自分が参加したプロジェクトが成功すれば、会社から評価されるでしょう。
しかし、全てのプロジェクトが上手くいくわけではありません。中には、大きな失敗をして、継続が困難になるプロジェクトもあります。
そして、失敗の仕方があまりに酷いと炎上プロジェクトとなってしまいます。
もちろん、炎上プロジェクトを立て直せるなら、それが一番好ましいことです。ただ、炎上するほどの失敗をカバーするのは非常に難しいでしょう。
そんな時は、炎上プロジェクトからいち早く逃げた方が賢明です。
とはいっても、炎上プロジェクトからの逃げ方というのも簡単な話ではありません。
そこで本記事では、炎上プロジェクトからの逃げ方について解説します。炎上プロジェクトに巻き込まれた場合の対処法などもお話するので、炎上プロジェクトにかかわった経験がある方は参考にしてみてください。
プロジェクトが炎上する原因
まずは、プロジェクトが炎上する原因について解説します。どれも実際に起きているあるあるな原因なので、あなたの経験と照らし合わせてみてください。
クライアントの要求が無理、理不尽
1つ目のプロジェクトが炎上する原因は、クライアントの要求が無理、理不尽というものです。
どんな仕事でも、実現可能な目標と不可能な目標があります。
しかしクライアントの中には、達成した時の理想ばかりに目が行き、現実的に実現できるのかどうか考えずに仕事を要求してくる人がいます。
当然、実現不可能な目標なので最終的に失敗して、プロジェクトが炎上するといった失敗に陥るのです。
また、細かい指示などがなく、夢物語のような目標だけ掲げるのも、プロジェクトが炎上する原因として良くあります。
無理な要求をしてくるクライアントがいた場合には、どこまでが現実的に実現可能なのか説明した上で、再度別の目標を立てる必要があります。
クライアントや協力会社などと適切・必要なコミュニケーションが取れない
2つ目のプロジェクトが炎上する原因は、クライアントや協力会社などと適切・必要なコミュニケーションが取れないというものです。
仕事は1人でするものではありません。特に大きなプロジェクトとなると、関わっている人たちの密なコミュニケーションが成功のカギとなります。
しかし、失敗して炎上するプロジェクトほど、クライアントや協力会社と適切なコミュニケーションが取れておらず、円滑に仕事が進まなくなっています。
また、クライアントや協力会社とは常に同じ場所にいて仕事するわけではないため、どうしてもコミュニケーション不足になりがちです。
新しいプロジェクトを立ち上げた際は、積極的にクライアントや協力会社とコミュニケーションが取れる機会を作る必要があります。
品質管理やルールなどが細かすぎて余分な作業が多く進まない
3つ目のプロジェクトが炎上する原因は、品質管理やルールなどの細かな作業が多く、進まないというものです。
仕事を進める上でルールを決めたり、品質管理を徹底したりといった細部へのこだわりは非常に大切でしょう。
しかし、そのこだわりが強すぎるせいでメインの業務がおろそかになっていては意味がありません。
実際、品質管理や細かいルールがありすぎるが故に、失敗して炎上したプロジェクトが数多くあります。
細部にこだわるのも大切ですが、メイン業務をおろそかにしてまで実行すべき内容ではありません。
あくまでも、メイン業務をサポートかつ円滑に進めるためのルール作りを心掛けましょう。
プロジェクトマネージャーやリーダーが離脱してしまった
4つ目のプロジェクトが炎上する原因は、プロジェクトマネージャーやリーダーが離脱してしまったというものです。
大きなプロジェクトとなると、マネージャーやリーダーの存在が必要不可欠です。この人たちの存在なくして、一つの大きな仕事を成し遂げるのは難しいでしょう。
しかし、失敗して炎上するプロジェクトの中には、途中でマネージャーやリーダーが離脱してしまうケースがあります。
離脱する理由は様々で、単純に体調を崩して仕事が続けられないという原因から、マネージャーやリーダーという責任ある立場に耐えられなくなり辞めるケースもあります。
どのような理由にしても、マネージャーやリーダーが途中で離脱すると仕事が円滑に進まなくなります。
また、代わりの人材が来ても、今までのやり方と違う進め方になるので、なかなか立て直すのが難しいというのが実情です。
新しい技術を取り入れたいが有識者がいない
5つ目のプロジェクトが炎上する原因は、新しい技術を取り入れたいが有識者がいないというものです。
新しいプロジェクトでは、新技術を使ってみたくなるでしょう。しかし、その新技術に関する有識者が存在しないと、優れた技術でも意味がありません。
それどころか、かえって新技術の習得に時間がかかり、円滑にプロジェクトが進まなくなる恐れもあります。
新しい技術を取り入れる際は、必ずその技術の有識者にプロジェクトへ参加してもらうようにしてください。
炎上プロジェクトからの逃げ方
続いては、参加していたプロジェクトが炎上した時の逃げ方について解説します。
休職する
1つ目に紹介する炎上したプロジェクトからの逃げ方は休職することです。
私傷病など、就業規則に定められた事由に該当していれば一定期間は仕事を休めるので、一時的に休職するという逃げ方があります。
これなら、仕事を辞めるわけではないので、再び仕事に戻ればOKです。次の仕事などの心配も不要なので選びやすい選択肢でしょう。
ただし、仕事に復帰しても再び同じような目に遭う可能性があるので、その会社に対して思い入れがないのであれば、あまりおすすめできる逃げ方ではありません。
別の部署への異動を希望する
2つ目に紹介する炎上したプロジェクトからの逃げ方は、別の部署への異動を希望することです。
