年収や月収の平均データは割と知られていますが、基本給に限定した平均データはあまり知られていません。
そこで今回は厚生労働省のデータを元に、基本給の平均額を算出してみました。
全体の平均及び、年齢・性別・業種別に記載しているので、自分と比較してみてみましょう。
基本給の平均額はどれくらい?
住宅手当や職務手当、残業手当など給与には様々な項目がありますが、ほとんどの人は大部分が基本給で占められているでしょう。
基本給は給与の中で最も大きく、最も重要性が高いものであることは間違いありませんが、ではその平均額は一体どれくらいなのでしょう。
基本給とは
まず基本給とは何を指すのかということの確認をしておきましょう。
基本給とはその名の通り基本となる給料のことを指します。
給料の中には住宅手当や家族手当、職務手当、残業手当、休日出勤手当など様々な手当が含まれますが、基本給は給料からこれらを除いたものです。
そしてこの基本給に住宅手当や家族手当、職務手当といった手当を含んだものが所定内賃金です。
所定内賃金はあくまで所定内労働時間に対して支払われる労働の対価であり、残業手当や休日出勤手当といった所定外労働時間の労働の対価として支払われるものは含まれません。
ちなみに残業手当や休日出勤はまとめて所定外賃金と言い、所定内賃金と所定外賃金を合わせたものが月給となります。
所定内賃金は平均と手当の割合
まずは所定内賃金の平均額を確認してみましょう。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、所定内賃金は30万6,200円となっています。
先ほども述べているように基本給に住宅手当や職務手当などを含めた金額です、残業代や休日出勤手当は含まれていません。
また厚生労働省の賃金事情等総合調査によると、所定内賃金における基本給や手当の割合は以下の通りとなっています。
- 基本給・・・89.3%
- 奨励給・・・1.5%
- 職務関連手当・・・3.1%
- 生活関連手当・・・5.7%
- その他の手当・・・0.4%
所定内賃金のうち、9割が基本給で1割が各種手当ということです。
算出される基本給の平均額
上記結果から算出される基本給の平均額は27万3,436円ということになります。
(計算式:所定内賃金306,200円×基本給の割合89.3%)
全年齢の平均で見ても、基本給と言うのは30万円を切っているのです。
年齢・性別・業種別の基本給および所定内賃金の平均額
ではここからは年齢・性別・業種ごとに上記の方法で算出した基本給及び所定内賃金の平均額を見て行きましょう。
年齢別の基本給平均額
年齢 | 基本給 | 所定内賃金 |
~19歳 | 15万8,775円 | 17万7,800円 |
20~24歳 | 18万7,262円 | 20万9,700円 |
25~29歳 | 21万4,588円 | 24万300円 |
30~34歳 | 24万4,236円 | 27万3,500円 |
35~39歳 | 26万9,418円 | 30万1,700円 |
40~44歳 | 29万2,368円 | 32万7,400円 |
45~49歳 | 31万4,693円 | 35万2,400円 |
50~54歳 | 33万3,803円 | 37万3,800円 |
55~59歳 | 33万678円 | 37万300円 |
年齢別に見ると、基本給は年々上昇し30代後半で平均程度となり40代で30万円を超え、50代前半にピークをむかえるという形になっています。
20代前半と50代後半で比べてみると上がり幅は約15万円。30年で15万円なので1年あたり約5,000円昇給するということになります。
性別別の基本給の平均額
性別 | 基本給 | 所定内賃金 |
男性 | 30万1,923円 | 33万8,100円 |
女性 | 22万1,911円 | 24万8,500円 |
男性と女性での差は大きく、基本給では8万円、所定内賃金では9万円もの開きがあります。
業種別の基本給の平均額
業種 | 基本給 | 所定内賃金 |
建設業 | 29万8,887円 | 33万4,700円 |
製造業 | 26万4,775円 | 29万6,500円 |
電気・ガス 水道業 | 37万2,828円 | 41万7,500円 |
情報通信業 | 33万7,105円 | 37万7,500円 |
運輸業 郵便業 | 25万754円 | 28万800円 |
卸売業 小売業 | 27万6,116円 | 30万9,200円 |
金融業 保険業 | 33万1,482円 | 37万1,200円 |
不動産業 | 29万1,654円 | 32万6,600円 |
宿泊業 飲食サービス業 | 21万9,053円 | 24万5,300円 |
生活関連 サービス業 娯楽業 | 23万4,323円 | 26万2,400円 |
教育、 学習支援業 | 34万0,680円 | 38万1,500円 |
医療・福祉 | 25万1,826円 | 28万2,000円 |
業種ごとの差も大きく、最も高い電気・ガス・水道業は37万円を超えているのに対し、最も低い宿泊業・飲食サービス業は約22万円。15万円以上の差がついています。
基本給の重要性、月給が高ければそれで良いというわけではないので要注意
今回紹介したのはあくまで平均であり、基本給の金額のみならず月給における基本給と手当の割合も会社によって大きくことなります。
たとえば月給30万円だとしても、基本給が28万円で手当が2万円というケースもあれば、基本給が20万円でてあてが10万円というケースもあるわけです。
ただ両者はたとえ月給が同じであっても、それ以外の様々な面で影響します。
一つ目がボーナス。ボーナス○ヶ月となった場合、基準となるのは月給ではなく基本給であることが多いです。
その為、先ほどのケースでボーナスを年間5ヶ月分として考えると、基本給が28万円の場合は140万円であるのに対して基本給が20万円の場合は100万円。
年収にすると40万円もの差が生まれてしまうのです。
そして二つ目が残業代。残業代を計算する元は基本給ではなく職務手当等も含めた基準内賃金で行いますが、家族手当や住宅手当はそれに含まれません。
家族手当や住宅手当が多いケースだと残業代の単価は低くなってしまうのです。
三つ目が退職金。退職金もボーナス同様に基本給をベースに計算されるケースが多いです。もし退職金が40ヶ月分だとしたら、基本給が10万円違うことで400万円もの差がつくことになります。
そして最後が手当は基本給よりもなくなってしまう可能性があるということ。一方的に手当を廃止することは不利益変更に当たるのでできませんが、会社にとっては基本給よりもずっと無くしやすいです。
残業代にいたっては、月ごとに簡単に減らすこともできます。
だからこそ基本給がいくらかというのは非常に重要。転職・就職時には月給の高さにまどわされずにしっかり確認するようにしましょう。
まとめ
給与の中で基本となる基本給は所定内賃金の9割を占め、その平均値は27万3,436円という結果になりました。
なお給料は基本給のみならず様々な手当も追加され、年収にはボーナスも加わりますが、一般的には基本給が高いほど給料は高く、そしてボーナスも多く年収も高い傾向にあります。
もし平均に比べて給料が低いという人は、この機会に転職を考えてみてはいかがでしょうか。
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