ミドル社員でも未経験業界・職種への転職は可能? 失敗しないために抑えておきたいポイント

ミドル世代で未経験の業界・職種への転職は可能なのでしょうか? 今回はミドル世代の転職の状況から、ミドル世代が企業から求められるものや転職を成功させるためのポイント、そして転職アドバイザーについて紹介します。

特に転職アドバイザーはミドル世代の心強い味方になってくれるので、転職するならぜひ参考にしてください!

ミドル世代の転職状況

ミドル世代の転職状況

「ミドル」という言葉を聞いたことがありますか? 「ミドル世代」や「ミドル層」、「ミドル社員」とも呼ばれ、諸説ありますが35歳から54歳までの年齢層の会社員を指す場合が多いようです。

この世代が転職する場合は即戦力となる事はもちろんマネジメント能力も期待されます。

一時期はこの世代は未経験業界・職種への再就職が難しいといわれていましたが、現在は流れが変わってきているようです。

ではミドル世代がどうして未経験の転職が難しいと言われていたのか、まず確認をしてみましょう。

ミドル世代の転職が難しいと言われた理由

ミドル世代の転職が難しいと言われたポイントは「未経験職種」だということです。

理由1. 即戦力にならない

ミドル世代が転職する場合、企業側がミドル世代に求めるのは即戦力となることとマネジメント能力です。

未経験の職種への転職だと、今まで他職種でマネジメントを含めて素晴らしい実績があったとしても「即戦力」にはなりません。つまり自分たちの要望を満たしていないと企業側が判断していたのです。

理由2. 担当者が年上を敬遠する場合がある

企業側の採用担当者や教育担当者の年齢が20~30代の場合、自分より年上の世代を扱いづらいと感じて採用を見送る可能性があります。

理由3. 給与が上がらない

企業ではなくミドル世代の求職者側の理由となります。ミドル世代の転職は給与アップを目的としている場合も多く、そのため給与が上がらなければ目的を達成できないので転職が上手くいきません。

 

このような理由からミドル世代が未経験業界・職種へ転職するのは難しいと言われてきました。

ところが転職サイトの「エン・ジャパン」が行なったアンケートでは違った結果が出たのです。

ミドル世代の半数近くが異業種転職を成功させている

「エン・ジャパン」が2020年2月14日にホームページにアップした情報によると、転職コンサルタントの48%が「異業種転職を実現したミドルがいる」と回答しています。

エン・ジャパンが運営する転職サイト「ミドルの転職」で、サイトを利用している転職コンサルタントを対象に「異業種転職」についてアンケートを行なったところ、102名が回答しました。

異業種への転職は20代や遅くても30代前半でないと難しいといわれてきましたが、状況は変わりつつあります。

参照サイト:エン・ジャパン「2020年『ミドルの異業種転職』実態調査―『ミドルの転職』コンサルタントアンケート―」より(最終確認2020年8月6日)

今回は新たな状況に突入した「ミドル世代」の転職について考えていきます。

ミドル世代の転職に求められることは何か?

ミドル世代の転職に求められることは何か?

以前は30代以上になると再就職は難しいと言われていましたが、現在ではミドル世代の転職を成功させた方の割合が半数近くになっています。

これは企業側がミドル世代の人材を企業が求めているということでもあるのですが、企業はミドル世代にどのような事を期待しているのでしょうか?

ミドル世代に求められるのは経験・マネージメントスキル・経営スキル

ミドル世代に期待されているのは3つのことです。

求められるもの1. 豊富な経験

2018年12月14日に「マイナビ」が発表した「ミドルシニア採用企業レポート」によると、企業が40代、50代、60代を採用した理由のトップが「豊富な経験」でした。

参照サイト:マイナビ「ニュースリリース 2018年12月14日『ミドルシニア採用企業レポート』を発表」より(最終確認2020年8月6日)

求められるもの2. マネージメントスキル

マネージメントスキルは未経験の業種でも役立つスキルでどの企業でも必要とされています。

求められるもの3. 経営スキル

特に若手の多い企業では経営者をサポートする人材が求められます。経営者の視点でものを考えるには、経営陣に近いポジションで働いた経験が必要です。それを持っているのはミドル世代になります。

場合によっては最初から経営陣の中に入ることを前提として入社するケースもあるので、現場レベルでの経験や技術だけではなく、マネージメントスキルや経営経験などが評価されます。

そして求められるスキルは高いレベルであることも重要なポイントです。

ミドル世代で未経験業界・職種への転職を成功させるには

ミドル世代で未経験業界・職種への転職を成功させるには

エン・ジャパンの調査からも、ミドル世代が未経験の業界や職種への転職を成功させるのは不可能ではないということは明らかです。

では、ミドル世代の転職はしやすいのでしょうか?

