ワンオペの仕事を続けるリスク。違法性や職場の問題点、あなた自身のへ影響について近年では仕事や子育てにおいてワンオペという言葉をよく見聞きするようになりました。

このワンオペはどんな意味なのか知っていますか?

一般的には仕事上での働き方を示すことに使われますが、意外と身近なところで目にしています。

このワンオペの意味をはじめ、ワンオペの違法性や問題点など詳しく解説していきます。

最近よく見聞きするワンオペって何? ワンオペが多い職種とワンオペが起こる理由

最近よく見聞きするワンオペって何? ワンオペが多い職種とワンオペが起こる理由ワンオペは、「ワン・オペレーション」の略で、もともとは複数の業務をワンオペレーション化するといったように使われていました。

近年では、ある一定の時間帯に1人で働く状態を指します。

例えば、深夜の飲食店でお客さんの数が少ないときは1人のスタッフで対応する、そういった状況をワンオペといいます。

店舗側から見ると忙しい時間帯に比べてお客さんの数が少なく、従業員が1人でも切り盛りできる状態だからワンオペでも良いと考えますが、従業員側からするとすべての業務を1人でこなさなければならず、忙しくて賃金と仕事量が割に合わないと感じることが多いです。

育児においてもワンオペと言いう言葉が使われていて、母親が1人で子ども達を世話する状態をワンオペ育児などと呼び話題になっています。

やや広い意味に使われるようになったワンオペは、仕事をする上ではワンオペが可能な業種と無理がある業種があります。

ワンオペでも運営していける職種には意外と身近なものがあり、代表的なところでは次のような業種が挙げられます。

<ワンオペが多い職種>

  • 深夜営業がある飲食店
  • コンビニ
  • ネットカフェ
  • カラオケ店
  • 雀荘

深夜の時間帯のコンビニやネットカフェ、カラオケ店は平日なら従業員が1人で対応していることもあります。

なぜワンオペは起こるのか?

ワンオペが可能な業種では、平日の日中の営業をワンオペで対応することがありますが、昼夜のどちらかというと人手不足になりやすい深夜帯や早朝の時間帯にワンオペは起こりやすいです。

深夜営業をしている店舗では、夜22時から翌朝5時までの時間帯に労働させた場合、労働者に対して通常賃金+割増賃金を支払わなければならず、日中の時給の1.25倍の賃金を支払うことが労働基準法 第37条 第4項で定められています。

また、深夜帯はお客さんが来たとしても日中に比べて客数が少なく、日中と同じ数のスタッフを雇ったのでは人件費が膨らんでしまいます。

それなら、できるだけ少ない人数で深夜営業をしたいと考える経営者がいてもおかしくありません。

ほかに、なかなかスタッフが集まらず深夜帯のスタッフが1人しか確保できないケースもあり、人件費や人員確保の面から深夜帯にワンオペとなることが多いのです。

参考:e-Gov「労働基準法 第三十四条」(最終確認2020/09/02)

働く上でワンオペは違法なの? 違法になるケースを解説

働く上でワンオペは違法なの? 違法になるケースを解説ワンオペという働き方で気になるのは、法的に違法性はないのかということです。

結論から言えば、人手不足や人件費削減のために従業員がワンオペで働くことは、法的には何ら問題ありません

人手不足や人件費削減などの理由からワンオペになるのはよくあることで、業種によっては昼夜問わずヒマな時間帯はワンオペが一般的な店もあります。

ただ、働く状況によっては労働基準法に違反する可能性があります。

労働基準法では、1日に6時間以上の勤務をする場合45分以上、8時間以上の勤務なら1時間以上の休憩時間を取ることが義務となっているため、ワンオペであるがゆえに所定の休憩時間が取れなかった場合は労働基準法に違反してしまいます。

