「サラリーマン=安定」という神話が崩れつつある昨今、脱サラして新たな人生を歩み出す人が増えています。
しかし、脱サラしても全員が成功するとは限りません。
中には、脱サラして失敗する人も大勢いるのです。
では、脱サラして失敗する人には、どのような特徴があるのでしょうか。
また、脱サラして失敗するとどうなるかについても気になるところでしょう。
そこで本記事では、脱サラして失敗する人の特徴とその末路について解説します。
脱サラして失敗しない為の対策も紹介するので、これから脱サラを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください
脱サラになるとサラリーマンから何が変わる?
まずは、脱サラしてサラリーマンから脱却すると、生活面や収入面でどのような変化が起きるのか解説します。
自分の裁量で仕事ができるようになる
1つ目に起きる脱サラでの変化は、自分の裁量で仕事ができるようになることです。
サラリーマンとして働いているときは上司などから指示を受けて、その指示通りに仕事を進めるのが一般的でしょう。
しかし、脱サラすると自分で仕事のやり方を決めて進める必要があります。
そのため、自分の裁量で仕事を進められるようになるのです。
実際、脱サラした人の約7割が「自分の裁量で仕事することが増えた」と回答しています。
もちろん、自分の裁量で仕事が進められるからといってメリットばかりとは限りません。
自分の裁量で仕事していれば、責任も全て自分自身にのしかかってきます。
また、他人から厳しい評価を受ける機会も増えるでしょう。
好きな仕事を自由に進められるのが、必ずしもメリットばかりではないと理解しておく必要があります。
人間関係が広がる
2つ目に起きる脱サラでの変化は、人間関係が広がることです。
サラリーマンとして働いていると、接する人は職場の上司や同僚など決まりきった人ばかりとなりますが、脱サラして仕事を始めると、様々な人と接する機会が増えるため人脈が広がるようになります。
こちらも、脱サラした人の約4割が実感している変化です。
脱サラすると、今まで接する機会がなかったジャンルの人と会う機会が増えます。
また、その出会いから新たな出会いに発展するケースも多いため、どんどん仕事の幅を広げるのに役立ちます。
初年度の年収は下がる可能性が高い
3つ目に起きる脱サラでの変化は、初年度の年収は下がる可能性が高いことです。
脱サラして事業をスタートさせても、すぐに結果が出るわけではありません。
仕事が起動に乗り始めて利益が出始めるまでには時間がかかるため、3年以上経過してようやく利益が出始めるというケースも珍しくありません。
では、脱サラした人の初年度の年収はいくらくらいになるのでしょうか?
約4割の方が年収300万円未満となっています。
サラリーマンの平均年収は次の通りなので、脱サラした最初の年は年収が下がっていると考えられます。
年代 | 平均年収 |
20代 | 341万円 |
30代 | 437万円 |
40代 | 502万円 |
50代 | 613万円 |
参考:doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」
脱サラする際は収入が少なくなると予測されるため、貯金するなどして準備しておく必要があります。
脱サラで起業する事業のランキング
脱サラした人がどんな事業を始めるのか知っておけば、あなたが脱サラするときにも参考にできるでしょう。
そこで続いては、脱サラして企業する事業ランキングを紹介します。
順位 | 仕事内容 |
第1位 | 技術系(デザイナー、プログラマー、動画編集など) |
第2位 | ネットビジネス系(アフィリエイト、ユーチューバー、ネットショップ運営など) |
第3位 | フランチャイズ系(コンビニ、飲食店、学習塾など) |
第1位はプログラマーやデザイナー、動画編集といった仕事です。
これらの仕事は特別なスキルが必要なため、そのスキルを持っていればフリーランスとして活動しやすくなっています。
実際、WEBプログラマーやWEBデザイナーなどはフリーランスの代表的な職種なので、会社員として働いていた方が独立を目指すケースは非常に多くなっています。
また、アフィリエイターやYouTuberといった自宅でパソコン1台あればできるような仕事も人気です。
特にYouTuberやアフィリエイトは、特別なスキルがなくても勉強して始められるため、会社でやってきた仕事内容とは別の事業で独立したい方に人気となっています。
他にも、一昔前の脱サラの定番だったラーメン屋などの飲食店は今でも人気の事業です。
このように一言で脱サラといっても、脱サラ後に選べる仕事は多岐にわたるため、「自分は何がしたいのか?」「何ができるのか?」についてよく考えてから選ぶ必要があります。
脱サラで失敗するとどうなる?
