最近『AI』という言葉をよく耳にししますが、スマートスビーカーを始めとし家電製品にも搭載されている物も増え、過ごしやすい環境が整っていく一方で、やがては人間の仕事を奪うのではないかと心配する声もあります。

今回はこのAIがどういった物なのか、本当に人間の仕事を奪うのか、奪うとしたらどんな職種か、人間はどう対処すれば良いのかなどを考えてみました。

AIが発達した近未来

『仮面ライダーゼロワン』という特撮番組を知っていますか。

AIを搭載したヒューマギアというロボットが、人間の社会で働く世界の物語で、その世界ではAIが大工、看護師、お笑い芸人や声優までしています。

実際の現実世界もやがて現実でもこのような世界が訪れるのでしょうか?

事実、AIが人間の知能を追い越す技術的特異点(シンギュラリティ)が迫っていると考える人たちがおり、それは2045年だとされています。

シンギュラリティは本当に起るのでしょうか? 恐れる前に、まずAIとは何かを確認してみましょう。

AIとは何か

AIとは人工知能のことを指します。

英語の“Artificial Intelligence”を略し“AI”と呼んでいます。

現在は『第3次AIブーム』と言われますがAIはどのように進化してきたのかAIブームを振り返ってみましょう。

AIブームの歴史

第1次AIブーム

最初のAIブームは1960年代に起っています。

単純なパズルや迷路を解いたり、数学の定理を証明したりすることが可能でした。

しかしあくまでも簡単な動きをするだけであって、仕事で使えるような複雑な計算を即時行うなどはできなかったため、この時点では実用化には至らなかったのです。

第2次AIブーム

次にAIブームが起るのは1980年代、専門家の知識をAIに覚えさせ現実の問題を解決しようという試みを行いました。

これを『エキスパートシステム』と呼びましたが、このシステムは処理をするための判断ポイントを人間が必ずシステムに教え込む必要があるため、システムが独自に学習をして判断をするという部分はクリアできませんでした。

また、複雑な処理をするということはハードウェアのパワーが必要になりますが、この年代ではまだスペック不足などで処理が追いつかないという問題もありました。

そのため、第2次AIブームの時でも実用化というレベルには辿り着かなかったのです。

第3次AIブーム

2000年代に発明されたディープラーニング(深層学習)の発展により、2020年の現在もAIブームが続いています。

ディープランニングとは「ビッグデータ」と呼ばれる大量のデータをAI自身が利用し学習していくシステムです。

進化していくことで画像・映像から情報を抽出、音楽や文字の生成などクリエイティブな作業も行うことも可能になってきています。

AIの発達は目を見張るものがありますが、このまま発達するとどのようなことが可能になるのかについて考えてみましょう。

AIの発達がもたらす3つのこと

AIが発達することで下記の3点のようなことを実現することができます。

  1. CTスキャンの画像を基にベテラン医師に代わってAIが診断と治療の提案を行う
  2. AIがスマートウォッチのセンサーから収集した生体情報によって認識された好みと気分に応じて照明や音楽、テレビ番組、食事などを決めてくれる
  3. AI搭載のロボットが人間にかわり介護などをしてくれる

以上のようにAIは日本の抱えている深刻な問題の1つ、人口減少に伴う労働力の減少解決の糸口としても注目されています。

多くの場所でAIを使うことで人間では実現できなかった部分を補完してくれるようになるため、社会全体にとってプラスになる技術である一方で不安視する声も同時に上がってきています。

「AIが仕事を奪う」と言われるようになった理由

AIが仕事を奪うと言われるようになった理由としてはAIの処理能力やハードウェアのスペックが上昇したことで、対応可能な業務(処理)が非常に多くなったことです。

AIは大漁のデータを集めてそれを特定の情報や条件に当てはまったものを抽出・計算するなどの処理を即時行えるため、今までは専門性が高くて知的労働というカテゴリに当てはまっていた仕事でもAIで十分仕事を行うことができるのではないかと言われているからです。

国内外の研究施設の発表したことも大きな理由

野村総研と英オックスフォード大学のオズボーン准教授らで行った共同研究によると、この先15年で今ある仕事の49%がなくなるとされています。

「AIが仕事を奪う」と言われるようになった理由はこのような研究者の発表が大きな要因とも言えます。

人材が少ない業種に外国人労働者が入ったことで、これからAIを頼り日本の人口減少をカバーしていくのではというイメージもあるからではないでしょうか。

しかしながら、現在はその仕事ならAIに任せても良いのではないか。という考えもあります。

AIに奪われるといわれる仕事

国内外の研究者たちがAIに現在人間が行っている仕事を奪われるのではないかと警鐘を鳴らしている一方で、この先AIが行うことができるのではないかという仕事もあります。

