大手企業と言えば誰もが憧れる職場です。しかし、理想と現実は違いもので、実際に大手企業で働いてみると、何かと大変な部分が多くあります。
✔ 残業が多い
✔ 決まった仕事ばかり
✔ なかなか出世できない
このような状況では、憧れの大手企業といっても仕事に対するモチベーションが維持できないでしょう。
その結果、「もっと活躍できる職場に行きたい」「プライベートの時間を増やしたい」と考えて、大手企業出身の方が転職を考えるようになります。
しかし、大手企業ならではの特徴やイメージから、転職する際に様々な注意点があるのです。
そこで今回は、大手企業出身者が転職する際の注意点について解説します。
大手企業出身者が転職で有利になる点と不利になる点もお伝えするので、大手企業出身者の方は本記事を参考に転職を成功へと導いてください。
大手企業出身者の転職理由とは?
まずは、あなた以外の大手企業出身者が、どのような理由で転職を考えたのか見ていきましょう。
残業が辛いから
1つ目に紹介する大手企業出身者の転職理由は、残業が辛いからです。
大手企業の中には、残業が必須というところがあります。
新卒で大手企業に入社して、夢と希望を抱いて働き始めたのに、実際に仕事が始まると毎日残業続きで疲弊するという人が後を絶ちません。
体はもちろん心まですり減らして働き続けていると、「自分は何で仕事しているのだろう」といった心理状態に陥ります。
この心身共に辛い環境から抜け出したいと思い、大手企業出身者は転職を考えるようです。
決まった仕事ばかりでやりがいがないから
2つ目の大手企業出身者の転職理由は、決まった仕事ばかりでやりがいがないからです。
大手企業は、仕事がマニュアル化されていて、誰がどの仕事をするのか明確に決められています。これを「仕事がしやすい」と感じる方もいれば、「いつも同じ仕事ばかりでつまらない」と感じる方もいるでしょう。
そして、毎日同じことの繰り返しだと感じている人ほど、日々の仕事が苦痛でたまらないものです。
「もっと別の仕事がしたい」「刺激のある日々を送りたい」といった考えが、大手企業出身者を転職へと駆り立てています。
なかなか出世できないから
3つ目に紹介する大手企業出身者の転職理由は、なかなか出世できないからです。
大手企業の出世は、基本的に年功序列となっています。そのため、どんなに高い能力を持っていても、年齢が若いというだけで出世できません。
当然、出世するには年を重ねる必要があるため、早く出世したい人には辛い環境でしょう。
反対に、ベンチャー企業のような若い会社では、実力さえあれば20代でも役職を与えてもらえます。このような環境への憧れが、大手企業出身者を転職に進ませるのです。
大手企業出身者が転職で有利になる点
続いては、大手企業出身者が転職で有利になる点について解説します。
厳しい競争で勝ち残った経験が評価される
1つ目の有利になる部分は、厳しい競争で勝ち残った経験が評価されるという点です。
大手企業へ就職は競争率が高く、内定が非常に難しくなっています。中には、倍率1,000倍という企業があるほどです。
大手企業出身者ということは、当然厳しい採用試験を勝ち抜いた実績があるので、その点は大きな評価となるでしょう。
もちろん、勝ち抜いた実績だけでなく、大手企業が採用したという点も非常に転職では有利となるはずです。
中小企業では経験できない大きなプロジェクトの実績がアピールできる
2つ目の有利になる部分は、中小企業では経験できない大きなプロジェクトの実績がアピールできるという点です。
大手企業では、中小企業とは規模が異なるビッグプロジェクトに参加できます。そのような得難い経験をしているという点は、転職において大きな評価ポイントとなるでしょう。
転職では、大手企業で培ったスキルに加えて、大きなプロジェクトでの経験も積極的にアピールすると効果的です。
組織に対する理解が深いと評価される
3つ目の有利になる部分は、組織に対する理解が深いと評価されるという点です。
大手企業には強い組織力があります。その中で仕事をしていた大手企業出身者なら、「組織とはどのようなものなのか?」という点をしっかり理解したうえで働いてくれると考えられます。
会社への理解が深い社員は、企業にとって大切な人材となるため、高い評価が得られるでしょう。
整備された研修制度を受けているため即戦力として重宝される
4つ目の有利になる部分は、整備された研修制度を受けているため即戦力として重宝されるという点です。
大手企業は、基本的なビジネスマナーなどの研修制度が整っています。そのため、大手企業出身者は基本的なビジネスマナーなどが他の人よりも優れていると判断されます。
もちろん、実際しっかり研修を受けているため、そのスキルは面接などでも発揮できるはずです。特に若い年齢なら、非常に強力な武器となるでしょう。
大手企業出身者が転職で不利になる点
続いては、大手企業出身者が転職で不利になる点について解説します。
ベンチャー企業の社風に合わないのではと懸念される
1つ目の不利になる部分は、ベンチャー企業の社風に合わないのではと懸念されるという点です。
大手企業は仕事のマニュアルが用意されていて、自由に働くというよりも決まり通りに仕事するといった風潮があります。
