あなたは年収アップのために資格を取得しようと考えていませんか?
確かに、年収アップを目指すなら最初に思い浮かぶといても過言ではないのが資格取得でしょう。資格を持っていれば、自身のスキルを分かりやすく伝えられて、会社でも優遇されることが多いです。
実際、資格取得によって年収アップに成功したという方もいるので、現在の所得に不満があるなら資格を持っておきたいと思うでしょう。
しかし、いざ資格を取ろうと思っても、何を取得すれば良いのか迷うのも事実です。
そこで今回は、年収アップに有利な資格をランキング形式で紹介します。資格を取得するメリットや事前に考えるべきことなども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
転職で年収はいくらぐらいアップするのか?
まずは、資格の有無に関係なく転職した場合、どのぐらい年収が上がるのか確認していきましょう。
ここでは大手転職サイト「doda」が発表した「転職で年収アップするのはこんな人 年収アップ成功者に見る傾向と対策」を参考に解説します。
- 平均アップ額:56.7万円
- 最大アップ額:440万円
このように、資格の有無に関係なく転職した場合、平均56.7万円の年収という結果でした。そして、最大440万円もアップした方も存在するようです。
つまり、資格などがなくても上手に転職すれば、50万円以上は年収アップが上がります。
あなたがこの金額を高いと感じるなら、資格取得をせずに転職活動をしても良いでしょう。
しかし、あなたがこの金額に不満を感じるなら、やはり資格取得を目指すべきなのかもしれません。
年収が上がりやすい業界・職種
続いては、年収が上がりやすい業界・職種について解説します。どの分野の仕事が高所得なのか知っておけば、選択すべき資格を選ぶ際の参考になるので見ていきましょう。
業種別の年収アップ率
順位 | 業界 | 平均年収アップ率 | 平均年収アップ額 |
第1位 | 専門商社 | 15.0% | 62.9万円 |
第1位 | 人材サービス/アウトソーシング/コールセンター | 15.0% | 57.2万円 |
第3位 | 金融 | 14.9% | 58.3万円 |
第4位 | 建設/プラント/不動産 | 14.6% | 59.8万円 |
第5位 | 総合商社 | 14.3% | 55.4万円 |
参考:doda「転職で年収アップするのはこんな人 年収アップ成功者に見る傾向と対策」
業種別に年収のアップ率と金額を見てみると、専門商社と人材サービス/アウトソーシング/コールセンターが同率で第1位という結果となっています。
ちなみに専門商社とは、得意の分野で専門性を持ってビジネスに取り組む商社のことです。医薬品や鉄同、食品、燃料・エネルギー、機械、化学など様々な分野が存在します。
そして、専門商社を目指すために特別な資格はありませんが、企業や部門によってはTOEICや各種言語検定で一定のスコアを設けているケースがあります。
職種別の年収アップ率
順位 | 職種 | 平均年収アップ率 | 平均年収アップ額 |
第1位 | 金融関連専門職種 | 20.6% | 92.6万円 |
第2位 | 医療系専門職種(医療/介護/福祉) | 15.0% | 67.6万円 |
第3位 | 技術系職種(建築/土木/プラント/設備) | 14.9% | 65.2万円 |
第4位 | 営業職 | 14.7% | 59.5万円 |
第5位 | 技術系職種(素材/化学/食品/その他) | 14.2% | 58.9万円 |
参考:doda「転職で年収アップするのはこんな人 年収アップ成功者に見る傾向と対策」
職種別に見てみると、第1位の金融関連専門職種だけが唯一、平均額の56.7万円を大きく上回るという結果でした。
金融関連専門職種に関連する資格としては、以下のようなものが挙げられます。
資格名 | 概要 | 難易度 | 学習期間 |
証券アナリスト | 深い専門知識と高い職業倫理観を身につけた金融・資本市場のプロを育成するための資格 | ★★★★ | 2〜4年 |
証券外務員 | 証券会社といった金融機関で、株式や債券などの有価証券を売買したり、お客様を勧誘したりする仕事に必要な資格 | ★★ | 1〜2ヵ月 |