AIが発達することによって奪われるかもしれない仕事

AIが可能な仕事①:乗り物の運転士・ドライバー

自動車業界では自動運転の技術開発が盛んに行われており、今後は地上を走る車でも一部、または全ての過程で自動運転となると予想されます。

また乗り物を操縦する仕事は、かなり高い確率でAIやロボットに仕事を代替されると言われています。

AIが可能な仕事②:ルーティーン業務が中心となる職業

AIが最も得意とする領域は単純作業です。

繰り返し、かつ正確に行わなければならない仕事は人間より向いているのは間違いありません。

そのため書類の作成や整理などを行う仕事もAIに取って代わられる可能性が非常に高いでしょう。

AIが可能な仕事③:防犯や警備に関する仕事・警備員

警備業界ではすでにセンサーやロボットによる警備システムが展開されつつあり、危険の伴う警備員は徐々に減らされていくことが予想されます。

このようにデータや数字を扱う職種、単純作業、そして危険な仕事はAIが対応しいていく可能性が高いとされています。

AIに奪われるといわれている職種

  • プログラマー
  • 行政書士
  • 秘書
  • 経理事務員
  • 保険事務員
  • スーパー店員
  • ホテル客室係
  • 機械組立工
  • 酪農家
  • 航空自衛官(操縦)
  • 警備員
  • 電車運転士
  • タクシー運転士
  • 建設作業員
  • 郵便外務員
  • ビル清掃員

上記のような職種はAIが担う未来になるかもしれません。

さらに意外なのは法律といった細かな規定や情報を扱う弁護士もAIが行うことで信用度が高まるのではないか言われていることです。

AIに弁護士ができるという2つの理由

理由①:弁護士よりも速く法律の書類を処理できる

弁護士の仕事は複雑な判断が必要となるためAIが代ることはできないと考えられてきました。

しかし法律関係の書類を弁護士の200倍の速さで処理することが可能なためAI導入の動きが出てきています。

弁護士は法律と判例の膨大なデータを覚えて、それらを総合的に考えて最適な答えを出すことが業務となるため、元々AIの得意分野となる領域だったのです。

理由②:分析・予測も可能

AIは書類の評価だけでなく分析、予測まで可能になってきています。

英国法当局が「秘匿特権の有無」に関する膨大な書類作業をAIに任せる新システムを導入しているため現実的に各国へ拡大していくことも予想できます。

参考サイト: 人工知能、弁護士より200倍も速く法律関係の書類を処理──英司法当局が新システム導入|WIRED

このようにAIは多くの仕事を人間に代り行うことが可能となって行くと考えられるのです。

逆にAIではなく人間でしかできないという仕事もあるので、それらついてチェックしていきましょう。

人間でないとできない仕事

ここでAIが苦手とする仕事、人間でないとできない仕事は何かを考えてみましょう。

AIに奪われないと考えられている仕事

AIができない仕事①:アーティスト、ミュージシャン、テレビタレントなど

クリエイティブ性や独自性、人の心を動かすスキルが必要で、これらは人間が行うからこそ意味がある仕事のため、AIには奪われにくいとされています。

AIができない仕事②:保育士、児童相談員など子供と接する仕事

AIが苦手としている高いコミュニケーション能力や、臨機応変さ、周りをよく見ることができるスキルが求められる上に、愛情を持って子供と接する必要がある業種はAIには感情が無いため必然的に難しくなります。

また医師も患者とのコミュニケーションが非常に重要になるため、やはりAIには難しいでしょう。

AIができない仕事③:美容師、スタイリスト、ネイリストなどセンスが求められる仕事

一人ひとりの魅力を引き出すという極めて個別性が高いタスクなので、同じ作業を繰り返すのが得意なAIにとって代わる可能性は低いでしょう。

クリエイティブな業務はAIに奪われにくい

このように、クリエイティブな仕事や物理作業、複雑な判断を伴う仕事はAIに奪われにくいと考えられます。

上記の例に上げた職業以外でも、例えば營業であっても企画力が求められる營業であったり、無から新しい仕事を生み出すような仕事はAIの苦手分野となるので仕事がなくなるということはありません。

ここまでの内容だとAIは人間にとってプラスどころかマイナスに働く技術なのではないかと感じてしまうかもしれませんが、 AIが普及することによって新たに生まれる仕事が出てくる可能性もあります。

AIよって生まれる仕事

カメラが発明されたのでカメラマンが生まれ、映写機があるから映画産業が始まったのです。

このように新しい技術は新しい雇用を生み出します。

更に歴史を振り返ると産業革命の時に大きく社会が動き、生活の内容がガラッと変わりました。

その結果それまで必要とされていた仕事がなくなる一方で、新しい技術に関わる仕事が多く生まれる結果となったのです。

AIが導入されれば、それらを動かす、手入れをするなどいった職業が出てくるでしょう。

主にAIの分析や統計をもとに複雑な判断をしたりする仕事などが生まれると考えられています。

変革を止めることはできませんが、だからこそ暗い面ばかりに目を向けず、それをいかに活用しより良く生きていくかを考えることが大切です。

AIに仕事を奪われないように今のうちからすべきこと

AIの普及により生まれる仕事もあるはずですが、多くの仕事をAIに託すことになるのは間違いないでしょう。

油断していると自分の仕事が無くなる恐れがあるのは事実です。

では自分の仕事が無くならないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか?

