あまり経験したくないものですが、会社生活を送っていると急に辞めたい気持ちに襲われたり、突然会社側から退職を迫られたりすることがあります。

もしあなたがそんな場面に出くわしたとき、何をすべきでしょうか。

筆者はこの両方を経験した1人で、精神は落ち着かない、経済的にも落ち着かない、もう二度と経験したくないけれど得られた学びは多くありました。

今回はその1つ1つを振り返りながら、私の後悔とあなたへのアドバイスをお伝えしていこうと思います。

【体験談】急に会社を辞めた話

大学を卒業後、とある会社の営業として働き始めた私は、入社からたった2ヶ月でスピード退職を決断しました。

その理由は、よく転職の失敗理由として挙げられる理想と現実のギャップです。

入社前の面接では、素の自分を引き出してくれる面接官や業界の最先端に関われるという環境に惹かれて入社しましたが、蓋を開けてみればとにかく仕事のやり方はレトロで体力勝負、残業三昧、精神論。

次々に降りかかるブラックも同然の会社の体制に適応障害を患う新人も現れ、私も辟易、疲弊してしまい「ここには長くいるべきではない」と身の危険を感じました。

そこからは一気に役員陣へ「辞めたい」という旨を話し、3日間の引き止めと談義をくぐり抜けながら最後は即日退職に至りました。

OJTの先輩、部署のリーダーに相談することもなく一気に役員陣へ退職を伝えてしまったこともあり、会社を後にするときは明らかにどんな言葉をかけるか戸惑っている先輩方の姿を今も鮮明に覚えています。

後々、退職の相談は徐々に上へ上へと伝えていくものだと知って、自分の常識の無さには苦笑しましたが、それほど逼迫した精神状態だったことを物語っているともいえます。

関連記事

勢いで辞めて後悔したこと

私は完全なる勢いで退職してしまったため、通常の退職手続きをふっとばして辞めています。

さらに新卒入社した会社であったことからも、引継ぎや挨拶まわりもほとんどなく、文字通り即日退職をした珍しいケースともいえるでしょう。

でもそれは、ある意味で「前例の少ない崖っぷちの状況」、本当にあった最悪の事態の例として私の後悔をお伝えしていこうと思います。

お金が無くなる 

「今後は安定した収入ができるし、もうお金は気にしなくていいや」と大学卒業までは卒業旅行やら何やらで、とてつもない浪費生活を送っていました。

そんな私の貯金額はほぼゼロ。

1人暮らしだったこともあり、2ヶ月分の給与から家賃、光熱費、食費といろいろ引き抜いたらとても生活できる資金はありません。

転職するにしても基本的に3ヶ月程度は見ておかねばならないため、その時は転職活動をしながら単発のアルバイトで食いつないでいました。

転職活動中は交通費もばかにならず、常に残金とにらめっこしながらギリギリを生きねばならいない生活は、精神的にかなりしんどかったことを覚えています。

関連記事

転職エージェントに突っぱねられる

「うーん。この条件だと少しご紹介が難しいかもしれません…。」

ある程度の覚悟はしていたけれど、新卒で何のスキルも実績もなくスピード退職してしまっては、アピールできることなど、ほぼありません。

途中から気づいたのですが、リクナビやマイナビなどの大手エージェント以外にも、ハタラクティブやRe:就活といった第二新卒・既卒向けの転職サービスがあることを知りました。

なるほど、私は分不相応なサービスを利用していたのだとわかり、そちらへ相談を始めてからは少しずつ求人を紹介してもらえるようにはなりました。

それでも書類選考で落とされることも多く、現実を甘く見ていたとひしひし感じることとなります。

もっと金銭的に余裕があれば地道に応募していけたでしょうが、崖っぷちにいた私は長期戦に臨めず、結局ハードルを下げて非正規雇用の応募にシフトしました。

働く気が徐々に消えていく

恋愛と一緒でどんなにこちらが積極的にアピールしても、全く振り向いて貰えなければ心が折れてしまいます。

勢いで辞めてしまった自分が悪いのですが、徐々に最初の「はやく転職したい」という勢いはなくなり、食欲もみるみる落ちて不健康に痩せていきました。

最終的には非正規雇用の事務職として採用をいただくことができ、その日暮らしの生活から脱却できたのは不幸中の幸いでした。

急に辞めるなら、考えておくべきこと

退職ド素人の新卒が「急に辞める」という奇行に走っている状態で、ほとんど先のことに頭が回らなかったのは言うまでもありません。

少なくともみなさんが急な退職で自分の首を絞めないためにも、最低限、退職前に考えておくべきことについてまとめてみました。

先の計画は立てておくこと

あまり無理をし続け、うつ病、さらには過労死なんてことにならないためにも、思い切って辞める勇気は非常に大切です。

しかし、完全に無計画で急に辞めることはお勧めしません。特に金銭面に関しては3ヶ月過ごせるくらいの貯金はしておくべきでしょう。

それが難しければ、副業でもいいので他の収入源を確保しておくこと、転職サイト・転職エージェントに登録して何かしらの情報を仕入れておく必要があります。

また自分の状況に合わせて転職サービスを選ばないと、今回の私のようにボキボキ心を折られることになります。

自分にスキルはあるのか無いのか、第二新卒など、どの枠で応募できるのか、なかには研修付きで就職先を紹介してくれるエージェントもあるので、自分の知識だけに頼らず、よくよくサービスの違いを比較検討しながら登録してみてください。

