通勤時間が長いと辛いですよね。
仕事をする前から疲れてしまうので、無駄な時間と感じている方も多いでしょう。
確かに、通勤時間はただ電車に揺られているだけですし、ましてや満員電車なら、身動き一つできないため、新聞を読むなどの時間としても使えません。
しかし、通勤時間を無駄な時間にするかどうかは、あなたのちょっとした心がけ次第なのです。
そこで今回は、通勤時間が無駄だと言われる理由について解説します。
加えて、少しでも削減する方法・有効活用の方法についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
平均の通勤時間について
まずは通勤時間の平均を見てみましょう。
総務省統計局が行っている社会生活基本調査によると、通勤時間の平均は往復で1時間19分となっています。片道だと約39分です。
特に通勤時間の長い都道府県は神奈川県の1時間45分、千葉県の1時間42分、埼玉県の1時間36分です。
どの県も東京のベッドタウンとなっているので、県をまたいでの通勤が多いことが要因でしょう。
通勤時間が無駄だと言われる理由
通勤時間が無駄だと言われる理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 満員電車で身動きができないから
- ストレスを感じるから
- 通勤時間そのものが無駄と感じているから
無駄な理由1.満員電車で身動きができないから
通勤時間が無駄だと言われる理由1つ目は満員電車で身動きができないからです。
そもそも、時間に余裕があるなら新聞や本を読んだり、スマホでゲームをしたりといった時間に使えるでしょう。しかし、日本人の多くは通勤で満員電車を使っています。
なかでも、東京都の混雑率は日本で一番高いので東京都内へ通勤されている方は、身動きができないというケースが多いでしょう。
三大都市圏の主要区間の平均混雑率はこののようになっています。
東京圏 | 163% |
大阪圏 | 125% |
名古屋件 | 131% |
ちなみに混雑率の目安としていわゆる満員電車に近い状態は混雑率180%がイメージに近いかと思います。
混雑率の目安 |
100%:定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまれる) 150%:広げて楽に新聞を読める 180%:折りたたむなど無理をすれば新聞を読める 200%:体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める 250%:電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない ※注1:混雑率:最混雑時間帯1時間の平均 ※注2:ピークサイド:最混雑時間帯における前後1時間の平均 引用元:国土交通省 東京圏で混雑率180%超の路線が12路線から11路線へ |
このように身動き一つできないような状態では、通勤時間を有効活用するのは難しいと考えられるため、無駄な時間だと言われるのです。
無駄な理由2.ストレスを感じるから
通勤時間が無駄だと言われる理由2つ目はストレスを感じるからです。
そもそも、通勤している方の中に満員電車が好きという方はほとんどいないでしょう。
むしろ人と人との距離が近くなるため嫌いという方が多いく、毎日満員電車に揺られていると、どんどんとストレスが溜まってしまいます。
実際に「富士大学」の調査によると、通勤時間が長ければ長いほど不安やうつの症状が増長するといった結果が示されたのです(*1)。
さらに、国土交通省の「交通の健康学的影響に関する研究Ⅰ」によると通勤時間が長くなると慢性疲労化しやすくなるといった結果も出ています(*2)。
このように、通勤時間が長いとストレスを感じるようになるだけでなく、うつなどのリスクも高まるというわけです。
ちなみに、ザイマック総研の研究では通勤時間が短い人の方が自己肯定感や自己効力感が高いといった傾向が高いといった結果もあります。
無駄な理由3.通勤時間そのものが無駄と感じているから
通勤時間が無駄だと言われる理由3つ目は通勤時間そのものが無駄と感じているからです。
2020年から感染症が流行して日本全国で感染症対策としてテレワークが多くの企業に取り入れられました 。
当初は感染するリスクを抑えるためという目的でしたが、今ではテレワークの方が効率的に仕事ができる環境になっている会社も珍しくありません。
通勤時間もなく、自分の家でストレスがない環境で仕事ができることから、いまさら通勤をするということに抵抗感を感じる人も多いです。
そのうえで、通勤時間が長いと余計に無駄に感じる度合いも大きくなり、ストレスが溜まりやすくなってしまうのです。
削るべき通勤時間&削減方法3つ
ここでは、削るべき通勤時間とその削減方法について解説します。
削るべき通勤時間
削るべき通勤時間とは、以下のどれかに該当する場合を指します。
✔ 超満員電車で身動き一つできない場合
✔ 片道1時間以上の場合
✔ 片道徒歩20分以上の場合
あなたの通勤時間が以上の3つのどれかに当てはまっているなら、それは削減した方が良い時間になります。
なぜなら、これら3つに該当する時間は大きなストレスを感じるだけでなく、新聞・スマホ・書籍などから情報収集をすることも難しいからです。
また、片道1時間以上の通勤は体力的な消耗が激しく、その他の生活・仕事に支障をきたす恐れがあります。
以上の理由から、3つのうちのどれかに当てはまる場合は削った方が良い時間と言えるでしょう。
削減方法3つ
無駄な通勤時間を削減する方法として、ここでは以下の3つをご紹介します。
削減方法1.自宅に近い支店への異動
