ここ数年上昇している最低賃金は、アルバイトやパート、派遣社員といった時給制で働く人だけが関係するものではありません。
月給制であっても最低賃金は守られるものです。もし今、最低賃金レベルの給料で働いているなら給料は年々上がっていかなければおかしいです。
そこで今回は、最低賃金に基づいた基本給の最低ラインの計算方法について説明します。今現在、基本給が16万円を下回っている人はぜひチェックしてみてください。
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最低賃金と基本給について
最低賃金は使用者が労働者に支払わなければならない最低額のことで、近年は世界情勢の影響もあり年々上昇しています。
国や自治体が自由に決めるものではなく、最低賃金審査会による審議が行われ毎年改定されるものです。
時給制・月給制のどちらで働く場合でも収入の基準となるため、使用者はもちろん労働者も注目する重要なポジションを担っています。
はじめに、最低賃金と基本給について詳しく見ていきましょう。
最低賃金とは
最低賃金は最低賃金法という法律で定められており、使用者と労働者の合意の元で最低賃金未満の金額で労働契約を締結したとしても、法律により無効とされ最低賃金額と同等の契約をしたものとみなされます。
そのため、使用者が最低賃金未満の賃金を支払っていた場合はその差額も労働者に支払わなければならないものです。
また、最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。
「地域別最低賃金」は各都道府県で設定される最低賃金で、令和4年度の地域別最低賃金は東京都で1,072円が最も高く、その他はおおむね850円台から900円台で推移しています。
「特定(産業別)最低賃金」は特定の産業別に設定される最低賃金で、使用者と労働者の間で「地域別最低賃金」よりも高い最低賃金必要と認めた場合に設定されるものです。
ほかの産業よりも高い最低賃金を設定することで、企業や産業の魅力を高める狙いもあるでしょう。
令和4年度の「特定(産業別)最低賃金」は、千葉県の鉄鋼業が1,054円と最も高く、日額で定めている産業もあります。
これらの最低賃金制度を守らなかった場合、使用者は差額を支払わなければならないことに加え、地域別最低賃金は50万円以下の罰金、特定(産業別)最低賃金は30万円以下の罰金といった罰則も定められています。
基本給とは
ちなみに最低賃金と基本給は別物です。
労働者がもらう給料には通勤手当・役職手当・家族手当・住宅手当・残業手当・時間外手当といった各種手当が含まれています。
中でも基本給は給料明細上に記載される「基本給」の金額を指し、各種手当てを含まない毎月固定で支払われる部分をいいます。
基本給は企業ごと、個人の能力やスキルにより異なることが特徴です。
また、ボーナスがある会社の場合、基本給をベースに数ヵ月分が支給されるので、基本給が高い方がボーナスも期待できるでしょう。
このように基本給は各種手当てを除く給料の基本となる部分であり、最低賃金とは全く違う性質のものです。
最低賃金の推移、近年は年3%程度の上昇
ここでは最低賃金の推移を見て行きましょう。
全国の平均最低賃金は2020年以降も上がり続けていることがわかります。
全国の最低賃金
2013年に764円だった最低賃金は、2022年には961円と1時間あたり197円上昇しています。
10年前の2013年と比べてみると、1ヶ月20日働いた場合で考えると31,520円も給料が増えていることになります。
参考:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧|令和4年度地域別最低賃金改定状況」
東京の最低賃金
全国の中でも最も最低賃金が高いのは東京都の1,072円です。
2019年からは1,000円台を突破して、その後も右肩上がりで上昇していることがわかります。
最低賃金が高いと給料も多くなりますが東京は物価も高いです。
そのため、最低賃金が高いからといって余裕ある暮らしができるとは限らないでしょう。
基本給16万円以下は要注意!あなたの基本給が最低ラインを下回っていないか確認しよう
最低賃金は月給制でも満たされるべきものです。月給を1時間あたりに換算して最低時給を下回っている場合、使用者に申告して差額の支払いを求める必要があります。
では、あなたの給料が最低賃金以上となっているか確認していきましょう。
正社員で最低賃金であった場合の手取り
最低賃金を計算する際は、基本給を中心に計算して割り出します。
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全国と東京都の最低賃金をもとに1日8時間、20日稼働した場合で大まかな手取り額を計算してみましょう。
2022年全国平均最低賃金は961円、961円×8時間×20日=153,760円になります。概ね手取りは123,008円です。
東京都の最低賃金は1,072円、1,072円×8時間×20日=171,520円になり、概ね手取りは137,216円です。
この金額は最低賃金から計算したのみのため、通常なら交通費や住宅手当、残業代など各種手当てが加わり、もう少し多い手取りになります。
ただ、計算上の手取り額に手当て分が30,000円プラスされたとしても、生活を切り詰める必要があるでしょう。
最低賃金を割り出す計算方法
月給制の場合、最低賃金は「月給÷1ヶ月平均所定労働時間≧最低賃金額」で計算します。
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金のことを指すため、次の賃金は給料から除外した金額で計算します。
<最低賃金の対象外となる賃金の種類>
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役職手当や職務手当といったものは除外せずに計算するので少しややこしいですが、最低賃金を元に基本給の最低ラインを計算していきましょう。
ここでは1日の所定労働時間が8時間、1年間の所定労働日数250日(年間休日115日)として計算します。
1ヶ月の平均所定労働時間は【8時間×250日÷12ヶ月】で166.7時間です。
2022年の全国平均最低賃金961円を元に計算してみると月あたり160,198円、東京の場合は、178,702円が最低ラインとなります。
この金額を下回っている場合は最低賃金未満で働いているということになります。
もし、年間休日が105日の場合、同年全国平均で166,253円、東京なら185,456円が最低ラインです。
ぜひ自分の給料が最低賃金を満たしているか計算してみてください。
ちなみに、給与形態が日給制や歩合制の場合でも最低賃金額以上かどうかを確認する方法があるので、チェックしてみることをおすすめします。
日給制や歩合制の場合
ここでは給料が日給制や歩合制の場合、最低賃金を下回っていないか確認していきます。
日給制の場合は「日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)」、歩合制の場合は「歩合制賃金総額÷当該期間中の労働時間合計≧最低賃金額)」として計算します。
ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合は、「日給≧最低賃金額(時間額)」となるので注意が必要です。
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最低賃金以下で働いては絶対だめ!こんなケースに要注意!
