仕事がいくら楽しいものであったとしても休みがしっかりしていることは大切。できることなら毎週二日に加えて年に数回の長期休暇が欲しいところですよね。
しかし中には長期休暇がない、祝日が休みではないどころか、週1日しか休みがない年間休日60日という厳しい状況で働いている人もいます。
あまりに休みが少ないのは肉体的にも精神的にも決して良いことではありません。
無理に働き続けるのではなく、違う仕事へ転職することも早めに考えておいた方が良いでしょう。
関連:年間休日87日で働いていた感想。違法ではないけど少なすぎてさすがにきつい。
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年間休日60日はさすがに少ない
年間休日60日。さすがに休みとすると少なすぎます。
年間休日数の平均は113.8日。平均から見るとおよそ半分。
業種別にみても最も少ない宿泊業、飲食サービス業が101.9日ありますから、どんな仕事であれ異常に少ないです。
休み方としてはおそらく年に数回2連休か3連休があるくらいでしょう。
ほぼ毎週6日出勤の1日休み。
毎週全然休んだ気がせず、疲れもストレスも溜まっていく一方です。
有給休暇をとれたとしても合わせて80日程度。80日でも平均から大幅に下回るような日数。
まあ60日しか休みがない会社で有給休暇をフルでとれるかというとそんなことはなく、ほとんどとれないという人が多いでしょう。
全体の下位2%未満
厚生労働省が発表している就労条件総合調査結果の概況によると、年間休日数の分布は以下の通り。
年間休日数 | 割合 |
130日以上 | 1.8% |
120~129日 | 27.5% |
110~119日 | 18.7% |
100~109日 | 32.8% |
90~99日 | 8.6% |
80~89日 | 5.7% |
70~79日 | 3.6% |
69日日以下 | 1.3% |
69日未満の割合はたったの2%。60日だと全体から見て異常に少ない数値だということが分かります。
ちなみに最も年間休日数が少ない宿泊業、飲食サービス業の年間休日数の分布は以下の通り。
年間休日数 | 割合 |
69日以下 | 4.6% |
70~79日 | 7.6% |
80~89日 | 18.0% |
90~99日 | 16.9% |
100~109日 | 41.4% |
110~119日 | 3.3% |
120~129日 | 8.2% |
130日以上 | – |
およそ約5%が69日以下。業種的に仕方がないと割り切ることができる日数ではありません。
年間休日60日でも違法ではない?
平均114日という休日数から大幅に少ない年間休日60日。
少なすぎてさすがに違法ではないのかと思う人もいるかもしれません。
ただこれは基本的に問題なし。法律上許されている範囲の休日数です。
違法となるのは週1回の休みすらない場合
労働基準法では休日に関して最低1週間に1日もしくは4週間に4日の休みを与えることが義務付けられています。
1年間は52週ですから、最低52日の休日が設定されていれば良しというわけです。
参考:法律で決められている年間休日の最低日数。違法にならないのは何日から?