削減方法1つ目は自宅に近い支店への異動をお願いするというものです。
これは、自宅の近くに支店がなければできない方法です。しかし、もしも家の近くに通勤できる支店があるなら、駄目もとで異動のお願いを出してみましょう。
異動が実現できれば、従業員の満足度が上がり、交通費が減るという会社側のメリットもあるため、そのことを伝えながらアピールしてみてください。
削減方法2.フレックスタイム・テレワークを活用する
削減方法2つ目はフレックスタイムやテレワークを活用するというものです。
会社によっては、フレックスタイムという自由勤務時間制を導入しているケースがあるので、その場合は通勤時間をずらしてみましょう。
通勤時間そのものの削減こそできないまでも、満員電車を回避できるので、座って通勤できれば時間を有効活用する方法が試せるようになります。
もしもフレックスタイムが利用できれば、読書や仮眠といった時間に充てられるようになるでしょう。
また、テレワークが会社の制度としてあるなら積極的に利用をしてみましょう。
テレワークをすればそもそも通勤時間は0になるので、ギリギリまで自分のプライベートの時間にすることができます。
削減方法3.会社の近くへ引っ越す
削減方法3つ目は会社の近くへ引っ越すというものです。
先に紹介した自宅近くの支店への異動やフレックスタイムの活用は、勤務している会社次第で実践できないという方が多いでしょう。
そこで、最も確実に削減する方法として、会社の近くへ引っ越すというものを提案します。
もちろん、都内へ引っ越す必要がある場合は、家賃が高くなるなどのデメリットはあります。そのため、費用面をよく考えたうえで選択すべき方法です。
しかし、実現できるなら大きな時間削減となるでしょう。
通勤時間を有効活用する方法
「通勤時間を減らす」といってもどれも簡単にできるものではありません。
部署異動を申請しても実現するかわからないですし、フレックスやテレワークが制度としてなければ望みは薄いです。
引っ越しに関しては自分である程度コントロールできる対策ですが、お金もかかるので気軽にできるものではありません。
そこで、逆に通勤時間を有効活用するという方向に考え方をシフトしてみましょう。
- ネットで情報収集をする
- 映画やドラマを見る
- 書籍を音声で楽しむ
- 資格取得の勉強をする
有効活用1.ネットで情報収集をする
1つ目の有効活用法はネットで情報収集をするというものです。
スマホを使って情報収集するというのは、最も気軽にできる有効活用法です。
政治や経済といった社会人として必要な知識を集めるのも良いですし、あなたが興味を持った分野に関する情報収集するのも良いでしょう。
ただし、この方法は満員電車で身動き一つできない状況では、周囲の人の邪魔になる恐れがあります。周囲の状況をよく確認して迷惑がかからないように実践してください。
有効活用2. 映画やドラマを観る
2つ目の有効活用法は映画やドラマを観るというものです。
通勤時間というのは、これから仕事をする前なので、あまり無理に頭を使ってしまい仕事に影響を及ぼしていては意味がありません。
それなら、スマホで気軽に楽しめる映画やドラマを観るというのも良い活用方法でしょう。仕事前の気分転換にもなるので、より一層仕事にも身が入るでしょう。
ただし、この方法も1つ目の方法と同様に、周囲との距離がある程度確保できる場面でなければ実践できません。
手を使わずに時間を有効活用したいなら、次の“有効活用3”を実践してみてください。
有効活用3. 音楽や音声コンテンツ・サービスを楽しむ
3つ目は音楽を聴いたり、音声コンテンツを楽しむという方法です。
最近は音声コンテンツとして、書籍を朗読して配信をするサービスや、音声配信用のSNSなども増えていきました。
イヤホンをして聴くだけならスマホを持ち続ける必要もなく、スペースがなくても大丈夫です。
有効活用4. 資格取得の勉強をする
4つ目の有効活用法は資格取得の勉強をするというものです。
これは手段というよりも、どのような時間として使うべきかという話になります。
もちろん、映画やゲームを楽しむというのも良いでしょう。しかし、どうせ時間があるなら自分のスキルアップ・収入アップに繋がる勉強をしてみるのはどうでしょうか。
例えば、英検やTOEICといった資格取得の勉強をしてみるのも良いですし、株式投資やFX取引といった資産運用を勉強する時間に充ててみたり、副業の勉強時間として使ってみたりするのもおすすめです。
また、アンケートサイトなどに登録してスキマ時間に回答していけば、お小遣い稼ぎをすることも可能となります。
通勤時間が無駄と感じているなら何か行動を
今回は会社員の多くの方が無駄に感じている通勤時間について解説しました。
その結果、あなたが感じている以上に通勤時間にはデメリットがあると確認できたでしょう。
具体的には、不安やうつ病のリスク上昇・感染症への感染リスクなどが挙げられました。
反対に通勤時間が短い方は、自己肯定感や自己効力感が高いといったメリットがあります。
つまり、通勤時間は削減できるならした方が良いというわけです。
削減方法としては、自宅近くの支店への異動・フレックスタイム・テレワークの活用・会社近くへの引っ越しをご紹介しました。
しかし、これら3つはなかなか簡単に実現できる方法ではありません。そこで最後に、通勤時間を無駄にしない対策をについて解説しました。
近年は大半の方がスマホを持っているので、有効活用すれば有意義な時間を過ごせるでしょう。万が一手が塞がっていても、音楽を聴いたり書籍の朗読を聴いたりすればOKです。
あなたのストレスを解消する、もしくはスキルアップのための学習といった活用方法ができるので、通勤時間が無駄だと感じている方は、ぜひ今回の方法を試してみてください。