場所を問わず働くことのできるノマドワーカーに憧れる方の中には、ノマドワーカーに必要なスキルやノマドワーカーとして働くメリットが気になるでしょう。
ノマドワーカーは働き方の自由度が高いというメリットがある一方、デメリットの一つに収入が不安定ということが挙げられます。
企業に所属しなくても仕事ができるほど高いスキルが身についていたとしても、どこにも所属しないのであれば自ら営業をして案件をとっていかなければならないので、営業が苦手な方はノマドワーカーに向かないでしょう。
このコラムでは、ノマドワーカーの特徴とメリット・デメリット、なるための手順や必要なスキル、向いている人と向いていない人について解説します。
はじめに:ノマドワーカーについて
ノマドワーカーとは、働く場所と時間を自由に選んで働く人のことを指します。
ノマドワーカーの仕事はパソコンがあればどこでもできる仕事が多いので、旅行をしながら働きたい方にも人気が高いのが特徴です。
ノマドワーカーとは
ノマドワーカーの「ノマド」は遊牧民や放牧者といった意味を持つ英語の「nomad」フランス語の「nomade」を語源としていることから、ノマドワーカーとは、オフィスやデスクが決められておらず、様々な場所で働く人と言えます。
パソコンがありネット環境が整っていれば仕事ができるエンジニア、プログラマー、ブロガーなどは、働く場所を問わないノマドワーカーとして働きやすいです。
場所も時間も問わない働き方と聞くとフリーランスを想像する方は多く、ノマドワーカーとフリーランスの違いが気になる方もいるでしょう。
そこで、ノマドワーカーとフリーランスを比較して、それぞれの働き方の違いをチェックしていきます。
ノマドワーカーは働く場所や時間が決められていない働き方をする人のことを指すので、場所に縛られずに働けることがポイントです。
フリーランスは企業や団体に雇用されず案件ごとに企業などと契約して働く人のことを指します。
プログラマーやライターの他に、カメラマンやデザイナーといった職種もフリーランスとして働くことが可能です。
カメラマンやデザイナーといった取引先に出向かなければ仕事ができない職種もあることから、フリーランスは必ずしも働く場所が自由とは限りません。
ただし、ある程度自由な場所で働くことが可能なフリーランスであれば、ノマドワーカーとして働いていると言えます。
また、雇用されている方でも会社の外で働くことが可能など、働く場所を自由に選べるのであれば正社員でありながらノマドワーカーと同義でしょう。
ノマドワーカーのメリット・デメリット
ノマドワーカーは好きな場所で働くことができるので、働き方の自由度が高いのが特長です。
しかし、どこでも働ける環境を自分で整える必要がある、自分の力で仕事を獲得できないと収入を得られないなど、仕事に関する全ての責任を自分で負わなくてはならない大変さもあります。
ノマドワーカーのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
ノマドワーカー3つのメリット
ノマドワーカーは働く場所が決められていないので、自身の能力が発揮しやすい環境で働くことが可能です。
また、様々な場所で働けるおかげで、同じ環境で働くよりも変化や刺激の多い毎日が送れて、仕事に良い影響を与えることが期待できます。
さらに、ノマドワーカーは働く場所以外にも時間や服装なども自由なので、会社のルールを気にすることなく、自分にとって生産性の高い働き方ができるというのがメリットとして大きいです。
会社のルールに縛られない
ノマドワーカーは働く場所が自由なことに加え、働く時間や仕事中の服装なども自由なので、自身で決めた働き方に沿って働くことが可能です。
働く場所も時間も決められていれば、雇用されている企業や取引先に指定された場所で契約に定められた時間は働くことになります。
自宅と仕事場が遠ければ通勤に長い時間がかかり、利用者の多い路線で通勤するのであれば、通勤・帰宅ラッシュにぶつかる可能性が高くなります。
長時間の通勤だけでも疲れやすいですが、ラッシュでストレスを感じやすくなることが懸念されます。
しかし、働く場所も時間も決められていなければ、ラッシュを避けて自宅近くで働くことができるので、通勤による疲れやストレスが緩和されるでしょう。
疲れやストレスが小さければ、生産性の向上も期待できます。
刺激を得られる
ノマドワーカーは働く場所と時間が決められていないので、毎日異なる場所や時間帯に仕事をすることができます。
働く場所や時間帯が変われば、毎日同じ場所・時間に働くよりも変化のある環境で働けるので、新しい気づきや刺激が得られやすいです。
新たな発見や経験は、新しい仕事を生み出したり、オリジナリティのある仕事をこなしたりするのに役立つでしょう。
また、様々な場所や時間で働くことで、自分が作業効率の上がる場所・時間を知ることができ、より自身の能力を発揮できる働き方ができるというメリットがあります。