続いては脱サラで失敗するとどうなるのか見ていきましょう。
収入がなくなり生活が困窮する
脱サラに失敗した時に起きる出来事1つ目は、収入がなくなり生活が困窮することです。
自分で事業を立ち上げると、サラリーマンの時のような固定給はなくなります。
事業が軌道に乗っていれば青空天井となって収入が増える一方、事業に失敗すると収入がゼロになってしまいます。
しかし、生活はしていかなければなりません。
また、同居している家族などに収入があれば生活を支援してもらえますが、あなた自身が大黒柱だと生活は困窮するでしょう。
家族との関係が悪くなる
脱サラに失敗した時に起きる出来事2つ目は、家族との関係が悪くなることです。
収入がなくなり生活が困窮すれば、当然、一緒に暮らす家族にも大きな影響が現れます。
食費や養育費などを切り詰めて生活を送るようになったり、パートナーに外に働きに出てもらうようにしたりする必要が出てくるでしょう。
それでも家族が協力的なら問題ありませんが、あなたのわがままで始めた事業で失敗したとなると家族から非難される恐れがあります。
関係が悪くなって、最悪の場合は別居や離婚といった事態に発展する可能性もあるでしょう。
事業資金の返済が困難になる
脱サラに失敗した時に起きる出来事3つ目は、事業資金の返済が困難になることです。
事業資金を銀行などから借りていた場合、返済は事業成功による利益からまかなう予定でしょう。
そのため、脱サラに失敗すると借りていた事業資金の返済ができなくなります。
返済するには事業を立て直して成功に導くか、再びサラリーマンとして働いて返していくしかないでしょう。
それでも返済ができない場合には、任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理が必要になるかもしれません。
脱サラで失敗する人の特徴6つ
では、脱サラで失敗する人には、どのような特徴があるのでしょうか見ていきましょう。
脱サラして何がしたいか明白じゃない
1つ目の脱サラで失敗する人の特徴は、脱サラして何がしたいか明白じゃない人です。
脱サラして成功する人は、脱サラ前に徹底した準備を行います。
それは、事業資金はもちろん事業計画の立案など多岐に分かります。
当然、自分が何をしたいのか明確になったうえですすめられる準備なので、自分が何をしたいか明確ではない場合は事業計画も作れません。
そして、無計画に事業を始めて成功するほど世の中は甘くないので、結果的に失敗してしまうわけです。
先を見越した計画性がない
2つ目の脱サラで失敗する人の特徴は、先を見越した計画性がない人です。
脱サラしてもいきなり収益が上がるのは難しく、大抵の場合は段階を踏んでステップアップしていきます。
そのため、計画性を持って段階的に事業を成長させる必要があります。
実は脱サラして失敗する人は計画性がないケースがほとんどです。
事業をどのようなステップで進めれば良いのか分からず、闇雲にスタートさせてしまった結果失敗してしまいます。
脱サラして事業を始める際は、必ず事業計画を作ってからスタートさせましょう。
どのような失敗があるのか理解できていない
3つ目の脱サラで失敗する人の特徴は、どのような失敗があるのか理解できていない人です。
脱サラして新たな生活をスタートさせると、成功した時の将来ばかり想像してしまいます。
しかし、全ての事業が思い通りに進むとは限りません。
時には、様々な壁にぶつかって失敗するものです。
そのため、成功する人は想定できる失敗を考えておき、あらかじめ準備と対策を用意しておきます。
それに対して失敗する人は、準備と対策を考えるどころかどんな失敗が想定できるのか分かっていません。
これでは壁にぶつかった時、どう対処すれば良いのか分からず困惑してしまうでしょう。
脱サラする際は、想定できる失敗を洗い出して準備と対策を用意するようにしてください。
自分の力を勘違いしている
4つ目の脱サラで失敗する人の特徴は、自分の能力を勘違いしている人です。
少なくとも脱サラして独立する人は自分に自信を持っています。
成功する人は根拠のない自信ではなく、しっかりとした計画に基づいて生まれる自信を持っています。
それに対して失敗する人は、根拠のない自信を持っているだけなので、思わぬ壁にぶつかった時に心が折れてしまうのです。
自分の力を過信しすぎると、脱サラしても失敗する可能性が高いでしょう。
最初から法人化する
5つ目の脱サラで失敗する人の特徴は、最初から法人化する人です。
法人化すると、登録免許税や定款認証の手数料などが発生します。
加えて、従業員の社会保険料も事業主負担分を毎月支払わなくてはなりません。