例えば、コンビニでワンオペでの夜勤をする場合、お客さんが途切れない程度に入ってきて、6時間の勤務中トイレに行けなかったとしましょう。

この場合、6時間の勤務なら最低でも45分の休憩を取らなければならないので、労働基準法違反となるのです。

仮に、席を外している内容を記した張り紙やプレートを出して休憩したとしても、スタッフが防犯カメラで店内の様子をチェックしながら食事や休憩を摂る状態となるなら、十分に休憩できているとは言いにくいでしょう。

仕事から離れた状態で休むのが休憩時間だとするなら、十分な休憩時間は取れていないと考えられます。

また、張り紙やプレートを出した状態でトイレに行く場合を考えても、多少の時間は確保できますがそのとき来店したお客さんがずっと待っていてくれるとは限りません。むしろ長くなったときはクレームに発展する可能性もあります。

他の業種では、本来なら立ち仕事のところ座って業務をこなしたことで休憩とみなすケースがありますが、これも労働基準法違反を問われる可能性が高いのです。

このようにワンオペで働く従業員の状況によっては、雇っている会社側も責任を問われることがあります。

ワンオペを直接禁止したり取り締まったりする法律は今のところありませんが、働き手への配慮は欠かせないもので、職場環境についても良く検討することが必要です。

参考:e-Gov「労働基準法 第三十四条」(最終確認2020/09/02)

ワンオペで働くときの問題点をチェック

ワンオペで働くときの問題点をチェックワンオペで働くこと自体は法的にも問題ありませんが、業務上ではいくつかの問題点があります。

業務上で問題になることについて詳しくチェックしていきましょう。

防犯上の問題

ワンオペの問題点としてまず挙げられるのが防犯上の問題です。例えば、強盗や万引きなどの被害にあうリスクが高くなることが挙げられます。

強盗の立場になって考えると、複数人のスタッフがいる店舗よりスタッフが1人だけの店舗の方が狙いやすく、万引きをする人の立場から見ても隙だらけで狙いやすい印象があります。

また、無銭飲食をする人の立場から考えても、ワンオペなら逃げるチャンスがたくさんあります。

他の客の相手をしているうちにさっと逃げてしまえば、簡単に無銭飲食できるでしょう。

仮に、強盗や無銭飲食に気づいて追いかけるとしても、店舗をスタッフのいない状態にはできないので、最後まで追いかけて取り押さえることは難しくなります。

場合によっては取り押さえようと向かっても反対に負傷する可能性もあります。

さらに、ワンオペで働くスタッフによる不正がないとも言い切れません。

はじめから不正をはたらくことが目的の方はいないでしょうが、1人で勤務する環境が不正を誘発する可能性があるのです。

自分1人しかいないということは、周囲の目がない状態のため、少しぐらい・1回だけというちょっとした気持ちが生まれ、店舗のお金を盗むなど不正を働いてしまうこともあるでしょう。

離職率の問題

ワンオペは、勤務中の業務のすべてを1人で切り盛りしなければならず、どうしても仕事量が多くなります。

本来なら複数人で行う作業を1人で行うため、仕事そのものをきつく感じたり、やってもやっても終わらないような感覚に陥ったりします。

ワンオペだと把握した上で勤める場合、働き始めたときはやりがいを感じていたとしても、徐々に疲れが貯まり辛くなっていきます。ワンオペで辛い状態が長くなれば、もっと楽な仕事を探す方もいることでしょう。

お店側としては、人件費の削減や効率化を目指したワンオペへの取り組みだったとしても、ワンオペが辛くなって辞めてしまう人が続くようでは、従業員がいつまでも定着しない状態になります。

反対に採用や教育にコストがかかり、ワンオペを取り入れたことがマイナスの結果になることも想像できます。

作業上の問題

いくら仕事とはいえ、1人で作業を進めていくには作業量の限界があります。

作業量が多すぎる場合、ミスや漏れなどが発生しやすくなり、接客業の場合は十分な接客ができなくなることもあります。

コンビニで例えると1人で商品補充や発注業務を行いながらレジ対応をするようなもので、レジ業務が続けば商品棚には商品がなくなってしまうし、反対に商品補充に集中すればレジでお客さんを待たせることになってしまいます。

