趣味を仕事にすることは可能なのか
仕事が楽しく感じられない時や苦痛で仕方ないという場合、好きなことを仕事にできたら毎日楽しく仕事をすることができるだろうと考える方は多いでしょう。
実際に働き方に対して多様な考え方が広まっている昨今では、自身の趣味を仕事にしたり、趣味から仕事に発展する機会が増え、好きなことでお金を稼いでいるという方は増えてきています。
趣味を仕事にするといってもその仕事の形は様々で、すでに自分の趣味が他者によって仕事として成り立っている状態であれば、その企業や運営者の仕組みを参考にすればよいでしょう。
しかし、まだ仕事としての形が確立されていなかったり、新しい仕組みとして注目を浴びる方法を考えたいということであれば、自身で上手くいく仕組みを一から考え、試してみなくてはなりません。
ただ、現在は非常に多くの人が自分の趣味を仕事に落とし込んでいるので、一度ネットで検索をしてみると何かしらヒットする確率は高いでしょう。始める前にどのように仕事にしている人がいるのか、自分も同じようにできるかどうかをチェックしながら検討してみましょう。
趣味を仕事にすることのメリットデメリットについて
仕事には苦しいことや辛いことがたくさんありますが、趣味を仕事にすると本当に楽しく働くことができるようになるのでしょうか。趣味を仕事にすることのメリットとデメリットには、それぞれどのようなことが考えられるのかを挙げていきましょう。
趣味を仕事にするメリット
趣味を仕事にするということは、自分の好きなことを業務として行うことができるということですが、どのようなメリットが働くのでしょうか。
ストレスが溜まりにくい
仕事において、業務内容はもちろん、ミスが起きたとき、残業が長くなったとき、その他にも様々なストレスの要因が存在します。仕事へのモチベーションが下がれば、やりたくないことをしていると感じてしまうことになり、余計にストレスが高まっていくことになります。
その点、趣味を仕事にした場合、例え残業が伸びてしまったとしても、好きなもののためであれば時間を忘れて頑張れてしまうということや、ミスをしたり上手くいかないことも試行錯誤すること自体が楽しいと感じられるということも考えられ、辛く感じていたこともそれほどストレスに感じないという可能性があります。
業務に集中できる
自分の興味がないことを仕事としている場合、あらゆる業務において「やらされている」という感覚が強くなります。早く仕事が終わることだけを考えて作業をしていたり、指示されたこと以上の仕事をしようとは思えなかったりと、業務に集中できないということもあるでしょう。
しかし趣味を仕事にした場合、業務内容が自分の好きなことがテーマにあるため、非常に集中した状態で業務に取り組むことができます。のめり込んでいて、気が付いたら終業時間だった、残業しても区切りのいいところまでやってしまいたいと思うことも多いでしょう。
スキルアップしやすい
好きなことが仕事であるからこそ、もっと上手くできるようになりたい、スキルを身につけたいという意欲と向上心を高く持ちながら働くことができます。
やる気があることは成長にも繋がりやすく、どんどんと業務におけるスキルを身につけることができます。それに伴って上司や会社からの評価も高まっていきます。
評価が高まれば給料アップや昇進、重要な仕事を任されることにも繋がり、もっと深い仕事や新しい事業などにも関わっていくことができるでしょう。
仕事にやりがいを感じられる
好きなことを仕事として成果を出すことができたとき、つまらないと思いながら行っている仕事よりも大きな満足感や充足感を得ることができます。
忙しくても充実した日々を過ごすことで、自己肯定感が育ったり、自分のことを好きになったり、自分のことを誇りに感じることができるようになっていくでしょう。
デメリット
好きなことで働くことはストレスを軽減したり、スキルアップに繋がる可能性が考えられますが、デメリットも存在します。
好きだった趣味が嫌いになるかも
それまでは趣味で個人的に楽しんでいたということでも、仕事になった途端、当然のことながら収益を追い求めていくという必要が出てきます。