それに対してベンチャー企業のような会社は、マニュアルがなく自分で仕事のやり方を考えたり、新しい企画を提案したりします。
このような自由な社風に対して、「大手企業出身者は適応できないのでは?」と懸念される恐れがあります。
大切なのは柔軟な姿勢なので、その点をよく理解したうえで転職活動に挑む必要があります。
幅広い業務に対応できない可能性がある
2つ目の不利になる部分は、幅広い業務に対応できない可能性があるという点です。
大手企業では、部署ごとに明確な役割が決まっていて、社員ひとり一人に対しても決められた仕事が与えられます。
しかし、ベンチャー企業のような若い会社では、社員が少ないため部署を超えて仕事を任されるケースがあるのです。
大手企業に勤めていた頃には考えられないほど多岐にわたり仕事を割り振られるため、「それに付いていけないのでは」と心配されて転職で不利になる恐れがあります。
大手企業出身者の方は、「自分が担当する部署以外の仕事を任される」という可能性を理解したうえで転職活動に臨まなければなりません。
異職種・異業種への転職は経験を活かせない
3つ目の不利になる部分は、異職種・異業種への転職は経験を活かせないという点です。
いくら大手企業で経験と実績を積んでいても、やはり異職種・異業種への転職となると「未経験者」という扱いになります。
そのため、大手企業で培った貴重な経験やスキルが活かせない可能性が出てきます。
もし、あなたが異職種・異業種への転職を考えているなら、大手企業出身者という肩書きはないものと考えて挑んだ方が良いでしょう。
大手企業出身者における転職の注意点4つ
ここでは、大手企業出身者における転職の注意点について解説します。
謙虚な姿勢を忘れない
1つ目の注意点は、謙虚な姿勢を忘れないことです。
大手企業出身者という肩書きをポジティブに利用するのは問題ありません。しかし、その肩書きに頼りすぎて傲慢な態度にならないよう注意してください。
新しい職場に行けば、その会社のルールがあるでしょう。それは、大手企業にいた頃とは異なるルールかもしれません。
そんな時、「大手企業ならこうするのに」といった考えを押し付けると、職場での関係が悪くなる恐れがあります。常に大手企業が正しいわけではないと考えて、謙虚な姿勢でいるように心掛けてください。
退職理由をポジティブな内容にする
2つ目の注意点は、退職理由をポジティブな内容にすることです。
大手企業を退職する理由の中には、「残業が辛い」「同じ仕事ばかりで飽きた」といったネガティブな理由があるでしょう。
しかし、その理由をそのまま面接などで伝えるのはNGです。どんなにネガティブな退職理由であっても、ポジティブな内容に言い換えて伝えるようにしてください。
例えば、残業が辛いなら「自分の時間を確保してスキルアップの勉強がしたい」などと言い換えられます。同じ仕事ばかりで飽きたという場合は、「色々な仕事を経験してスキルアップを目指したい」と伝えればOKです。
このように、ネガティブな理由も言い換えればポジティブな理由になるので、面接では必ずポジティブな退職理由を伝えてください。
年収が下がる可能性を覚悟する
3つ目の注意点は、年収が下がる可能性を覚悟することです。
大手企業は経営基盤がしっかりしているため、年収が高い傾向にあります。また、ベンチャー企業のような会社では、能力次第で年収は上がりますが、それは転職直後ではありません。
そのため、転職した直後は大幅に年収が下がる可能性があります。その事実を理解していないと、「転職に失敗した」と落ち込む恐れがあるでしょう。
ベンチャー企業のような会社では、成果を上げてはじめて年収が上がるので、そのつもりで転職するようにしてください。
雑務も任させる可能性がある
4つ目の注意点は、雑務も任される可能性があることです。
ベンチャー企業のような会社では、部署の垣根を越えて仕事を任されます。時には、雑務を担当するかもしれません。
しかし、雑務であっても社員が少ない会社では大切な仕事です。「なんでこんな仕事しなければいけないのか」と不満に感じても、「これが大手企業との違いなんだ」と割り切って業務にあたってください。
大手企業からの転職は手放すメリットも考えよう
大手企業から転職すれば、残業が減ったり幅広い業務を担当できたりと、様々なメリットが生まれます。
しかし、大手企業には大手企業ならではのメリットがあり、転職すればそれを手放すということも理解しておく必要があります。
例えば、大手企業なら安定した収入が得られますが、ベンチャー企業のような会社になると収入は不安定になります。
また、福利厚生は大手企業のようにしっかりしていません。中には、育休や産休といった制度自体がない会社もあるでしょう。有給休暇も満足に消化できない可能性だってあります。
この他にも、大手企業にあるけど、中小企業やベンチャー企業にはないメリットがたくさんあるはずです。
大手企業出身者の方が転職する場合は、そのようなメリットを全て手放す可能性があるという点はしっかり理解しておく必要があります。
もちろん、大手企業と中小企業やベンチャー企業はどちらが良いというものはありません。それぞれの特徴や違いを理解したうえで、自分に合う会社を選んでください。
そして、しっかり考えたうえであなたが大手企業から転職を考えるなら、本記事を何度も読んで転職を成功に導いてください。