向いている仕事と好きな仕事どちらの方を優先するべきか。それぞれの良さも理解して自分に合っている仕事を探そう

向いている仕事と好きな仕事の違い

向いている仕事と好きな仕事の違い好きなことと向いているということが同じであるという人であれば、好きなことを仕事にしていても苦しさを感じることは少ないでしょう。

しかし、それはごく一部の人であって、大抵の人は好きなことを仕事にしているわけではありません。

自分の好きな仕事は自分に向いているから好きなのか、ただ好きでこなしているのかと考えることもありますが、向いている仕事と好きな仕事というのは似て非なるものであり、同一視してしまうとミスマッチとなる可能性があります。

好きな仕事は、自分が興味のある仕事。趣味を仕事にするとも言える

好きな仕事というのは、自分が興味のあることや趣味で行っていることを仕事にするということと言えます。

最近では、趣味で描いていた漫画がSNSで人気になって出版した、趣味が高じてヨガインストラクターや料理研究家になったなど、自分の好きなことを続けていたらプロになることができたという人の声がよく見られるようになりました。

無料のフリマアプリやネットショップが簡単に開けるようになり、プロとして始めなくてもアクセサリーやイラストなど、自分の作品を容易に売ることができるようになり、好きなことを仕事にするということがしやすくなりました。

好きなことを副業で始め、結果が思った以上に出たことで個人事業主になったという人もいます。

つまり、好きな仕事は趣味や特技が絡んでいることがほとんどと言ってもいいでしょう。

向いている仕事は、自分にできる仕事

向いている仕事というのは、自分が得意なことや苦にならずにできることを仕事にするということです。

自分にとって簡単な作業であっても、他の人にとっては難しいということはよくあることであり、それを強みに実績を作ったり、スキルを伸ばしていくことができます。

好きな仕事に就くメリット・デメリット

好きな仕事に就くメリット・デメリット好きな仕事に就くというのは、毎日好きなことを思う存分できるという一方で、それが苦しくなってしまうことも考えられます。

どのようなメリットとデメリットがあるのか、詳細を確認しておきましょう。

メリット

毎日楽しく仕事に取り組める

好きなことを仕事にすると、毎日熱意を持って仕事に取り組むことができるということに繋がります。

情熱を持って仕事に取り組むことで、仕事に対する姿勢が周囲と異なり、努力も苦とならないため、成功する可能性も高くなります。

ストレスが溜まりにくい

上手くいかないなどのつまずきや困難を伴うときにも、解決に向けて前向きに考えたり、乗り越えること自体を楽しめることができるでしょう。

仕事は稼ぐためのものと考えている人や嫌々仕事を行っている人と比べて、ストレスを感じる機会が少なく、ストレスを感じたとしても早い内に気持ちを切り替えることができることが多いです。

スキルが身に付きやすい

好きなことを仕事にしているため、自然と考える時間が増えたり、日常生活の中で意識しなくても情報に耳を傾けているということがあります。

仕事のためにと行動をしなくても楽しく知識を向上させていたり、スキルを身につける意欲が湧いてくるというところが、好きなことを仕事にする強みです。

デメリット

理想と現実のギャップに苦しむ恐れがある

例えば、自分の作品を販売しようとしたときに売れ行きが芳しくなかったり、自信のある商品が見向きもされなかったりと、理想と現実のギャップから悩みを抱えることもあるでしょう。

そういったギャップも乗り越えて見せる!と前向きになるのが大切です。

こだわりが強くなりすぎて仕事が上手くいかない可能性がある

自分が好きなことを趣味やプライベートの時間に行っているときには、好きなだけ時間や労力をかけることができます。

しかし、それを仕事にしてしまった後は、プロ意識が芽生え、あまりに出来や完璧に作り上げようとこだわってしまい、なかなか完成しない、思った以上に時間がかかるということが起きることがあります。

好きなことを仕事にした場合、趣味で行っていたときとは違う完成の区切りを作っておくか、ある程度の妥協をする覚悟が必要となります。

「好きなこと=得意なこと」ではないため、仕事が上手くいくとは限らない

好きなことをプライベートで楽しんでいる分には、得意だろうが不得意だろうが自分が満足できればいいことですが、仕事にした時には話が変わってくる場合があります。

好きなことは必ずしも得意なことではないため、好きな気持ちだけあれば仕事が上手くいくとは限りません。

趣味が仕事になりプライベートでも仕事について考えるようになる

趣味が高じて仕事になったということは、ある人にとっては嬉しいことですが、全員が上手くやっていけるというわけでもありません。

今までは自由に楽しめていたことが、仕事になったことで、始終そのことについて考えてしまうということになります。

仕事とプライベートが別だったときには、仕事の息抜きにできていたことが24時間考えなくてはいけなくなってしまって辛くなったということもあるため、好きなことを仕事にすることが必ずしもいいことであるとは言えません。

向いている仕事に就くメリット・デメリット

向いている仕事に就くメリット・デメリット向いている仕事に就くというのは、得意なことを行うため仕事をスムーズに進めやすいという一方で、仕事がつまらないものと見えてしまうことも考えられます。では、どのようなメリットとデメリットがあるのか、詳細を確認しておきましょう。