最低賃金以下で働くのは労働者が損をするだけです。
せっかくの自分の大切な時間を、アルバイトより低い給料で働いていては正社員だったとしても多くの損をしています。
以下のようなケースの場合、あらためて計算すると最低賃金以下となっている可能性があるので注意してください。
みなし残業制で基本給が低い
みなし残業制度は、あらかじめ残業時間が決められ、賃金の中に一定時間分の残業代をいれて給料を支給する制度です。
決められた残業時間内で仕事が終われば問題ありませんが、オーバーしても残業代を支払ってもらえない場合、サービス残業と同じ状態になります。
この制度を導入している会社は少なくありませんが、定められた残業時間内で終わらない仕事量がある、基本給そのものが低い場合は注意が必要です。
月給25万円の会社でもその内訳が基本給15万円、残業代10万円だった場合、かなりの残業を強いられることになるからです。
時給換算で1,000円の場合で計算すると、時間外割増で時給1,250円となり、残業代10万円なら月間80時間、1日あたり4時間もの残業をすることになります。
基本給が15万円なら2022年度の最低賃金未満となることからも、月給のうち基本給はいくらで残業代はいくらか、残業時間は何時間として組まれているかは、よく把握しなければなりません。
歩合制
歩合給をとっている場合、最低賃金は固定給と歩合給を合わせた額で計算されます。
たとえば、その会社の平均的な給料が20万円の場合、内訳が固定給が15万円、歩合給が5万円でも問題はありません。
しかし、問題なのは成果を出せない月に歩合給が0円、固定給とあわせて15万円となることです。
2022年度の最低賃金を参考にすると、全国平均でも15万円を上回る手取り額となっています。
そのため、歩合制の会社だったとしても基本給が最低賃金を上回ることはもちろん、できるだけ基本給が高い会社を選ぶことが重要です。
試用期間
試用期間中は給料○○円というように、試用期間中の給料を少なくしている会社は多いです。
それ自体は問題ないのですが、試用期間であっても最低賃金は守らなくてはいけません。
たとえば、時給制の仕事でも試用期間だから時給700円などのように、各地域の最低賃金未満で働かせることは許されないのです。
サービス残業が多い
残業をしたらその分の残業代は支払われて当然なのですが、残業代の出ないサービス残業を強いられているという人も少なくないでしょう。
残業代が正当に支払われないのは、そもそも労働基準法第37条に違反している行為です。
法で罰せられる問題ですが、最低賃金という観点から見ても最低賃金未満で働いている可能性が出てきます。
たとえば、月給20万円で働いている人が毎月サービス残業を50時間したとしましょう。
2022年度の全国平均最低賃金は、961円です。残業代なら25%割増になるので、1,201円が残業代の最低賃金になります。
あくまでも計算上の話ではありますが、月50時間分の残業代60,050円+月給20万円をもらっていないと割の合わない状態です。
1日8時間、20日稼働する場合、月間の労働時間は160時間、残業50時間を加えると210時間になります。
残業代が出ない場合、20万円÷210時間=時給952円となり、全国平均最低賃金未満で働いている状態となります。
こうして考えてみると、サービス残業が多いために最低賃金未満で働く人は多いといえるでしょう。
最低賃金以下はもちろん、最低賃金レベルなら転職を検討しよう
もし、あなたが最低賃金未満で働いているなら、すぐにでも転職した方が良いでしょう。
また、これまで最低賃金未満で働き損してきた給料を取り戻すために、弁護士に相談することをおすすめします。
最低賃金未満での労働は法で禁じられているので、使用者は現在の賃金と最低賃金との差額を使用者に支払わなければならないからです。
決して、いつまでも損ばかりし続けてはいけません。
また、あなたの住まいの最低賃金を満たしていたとしても、最低賃金ギリギリレベルの正社員の場合は転職を検討した方が良いでしょう。
現在の人手不足と売り手市場である状況を考えれば、給料をアップさせることは十分可能です。
ぜひ転職を前向きに考えてみてください。
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