かなりの譲歩が必要

ミドル世代が未経験の業界や職種に転職するのは可能ですが、その代わり条件面などでかなり妥協する必要があります。

未経験とはいえミドル世代は社会人生活が長いので、当然かなりの対応力は培われています。活かせる部分は多くあると企業側も判断しますが、やはり未経験業界や職種に関しては評価が難しいです。

同じ職種への転職なら条件を下げずに済む場合も

未経験業界でも全職と同じ職種であれば条件面を下げずにうまくいく可能性があります。

例)メーカー人事部 → IT系人事部

この場合の転職は、業界が変わっていますが同じ人事という共通のスキルが活かせます。そのため業界が変わったとしても評価されやすいです。

ミドル世代の転職は可能ではありますが、未経験の業界や職種への転職は給与面など条件を妥協する必要があります。

しかし、未経験業界でも同じ職種なら条件面を下げなくてもいい場合はあるので、完全に今までの経験が活かせない仕事よりは業界か職種、どちらかだけでもキャリアを活かせるところを選ぶほうが転職を成功させやすくなります。

ミドル世代が未経験業界・職種への転職で失敗しないためのポイント

ミドル世代が未経験業界・職種への転職で失敗しないためのポイント

ミドル世代が未経験業界・職種に転職するなら大幅な譲歩が必要になります。では転職を成功させるためにはどのようなことを意識して対策をすれば良いのでしょうか?

ミドル世代が転職を失敗させないためのポイント

未経験の業界・職種への転職を失敗しないためのポイント4つを紹介します。

ポイント1. 年収などの条件に関しては今の年収を維持できないということを前提にする

未経験というハンデもあるので年収が下がる可能性は高いです。人柄を評価してもらえても条件面で折り合いがつかないと採用は難しいといえます。

ポイント2. 自分のスキルを把握しておく

どの業種でも役立つ「ポータブルスキル」はもちろん、自分がこれまでに磨いてきたスキルや知識、不足しているスキルを分析しておきます。

自分のスキルをしっかりと把握しておけば、面接の時にストロングポイントとしてアピールしやすく、弱い部分を指摘されてもそれを補う回答を用意しておくことも可能です。

ポイント3. 求人情報をしっかり確認する

そもそもミドル社員の求人であるか、求人内容は未経験での募集をしているかなどをしっかりとチェックしておきます。また、インターネットなどを活用して求人を出している会社の情報を収集しましょう。

情報が不足していると転職後にギャップを感じることになりかねません。

ポイント4. 謙虚な態度で臨む

社会人経験が長いと未経験の仕事についたのに「自分は仕事ができる」と錯覚することがあります。

また、前職では自分より上のポジションの人が少なかったのに、未経験業界・職種への転職をすると自分より年下の人に頭を下げる状況も増える可能性もあり、その場合でも謙虚な態度をとり続けることが必要となります。

ポイント5. 転職エージェントを活用する

「転職エージェント」とは、人材紹介サービスの一つで、転職アドバイザーがマンツーマンで求職者のキャリアカウンセリングを行い、ストロングポイントや特性を引き出し、最適な求人企業を無料で紹介してくれるサービス。面接の設定などもしてくれるので働きながら転職活動をしたいミドル世代に最適です。

 

ミドル世代が未経験の業界・職種に転職する場合、まず現在の年収を維持できないことを前提としなければなりません。

もし給料アップが目的の転職なら、自分のキャリアを活かした現在の仕事と同じ業界の職種のほうがいいでしょう。

また、未経験の業界に転職希望だからといって、自分のスキルやキャリアを整理しておかないとせっかくのストロングポイントを見逃してしまうこともあり得ます。

そして謙虚な態度も忘れないようにしましょう。ミドル世代、特に40代、50代になってくるとこれまで培ってきた経験や実績があり、どうしても謙虚さが薄れてしまう場合があります。

自信は大切ですが、それが採用担当者に傲慢な態度と映ってしまう場合があるので注意が必要です。

転職活動に不安を覚えたら転職エージェントを利用するのもおすすめで、とくにキャリアの棚卸しをしてくれるので自分では気付かない強みを見つけられる場合もあります。

ミドル世代で転職を検討している方におすすめの転職エージェント

ミドル世代で転職を検討している方におすすめの転職エージェント

ミドル世代の方は20代から30代前半の人たちに比べ未経験業界・職種に挑戦をする場合はハンデがあります。自分だけで行うより転職エージェントを利用したほうが効率よく転職活動が可能です。