それまではただただ好きという気持ちを求めて楽しんでいたことでも、利益を上げるためにはどうすればいいのかということを考えて行わなければならなくなっていくため、趣味でプライベートに行っていた状況とは異なる形で趣味に関わっていくことになります。
どうしても自分の本意にそぐわない形で仕事を進めなければならないことも出てくることになり、好きだったことに対してつまらなさを覚えてしまったり、好きだったからこそ仕事が嫌になってしまうという可能性も出てくるでしょう。
ONとOFFの時間があいまいになる
1日のほとんどを仕事をして過ごす社会人にとって、仕事から離れるオフの時間は非常に大切なものとなります。
オフの時間にリフレッシュやストレスを発散させるからこそ、再び仕事にエネルギーを注ぐことができる実感している方も多いでしょう。
今まではオフの時間に行っていた趣味を仕事にした場合、休みの日もそのことを考えてしまったり、気付けばオフの時間も仕事をしているということにもなりかねません。
そうなるとリフレッシュの時間がなくなってしまい、その状態が続くと、プライベートの時間も気持ちが落ち着かない気分になってしまったり、仕事の作業効率が落ちたり、意欲が薄れてしまうということが考えられます。
趣味を仕事にした場合、オフの日は仕事について考える時間をなるべく作らないようにするため、何か他の趣味を見つけるなど、仕事から意識を無理矢理にでも離すものを見つけることが大切です。
給料が下がる可能性がある
自分の趣味がそのまま大きな利益に繋がることであればいいですが、そう上手くいくということは少なく、独立開業やフリーランスとして活動したとしても、軌道に乗せるためにはかなりの努力が必要である場合もあり、必ずしも成功させることができるとは言えません。
趣味を仕事にしたとしても、クライアントが納得できる成果を出せない場合は収入に繋がらず、企業に所属したとしても仕事として未経験の場合は年収が下がる可能性が高くなります。
仕事にできる趣味はたくさんある
仕事にできる趣味というのはたくさんあり、活かし方もそれぞれです。どのような趣味がどのような仕事に活かすことができるのかをチェックしていきましょう。
仕事にできる趣味
ライティング
読み書きが趣味なのであれば、自分の文章を武器にするライターや作家の仕事があり、雑誌やウェブメディアに自分で営業をかけたり、依頼を受けたり、クラウドソーシングなどでライターの仕事を受注するなどの仕事を行うことができます。
分析力や企画力があるのであれば、自分でブログを立ち上げて情報を発信していくことで、自分の仕事として立ち上げることもできます。資格や経験のいることやニッチな知識があるのであれば、需要の高いライターになることができるでしょう。
イラストレーションやデザイン
独自性のあるイラストやデザインを使って、様々な企業との仕事や自ら販売すること、ブログやサイトデザインなどの仕事を請け負うことができます。
自分のイラストやデザインを使った商品を、在庫を抱える必要のないオンデマンド印刷で販売していくこともでき、自分のスキルがどのような方向性に向いているのかを検討して、仕事にしていくことが大切です。
ゲーム
ゲームが趣味で、魅力的なゲームを自分で作りたいという場合、ゲーム制作会社で働きたいと考える方も多いでしょう。
純粋にプレイすることが好きというのであれば、ゲームの実況を配信して収益化を図ったり、eスポーツの選手となるということも考えられます。テレビゲームやゲームアプリだけではなく、ボードゲームなど様々な盛り上がりをみせるゲーム業界はまだまだ成長中であるため、まだまだ新しい仕事が眠っている可能性があります。
料理
お店で料理人として働くだけではなく、キッチンカーや軒先ビジネスなどで開業したり、フリマアプリやクラフト販売サイトで商品を売るという手法も増えてきているため、店に所属せずに自分の料理を販売することが容易になってきています。料理研究家としてレシピやアイデアをSNSやYouTubeなどで紹介して、収益化したり仕事を得るという方法も考えられます。