CFA | 金融や投資の分野において、グローバルに認知された世界で通用する資格 | ★★★★★ | 3〜5年 |
ファイナンシャルプランナー | 顧客の立場で人生の夢や希望を実現するためのライフプランを設計し、その実行を支援する専門家 | ★★~★★★★ | 2ヵ月〜1年 |
DCプランナー | 確定拠出年金といった年金制度全般の専門的な知識と投資・ライフプランの知識を併せ持つ企業年金のエキスパート | ★★★ | 2〜3ヵ月 |
資金業務取扱主任者 | 金融に関する法律の知識と財務の知識の両方を学べる数少ない性質を持っている国家資格 | ★★★ | 2〜3ヵ月 |
このような資格を持っていると、年収アップ率が高い金融関連専門職種に転職できる可能性が高まるでしょう。
年収アップに有効な資格ランキング
年収アップに有効な資格ランキングTOP5は以下の通りです。
1位 | ファイナンシャル・プランナー |
2位 | 社会保険労務士 |
3位 | 中小企業診断士 |
4位 | 宅地建物取引士 |
5位 | 日商簿記 |
ここではTOP3の資格について詳しく解説します。
第1位:ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは、個人的な資産運用や金融に関するアドバイスをする仕事です。お客様の収入・支出・家族構成・資産といった情報を教えてもらい、一人ひとりに合った資産計画を構築します。
そんなファイナンシャルプランナーには、3つの資格があって何度や学習期間などが異なります。
- ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
- AFP(国内資格)
- CFP(国際資格)
ちなみに、ファイナンシャル・プランニング技能士資格は「ファイナンシャル・プランニング技能検定」の合格者に与えられる資格で、3級技能士・2級技能士・1級技能士の等級に別れているのです。
残りの2つは日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)が認定する民間資格となっています。
合格率 | 学科:20~25%程度 実技:50%程度 |
受検手数料 | 3級:6,000円 2級:8,700円 1級学科:8,900円 1級実技:20,000円(きんざいで受験)、25,000円(日本FP協会で受験) AFP:25,000円程度 CFP:27,000円(6科目同時受験の場合) |
上記の費用はあくまでも受検手数料なので、このほかに学習費用がかかってきます。通信教育や独学などによっても費用は異なるため、自身の目標に合わせて選択してください。
第2位:社会保険労務士
社会保険労務士とは、人事労務や社会保険の専門家であると証明できる国家資格です。労務管理や年金のコンサルタント、就業規則の作成などが主な仕事となっています。
これらの業務は、企業なら必ず必要な知識なので会社では高い評価となっているのです。
合格率 | 10%前後 |
受験料 | 9,000円 |
社会保険労務士の試験は出題範囲が膨大で、試験時間も5時間と長いため事前準備が非常に重要です。
そのため、受験勉強も徹底する必要があり、費用も大体10~20万円程度かかってきます。
第3位:中小企業診断士
中小企業診断士とは、中小企業支援法に基づいて経済産業大臣が登録する国家資格です。経営の診断や助言を主な仕事としています。
合格率 | 10~20%前後 |
受験料 | 1次:13,000円 2次:17,200円 |
試験は1次と2次に分かれていて、両方合格して初めて中小企業診断士の資格がもらえます。この他にも勉強するのに20~30万円程度かかり、勉強期間も1年以上と難しい試験であることが分かるでしょう。
しかし、日本国内では中小企業の割合が高く、今後もさらに増えると考えられています。それに伴って中小企業診断士のニーズも増えていくでしょう。
資格を取得するメリット
資格を取得するメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
✔ 独占業務の仕事ができる
✔ 独立ができる
✔ 転職などに有利
独占業務とは、専門の資格がなければ成就できない仕事です。分かりやすいところで言えば、医者は式免許が必要なので独占業務となります。
