持ち帰り残業は違法の可能性が高くリスクも高い。強制されているなら転職も考えよう。

やらなくてはいけない仕事が時間内で終わらずに、やむを得ず家に持ち帰っているという人は多いのではないでしょうか。

ただ、これは決して当たり前としてはいけないこと。

違法となっている場合が大半で、労働者側はかなりの損とリスクを被ることになります。

実はホワイト企業でも多い持ち帰り残業

ホワイト企業では長時間労働にならないよう、残業時間が規制され、サービス残業もできないようになっています。

しかしそんなホワイト企業でも、実は持ち帰り残業をしている人が多いのが事実です。

連合総合生活開発研究所が実施した勤務時間外の業務の調査では、正社員・非正社員を合わせて30%以上の人が持ち帰り残業を経験していると回答しました。

正社員だけに絞ると40%以上となり、多くの人が持ち帰り残業をしていることがわかります。

仕事が終わらないから残業したい、でも残業時間は増やせないから帰ってやるしかない。

私が知っている大手ホワイト企業でも、仕事を家に持ち帰ったことがある人はかなりいました。

持ち帰り残業に残業代が出ない場合は違法か

持ち帰り残業のほとんどは黙認され、残業代が支払われていないことが多くあります。

ただ、いくら社員がこっそり勝手にやったとしても、残業代が支払われなくては違法となる場合があります。

残業代が出なくても違法とならない場合

まず以下のような場合については、残業代が支払われていなくても違法とはなりません。

会社の指揮命令下にない場合

基本的に労働時間と認められるのは、使用者の指揮命令下に置かれている場合。

会社もしくは上司から指示されることなく、持ち帰る必要もないのに勝手に持ち帰って仕事をした場合は、労働時間とはみなされず、残業代の支払い対象にならないのです。

管理監督者の場合

管理監督者(経営者の立場である人)の場合、労働基準法の労働時間や休日、休憩の規定が適用されないため、家で仕事をしようが残業代はでません。

ここでの注意点は、ただ管理職という役職であれば残業代が支払われなくても良いというわけではないことです。定められている管理監督者の条件を満たして、初めて規定が適用されなくなります。

