中小企業では産休・育休がとりにくいのが現実。退職せざるを得ない人も少なくはない。

少子化や女性の社会進出、共働き家庭の増加などから、産休・育休の取りやすさというのが注目されるようになりました。

特に大手企業では女性のみならず、男性の育休取得についても促進され、よくニュースになっています。

しかし、それはまだまだ一部の話です。

特に中小企業では産休や育休が会社運営に与える影響が大きく、とりたくてもとれなかったり、退職を促されてしまうことも多いのが現実です。

今転職を考えていなくても転職エージェントには登録した方が良い

たとえ今転職する気がなくても、自身のキャリアプランなどについて転職エージェントは無料で相談に乗ってくれます。
相談することで自身の正しい市場価値が分かり、今後のキャリアについても考えやすくなるでしょう。
また、転職意欲の低い段階から情報を集めておくことで、いざという時にスムーズに転職活動を行えます。

キャリアプランの相談
マッチ度の高い求人紹介
履歴書作成や面接対策のサポート
スケジュール管理
転職先企業との給与交渉
おすすめの無料転職エージェント公式

リクルートエージェント
【転職支援実績・求人数ともに圧倒的No.1】
・利用者の6割以上が年収up
・非公開求人の数は業界随一

公式

マイナビAGENT
【若手社会人から強い支持】
・利用者満足度No.1
・営業/エンジニア/金融業界に強い

公式

就職カレッジ
【フリーター/既卒向け】
・入社後定着率91.5%
・ブラック企業を徹底的に除外

公式

※リクルートエージェント・マイナビ・就職カレッジのプロモーションを含みます。

企業に課される産休・育休の義務

産休や育休は、各会社が独自に行っているものではなく、「労働基準法」や「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」で定められている義務です。

当然大企業のみならず、中小企業、ひいては零細企業であっても守らなくてはいけません。

まずはその産休や育休制度について確認してみましょう。

産休とは

産休とは正式には「産前産後休業」と呼ばれるものであり、女性労働者の母体保護のためにある労働基準法第65条によって定められた制度です。

労働基準法第65条

  1. 使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあつては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
  2. 使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
  3. 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない

休業期間中、労働基準法で賃金保証を義務付けていない為、基本的には給料は発生しません(会社によっては一部支払われる場合も)。

つまり無給の休みとなります。

ただ健康保険等の被保険者であれば、出産手当金として標準報酬日額の2/3が支払われます。

たとえば健康保険の標準報酬月額が30万円の場合、日額は30分の1なので1万円。

その3分2が支給されるので、休業1日あたり6,667円が出産手当金として支給されることになります。

貰えるお金としてはだいぶ減ってしまいますが、仕事を辞めてしまうよりかはずっと多くのお金を貰えることになっています。

育休とは

育休とは正式には「育児休業」と呼ばれるもので、子供を養育する労働者が取得できる休業制度のことです。

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第5条

労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。

育児休業の期間は基本子どもが1歳になるまでですが、保育園に入れない等の事情がある場合は2歳まで延長可能です。

賃金については、育休を始めてから半年まで育休前の給料の67%、それ以降は50%です。

育休取得については、女性に限られたものではありません。

男性も同様に取得することができるものであり、申請された会社は認める義務があります。

産休・育休の取得を理由に解雇はできない

労働基準法第19条では、産前産後の女性が休業する期間及びその後の30日間について解雇が禁止されています。

労働基準法第19条1項

使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。

育児・介護休業法第10条では育児休業の申し出、及び休業したことを理由に解雇することはできないと定められています。

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第10条

事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

取得しようと申し出たら辞めてくれたと言われたなんて話をまれに聞きますが、それは法律違反です。

会社に費用負担はない

産休や育休時の労働者に支払われる報酬は会社が負担していると勘違いしている人も多いようですが、実際はそんなことありません。

手当の支払いは健康保険や雇用保険から支払われるものですし、産休・育休期間中の社会保険料の支払いもありません。

企業が直接的に費用を負担することはないのです。

それどころか中小企業向けには、育休を一定期間取得させ復帰させた場合に国から助成金を貰えるという制度もあります。

罰則について

産休や育休は法律で定められているものであり、申請されたのに取らせない場合は当然罰則もあります。

産休の場合は労働基準法に基づき6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が課せられます。

育休の場合は育児・介護休業法に基づき、まず事業主に対して勧告が行われそれでも従わなければ公表、さらに報告を求められた際にうその報告をした時は20万円以下の過料に処されるとされています。