仕事環境を変えられる
図書館のような静かな場所の方が集中できる人もいれば、BGMや話し声など多少の音があるカフェのような空間の方が集中できる人もいるように、人によって集中できる環境は異なります。仕事場が固定されていないノマドワーカーであれば、自分にとって集中できる場所を仕事場にすることが可能です。
また、同じ環境で仕事を続けていて集中力が切れてしまったら、仕事場を変えることができるので、適度に気分転換しながら効率的に仕事を進めることができるでしょう。
ノマドワーカー5つのデメリット
働く場所や時間が自由なので、集中力の維持と仕事のクオリティに良い影響を与えることが期待できますが、働く場所を自由に選べる代わりに自身でどこでも仕事ができる環境を整えなくてはなりません。
収入が固定されない、高いスキルがなければ仕事が見つからないというのもノマドワーカーのデメリットです。
セキュリティ対策を自分でしなくてはならない
ノマドワーカーは自宅やコワーキングスペースなどに限らず、インターネットに接続できれば旅先やカフェでも仕事をすることができます。
しかし、フリーWi-Fiの中には、Wi-Fiに接続した方が検索したURLやメールの内容を盗み見る、端末を乗っ取るなどを目的としたものがあるので、安易にフリーWi-Fiに接続しないよう注意が必要です。
また、カフェのような不特定多数が出入りする場所で仕事をする際、仕事用の端末を誰もが見られる状態のまま席を離れてしまうと、情報が盗まれるリスクがあります。
不特定多数の方が利用する場所で仕事をする時には、暗号化されているフリーWi-Fiにのみ接続する、テザリングやモバイルWi-Fiを活用する、仕事で使用するパソコンやスマートフォンを誰でも確認できる状態で席を離れないなど、セキュリティ面の不安を自分で解決することが求められます。
ネットが繋がらないと何もできない
ノマドワーカーの仕事はパソコンがあればできるものが多いですが、ネットが繋がらなければできない仕事が多いとも言えます。
Wi-Fiを利用できる場所が見つからない、スマートフォンやモバイルWi-Fiの電源が切れてWi-Fiが利用できない、電波が遅いなど、ネット接続のトラブルで作業効率が落ちるばかりでなく、最悪の場合、数日仕事ができなくなることも想定されます。
仕事をする予定の場所のWi-Fiや電波状況を事前にチェックする、パソコンやスマートフォンをいつでも利用できるようにモバイルバッテリーを持ち歩くなど、いつでもどこでも仕事ができる環境を整えましょう。
収入が安定しない
企業に所属せずにフリーランスのノマドワーカーとして働くとなると、働き方の自由度が高くなる代わりに収入が不安定になるというデメリットが浮き彫りになります。
正規・非正規問わず、雇用されていれば会社にいる間の業務の有無や忙しさに関係なく時給や月収で収入が保障されますが、フリーランスのノマドワーカーであれば自分で仕事を獲得して契約に基づいて納品しなければ収入が得られないので、仕事がなければ収入を得ることができません。
単発の仕事しかとれない、長期契約の案件が終了したなど、コンスタントな仕事がなければ安定した収入を得ることは難しいです。
仕事量に応じて収入が変動するので、仕事が少ない時や報酬の安い仕事しか獲得できなかった場合には、収入は下がるでしょう。
スキルが無いと仕事が見つかりにくい
どこにも所属せずにノマドワーカーとして働くのであれば、自分の力で仕事をとっていくことが求められます。
難易度の高い資格を取得している、業界での実績が豊富など、仕事を依頼したいと思ってもらえるほどのスキルがなければ、仕事を見つけることは難しいでしょう。
専門性の高いスキルがあると、仕事を見つけやすいことに加えて報酬の高い仕事を依頼されやすいというメリットがあります。
保険や税関係の対応を全部自分で行う必要がある
会社に属している場合は保険や税金の支払いはある程度会社の方で対応をしてくれますが、そのような作業を全て自分で行う必要があります。
金額の管理が苦手という人でも自分でやらないといけないので、人によっては仕事よりも事務処理でストレスが貯まる場合もあるでしょう。
管理の負担が少なくなるようなツールは増えてきていますので、メインの業務をする時間をしっかり確保するためにも、なるべく事務作業が減るような工夫が必要になります。
ノマドワーカーになるための手順
ノマドワーカーになるにあたり、自分の力で仕事をとれるか、仕事が無い時でも生活できるかなどが不安でしょう。
ノマドワーカーの不安を解消するには、自分の力で稼げる仕事なのか確かめる、適正のある仕事でさらに稼げるようになるためのスキルを身につけるといったことが求められます。
ノマドワーカーになるために押さえるべき流れは下記の通りです。
稼げるノマドワーカーになるための流れ
①ノマドワーカーになったらやりたい仕事を副業で始めてみる