メリット

自身の適正に合っているためスキルアップが容易

自分に向いていることを仕事にすると、自分にとっては簡単なことを行うため、向いていない人が行うよりも高い生産性で業務を行うことができます。人よりも生産性が高ければ、その分人よりも早い習熟度で身につけていくため、比較的容易にスキルアップや知識を身につけることができます。

無理なく業務をこなせるためストレスが溜まりにくい

自分の得意とすることを行うため、つまづくことがあっても工夫して解決することも比較的容易に行うことができ、困難な業務にも無理なく対応することができます。

業務で無理をすることが少なければ、ストレスが溜まりにくく、仕事が辛い、苦しいと感じることもないため、楽しく仕事を行うことができます。

仕事が楽しめればストレスがないだけではなく、仕事に対するモチベーションが上がるため、新しい業務へのチャレンジ意欲やうまくできないことを改善しようという好循環になります。

実績を上げやすく評価されやすい

業務が自分の得意なことであれば、実績を上げることが人よりも容易であり、昇進や出世に近付きます。実績が数字などによって明確にわかりやすい仕事と数字には表れないため認められにくい仕事というのはありますが、実直に仕事を行っていれば必ず自分の力として身に付きます。

仕事とプライベートのオンオフが明確になる

得意なことと好きなことが別である場合、仕事とプライベートで行うことが違うことになるため、仕事とプライベートの区別を付けやすいです。

仕事とプライベートがきっちりと分かれていれば、仕事の時間はしっかりと集中し、終業後や休日に仕事のことを考えずに趣味を思う存分に楽しむということができるので、息抜きや気分転換をしやすい環境になります。

デメリット

自分にできるからと言って必ず好きになるとは限らない

自分が得意な仕事で、人よりもスムーズに業務をこなすことができたからといって、必ずその仕事が好きになるとは限りません。

業務を行うことに苦労することがなく、評価されたとしても、仕事が楽しめなければ働くことが辛いということにもなりかねません。

ある程度手を抜いても卒なくできてしまうからこそ、もっと上手くなりたい、仕事の実績を上げたいというような仕事に対するモチベーションが低くなってしまうという可能性もあります。

「好きな仕事に就きたい」と悩む恐れがある

向いている仕事と好きな仕事というのは違うものであることが多いため、向いている仕事に就いていたとしても、好きなことを仕事にしたいと考えてしまうということはよくあることです。

今の仕事が自分に向いていてスムーズにできてしまうという成功例があるからこそ、好きなことを仕事にしても上手くいくのではと考えてしまうということもありますが、好きなことがしたいからと転職するには、冷静な分析が重要となります。

好きなことへ転職をしたいと考えたときには、その業界を研究し、どれぐらいのスキルがあれば成功することができるのか、未経験から採用された場合の年収などの待遇でやっていけるのかということを判断することが必要です。

現在の職場が副業を認めているのであれば、やってみたい仕事によりますが、転職の前に副業として行ってみて、実力が通じるかどうかという腕試しを行ってみるのもいいでしょう。

基本的には好きな仕事より向いている仕事を選んだ方が良い!

基本的には好きな仕事より向いている仕事を選んだ方が良い!好きなことを仕事にしてしまうことで、好きなことが楽しめなくなってしまう、仕事とプライベートの境目がなくなってしまい、それがストレスになってしまうということが考えられます。

基本的には好きなことは趣味として楽しみ、仕事は自分に向いているものを選ぶことで、仕事がうまくいかないというストレスを抱え込みにくく、仕事とプライベートの両方を充実させることができます。

手こずって残業が長引いてしまうといったことも起こりにくいので、自分の時間を確保することもできるでしょう。

どうしても好きなことを仕事にしたいという場合には、好きなことができる会社に転職をするという選択以外にも、副業として好きなことを仕事にすることや、好きなことを本業にしたときに生活を支える収入を得られるだけの副業を作っておくなどのリスクマネジメントが必要となります。

好きなことを収入の柱としないことで、「やはり趣味を仕事にして稼ぐことは難しかった」「あんなに好きだった趣味が楽しめなくなってしまった」ということになっても、生活に困ることはありません。

仕事をするにあたってやりがいはある程度大事

仕事をするにあたってやりがいはある程度大事向いている仕事に就いたほうが仕事のストレスを溜めることが少ないなど、仕事とプライベートの両面にとってメリットがありますが、向いている仕事だったとしても「やりがい」が全くないと長く続けていくことができません。

得意だという仕事には、全く楽しみがないというわけではなく、自分がもともと好きだったり趣味にしていたことではなくても、得意な仕事の中から楽しさを見出すことはできます。

ゲームが好きなのであれば、どのように難しい問題をクリアしていくのか、自分のスキルを伸ばしていくのかという攻略を考えてみるなど、自分の好きなことを向いている仕事の中で活かすという方法もあります。

向いている仕事だからと、淡々と仕事をするだけではなく、よりよい効率を求めたり、得意なことをもっと伸ばすためにどうしたらいいのかと追及するなど、自分の向いている仕事がどうしたら楽しめるのかを見つけ、向いている仕事の中からやりがいを見つけていきましょう。

好きなことや楽しめる趣味があるということは、人生が豊かであるということです。

仕事にしたときにもずっと楽しめるのか、嫌になってしまう可能性はないか、生活していくことができるのかということを冷静に判断し、自分には好きなことを仕事にすることが向いていないと考えた時には、趣味のままにしておくということも、今後の人生を彩り豊かなものにするために必要な覚悟となるでしょう。