退職届は必要か

結論から言えば、提出する義務はなく、退職の意思は口頭で伝えるだけでも問題ありません。

しかし退職届は会社側の可否を問わずに退職を通告する書類のため、万が一引き止めなどのトラブルが起きたり退職が長引きそうになったりした際には、「提出後2週間後には退職できる」という証明書類として活躍します。

トラブルを避けるためにも、できるだけ提出しておくことが望ましいでしょう。

退職理由は素直に言うべきか

これは正直なところ「時と場合による」が正解だと思います。

基本的には素直に理由を伝える形で問題ありませんが、会社によっては全力で引き止めにかかられるケースもあります。

私は後者だったので、最初こそ「環境がつらい。精神的につらいので辞めたい。」と言っていましたが、「じゃあ部署を変えよう。営業じゃなくて内勤ならどう?」と延々と引き止められました。

引き止めが常態化している会社では、マニュアルでもあるのかというほど巧妙な切り返しをしてくるため、できるだけ現職では改善できそうにないことを理由として挙げるのが有効だと思います。

ちなみに私の場合は「諦めきれない夢がある。行きたい業界がある。」というウソを真っ直ぐな目で伝えました。

【体験談】急に解雇になった話

地獄の転職活動を終えてようやく漕ぎ着けた2社目。こちらでは人に恵まれたこともあり、今後のキャリアを積極的に考えながら仕事ができていました。

さあこれから正社員登用に向けて研修を受けていこう、と計画していたちょうどその時期。

世界的に流行した感染症の影響をもろに受け、会社は大打撃を受けました。

それでもなんとか他部署やグループ会社の仕事を引き受けて繋いでいたものの、それも長くは続かず会社は一時休業。予定していた研修もすべて白紙となりました。

「3ヶ月後には営業を再開したい」という上司の宣言も虚しく、一本の電話がかかってきて「申し訳ないけど、来月いっぱいで解雇になります」との通達を受けました。

急な解雇を受けたらまずすべきこと

業績悪化による人員調整が解雇の理由だったこと、かつ世間の情勢をみても抗議の余地のなかった私は解雇に応じざるを得ませんでした。

1カ月前に通達を頂いたこともあり、前回に比べて冷静に状況を判断する余裕はありました。

失業手当をもらいにいく

1社目を即日退職したときは気が回らなかったものの、今回は2回目の退職ということもあって失業手当などの救済システムについても目を向けることができました。

今回は会社都合の解雇だったこともあり、失業手当をすぐ受給できる環境にいました。

自己都合の退職の場合は受給までに3ヶ月かかりますが、会社都合では7日間の待機期間の後に支給してもらえます。

支給の条件と支給額は以下の通りです。

 

自己都合退職の場合

会社都合退職の場合
最短支給開始日7日間と3ヶ月7日間
支給日数90~150日90~330日
最大支給額約118万円約260万円

今回は休業に入った時点で収入源を増やそうと転職活動を始めていたこともあり、退職日から約1カ月後には転職先を見つけることができました。

前回の反省を活かせたと感じた瞬間でもあり、やはり一度経験をすると肝が座るのだと思います。

保険・年金の手続き

退職したてですぐに保険・年金の手続きをする気力はなかなか起きないかもしれませんが、放置しておくと後々面倒なことが多いです。

会社に所属しているときは、社会保険、厚生年金という枠で給与から自動的に引き抜かれますよね。

でも離職すると支払いはすべて個人で行わなければなりません。

たとえば国民健康保険に切り替えていないと病院に行っても全額負担、国民年金に切り替えていないと年金機構から通達がきて、催促または免除の申請をする必要が出てきます。

私は催促状が来て免除の申請をしましたが、郵送かつ紙面で申込書を送ったり身分証明書を送ったりするので、受理されるまで約1年近くかかりました。

「このやり取りいつまで続くの!?」と思いながらポストに投函し続けた記憶があります。

予想外はいつでも起こり得る

二度と味わいたくない就活を終えたと思ったら2ヶ月で退職したり、順調に職場に馴染んでいたと思えば予期せぬ災厄に見舞われたり。

人生いつどうなるかわからない、他人事でなくなる瞬間がいつ訪れるかなんて誰にもわかりません。

予想できないのなら、武器となるのは知識と準備だけ。

今回筆者が実際に経験したことをもとに、後悔したこと、やっておくべきだったことについて述べてきましたが、少しでもこの事実と反省が皆さんの今後に役立てられれば幸いです。

思い切った決断も、知識と準備があればきっとあなたの背中を後押ししてくれるはずです。