何かと辛いことが多い保育士。他業種に比べると離職率は高く、違う保育園へ転職する人は少なくありません。
給料等の待遇面改善や辛い人間関係からの脱却などは、同じ保育園で働いていても中々解消されるものではありませんから、転職自体は非常に有効的です。
ただそんな転職も何度もくり返すのはあまり良しとされていません。
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保育士の転職事情について
保育士の転職市場はどうなっているのでしょうか?
求人数や離職率が気になるところです。
そこでまずは、保育士の転職事情について解説します。
保育士の求人は多い
現在、保育士は売り手市場が続いております。
実際、ニュースなどでも保育士が足りず、子供を預ける施設が見つからないといった話を耳にするでしょう。
そのため、常に保育士の求人が出回っており、厚生労働省が発表した「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」でも如実に表れています。
このように、保育士の有効求人倍率は2.49倍と全職種平均の1.35倍を大きく上回っています。
いかに保育士の求人数が多いか分かるでしょう。
保育士は離職率も高い
では、なぜ保育士の求人は多いのでしょうか?
その理由の一つとして離職率の高さが挙げられます。
実際、厚生労働省が発表した「保育士の現状と主な取組」によると、現在保育士として働く方の半数が経験年数8年未満とされています。
つまり、8年以上保育士として働く人は半分くらいしかいないわけです。
では、なぜ保育士は離職率が高いのか、次の項目で原因について詳しく解説していきます。
保育士の離職率が高い理由
前の項目で、保育士の離職率が高いため求人数が多いとお伝えしました。
それでは、なぜ保育士は離職率が高いのでしょうか?
この項目では、保育士の離職率が高い理由について解説します。
仕事が多い
離職率が高い理由1つ目は仕事が多いからです。
そもそも保育士は、子どもの面倒を見るだけでなく他にも膨大な量の仕事を抱えています。
ザっと挙げても、以下のような仕事があります。
- 事務作業
- 掲示物の作成
- イベントの準備
- 保護者への連絡
- 保育士間での会議・研修
これら全ての仕事を労働時間内で終わらせるのは難しく、ほとんどの保育士が残業が当たり前の状態となっています。
中には、自宅に持ち帰って仕事をする保育士もいるので、その仕事量の多さに不満を抱いて離職してしまうのです。
給与が業務内容に見合っていない
離職率が高い理由2つ目は、給与が業務内容に見合っていないからです。
1つ目の理由でお伝えした通り、保育士の仕事量は膨大です。
しかし、それに対して賃金は他の業種と比べると低い傾向にあります。
実際、令和2年度に発表された「賃金構造基本統計調査結果」を基に平均年収を算出すると、保育士の平均年収は約320万円です。
国税庁が発表した日本の「平均給与」は461万円なので、保育士は平均より低い結果となっています。
仕事量は多いのに給料が低いとなれば、誰でも不満を抱いて仕事を辞めたいと思うでしょう。
責任が重い
離職率が高い理由3つ目は責任が重いからです。
保育士が預かるのは自由奔放な子どもたちなので、大人のように言い聞かせて管理するのが難しくなっています。
加えて子どもの中には、アレルギーや障害がある子どもがいたり、周囲に馴染めない子どもがいたりと大変です。
他にも、喧嘩や体調不良、事故、ケガにも気を配る必要があるので、常に精神をすり減らす状態が続いてしまいます。
当然、そのような状態に耐えられなくなる保育士は多いので、離職率が高くなってしまうのです。
人間関係が悪い
離職率が高い理由3つ目は人間関係が悪いからです。
保育園という閉鎖的な空間で働いていると、派閥ができたり職員同士でいじめが起きたりといった事態が珍しくありません。
実際、多忙な保育士の仕事の中で「イライラする」「八つ当たりする」「すれ違いが起きてぎくしゃくする」など、働きにくいと感じる瞬間が多々あるのです。
また、同僚、上司、部下と良好な関係が築けないと、保育士としての仕事が回らなくなるため離職率が高くなります。
保育士が転職をくり返すことの問題点
保育士が大変な仕事だと分かりました。
しかし、だからといって転職を繰り返すと様々な問題が生じます。
では、保育士が転職を繰り返すことで起きる問題について解説します。
始めからマイナスイメージを持たれる
何度も転職を繰り返していると、転職活動の面接時に「すぐ辞めるのではないか」「忍耐力がないのではないか」「人間関係を上手く築けないのではないか」という印象を持たれてしまいます。
確かに、保育士が1人辞めるだけで保育園にかかる損失は大です。
代わりの保育士を採用するためにはお金もかかるし、ギリギリの人数で運営している保育園も多いので、すぐに辞められてしまっては採用する側も困ってしまいます。
だからこそ、できるだけ長続きしそうな人、そして突然辞めない人を優先して採用するのは当たり前なのです。