年間休日60日の場合の労働時間
ただ年間休日60日の場合には1日あたりの労働時間も注意しなくてはなりません。
法律では1週間40時間以内と定められており、それ以上働く場合は36協定を結んだ上で割り増しした手当を支給しなければいけないと思います。
変形労働時間制を導入すれば1ヶ月もしくは1年間で平均して1週間40時間以内になっていれば良しとなりますが、それでも年間休日60日の場合は6時間50分。
もし変形労働時間制を採用していなければ、週6日で40時間に納めなければいけないので6時間40分。
残業を除いた所定労働時間がこの範囲内に収まっていなくてはなりません。
もし1日8時間で残業代も支払われず年間休日が60日しかないのであればそれは違法、すぐ辞めて残業代を請求することをおすすめします。
休日出勤の扱い
休日出勤はあくまで休日としてみなされる為、割増された手当を支払っていれば問題なし。
例えば年間休日数が60日しかないのにそのうち10日を出勤、実質休みが50日しかなくなり1週間に1日の休日に足りなくなったとしても、問題はありません。
手当が支払われなければもちろん違法ですが。
休日が少ないことのデメリット
精神的にも身体的にも、休みを取ることはとても重要です。
いつも元気だからといって無理して休みが少ない仕事を続けてしまうと、取り返しのつかないことになってしまう可能性もあります。
そんなことにならないためにも休みが少ない場合、具体的にどんなデメリットがあるのかを意識しましょう。
疲れが取れない
休みが少ないということは普段から仕事が多く、忙しいことにも結び付きます。
そんな状態では慢性的に疲れが取りづらい上、最初から休みも少ないためいづれ身体を壊してしまうでしょう。
どんな人であれ身体を壊してしまっては元も子もありません。疲労回復するための時間が無ければ要注意です。
慢性的な疲れは精神に影響することも
いつまでも自分の精神や身体の休みが取ることができなければ、最悪の場合うつ病などの精神疾患を引き起こす可能性もあります。
うつ病や精神疾患は過度なストレスによってなりやすいため、毎日毎日仕事をしていて気づいたらうつ病になっていた、ということにもなりかねません。
そうなってしまってはもう仕事どころではありません。自分自身の今後のためにも、休みが少ない生活を見直しましょう。
家族や友人、プライベートの時間が取れない
休みが少ないとプライベートの時間は言わずもがな、家族や友人との時間を取ることも難しくなるでしょう。
たとえ休みがあったとしても、仕事から解放されたことで1日中何もしたくないと感じてしまいます。
この結果、自分の好きなことをする気分転換もできず、家族や友人とのコミュニケーション不足により亀裂が生じるかもしれません。
仕事の効率が低下する
十分な休養を取れなければ、確実に仕事の効率は自然と低下します。
仕事の効率が悪くなると残業増え、疲労、ストレスもたまり、それがまた仕事に影響する悪循環を生んでしまうでしょう。
効率よく仕事をするためには精神的にも身体的にも健康である必要があります。休みが少ないのならばどちらも達成することはできませんよね。
違法ではなくてもさすがに転職を考えるべき日数
年間休日数をどの程度にするかは会社次第。業種、仕事の内容、経営者の方針から大きく変わりますが、労働者にとってみればできる限り多い方が良いに決まっています。
ただ休みが多ければ良い会社かと言うと決してそういうわけではありません。
休みは多くても給料が低く、残業が多く、休日出勤も多いと魅力が高いとは言えませんし、休みが多少少なくても、給料が良く毎日定時で帰ることができ有給休暇も取りやすいなら良い会社だと感じる人も多いでしょう。
しかし年間休日数が60日というのはさすがに少なすぎ。
いくら他の条件が良くても決しても肉体的、精神的な疲労は全然とることができないし、あまりのプライベートの時間の少なさに将来大きな後悔を残すことになる可能性が高いです。
ですからはっきり言ってその会社は今すぐにでも辞めて違う会社に転職するべき。
どうせいつか体がもたなくなり辞めることになりますから、売り手市場で転職しやすい今のうちにさっさと転職に踏み切るべきです。
年間休日60日というのはかなりの底辺であることは先ほどの分布でわかったはず。転職さえできればたいてい今よりはましになります。
年間休日60日はブラック企業の可能性もある
ここまでくると、年間休日60日はブラック企業ではないのか?と考えてくる方もいると思います。
業種や職務によっては年間休日60日しか取れないという場合もあるので、一概にブラック企業とは言えませんが、就労条件総合調査結果の概況による結果には約8割の業種は100日以上の年間休日があることがわかります。
また、ブラック企業によくある行為として、長時間労働、過重労働、休日が少ない、有給が取れないということが最初に上げらることもご存知の方は多いと思われます。
今までの内容も含め、法律上は違法でなくとも年間休日が60日しかないということは、だれが見ても異常であることは明らかです。
ブラック企業として見なされてしまう可能性はとても高いでしょう。
まずは転職活動を始めよう
休みが少ないことに不満があるならまずとにかく始めなくてはいけないのが転職活動。
現在は転職サイトや転職エージェントと言った転職支援サービスが充実しており在職中であっても十分に転職活動を行うことは可能です。
いずれ追い詰められてするのではなく、ぜひ今自分の意思で転職活動をスタートさせてください。
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