一度は仕事を辞めるつもりで上司に退職を申し出たが、その後になってそれを取り消し、撤回したいと考えるようになる人は決して少なくありません。
ただそれは果たして可能なことなのでしょうか。
今回はそんな退職申し出後の取り消し、撤回のルール等について紹介していきます。
目次
退職の申し出後に取り消し、撤回することは可能か
退職は自分だけの問題ではなく、会社側にとっても大きな影響があることです。
例えば手続きから人材配置のやり直し、時には新たな採用活動をする必要だってでてきます。
だからこそ退職申し出後の取り消し・撤回というのは中々簡単にはいきません。
もちろん実際に一度申し出てから取り消して今でもその会社で働き続けている人は少なからずいます。
ただできるかどうかはその取り消し・撤回のタイミングや会社の意向によって大きく変わってきます。
実際はどう?退職申し出を撤回できる場合、できない場合
退職の取り消しができるかどうかは、その状況によって大きくことなってきます。
それぞれの場合で見て行きましょう。
退職届を提出している場合
退職届は会社側に退職を宣言するものであり、会社側が受け取った時点で退職することが決まります。
もしこちらが提出後に取り消しを願い出ても、すでに退職することが決まっているのでそれを受け入れるかは会社次第。
取り消し・撤回に応じてくれれば良いのですが、応じてもらえなければそのまま退職するしかありません。
ほとんどの会社では上司からさらにその上の上司、人事と順に処理が行われていくことになります。
上司で止まっていてまだ処理が行われていないのであれば、その退職の申し出をなかったことにしてくれることが多々ありますが、人事まで処理が終わってしまっているとハードルは高くなります。
退職願いを提出している場合
退職願いは退職を願い出るものであり、会社側が受け取っただけで効力が発揮されるものではありません。
退職願いが会社で承認され、承認されたことを退職希望者に伝えられて初めて効力が発揮されます。
それ故、提出していてもまだ回答を貰っていない状態であれば取り消すことが可能となります。
一方、もしすでに承認されて回答を貰っているなら退職届同様、会社が応じてくれるか次第です。
またもし承認前でルール上は取り消し・撤回が可能となっていても、中々スムーズにとは行かない場合も多いです。
退職を願いでてしまった時点でどうしても心象は悪くなってしまいますからね。嫌味を言われるなどの覚悟は必要かもしれません。
口頭で退職を申し出ている場合
まだ口頭で伝えられただけで退職届や退職願が提出されていない状態は、どのように伝えたかが重要になります。
たとえば退職しますと言ったならば退職届同様の扱い、退職したいのでお願いしますと言ったなら退職願同様の扱い。
宣言なのか、それともお願いなのかが重要となります。
ただ実際、多くの会社では口頭で申し出た後に退職届の提出を指示されます。そして提出して初めて退職の手続きが始まります。
単に口頭で申し出た段階ではまだ退職の手続きがスタートしてなく、取り消しできる場合が多いです。
退職の取り消し・撤回で重要となるポイント
このように退職の取り消し・撤回ができるかはそれぞれの状況によって変わります。
ただいずれの場合にしてもまず大事となるのはスピードです。
時間が経てば承認され手続きが終わってしまうし、人材配置の変更や新規採用など退職後に向けて動き出します。
悩んでぐだぐだしていると、撤回できなくなる可能性はどんどん上がっていくのです。
そしてもう一つ大切なのは、しっかり謝罪すること。少なからず迷惑かけていますから、当たり前なんて態度で望むのは絶対にしてはいけません。
退職の取り消し・撤回ができたとしても、その後の苦労が大きいかも
最後にもし退職の取り消しができた後のことについても触れていきましょう。
もし上手く取り消しできたとしても、その後職場では色々と苦労するかもしれません。
一度退職を申し出た時点で、上司からの信用は落ちます。
また上司にとどまらず話は広がっていく場合が多く、同僚とも気まずくなります。
評価の面で不利になる可能性もあるし、あれこれ嫌味を言われることは覚悟しなくてはなりません。
そんな状態から取り戻そうと思ったら相当な努力が必要です。
実際、私の周りに一度撤回したものの耐えきれずそこから1年たたずに結局辞めてしまったという人もいます。
だからこそ申し出は慎重に絶対に撤回しないとなってから行わなくてはなりません。