社があるならさっさと転職しておけば良かった」ということ。

「なんであんな会社で10年近くも働いていたんでしょうか」

Aさんは当時、「転職したってどこも一緒」「辞めるのは逃げるみたいでプライドが許さない」と考えていたそうです。

今のAさんは労働条件等を重視して仕事を選んだ分、給料は少し減りましたが、あのタイミングで仕事を辞め、転職に踏み切って本当に良かったと思っています。

Aさんの会社に行かないで退職するという選択について

Aさんの会社に行かないで退職するという選択について

Aさんの会社に行かないで退職するという選択について後悔はないのか、気を付けるべきる点はなんなのか解説します。

申し訳なさはあるが、退職したことに悔いはない

Aさんはしっかりと手続きをせずに辞め、引継ぎもしませんでした。

同僚に対して申し訳ない気持ちも当然あり、マナーが悪いと批判されるのは仕方がないと思ってはいます。

しかし、それでも会社に行かないという選択をしたことはAさんにとって後悔はないそうです。

何よりAさんはもう限界でした。

ただAさんは「そこまで追い詰められていないなら、やっぱり辞める時はちゃんとした流れに従った方がいい」とも思いました。

Aさんは今、余裕ができて冷静になって考えると運が良かった、後になって申し訳ない気持ちが大きくなっていったそうです。

会社に行けなくなった方に気を付けてほしいこと

Aさんの場合は有給休暇を利用して会社を休みました。

その際は会社に連絡したものの、もし何らかの理由で行けなくなってしまい、有給休暇を使わず、会社に連絡しないまま休み続けてしまうと欠勤扱いになってしまいます。

欠勤が続くと、会社によっては解雇することもあるため、辞め方が自己都合ではなく会社都合となる可能性があるのです。

この「自己都合による退職」「会社都合よる退職」には大きな違いがあります。

自己都合の退職とは希望による退職で、会社都合の退職とは退職を余儀なくされた状態です。

この時、会社都合により解雇されたという理由での退職は次の転職時に不利に働くことがあるので、もし欠勤扱いなりそうならすぐに辞める意思を伝え、手続きを進める方が良いでしょう。

会社に行けなくなって退職した人は意外に多い

会社に行けなくなって退職した人は意外に多い

会社に行けなくなると、「自分はダメだ」と自暴自棄になってしまう方もいるでしょう。

しかし、会社に行けなくなって退職を考える人はあなただけではなく、出勤できなくなって退職した人は意外に多いのです。

では、他の人はどのような理由で会社に行けなくなったのでしょうか?

仕事に行けなくなってしまった理由

Aさんの場合は主に残業代の未払いや、圧迫された人間関係によって仕事に行けなくなってしまいました。

ここでは代表的な理由をご紹介します。

人間関係

会社の上司、同僚、部下との関係が良好でない場合、気持ちの面で働きづらさを感じ、退職するケースがあります。

人間関係の中には上司によるパワハラやモラハラ、上司に限らず同僚や部下からのいじめなど、精神的に追い詰められてしまうものも含まれます。

人間関係が悪い場合、会社の雰囲気も悪いことが多く、仕事に行きたくなくなってしまうため、自分に合った仕事をする際でも、人間関係が良好かどうかは重要です。

仕事でのプレッシャー

仕事上に求められる業務レベルが自身の能力と釣り合っていなかったり、要求を達成できなかったりした場合の恐怖によって仕事でのプレッシャーは引き起こされます。

また営業ノルマがきつかったり、部下の管理が忙しいなど、職種や地位によって様々なプレッシャーがあります。

このプレッシャーが過度なものであったり、何年も継続して続くものであったりすれば、精神的にも疲れてきてしまい、退職につながってしまうのです。

体調を崩している(身体的・精神的)

風邪などの一過性な病気ではなく、うつ病や慢性の病気を指します。

長時間の労働時間や残業時間に対し体力が足りず、疲れが取れないことによる身体的な体調不良と、会社での緊張・ストレス、プレッシャーによって引き起こされる精神的な体調不良が一定期間続き、身体的・精神的に耐えられず退職してしまうケースです。

体調不良により休職する場合も可能ですが、復帰した後の環境に変化が無い場合は、再び体調を崩してしまう可能性が高いため注意が必要です。

辞めた方がいい、転職した方がいい時もある

辞めた方がいい、転職した方がいい時もある

辛抱強く一つの会社で働き続けることも確かに大切です。

しかし、時にはAさんのように辞めた方がいい時、転職した方がいい時もあります。

限界なのに無理を続け、体を壊してしまっては元も子もありません。

もちろん、Aさんのような仕事の辞め方はあまり推奨できません。

できる限りは正しい手順で辞めた方がトラブルも起きず、結局は楽です。

ただ、どうしても辞められずにいる人は一つの辞め方として参考にしてもいいのかもしれません。

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