このような、専門的な資格がなければ就けない仕事は収入が高い傾向にあるので、年収アップを目指す方にとっても魅力的でしょう。
当然、そのような独占業務は独立する際にも必要になるので、将来的に独立を考える方は資格があった方が有利です。
そして、転職で有利になるのが最も大きなメリットでしょう。
年収アップを目指すにも転職は必須なので、資格があれば今すぐにでも収入の高い仕事に就くことが可能です。
各資格によって、どのような付加価値があるのか考えたうえで、自分に合った資格を選択してください。
資格を取得する3つの方法
資格を取得する方法としては、以下の3つが挙げられます。
- 独学
- 通信講座
- 通学スクール
独学で取得する場合
1つ目の取得方法は独学です。
独学の最大のメリットは費用が安く済むという点です。通信講座やスクールを利用するとなると、数万円から数十万はかかってしまいます。
それに対して独学なら、数千円から数万円程度でOKです。
ただし、独学はただし知識を正しい順番で学ぶのが難しく、モチベーションやスケジュール管理もあなた自身が徹底しなければ挫折してしまいます。
かなり向き不向きがある方法なので、本当に自分に合っているのか考えてから選択しましょう。
通信講座で取得する場合
2つ目の取得方法は通信講座です。
自宅に居ながら専用のテキストなどを使って勉強する方法になります。時間的な拘束はなく、あなたの好きな時間に学べる点がメリットです。
また、独学と違いカリキュラムが用意されているので、正しい知識を正しい順番で学べるというのも特徴の一つとなっています。
イメージとしては、独学と通学スクールの中間のような形式です。
ただし、費用は独学よりも高くなるので、取得を考えている資格にどのぐらいの費用がかかるのか、どのような講座があるのか確認しておきましょう。
通学スクールで取得する場合
3つ目の取得方法は通学スクールです。
通学スクールは、モチベーションや学習ペースなど、あらゆる面からサポートしてくれるので一番挫折しにくい環境となっています。費用よりも試験の合格率を優先したいという方には最適な方法です。
ただし、費用は最も高く、数十万円はかかってくるので、資格取得の意欲が強くないと取り組むのが難しい方法でしょう。費用をかけている分、モチベーションは高くなります。
資格取得前に考えるべきこと
資格を取得する前に考えるべきこととして、以下の4つが挙げられます。
✔ 資格の取得方法は?
✔ 資格取得にかかる時間や難易度は?
✔ 仕事にどう活かせるのか?
✔ 受験資格は?
まず、資格の取得方法は前の項目でお伝えした、独学・通信講座・通学スクールの3つから選びましょう。費用や学習環境の充実度などが異なるので、あなたに合った方法を選んでください。
次に資格取得にかかる時間や難易度を確認しましょう。難易度が高ければ、当然取得までに時間がかかります。また、取得までの時間は転職を始める時期にも影響を及ぼすので、いつまで転職したいのかも併せて考える必要があります。
そして、資格取得しても仕事で活かせなければ意味がないので、どのような仕事で活かせる資格なのか調べてください。先に、あなたが目指す業界や職種を決めてから、その分野に必要な資格をチェックするという流れでも良いでしょう。
最後に受験資格を確認してください。というのも、中には学歴や資格の有無によって受験できる条件を定めている場合があるからです。今のあなたでも受験できるのか調べておく必要があります。
このように、以上の4つを考えてから受験勉強を始める必要があるのです。調べた結果、その資格が受けられないという可能性もあるので、その場合は別の資格を考えてください。
まとめ
今回は年収アップに有利となる資格について解説しました。
その結果、ファイナンシャルプランナーや社会保険労務士、中小企業診断士、宅地建物取引士などが年収アップに有利だと理解できたでしょう。
そして、資格取得には独学・通信講座・通学スクールの3つの方法があるとも分かりました。
また、転職をすると資格の有無に関係なく平均56.7万円の年収アップをしているので、資格があればさらに高い年収アップ額が目指せる可能性もあります。
資格は、仕事の幅も広がるうえに自分に自信が持てるようになるので、興味がある方は本記事を参考にして資格取得を目指してみてください。