それはAIを遠ざけるのではなく、むしろ活用する技術や考えを身に着けることです。

AI自体をビジネスにできれば自分の仕事が奪われることもありません。

AIの活用にはさまざまなステップがあり、求められる人材や能力は多岐にわたる可能性が高いです。

AI時代に求められる技能の例

①:AIの企画・設計・開発

AIを活用する対象を選定し、システムをデザインすることが重要になります。

AIはあくまでもツールとなるので、そのツールを上手く使うためにどうしたら良いのかということを考える発想力や創造性が必要です。

②:アルゴリズムを設計・開発

課題解決能力、論理的思考などが必要です。

AIを使ってやりたいことが決まったら、どのように設計をすればそれが実現するのかということを考える段階に入ります。

エラーを起こさずに処理をすることができるのか、そもそも設計自体は可能なのかという深い技術レベルが求められるでしょう。

③:AIの運用

カルチャーやビジネスの考え方が異なる組織間の意向を調整することが重要です。

①での発想力にも通ずる所がありますが、優れたツールは上手く利用することで進化を発揮するため、ツールの使い方や運用技術が重要になります。

様々な人種や風土が合わさっている会社においてはそのクッション役としてAIの活用が期待されています。

次にAI時代に必要とされるのはどのような能力かを確認します。

AI時代に必要とされる能力

AI時代においても重宝される能力は下記の3点だと言われています。

  1. チャレンジ精神・主体性・行動力・洞察力
  2. 企画発想力・創造性
  3. コミュニュケーション能力・コーチング能力

このような能力を身に着けている方はAIに仕事を奪われることなく上手に付き合っていけると考えられます。

では、どうすればAI時代に必要な能力を身につけることができるのでしょうか?

今のうちからすべきことやどのような職種だとそのスキルが伸ばしやすいのかということを考えます。

AI時代に向けて今のうちからすべきこと

対人能力・コミュニケーションスキルを身につける

人間ならではの、相手の気持ちを汲み取るコミニュケーションスキルはAIにはできない能力なので磨いておくべきです。

生まれつき「行間を読む」のが上手い方もいますが、このような技術は後天的に身につけることもできます。

トレーニングを積んだりビジネス書や心理学・交渉術などの本を読みつつ日々の業務の中で意識的に動くことで次第に身につくようになります。

また、普段あまり関わったことのないタイプの人間とコミュニケーションを取ることで、色々なタイプの人との接し方やコツなどがわかり、どんどん対人スキルが上がります。

会社には多種多様な考えを持っている人が集まっているので「この人は苦手だからあまり話したくない」となってしまうと対応力が身につきません。

対人スキルが身につく職種

接客業やサービス業など(例:ブライダル関係、飲食関係、営業職)

接客や営業など、関わる人を自ら選べないからこそ、様々な人との出会い関わりが生まれるので対人スキルやコミュニケーションスキルが上がります。

クリエイティブな発想を身につける

クリエイティブな領域はAIでは苦手とされているので、そもそもAIの利用が向かない職種やAIをより上手く使うための発想力を身につけることも重要です。

デザイナー、小説家、漫画家、アパレル店員、雑誌の編集者、スタイリスト、シェフ、パティシエ、企画職などのセンスが求められるような職種だと仕事をしつつ自然とクリエイティブな発想も身につけることができるでしょう。

ただ、上記のような仕事であってもなんとなく仕事をするのではなく、相手が何を求めているのか見抜き、主体性を持って行動をすることが大事です。

AIと共存した新しい仕事の形

スマートスピーカーはもちろん、掃除機やエアコン、そして冷蔵庫にまでAIを搭載した物がすでに販売されています。

AIは便利な生活をもたらしてくれるものである一方、人間の仕事を奪う存在にもなりつつあります。

しかし、AIの発達を止めることは最早できません。

だからこそ人間も新しい時代に適応しAIと共存していく努力と意識改革が必要なのです。

これからは就職や転職をする際にその職業を長く続けたいならAIの存在を意識する必要が出てきます。

今回例に上げた仕事や様々なところで言われている仕事が急になくなるということはありませんが、「今後この仕事や仕事で身につくスキルはどのような場面でも役に立つか」ということも念頭に置くと、いざという時にその意識が自分のことを助けてくれるはずです。