金銭面のみならず、企業イメージに悪影響が及んでしまうことになります。

中小企業で育休・産休の取得が難しい理由

ではなぜ中小企業では育休等の取得が難しいのでしょうか。

100人のうち1人が休むのと、10人のうち1人が休むのでわけが違う

大手企業で例えれば、100人のうち1人が育休をとって休んだとしても、業務にさほど大きな影響はありませんん。

周囲の人で業務を分担することもできますし、他の部から人材補填することも可能です。

しかし中小企業ではそうも行きません。

例えば、10人しか社員がいない中で1人に休まれたら業務に支障がでてしまいます。

もしかしたら、その人しか担当していない業務かもしれません。社内で事務職は1人しかいない会社もありますよね。

確かに金銭的な負担はないかもしれないけれど、業務への影響という点を見れば簡単には行かないのが中小企業の現実です。

もちろん出産・育児のみならず、けがや病気等で急遽仕事ができなくなってしまう社員が出てくる可能性もありますから、会社としてリスク管理をしていかなくてはなりません。

しかし、そこまでの余裕がない企業が実はかなり多いです。

復帰が前提の為、新たな人を採用することはできない

産休や育休はあくまで一時的な休業であり、期間が終われば当然復帰します。

そのため、人材補填として新たな人を雇うということがなかなかできないのです。

正式に他の人を雇ってしまえば、産休や育休から復帰してきた時に人余りが発生します。

契約社員などの有期雇用者で補う方法もありますが、現在は人手不足なので有期雇用という形態では難しいとともに、来ても未経験者です。

100人必要なところを101人になったところでそこまでの影響はありませんが、10人で十分なのに11人もいると、経営に与える影響はかなり大きくなってしまいます。

妊娠で退職というのが当たり前になっている企業も多い

かつては、女性が妊娠すると退職して家庭に入ることが一般的でした。

こうした風習の影響もあってなのか、経営者が理解していないのか、妊娠=退職という風習が未だに残っている会社も少なくありません。

もし退職しないで産休を取ろうとするなら、マタハラによって退職に追い込む場合も現実としてあります。

2015年に厚生労働省が行った実態調査によれば、正社員で21.8%、派遣社員では48.7%もの人が妊娠等を理由とした不利益取り扱い、いわゆるマタハラを経験しているとのことです。

もし産休・育休の取得を考えているのなら環境が整っている企業に転職しよう

今勤めている会社が産休・育休が取りにくい環境なら、転職を検討することも必要です。

いざ自分が産休・育休を取得したいと思っても、退職を促される、周囲から歓迎されない状況だとやむを得ず退職しなければならない可能性もあるでしょう。

それなら、今後のことを考えて産休・育休が取りやすい環境が整っている企業に転職するのも選択肢の1つです。

大企業は、男性の育休取得にも力を入れている

大企業の場合、女性の産休・育休への体制を整える企業は多いです。

近年では、男性の育休取得にも熱心な企業が増加しています。

女性はもちろん、男性もこれらの休暇を取りやすい環境づくりが活発になってきているのです。

女性だけが育休を取ったとしても、実際はワンオペになりやすく余裕を持った育児は難しくなります。

その点、男性が育休を取ることで女性の負担を減らすことができ、夫婦で協力して育児をすることができます。

大企業でなくとも産休・育休に力を入れている企業はたくさんあるので、環境が整っている企業に絞って転職活動を行うのも良いでしょう。

隠れ優良企業は福利厚生が充実している

大企業を狙って転職することに不安がある人は、中小企業で福利厚生が充実している隠れ優良企業への転職がおすすめです。

隠れ優良企業は、非公開求人に多い傾向があります。

非公開求人は転職エージェント経由でしか紹介してもらうことはできません。

転職エージェントについては次の見出しで詳しく説明していきます。

転職のプロのサポートを受けて、育休取得が出来る企業に転職しよう

今後、産休や育休を取得することを考慮して転職することに対し、ハードルが高く感じる人もいることでしょう。

しかし、休暇を取りたいときに取れない状況を回避するためにも、今のうちから転職することをおすすめします。

在職中の転職活動は現状の業務もあるので大変な作業です。

そんな大変さをやわらげてくれるのが転職エージェントであり、今より待遇の良い各種休暇が取りやすい企業を紹介してくれます。

転職エージェントは、多くの企業の求人を保有しており、非公開求人も豊富に保有しています。

そのため、産休や育休が取りやすい環境が整う会社への転職を希望した場合、隠れ優良企業を紹介してくれる可能性もあるでしょう。

彼らは企業の環境を熟知しており、給与や年間休日などのほかに、福利厚生や各種休暇の取得情報なども把握しています。

こうしたことから、産休や育休が取りやすい環境を希望条件として伝えれば、条件に合う企業を紹介してくれるのです。

また、履歴書作成の添削や面接の練習、退職時のサポートもしてくれます。

面接が苦手な方もエージェントのサポートを受けて練習すれば、きっと面接官が納得する受け答えができるはずです。

さらに、転職エージェントの使用料は無料転職を視野に入れた現状の相談も可能です。

この先、産休や育休を取りたいタイミングが訪れたとき、安心して休める企業を今のうちから探しておくことをおすすめします。