参考:厚生労働省「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化」

本来なら残業代が出るべき場合

一方で、以下の場合は残業代が支払われなくてはなりません。

会社からの指示で持ち帰っている場合

会社、または上司から持ち帰って仕事をするように直接指示があった場合は労働時間となるため、その分の残業代が支払われなくてはいけません。

仕事をする場所が会社でも家でも、残業代が出ることに変わりはないのです。

仕事が終わらない、間に合わないという理由から持ち帰る場合

もし上司から明確に家で仕事をする指示が出なくても、持ち帰る状況を作っている場合は黙示の残業命令となり、直接指示したものと同様になります。

時間内では納期に間に合わないような仕事を与える、などがこれにあたります。

労災認定となることも

持ち帰り残業によって体調を崩してしまった場合、労災認定になる可能性が高いです。

実際に労災認定が下りた事例があるので、参考までにご紹介します。

2014年、英会話教室の講師が持ち帰り残業によってうつ病を発症し、自殺。

代理人弁護士は残っていたメール、自宅で作成していた教材を証拠として提出し、労災認定に至る。

痛ましい事件ですが、幸いにも持ち帰り残業を証明できるものが残っていたため、見過ごされずに済みました。

もしものときに備えて、現在持ち帰り残業を強いられている方はメールや資料などの証拠をとっておくことをおすすめします。

参考:日経新聞「持ち帰り残業で労災認定 英語講師自殺、作業再現し時間推定」

持ち帰り残業が起きてしまう原因

体調を崩す危険もあり、基本的にはやるべきではない持ち帰り残業。

なぜ家に帰ってまで仕事をすることになってしまうのでしょうか。

残業規制と過剰な仕事量

36協定では残業の上限が原則月45時間・年間360時間とされています。

特別な事情がある場合はこれ以上も行えるものの、しっかりと原則時間を守っている会社はたくさんあります。

ただ、仕事量が勤務時間に見合わない場合はそうもいきません。

やらなくてはいけない仕事があるのに残業はできない、結局家に持ち帰って残業する人が出てきてしまいます。

持ち帰り残業を許すということは、無制限の残業時間をま許可してしまうこと。

上限を決めることは重要なことですが、適切な仕事量が伴わないと社員にとって有益なものになりません。

職場環境の問題

仕事が遅れていても言い出せる環境ではない、個人に対して責任の重すぎる仕事を押し付ける、仕事の遅れに対して過剰に怒り、評価を下げる。

そんな職場環境の問題も持ち帰り残業を招く要因です。

納期を考慮しつつ、仕事がパンクしないよう配分しなければ、誰かが持ち帰らざるを得ない状況ができてしまいます。

労働者自身に問題がある場合も

持ち帰り残業が生まれる原因は会社側に限らず、社員にある場合も考えられます。

「間に合わなければ家に帰ってやればいいや」という怠惰な気持ちがあれば、職場にいる時間は集中して取り組まず、時間内で終わらせる努力もしなくなります。

いくら会社側が体制を整えていたとしても、社員自身が時間内に終わらせる意思を持たない限り、持ち帰り残業は無くなりません。

持ち帰り残業によるリスク

持ち帰り残業はサービス残業になってしまうという問題だけではなく、以下のようなリスクも伴います。

長時間労働による健康被害

まず一つ目が長時間労働による健康被害。

会社では残業規制がされているものの、持ち帰ってしまえば時間は無制限です。それが常態化してしまえば、過労死ラインである80時間を超えてしまう可能性もあります。

また社員がこっそり行うことにより、上司が長時間残業になっていることに気づけず、業務を減らすなどの対処ができない場合もあるでしょう。

前述した英会話教師のように、そのままにしていると自殺にまで追い込まれてしまうという恐ろしい事態も起こりえるのです。

情報の流出

本来社内のパソコンで行う仕事を家のパソコンで行うことにより、機密情報や個人情報が流出する危険性が高まります。

社内では情報漏洩を防ぐ為にセキュリティ対策を行っていますが、個人のパソコンではウイルス対策ソフトすらいれていない人が多いのも事実。

また資料を持ち出すことによって、紛失の可能性もでてきます。

万が一会社に内緒でこっそり仕事を持ち帰って情報を流出させてしまった場合、懲戒処分の対象になることはもちろん、多額の損害賠償を請求されることにもなり兼ねません。

モチベーション・効率の低下

「時間内に終わらなくても、持ち帰ってやればいい」という気持ちによって、仕事に対するモチベーションの低下、そして効率の低下を引き起こします。

本来なら8時間で終わる仕事を12時間もかけてやってしまうなど、業務時間が長引いてストレスにもつながります。

持ち帰り残業を無くすためには

では持ち帰り残業を無くすためにはどうすれば良いでしょうか。

これを解決するには、会社と社員、双方が歩み寄る必要があります。

仕事の効率化をはかる

持ち帰り残業にはリスクがあることを認識し、まず「仕事は絶対に持ち帰らない」という心がけを持つことが大切。

時間に区切りをつけたり、システムやツールをうまく活用したりと、思いつく無駄をできるだけ減らすことから始めましょう。

また会議が無駄に多いなど、職場環境そのものに問題がある場合は、一度上司や先輩に相談してみてください。

能力に見合わない仕事量なら上司に伝える

能力に見合わない仕事量によりパンクしてしまっているならば、そのことを隠さず上司に伝えましょう。

もちろん仕事量が多すぎる、仕事を減らしてもらいたい、と上司に言うのは中々勇気がいることです。

しかし普段からやるべきことをやっていれば、異常な上司でない限り考慮してくれるはずです。

強制されている場合は転職を考える

表面上は残業規制をしているように見えても、持ち帰り残業を黙認しているなら完全にブラック企業。

もし会社自体が持ち帰り残業を良しとし、それを前提に仕事を振ったり持ち帰るよう指示してきたりするなら、上記の対策をしても改善が難しい場合があります。

そのときは今のまま働き続けても良いことは無いので、迷わず転職に踏み切りましょう。

転職で気をつけるべきこと

仕事自体は好きだから働きやすい同業他社に転職したい、職種はこだわらないから持ち帰り残業がない会社に転職したいなど、人によって優先する転職条件は変わってきます。

同業他社を選ぶ場合は、焦って事態に陥らないよう、入念に確認しつつ転職を進めてください。

とにかく持ち帰り残業を無くしたいという方は、業務量が多いと言われる職種について知っておきましょう。

  • 保育士:勤務中は子供を看なければならないので、保護者への手紙の作成などの事務作業が溜まりやすい。
  • 教師:授業をするだけでなく、次の授業の準備やテストの採点にも時間を割く必要がある。
  • プログラマー、デザイナー:1人で行う作業が多く、場所を選ばずにできる仕事が多いため持ち帰りが起きやすい。

これらは一部の例ですが、知っているといないでは転職の進め方も変わります。

ぜひこれらを参考にして、働きやすい環境に転職してください。

改善が見えないなら転職しよう

仕事はそもそも会社でやるもの。持ち帰り残業の強要を含め、理不尽な環境に置かれているなら無理せず転職を考えてください。

転職に不安を感じる方は、まず転職エージェントに相談することから始めてみましょう。

 
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※1 2020年12月

転職支援サービスのおすすめ順は以下の通り。

  1. リクルートエージェント
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リクルートエージェント

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dodaはリクルートエージェントに次いで求人数が多い転職エージェントです。

リクルートエージェントやマイナビエージェントは、転職活動を行う際、必ずエージェントのサポートを受けながら進めることになりますが、dodaではサポートが要らなければ受けないということも可能です。

エージェントを利用したからといって転職を強要されることはありません。しかし、すぐに転職する気がない方にとっては利用しづらいかもしれません。

その代わり、非公開求人を受けることができなくなりますが、「今すぐ転職したいわけではない」「いい求人があれば転職したい」などエージェントからのサポートを受けづらいと考えている方にとってはメリットがあります。

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マイナビジョブ20sは20代のサポートに特化した転職エージェントです。

一度正社員として就職した方はもちろん、フリーター→正社員への転職にも強いのが特徴です。

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