お客さんが少なくてなんとかこなせるならまだしも、混みあってしまったときにはクレームが発生する原因になりかねません。

また、コンビニや飲食店では深夜帯でも、予想外にどっとお客さんが来ることがあります。

その場合は完全に対応しきれない状態になってしまい、お客さんを必要以上に待たせてしまいます。

例として、飲食店で帰ったお客さんの食器を片付けられず放置した状態になってしまい、新しく来店したお客さんを席に案内できない状態が挙げられます。

また、電話がかかってきても出られず、無視したわけではないのに無視した状態になることもあるでしょう。

仮に電話に出たとしても長話はできないので、電話でも十分に接客できないのです。

加えて、業種によってはワンオペでの作業量の限界のために、一部の営業を中止や休止せざるを得ない状況にもなります。

例えば、飲食店が店の営業と店の前で商品を販売していたとすれば、店の営業だけで限界となる状態です。この場合、結果的に1日の売り上げが下がってしまうでしょう。

労働者の健康上の問題

ワンオペで働くことは、作業量が増えることとすべて1人でこなさなければならないプレッシャーにより、労働者の心身の負担になりやすい状態です。

特に深夜帯のワンオペでは、体力的・精神的な負担は大きくなりやすく、昼夜逆転の生活スタイルだけでも体に影響が出る可能性があります。

もしも、急に体調不良になった場合、代わりのスタッフが見つからなくて営業できなくなることも考えられます。

また、勤務中に具合が悪くなって倒れてしまったとしたら、誰も気づいてくれる人がいなくて最悪手遅れになる可能性もあるのです。

そうなれば店を運営している会社やシフトを組んでいる店長にも責任が問われる事態になるでしょう。

ワンオペで働き続けると心身の健康を害するリスクがある

ワンオペで働き続けると心身の健康を害するリスクがあるワンオペで働くことは決して違法ではないし、大変ではあるものの悪い働き方ではありません。

しかしずっと長い間ワンオペで働き続けることは、心身の健康を害するリスクが高くなります。

どんな業種でもワンオペは重労働になりやすく、自分1人では手が回らないことに苛立ちを覚え、自分の能力不足のように感じる従業員も少なくないでしょう。

お客さんへの対応が十分にできないだけでもストレスを感じるのに、加えてクレームまで対応するとなるとキャパオーバーという言葉1つでは片づけられないほどいっぱいいっぱいになります。

ワンオペで働き続ける限り、いくら自分ががんばっても労力が足りないという根本的な原因が解決できないので、徐々に心身の疲れが貯まりうつ病などを発症するリスクが高まるのです。

また、深夜帯の仕事のため昼間は睡眠をとらなければならず、太陽の光を浴びる時間が極端に少なくなります。

太陽の光を浴びる時間が少ないまま長期間過ごすと、体本来の体内時計が狂ってしまい、体にさまざまな悪影響を及ぼすようになります。

<太陽の光を浴びる時間が少ないために生じる悪影響>

  • うつ病
  • カルシウム不足
  • ビタミンD不足

このような理由からワンオペで長く働き続けることは、心身の健康を害するリスクがあるといえます。

ワンオペが辛いなら早めに転職するのがおすすめ

ワンオペが辛いなら早めに転職するのがおすすめ毎日1人で仕事をするのが辛い方は、なるべくなら我慢せずに早めに転職することをおすすめします。

ワンオペという働き方は決して悪くはないものの、長期間、毎日のようにワンオペを続けることはストレスが貯まるほか、心身への悪影響が心配です。

はじめのうちは深夜帯の勤務でも複数人のスタッフがいたのに、人件費削減や人材不足のためにワンオペになってしまった方は、ワンオペで働くことがとてもきつく感じていることでしょう。

そんな状態のときは1人でがんばり続けずに、転職に向けて行動することがおすすめです。

転職する際は、ワンオペで培った気配り目配りを始め、効率的に業務を遂行する能力を強みに替えてアピールポイントにすると良いでしょう。