この逃げ方なら、退職や休職はせず別の部署に異動するだけなので、収入が途絶える心配がありません。
また、異動の希望が取りやすい会社なら、比較的簡単に実践できるのでおすすめです。
もし、別の部署への異動を希望する場合は、上司にプロジェクトから抜けたいという旨も伝えておくと良いでしょう。
ただし、別の部署に逃げるだけだと、プロジェクトに参加している他の社員と会う機会があるかもしれないので、その時は気まずい思いをする可能性があります。
退職して転職や独立をする
3つ目に紹介する炎上したプロジェクトからの逃げ方は、退職して転職や独立をすることです。
やはり、炎上したプロジェクトからの逃げ方として最も現実的なのが退職になります。なぜなら、前の2つの方法だと、その後の仕事に影響を及ぼす可能性があるからです。
それに対して退職してしまえば、一切炎上したプロジェクトとかかわる心配がないので、気持ちを切り替えて新しい仕事に臨めるようになります。
もちろん、退職した後は転職先を探すか独立して仕事は継続しないと生活が送れなくなりますので、退職した後の仕事まで考えた上で辞めるようにしてください。
炎上プロジェクトから逃げても良い理由
「いくら炎上したプロジェクトとはいえ、仕事を途中で投げ出すなんてできない」と考える方もいるでしょう。
しかし、炎上したプロジェクトからは逃げても良いのです。ここでは、炎上したプロジェクトから逃げても良い理由について解説します。
社員は取り組むプロジェクトを選べない
1つ目の炎上したプロジェクトから逃げても良い理由は、社員は取り組むプロジェクトを選べないからです。
そもそも、そのプロジェクトに参加したのはあなたの意思ではなく、会社からの指示があったからでしょう。
もちろん会社側も、あなたならプロジェクトに適していると判断したから抜擢したはずです。しかし、プロジェクトが炎上した今、その判断は間違っていた可能性があります。
人には適材適所というものがあり、たまたま今回のプロジェクトとあなたの能力がマッチしていなかっただけです。
そして、あなたを抜擢したのは会社なので、自分には合っていないと感じたのなら逃げてしまっても構いません。
無理して継続しても心身を害するだけなので、自分の能力にマッチしていない仕事からは逃げてしまいましょう。
炎上の責任は社員ではなく会社にある
2つ目の炎上したプロジェクトから逃げても良い理由は、炎上の責任は社員ではなく会社にあるからです。
プロジェクトは、社員が一丸となって進めるものなので、たった1人の社員で成功・失敗が決まるものではありません。
そのためプロジェクトが炎上したとしても、それはあなたが悪いのではなく、会社側が計画などを見誤っただけなのです。
なので、あなたが炎上したプロジェクトに対して過度に責任を感じる必要はありません。
あなたが逃げてもプロジェクトがとん挫するケースは稀
3つ目の炎上したプロジェクトから逃げても良い理由は、あなたが逃げてもプロジェクトがとん挫するケースは稀だからです。
プロジェクトというのは、経った1人の社員で成功・失敗が決まるものではありません。そのため、あなたが逃げたとしても、そのプロジェクトがとん挫するケースは稀です。
もちろん、あなた自身がプロジェクトを立て直せる自信があるなら別ですが、そうでないなら無理して続ける必要はありません。
仕事よりも自分を守った方が良い
4つ目の炎上したプロジェクトから逃げても良い理由は、仕事よりも自分を守った方が良いからです。
責任を持って仕事を続けるのは大切でしょう。しかし、それであなたの体や心が病んでしまっては意味がありません。
仕事よりも自分の体を守る方が良いのは当たり前なので、心身が壊れてしまいそうなら無理に継続せずに逃げてしまっても構わないのです。
正当な理由による退職は法律で認められている
5つ目の炎上したプロジェクトから逃げても良い理由は、正当な理由による退職は法律で認められているからです。
実際、厚生労働省のホームページには、正当な理由のある自己都合の退職として、「体力の不足」や「心身の障害」といった記述があります*。
つまり、「仕事がきつい」という理由で退職しても良いというわけです。
無理して仕事を継続していると、うつ病など深刻な病気を発症する恐れもあるので、無理はせずに退職という判断をしてください。
炎上プロジェクトに巻き込まれている場合の対処法
まじめな人や責任感が強い人、悩みや問題を1人で抱え込みやすい人、周りに気を使いすぎる人は炎上プロジェクトに巻き込まれやすい傾向があります。
そして、これらの特徴に該当する人は、プロジェクトが炎上しても無理してしまい、心身を害す恐れがあります。
パワハラの餌食やうつ病になる前に早めの対処が必要です。
具体的な対処法としては、以下の3つが挙げられます。
- 退職前3ヶ月程度の勤務時間の記録を取り、特定受給資格者に認定してもらう*
- 転職、退職の準備を進める
- すぐ転職しない場合は失業保険の手続きをする
深刻な事態が起きる前に、これら3つの対処法を講じるようにしてください。
*参考:厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準 P4の(5)」
炎上プロジェクトは無理に続けない方が良い
今回は、炎上プロジェクトからの逃げ方について解説しました。
確かに、仕事を途中で投げ出すのは心苦しいものでしょう。しかし、あなたが全責任を負って無理する必要がありません。
なぜなら、プロジェクトの炎上は会社全体の責任だからです。
炎上プロジェクトに無理に取り組むと、鬱になるリスクや心身崩壊のリスクが高いので、無理せず逃げて自分を守るようにしてください。
最も確実な逃げ方は退職です。退職した後の収入や生活費なども考えた上で、早めに対策を講じるようにしましょう。