祝日や土曜日などの会社休日。せっかくの休みですからしっかりと休みたいところですが、やむを得ず出勤せざるを得なくなってしまう場合もありますよね。
ただ、休日出勤は悪いことばかりかと言うとそういうわけでもありません。
割り増しされた休日出勤手当が入ってくるので給料がかなり上がりますからね。
ただ、休日出勤の手当は必ずしも割り増しされるものではないということを知っている人は少ないのではないでしょうか。
実は、日曜日に出勤すると割り増しされた賃金を貰える一方で、土曜日に出勤すると割り増しされず手当に差がでるという場合もあるので注意しなくてはなりません。
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祝日や土曜日などの会社休日に出勤した場合、賃金はどの程度割り増しされる?
祝日や土曜日などの会社休日に出勤した場合、賃金はどの程度割り増しされることになるのでしょうか。
休日出勤手当の割増賃金
労働基準法第37条1項では割増賃金について以下のように定められています。
- 使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
さらにこの中で定められている政令である「労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令」によって、延長した労働時間の労働については2割5分以上、休日の労働については3割5分以上と定められています。
すなわち休日出勤手当の割増賃金は3割5分以上。
例えば、月給20万円で月の出勤日20日、1日8時間勤務の人は1日1万円なので、8時間の休日出勤をすると、1日当たり13,500円以上の手当が支給されることになります。
割り増しされるのは法定休日に出勤した場合のみ
ただし割り増しされるのは法定休日のみ。
休日には法定外休日と法定休日の2種類があり、法定外休日に出勤した場合は割り増しされることが義務付けられていません。
法定休日とは
法律では1週間に1日もしくは4週間に4日の休日を義務付けており、これに該当するのが法定休日です。
例えば土日休みの場合は毎週2日の休みがあるわけですが、法律で定められているのはあくまで週1日の休みなので、法定休日は土日のどちらかが該当するわけです。
一般的には日曜日を法定休日と設定する会社が多いですが、どの日を法定休日に設定するかは会社の自由です。
法定外休日とは
法定外休日とは法定休日以外の休日のこと。
毎週日曜日を法定休日として設定した場合、土曜日や祝日がこの法定外休日にあてはまります。
この法定外休日に出勤した場合は3割5分以上の割り増し賃金を支給することが義務付けられていません。
ただし、単純に労働時間が増えた分についての支給は必要。
つまり日給1万円の人が法定外休日に出勤すると、最低1万円の手当は貰えることになります。
法定休日が特定されていない場合
会社によっては法定休日が特定されていない場合があります。
この場合、法定休日は1週間(日曜日がスタート)の区切りの中の最後の休み、土日休みであれば土曜日が法定休日になります。
この見解は厚生労働省労働基準局監督課の改正労働基準法に係る質疑応答(平成21年10月15日)に基づいています。
週の労働時間が40時間を超える場合は超過勤務手当として割り増し
法定外休日に休日出勤した場合でも、週の労働時間が40時間を超えた場合には賃金が割り増しされます。
1日8時間で土日休みの場合、平日だけで週40時間。もし法定外休日である土曜日に8時間出勤すると8時間分は超過勤務手当として割り増しされるのです。
その場合の割増率は2割5分以上となっており、休日出勤手当の3割5分よりは低いです。
ただし、祝日によってその週の休みが増えている場合、祝日や土曜日に出勤しても週40時間を上回らないため割り増しなしの賃金となります。
法定外休日に出勤しても割り増しされて休日出勤手当を貰える会社もある
法定外休日に出勤しても3割5分以上の休日出勤手当を貰える会社もあります。
法律上義務付けられていないため、法定外休日に割り増しをするかはそれぞれの会社の自由。
せっかくの休日に会社の為に出勤してくれているということで、法定休日や法定外休日に構わず割り増ししてくれる良心的な会社もあるのです。
また、年末年始は1割5分以上とさらに増やしてくれるような会社もありますね。
どれだけ割り増しされるかは就業規則で確認することができます。
祝日や土曜日などの会社休日に出勤した場合の割り増し賃金
次に、祝日や土曜日などの会社休日に出勤した場合の割増賃金のパターンをいくつか紹介します。
なおここでは日曜日を法定休日とします。
日曜日に出勤した場合
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
8h | 8h | 8h | 8h | 8h | 休 | 8h |
日曜日が法定休日の会社で日曜日に休日出勤した場合、その日に働いた分だけ3割5分以上の割増賃金が支払われることになります。
土曜日に出勤した場合
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
8h | 8h | 8h | 8h | 8h | 8h | 休 |
日曜日が法定休日の会社で土曜日に休日出勤したことに加えて、週の労働時間が40時間を超えた場合、土曜日は2割5分以上の割増賃金が支払われることになります。
祝日に出勤した場合
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
8h | 8h | 8h | 8h | 8h | 休 | 休 |
例えば月曜日が祝日で会社として休みだったが出勤した場合。
法定外休日なので休日出勤に該当せず、月の労働時間も40時間に収まっていることから賃金は割り増しされません。
しかし、単純に労働時間は増えているので、普段の日給と同じ日給が支給されることになります。
変形労働時間制を導入している場合
1週間40時間という労働時間の上限を1週間の範囲ではなく、1ヶ月もしくは1年という単位で平均して見ることが可能になる変形労働時間制を導入している場合は注意が必要です。
例えば1日8時間勤務の場合、年間休日数は104日以上でなければなりません。
もし年間休日数が労働時間に対する最低日数に設定されている場合、1日でも休日出勤すれば労働時間の上限を超えることになるので2割5分以上の割増賃金が受け取れることになります。
労働時間に対する年間休日数の最低ラインは以下の記事で紹介していますので確認してみてください。
労働基準法は知っておいた方が良い
休日出勤が土曜日と日曜日のどちらでも良いというのであれば、あえて法定休日を選んで出勤することで受け取れる手当の金額は増えます。
休日出勤に関して正しいことを知っておけばトラブルを避けれたり、会社の不審な点に気づくこともできます。
また、法定休日に出勤しているのに正しく手当がもらえないという場合は、転職も視野に入れることをおすすめします。
そのような会社は社員を大切にする気持ちが欠如していますし、手当以外の面でも不満を感じる場面に遭遇する可能性が高いです。
手当だけに限らず、様々な面で社員を大切にしてくれる会社で働くことは誰しもが望むことだと思います。
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