それでは改めて「転職エージェント」について詳しく紹介します。

転職エージェントとは

転職エージェントは転職サイトと混同されることがありますが、違いは転職サイトが自分で仕事を探して応募ページから申し込みますが、転職エージェントは転職アドバイザーと面談して希望条件などを伝えるとその内容に添う求人を探してくれて面接の日取りも決めてくれます

また、この過程でキャリアの棚卸しもしてくれるので、自分では当たり前すぎて気付かなかった強みがみつかり新たな可能性が開かれる場合もあるのです。

これだけ頼りになる転職エージェントですが無料で利用できます。そのため安心して登録できますし、転職のプロが求人情報には乗らない企業情報を教えてくれることもあるので心強い味方になってくれるのです。

ミドル世代におすすめの転職エージェント

登録する際にはミドル世代に向けた求人を多く掲載している転職エージェントを選びましょう。ここではおすすめの3つの転職エージェントを紹介します。

リクルートエージェント

「転職支援実績No.1」をうたっており、求人数も転職エージェントの中で一番多く、特に一般には公開していない非公開求人が20万件以上あります。

そのためより自分の希望に合う求人が見つかる可能性があるのです。また、各業界に精通し実績豊富な転職アドバイザーがそろっており、希望する条件やスキルに沿った求人を厳選して紹介してくれます。

他にも面接の対策、提出書類の添削、そして独自に分析した企業情報の提供などをしてくれるので、個人で転職活動をするより明らかに有利になります。

参照サイト:転職エージェントならリクルートエージェント(最終確認2020年8月6日)

ビズリーチ

「ハイクラスの転職サイト」をうたっており、年収1,000万円以上の求人が3分の1以上あります。

経営幹部など高いスキルが求められる高年収の求人を多数掲。スカウトに主力を置いており80%以上がスカウトで転職を成功しています。また、転職サイトのように自分で求人を探すこともできるので、任せきりが嫌な方にもおすすめの転職エージェントです。

参照サイト:選ばれた人だけのハイクラス転職サイト「ビズリーチ」(最終確認2020年8月6日)

JACリクルートメント

1988年からの転職活動を支援してきた累計実績が約43万人の転職エージェントです。海外進出企業や外資系企業などに強く、約800人の転職アドバイザーが転職をサポートしています。

また、JACは5つの「サービスクオリティのお約束」をしています。

あらゆる問い合せに原則「24時間以内」に対応もしくは状況報告

  1. 初回面談当日、もしくはそれまでに求人の有無をお知らせ
  2. 書類選考、面接の結果等が出たら、原則「24時間以内」にお知らせ
  3. 経験が活かせる求人の情報が手に入り次第、随時連絡
  4. 退職手続きのアドバイスなど入社前に必要な相談の受付とサポートのため入社の1週間前と1ヵ月後に連絡

以上、5つの約束があり素早い対応と手厚いサポートが期待できます。

参照サイト:JACリクルートメント「JAC Recruitment公式サイト」より(最終確認2020年6月9日)

 

転職アドバイザーを利用すると求人を紹介してくれるだけでなく提出書類の添削や面接の対策などもしてくれるので、独りで転職活動をするより多くのメリットがあります。

また、転職アドバイザーは企業情報に通じているので求人に応募しようとしている企業の詳しい情報を入手できる場合もあるのです。

利用しても費用は発生しないので転職をするなら是非利用してみてください。

ミドル世代が未経験の業界・職種への転職をするなら転職エージェントの活用を

ミドル世代が未経験の業界・職種への転職をするなら転職エージェントの活用を

冒頭で紹介したように、転職コンサルタントの48%が「異業種転職を実現したミドルがいる」と答えていることからもミドル世代の異業種への転職は可能と言えます。

しかし個人で転職活動をするには時間と労力がかかり、現在の仕事をしながら探すと平日に時間を取れないなどの問題がありますし、だからといって先に退職してしまうと後戻りできなくなってしまいます。

そこで頼りになるのが転職エージェントです。

転職アドバイザーが面談で聞いた希望条件などに添う求人を探してくれて面接の日取りも決めてくれるので、非常に時間の節約になり、仕事を続けながらの転職活動に最適です。

プロのサポートを活用し未経験業界・業種への転職を成功させましょう!