転職するならできるだけ年収アップしたい、年収ダウンするなら転職はしないと考えている人は多いと思います。
でも転職による年収ダウンは、必ずしも悪いことばかりではありません。
もちろんアップするに越したことはないでしょうが、時には年収ダウンがあなたの人生に大きなメリットを与えてくれる可能性もあるのです。
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転職で年収ダウンした人の割合
転職で年収が減った人の中には、もちろん不満を感じている人もたくさんいます。生活費を見直すなどの不便もありますから、それは仕方のないことでしょう。
しかし、年収を犠牲にしてでも「転職して良かった」と感じている人は思いの他多いです。
リクナビNEXTは、386人のエンジニアに対して「転職して年収が増えた・減ったときの転職満足度」についてアンケート調査を行っています。結果は以下の通りです。
もちろん年収アップした人の方が満足度は高いですが、年収ダウンした人であっても「転職前に感じていた不満を解消することができた」のは66%。3人に2人が転職したことを前向きに捉えています。
このことからも、転職で大切なのは年収だけではない、年収が減っても良い転職があることがわかるはずです。
年収ダウンの許容範囲は?
転職の良し悪しを決めるのは年収だけではないとわかったけれど、下がるにしてもやはり限度というものはあります。
いきなり年収500万の人が250万に下がってしまったら、住む場所や食費、娯楽に費やすお金も調整しなければ生活できません。
ちなみに、年収が下がることに対する一般的な許容範囲は10%まで、20%を超えるとかなりきついといわれています。
単純に考えて月給30万円の人が24万円になる、と考えるとリアリティも沸いてくるでしょう。
許容範囲はそれぞれの生活スタイル、家族構成、居住地域によっても変わってくるので、無理なく生活ができるだけの年収を算出しておく必要があります。
転職活動を始める前はもちろん、転職先が決まったタイミングでも生活と年収のバランスを見直し、慎重に選択すべきだといえます。
20代・30代・40代でも考え方は変わる
まず前提として、どの年代でも未経験の職種・業界への転職は年収ダウンの確率が高いことを理解しておくべきでしょう。
年収アップのためには、大企業など給与水準の高い企業に転職するか、着実にスキルを磨いてきた人が同業種でキャリアアップ転職するかのほとんど2択に絞られます。
なぜなら、転職先の給料は活躍の期待値とほぼ同義。
未経験で入社してくる人と経験してきた人では、当然ながら企業は後者にお金をかけるはずです。
20代の年収ダウン
結論から述べると、20代は年収より経験をとるべきです。
20代はまだまだやり直しが効く世代。仮に転職後の年収が平均以下であっても、将来的に市場価値の高い人間に成長すればいくらでも巻き返すことができます。
もしキャリアチェンジや希望の業界に行きたいという夢があるならば、一度年収は下がれど今後の投資のために転職すべきでしょう。
30代の年収ダウン
30代に入ると家庭を持つ人が増えてくることもあり、年収は自分だけでなく家族の問題として扱う必要も出てきます。
そんな30代でのキャリアチェンジは20代よりさらに年収ダウンのリスクが高い反面、挑戦するなら最後の砦であるともいえます。
しかし30代でも、力のある人ならリーダー経験やマネジメント経験を積んできた人も中にはいるでしょう。
その場合は即戦力として採用してもらえる可能性もあるため、選考の際に年収交渉に踏み切るという手も使えます。
40代の年収ダウン
40代の転職はさらに厳しく、同職種・同業界でも年収が下がる可能性は否定できません。
というのも、40代であれば役職についている人も多く、必然的に役職手当を受け取っていることが大半。
一度その優遇を切り捨てて新しい場所に踏み切るわけですから、下手をすれば積み上げてきたものをまた一からやり直すことになります。
最終的な決め手となるのは長く働けそうな職場であるか、そして今後の給料に伸びしろがありそうか、という2点になるといえます。
年収ダウンでも幸せになれる人