また、会計処理も個人経営より複雑になるため、税理士にお願いする必要が出てくるでしょう。
法人化は、確かに節税対策などのメリットはありますが、必ずしも良い点ばかりではありません。
何の知識や準備もないまま法人化すると、かえって仕事が大変になって失敗してしまうでしょう。
十分なキャッシュを用意していなかった
6つ目の脱サラで失敗する人の特徴は、十分なキャッシュを用意していなかった人です。
事業を立ち上げた直後は、お金を稼ぐどころか事業費用の支払いの方が多いくらいでしょう。
もし十分なキャッシュを用意していないと事業資金が足りなくなって、少ないお金で強引に事業を進めざるを得なくなります。
しかし、お金をかけず事業を進めるのは無理があるため、最終的には失敗してしまいます。
脱サラする際は、お金は後から何とかなるという軽い気持ちではなく、ある程度のまとまったキャッシュを用意しておくことが大切です。
脱サラで失敗しないための対策6つ
最後は、脱サラで失敗しないための対策について解説します。
自分の能力を見極める
1つ目の脱サラで失敗しないための対策は、自分の能力を見極めることです。
まずは、あなた自身にどのような能力やスキルがあって、どのような仕事に活かせるのか考えてみてください。
具体的には、今までサラリーマンとして培ったノウハウやスキルの洗い出しから、キャリアの棚卸まで徹底的に行ってみると良いでしょう。
自分の能力を知れば、脱サラ後にどのような事業を始めれば良いのかも自ずと見えてくるはずです。
自分のネットワーク(人脈)を整理する
2つ目の脱サラで失敗しないための対策は、自分のネットワーク(人脈)を整理することです。
脱サラして事業を成功に導きたいなら、自分1人の力で進めるのではなく、誰かの協力を仰ぐようにしてください。
それには、あなたが今まで仕事などで作り上げてきたネットワーク(人脈)が役立ちます。
作業としては、「どのような仕事の人と関わったのか?」「その人にはどのようなスキルがあるのか?」といった洗い出しはもちろん、「その人の人脈はどうなのか?」といった点についても調べると良いでしょう。
必要経費や補助金・助成金を確認する
3つ目の脱サラで失敗しないための対策は、必要経費や補助金・助成金を確認することです。
脱サラして事業を始めた直後は、ビジネスに必要な勉強をするためのセミナー代や交通費などがかかります。
また、パソコンで事業を始める場合はパソコン代やインターネット代などがかかりますし、店舗を持つなら内装を整えるのにお金がかかるでしょう。
このように、事業を始める前に必要となる経費を算出しておいてください。
加えて、補助金や助成金制度が使えるかもしれないので、その点についても調べておくと良いでしょう。
まずは副業としてチャレンジする
4つ目の脱サラで失敗しないための対策は、まずは副業としてチャレンジすることです。
実際に仕事として始めてみると、「どんな失敗が考えられるのか?」「お金はどれくらいかかるのか?」「お金が稼げるまでに必要な期間は?」など様々な部分が見えてくるはずです。
パソコン1台で始められるような事業立ち上げを計画しているなら、まずは副業として始めてみると良いでしょう。
クラウドソーシングやココナラという自分のスキルを販売できるサービスなら、今すぐにでも副業として始められるのでおすすめです。
作業時間が自由なものから選択する
5つ目の脱サラで失敗しないための対策は、作業時間が自由なものから選択することです。
例えば、店舗を持ってレストランやショップを開く場合は、働く時間が固定なってしまいます。
それに対してWEBプログラマーやWEBデザイナーといったパソコン1台でできる仕事なら、深夜でも早朝でも好きな時間に作業が進められます。
あなたの好きな時間に作業ができる方が気持ちに余裕が生まれやすいため、成功する確率が高いのです。
特に本業と並行して副業としてスタートさせるなら、自由な時間に作業できる事業を選ぶようにしてください。
成功しやすい職種を選ぶ”
6つ目の脱サラで失敗しないための対策は、成功しやすい業種を選ぶことです。
脱サラして成功するか失敗するかは、どの業種を選ぶかによっても変わります。
一般的に、以下のような仕事は成功する人が多いと言われています。
- せどり(転売)
- アフィリエイト
- 情報商材販売
- 株やFXなどの投資
- クラウドソーシング
もし、あなたが脱サラ後にどの仕事を始めるか明確ではないなら、成功率が高い業種を選ぶようにしてください。
また、脱サラして事業を始めるには徹底した準備と計画が必要なので、その点についてもしっかり考えてから脱サラするようにしましょう。