レシピサイトを配信している企業や食堂や学校施設などで調理師や栄養士として働くなど、生活に密着するものであるため、料理に関わる仕事は多岐にわたって見つけることができます。
旅行
旅行が好きでよく行っているという場合、旅行会社でプランの提案をする仕事や添乗員として勤めることができます。各国の魅力ある土地の情報を発信するインフルエンサーとして情報を発信したり、魅力のある土地としてPRを行う観光地の広報の仕事などに活かすことができます。
行ったことのある人から発信される情報は、これから行きたいと思っている人に向けて、とても有意義なものとなるので人のためにという気持ちも持つことができます。
ものづくり
何かを作るのが好きなのであれば、DIYやハンドメイド作品を自分で販売したり、企業にアイデアを売る個人の仕事や、企業で商品の企画をする仕事が考えられます。周囲のひとのこんなのが欲しいという言葉をきっかけに商品を作ったりする楽しさもあります。
自分の好きなことを仕事にするには、プロの力を借りると心強い
自分の趣味を仕事にするには、どのような仕事があるのか、活かし方があるのかということを研究して職探しをするということが欠かせませんが、自分で探したり想像をするには限界があります。
好きなことを仕事にするために転職を検討するのであれば、1人で転職活動を行うのではなく、プロのサポートを受けることで理想に近い仕事を見つけられる可能性が高まります。
そのプロのサポートというのが転職エージェントです。
転職エージェントを利用することで、自分1人で転職先を探すよりも、条件や経歴を考慮した上で、趣味を活かした仕事を見つけることができるようになります。転職について誰よりも知識のあるキャリアアドバイザーは、自分が考えている業種や職種以外でも趣味を業務として行うことができる仕事を教えてくれるでしょう。
転職エージェントでは、キャリアカウンセリングによって最適な仕事を紹介してくれる他にも、履歴書や職務経歴書といった書類の添削や、面接の対策、内定後の給料の交渉などを行ってくれます。
仕事ではなく趣味で行っていたことをどのようにアピールするのかということにおいて、転職のプロであるキャリアアドバイザーの力を借りることで、企業に向けて魅力的なビジョンを見せることができるでしょう。
また今まで仕事と趣味のスキルは全く別のものであると考えていても、実は共通する強みを見つけてもらうこともできる可能性があります。ほとんどの転職エージェントは無料で利用することができるため、転職先の見つけ方が難しいという方や自己分析やアピールの仕方がわからないという方は積極的に登録を検討してみましょう。
趣味を仕事にする場合はよく考えてから行動に移そう
趣味を仕事にすることができるのであれば、そんな幸せなことはないと考えることは間違いではありません。
特に昔からの夢だった、目指してきたというものであったとすれば尚更です。仕事はお金を稼ぐために仕方なくやっているという方も多いため、好きなことを仕事にして、お金を稼ぐ手段にできる状態はまさに理想のものに見えるでしょう。
ただ、趣味と仕事は分けているからこそ互いに作用しあっており、それぞれに注力できているということも間違っているわけではありません。
オフの時間に趣味を思い切り楽しむことでリフレッシュし、仕事を頑張ろうと前向きになり、趣味に費やすお金を稼ぐために仕事を頑張ろうとモチベーションを上げることに繋がります。
趣味を仕事にしたいと考えているのであれば、趣味が仕事になったあとのこともイメージして、本当に仕事として続けることができるのか、他のリフレッシュ手段などがあるかどうかをよく考えてから行動に移す必要があります。
趣味を仕事にしたことが失敗したと感じるようになってしまうと、せっかく楽しんでいたものが失われてしまうことになるため、仕事とは敢えて分けることにこそ意味があるのかもしれません。そのため、好きなことを仕事にするときは、仕事として割り切りながら楽しくできるかを考えて、答えを出すのがいいでしょう。