キャリアアップができない
一つの職場で長く働いていないと、リーダー等を経験することもなく、主任などの役職につくこともないので、給料も上がっていかないでしょう。
保育園側からしても、すぐ辞めるかもしれないリスクのある人を責任のある立場として採用するわけがありません。
仮に内定がもらえたとしても、キャリアアップするのは難しいのが実情です。
また自分自身も、年齢相応、経験年数相応の収入を得られないことによって、さらに仕事への不満が募っていくことになります。
保育士の仕事自体に面白みがなくなる
「嫌なことがあったらすぐに転職する」といったことを繰り返していると、どの仕事も面白くなくなっていくものです。
乗り越えようと努力することがなくなり、常に辞めること、転職することばかりを考えながら仕事をするようになります。
当然、楽しんで働けていないので、仕事は単にストレスの溜まるだけのものと考えるようになってしまいます。
仕事は、人生で最も長い時間を使うものなので、そこに楽しみが見出せないのはかなり辛いでしょう。
他業種への転職ではさらに不利に
保育士自体の仕事がつまらなくなり、ただ辛いものになってしまうと、おそらく多くの人は他業種への転職を考えるはずです。
しかし他業種への転職時に、転職をくり返してきた職歴がさらに大きな欠点となります。
特に、1つ目の問題点である「すぐ辞めるのではないか」「忍耐力がないのではないか」「人間関係を上手く築けないのではないか」といった印象は、他業種の採用選考であってもついて回ります。
また、未経験者のうえに保育士ほど人手不足でもない他業種となれば、転職のハードルは一層高くなるでしょう。
転職を繰り返さないために
このように、正当な理由なしで転職をくり返さすことはできる限り避けなくてはいけません。
では、転職を繰り返さないためには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。
ここでは、転職を繰り返さないためのコツについて解説します。
転職活動の軸を定める
まずは、転職活動の軸を決める作業を行ってください。
転職の軸とは、「なぜ転職したいのか」「次の会社には何を求めるのか」といった内容で、それが明確化できれば次の転職先を選ぶ際の指針になります。
反対に軸がない状態だと、入社後にミスマッチが起きてしまう確率は高まってしまいます。
次の会社に求める条件が複数ある場合は、それらを順位付けしてください。
例えば、給与は絶対に譲れないから1位にして、次に人間関係は大切だから2位といった形で、順位付けしていくと良いでしょう。
そして、順位付けをしたら、それを基に求人を探してみてください。
ただし、あまり欲張りすぎて譲れない条件を複数設けてしまうと、それに見合う企業がどんどん限られてしまい、「受けたい企業がない」という状態に陥る可能性もあるので注意が必要です。
条件が厳しくて合う職場が見つからない場合、優先順位の低い条件から妥協するようにしましょう。
転職エージェントを活用する
転職エージェントとは、転職サイトとは違い求人を紹介しているだけではありません。
自己分析や企業研究のサポートから選考対策まで、転職に必要な工程を徹底的にサポートしてくれるサービスです。
転職エージェントでは、日々紹介する企業と密にコミュニケーションを取っているため、求人や企業サイトには記載されていない内部情報も把握しています。
そして、それらを考慮したうえであなたの希望条件に合った企業を紹介してくれるのです。
また、転職エージェントは企業に人材を紹介して、その後一定期間働いてくれないと企業から報酬がもらえません。
つまり、すぐに離職されると転職エージェントは報酬が貰えないため、定着率も踏まえて求人を紹介してくれるのです。
このような仕組みによって、必然的にマッチ度が高くて長く働ける企業を紹介してもらえます。
転職を繰り返したくないなら転職エージェントの利用を
転職を繰り返すと、「さらに転職が難しくなる」「キャリアアップが困難になる」「辞め癖がつく」など様々な問題が発生します。
また、転職活動を何度も行うのも大変なので、できれば環境の良い職場に落ち着きたいでしょう。
もし、あなたが転職を繰り返したくないと考えているなら、転職エージェントの利用がおすすめです。
特に、現在保育士として働いていて、他業種への転職を希望しているなら、転職エージェントを活用してください。
転職エージェントを活用すれば、保育士として身に付けたスキルや実績が活かせる他業種を、転職のプロがしっかりと見つけ出してくれます。
また、履歴書の添削や面接対策なども実施してくれるので、未経験職への転職でもあなたの強みをアピールできるようサポートしてくれます。
転職エージェントの利用料金は無料なので、転職を繰り返したくない方や保育士から他業種への転職を希望する方は、ぜひ活用してみてください。
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