残業が50時間あるというのは、たとえ残業が多いとされている正社員であってもかなり多い方です。
そして残業がない人に比べると1.3倍も働いていることになりますから、きついと思ってしまうのも当然の働き方でもあります。
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残業50時間はかなりきつい!でも普通?
中には残業50時間なんて全然余裕、もっともっとやるのが当たり前なんていう人もいるかもしれませんが、多くの人は残業を50時間もすればかなりきついと感じるのではないでしょうか。
私自身、何か連続で残業50時間以上したこともありましたが、やっぱりきつかったです。
残業が30時間の場合と比べると20時間の差でしかありませんが、きつさは全然違いましたね。
ただ正社員なら、このくらいの残業ってやっている人は多いのでしょうか?普通の残業時間なのでしょうか。
平均から比べてもかなり多い残業時間
結論から述べると、残業50時間というのはかなり多いほうで、決して普通ではない残業時間です。
openworkが実施した平均残業時間の調査結果によると、月の残業時間は平均で28時間となっています。
残業50時間は平均の2倍近く。
同じ会社の人、周りの会社の人と比べたら多い方ではないと感じる場合もあるかもしれませんが、全平均からみればかなり多い方なのです。
詳しいことは後述しますが、そもそも残業50時間というのは法律的にも当たり前のようにやってはいけない残業時間。それが当たり前なんてことはさすがにありません。
1日平均2.5時間残業はやっぱり多すぎ
残業50時間するとなると、1日平均2.5時間も残業することになります。毎日同じ時間だけ残業するわけではないでしょうから、日によっては3時間も4時間も残業する日がでてきます。
たとえば定時が18時で通勤時間に1時間かかるとしましょう。
残業2.5時間すれば家に帰るのは21時半。残業3時間すれば家に帰るのは22時。残業4時間すれば家に帰るのは23時。
平日はプライベートの時間なんてありませんね。多すぎです。
残業が月45時間超えると病気発症のリスクが高まる!?
これだけ残業していればストレスはかなりかかってしまいます。そしてそのストレスは健康に悪影響を及ぼします。
労働災害認定で用いられるいわゆる「過労死ライン」は80時間です。
しかし、45時間以上を超えると徐々に発症リスクが高まってくると厚生労働省は通達を出しています。
疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、
発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること厚生労働省「基発第1063号」
残業50時間を続けていれば、体を壊してしまってもなんらおかしくはないのです。
残業50時間ってそもそも法律的に問題ないの?改めて確認したい36協定のルール
残業が50時間を超えているからと言ってすぐに法律的に問題があるとはなりませんが、違法になるケースも場合によってはあります。
あらためて、労働基準法、36協定のルールを確認していきましょう。
残業50時間は特別条項付きの36協定を結ばなくてはできない
まず残業を行う為には、労働基準法にのっとり36協定を結ばなければなりません。
労働基準法第36条(一部抜粋)
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
ただ通常の36協定を結ぶだけでは残業50時間をすることもできません。
36協定の上限は原則1ヶ月45時間以内、1年間360時間と決められています。50時間をすれば上限オーバーです。
ですので、残業50時間をする場合は、臨時的な特別な事情がある場合にのみ結ぶことができる「特別条項付き36協定」というものを使わなければなりません。
中小企業の場合、この特別条項付き36協定どころか、通常の36協定すら結ばずに何時間も残業をさせ違法残業状態になっているケースがあるので注意が必要です。
残業50時間できるのは年6回まで
「特別条項付き36協定」を結べば何回でも50時間を超えることができるかというと、そんなことはありません。
特別条項付き36協定にも上限はあり、以下の通りとなっています。
- 年720 時間以内
- 複数付き平均80時間以内(休日労働含む)
- 月100時間未満(休日労働含む)
- 月45時間を超えることができるのは年間6か月まで
月平均50時間の残業であれば年間総残業時間や複数月平均残業時間の上限にひっかかることはありませんが、一番最後の「年間6か月まで」という点には気を付けなければなりません。
毎月毎月当たり前のように50時間超えの残業をするというのはできないのです。
参考:厚生労働省「働き方改革特設サイト」
特別条項付き36協定を結べるのは「臨時的で特別な事情がある場合のみ」
特別条項付き36 協定を結べば、1年間に6回までは月50時間程度の残業をすることは可能です。
しかし、この特別条項付き36協定を結ぶことができるのは、あくまで臨時的で特別な事情がある場合のみに限られます。
何年連続となるのは禁止といったことはなく、毎年結んでいても違法というわけではありません。
ただ毎年毎年、6か月最大までを45時間超えが頻発するというのは、やっぱりおかしなことです。
残業代はいくら?正しく貰えている?残業を50時間した場合の残業代の目安
このように残業50時間というのは決して普通ではなく、特別な事情の時にしかやってはいけない残業時間です。実際やってみるとかなりきついですしね。
だからこそ、もしやらせるなら残業代はせめてしっかり貰わなくてはいけません。
では残業50時間すると、残業代はどの程度もらうことができるのでしょうか。
一般的な会社をモデルに、1ヶ月の所定総労働時間が168時間(21日×8時間)、割増率1.25倍として残業代及び給料総額を計算してみると、以下の通りになります。
基準内 賃金 | 残業代 (40時間) | 給料総額 |
20万円 | 74,404円 | 274,404円 |
25万円 | 93,005円 | 343,006円 |
30万円 | 111,607円 | 411,607円 |
35万円 | 130,208円 | 480,208円 |
40万円 | 148,809円 | 548,809円 |
45万円 | 167,410円 | 617,410円 |
50万円 | 186,011円 | 686,011円 |
※基準内賃金とは残業代を計算する際に用いられる賃金。給料から家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金を除いたもの。職務手当や役職手当は基準内賃金に含まれる。
残業を50時間もすれば、残業代だけでかなりの金額になりますね。給料はだいたい1.37倍程度になります。
1日の平均所定労働時間や割増率などは会社によって若干違うのでずばりこの金額になるわけではありませんが、大きくかけ離れている場合は注意が必要です。
あまりにきついと思ったら辞めてもいいレベルかも
もし残業代が、たとえば50時間しているのに30時間分までしか出ないなど、正しく支払われていないのであれば、そんな会社は絶対に辞めて転職するべきです。
貴重な時間を会社に無償で捧げるのはやめましょう。
また、もし残業代がきちんとでていたとしても、今の残業量をキツいと感じているなら辞めてもいいと思います。
今回紹介しているように、周りと比べてかなり多い残業時間ですし、下手したら体を壊してもおかしくないレベルです。
確かに残業代という面ではありがたいかもしれませんが、健康の方が大事ですし、今は転職による残業以外の部分のアップも見込める市場になっていますから、ぜひ転職することも検討してみてください。
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