年収ダウンにリスクは伴うとはいえ、実際に満足を感じている人は3人に1人。具体的にどんな人が幸せを感じているのでしょうか。
希望する仕事に就けた
やりたくもない仕事で高い給料を貰っていても、悶々とした気持ちは晴れません。
一方でやりたい仕事であれば、給料に目をつぶってでも時間や努力も費やしたいもの。
同時にやりがいを感じられるわけですから、自分の強みを磨いたり、ぐんぐん経験を積んだりできたりと結果的に幸せの幅が広がっていきます。
年収以外の不満を解消できた
「年収は下がったが、家族と過ごせる時間が増えた」「残業がない分給料は減ったけど、睡眠不足を解消できた」「嫌な人間関係から解放されて、のびのび働けるようになった」。
年収と引き換えにワークライフバランスや快適な職場を手にした人も、幸せを感じている側の人間です。
いくら高給であれ、ストレスに支配されていては心や体を壊す原因にもなってしまいます。
今の仕事のほうが楽しい
仕事とはいえ人生の大半の時間を割くわけですから、楽しいに越したことはありません。
それにつまらない仕事でストレスを溜めていると、発散のために浪費や暴飲暴食などに走り、心身ともに不健康な生活を送ってしまいかねません。
転職で好きな仕事に就けたことで浪費癖が止まり、結果的に手元に残るお金は変わらなかった、なんていう話もあるほどです。
給料に伸びしろがある
どんなにがんばっても年功序列の給料であるより、成果を上げた分だけ給料に反映される方がやりがいや充実感も生まれます。
それに一時的に年収が下がっても、生涯年収で考えれば得する可能性も高いはず。
特に、業績が伸びている企業や業界自体が成長している企業なら、そのチャンスは大いにあるといえます。
年収ダウンで後悔する人
年収ダウンを覚悟に転職に踏み切ったとはいえ、やはり失敗したと感じている人も少なからずいます。こちらの特徴も確認していきましょう。
想定していた業務内容と違った
転職すべてに当てはまることですが、下調べを怠ると入社後にギャップが生まれがちです。
もちろん外側からの情報では気づけないこともありますが、選考の際にできるだけ疑問点を解消しておくとギャップを最小限に留められるはずです。
生活が苦しくなった
冒頭でも述べましたが、収支のバランスを把握していないと後々パニックになり兼ねません。
プライベートで悩みがあると、仕事中にフッと頭をよぎることがあるように、お金がないと心の余裕もなくなり、転職前よりストレスを感じることもあるでしょう。
環境の変化で体調を崩した
急な職場環境の変化は、体調にも影響を及ぼします。
たとえば土日休みから平日休みの仕事になる、デスクワークからいきなり立ち仕事になると、職場に馴染む前に体が悲鳴をあげてしまうことがあります。
特に環境の変化に敏感だと自覚している人は、そこも考慮しつつ転職に踏み切るべきです。
キャリアを築けない
転職する理由が曖昧であったり応募先に一貫性がなかったりすると、いつまで経ってもキャリアを築けません。
そういった人が陥りがちなのが、やりたいことがわからないまま短期間で転職を繰り返し、年だけを重ねて市場価値の低い人間になってしまうことです。
もし全くやりたいことが無くても、自分の強みを成長させられる職場を選べれば自ずと武器を磨けるはずです。
住民税には要注意
最後に少し脇道に逸れますが、住民税についても言及しておくべきでしょう。
住民税は、前年の1月~12月までの所得から計算され、翌年6月頃に決定される税金です。
つまり住民税は前年の所得を基準に計算されるので、あまりにも年収の落差が激しいと支払いが厳しくなる可能性があります。
その代わり、翌年からは年収ダウン後の収入で計算されるため、その後の支払いは楽になります。
転職は長期的な目線で考える
転職で重視すべき要素は年収だけではありません。
年収以外の重要性もしっかり把握し、さらに将来も見据えながら転職するかどうかを選んでいきましょう。
世間一般と年収額を比較するのは容易いことですが、それよりも「自分はどうなりたいか」というものさしを持つ方がずっと大事です。
あくまでここに書いたことは参考に、自分のものさしを使ってベストな道を選んでいってください。
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