人によって得意なことは異なるので、まずは好きなことや気になる仕事を副業から始めてみましょう。
副業を続けることで、やりたい仕事に活かせるスキルや効率的に仕事をするためのコツなどが見えてきます。
②収入を増やして独立する
副業で生計が立てられるくらい収入を得ることができるようになれば、自分のスキルで稼げるほど高いスキルが身についている、収入源の仕事を獲得できていると言えるので、ノマドワーカーとして独立しましょう。
③常に新しいスキルを身につけて仕事の幅を広げる
フリーランスのノマドワーカーは、様々なスキルが身についているほど多くの仕事を獲得できる可能性が高くなるので、複数の収入源を確保するために、ノマドワーカーになった後も新しいスキルを身につけ続けて様々な仕事を依頼される状態にすることが大切です。
専門性の高いスキルや知識があるほど、高単価の案件を獲得しやすい点でも、スキルアップを続けることはおすすめです。
ノマドワーカーになるために必要なスキル
自分で仕事をとって稼がなければならないノマドワーカーには、自分の力で稼げるだけの専門的なスキルが必要です。
スキルと併せて仕事に関することを全て自分1人でこなすこと、仕事の獲得や信頼関係を築くためのコミュニケーション能力も求められます。
自己管理能力
ノマドワーカーは働く場所や時間をはじめとした働き方を自分で決めることができるので、納期に間に合えば休日や1日の労働時間を自由に設定することが可能です。
自分の趣味のために毎日午後は外出する、長期休暇をとって旅行をするなど、プライベートの時間を確保しながら働きやすいのもノマドワーカーの魅力ですが、納期に間に合うスケジュールを自分で立てることができるといった、自分で自分を管理できる力がなければ、仕事との両立は難しいでしょう。
コミュニケーションスキル
ノマドワーカーが仕事を得るためには、信頼関係を築くことが欠かせません。
これまでの経歴やスキルを上手にPRする、クライアントに進捗状況の報告やトラブルが発生した際にすぐに相談するなど、コミュニケーションが必要となることが多いので、高いいコミュニケーションスキルは、新規案件の開拓やクライアントとの信頼を深めるのをサポートするでしょう。
ノマドワーカーは基本的にリモートワークなので、オンラインでの提案力やチャットツールを使えるなど、オンラインのコミュニケーションスキルが重要となります。
インターネット能力
ノマドワーカーはどこでも仕事をすることができますが、インターネットに接続していることが前提です。
安全性の高いネット環境を自分で用意したり見つけられたりすることはもちろん、インターネット接続にトラブルが生じた際にすぐに対処できることも求められます。
専門的なスキル
自分のスキルで収入を得ることになるノマドワーカーは、クライアントが求めるレベルの仕事をこなすのに十分なスキルが必須です。
専門性の高いスキルが求められる仕事はできる人が少なく、クライアントは報酬を高く設定しているので、高度な仕事をこなせるスキルがあれば収入アップも期待できます。
ノマドワーカーに向いている人と向いていない人の違い
仕事に必要なスキルのレベルが高い人であれば、自分の力で報酬の高い仕事を見つけやすいのでノマドワーカーに向いているでしょう。
ノマドワーカーは自分で自分を管理しなくてはならないので、仕事に関することは全て自分で責任をとれる強さや自信があることも、一人でもモチベーションを維持しながら効率的に仕事を続ける上で大切です。
クライアントと信頼関係を築くことが仕事を継続するポイントなので、締め切りに間に合うように納品する、よりクオリティの高いものを提供できるように自分からクライアントに提案するなど、プロ意識を持って仕事をすることも重要です。
一方、自分の力で稼げるほどのスキルが無い人や仕事全般の責任を自身だけで負うことが不安な人は、ノマドワーカーに向いていないでしょう。
また、高いスキル、責任感、仕事に対するプロ意識などを持つ人でも、自分を売り込むことが苦手であれば仕事を獲得するのは難しいので、ノマドワーカーで収入を得ることは難しいでしょう。
ノマドワーカーは1人で稼げるための様々なスキルが求められる
ノマドワーカーはどこでも好きな時に働くことができる一方、仕事に関することは全て自分で責任を負わなくてはなりません。
仕事をこなした量に応じて収入が変わるので、生計を立てられる収入を継続して得るためには、仕事を依頼されるのに十分なスキルを自身が獲得している必要があります。
新しい仕事の開拓を続けながら、クライアントと信頼関係を築いて仕事を継続依頼してもらうことが大切なので、コミュニケーションスキルや納期に間に合うように仕事を進めるといった自己管理能力も求められます。
専門性の高いスキルがある、自分の仕事にプライドを持って取り組むことができる方であれば、自身のスキルを活かしてノマドワーカーとして働くことができるでしょう。