営業という業務はお客様に商品の良さを知ってもらい、納得して購入してもらう。契約してもらうことでもあります。
営業はどんな業務でも辛く、苦しいことで有名ですが、非対面営業となるテレアポも例外ではありません。
そこで今まさにテレアポを辞めたいという方に、テレアポを辛く感じる理由と適正の有無、退職の対処法、次におすすめの職種を紹介します。ぜひ参考にしてください。
テレアポを辞めたい理由
まずはテレアポを辞めたくなる原因について紹介していきます。
ノルマがきつい・アポが取れない
営業というのは部署によっては厳しい業務ノルマ(目標)が課せられています。このノルマを超えることが出来ない場合は、給与に響いたり、上司との関係が悪くなったりすることもあります。
そうでなくとも、ノルマというのは辛ければ辛いほど日常の生活を送る上でのストレスが大きくなります。ノルマが取れない、営業先からも職場からも叱られるというのは逃げ場のない極めてストレスの強い状況です。
テレアポは営業先で契約を取るハードルが高いのも相まって、ノルマの存在はテレアポという仕事を辞めたくなる大きな原因と言えるでしょう。
お客様からのお叱りや断りを受けるのが辛い・ろくに話を聞いてもらえない
テレアポは電話をかけることで営業をするものですが、営業相手は常に仕事中です。
そのため、営業で仕事の邪魔をしてくるといったことで叱られることが非常に多くあります。
万が一、営業先が重要な状況にあった場合、相手に悪気がなくても非常にキツイことを言われることもあります。
そうでなくとも、ろくに話を聞いてもらえず、営業のための電話をというだけで、営業相手にひどい態度で断られたり、怒鳴られたりすることもあります。さらには営業についてのクレームを直接、部署や企業にかけてくる可能性も否定できません。
それによって営業先からも上司からも叱られてしまう結果にも繋がりかねないのがテレアポのという業務です。
常に誰かしらに怒られたり、冷たくされたりする可能性があるのがテレアポという業務と言えるでしょう。
アポが取れないと上司に叱られる・パワハラなど
テレアポはまず話を聞いてもらうことからはじまり、最後は商品を納得して購入してもらうことになります。
話してすぐに電話を切られることもあれば、冷たくされたり、叱られたりと思いもよらない言葉を浴びせられることもあるでしょう。
このことから、商品を購入してもらう、契約を取るというのは、並大抵のことではないということがわかります。
しかし、テレアポも含めた営業職は「結果がすべて」とも言える体制である可能性が高くなっています。
そのため、アポが取れない場合はそのことを叱られるだけでなく、みんなの前で比較されるということや、ネチネチとしたパワハラを行われることもないことではありません。
結果を競うことやノルマ達成を楽しいと思える適正がない場合は、そういった職場のムードに馴染めず、辛い気分になってしまうでしょう。
テレアポという業務自体がストレスも疲労も大きい仕事なので、アポが取れずにパワハラを受けるという事態は、仕事を辞める決め手にになるのに十分な理由です。
営業の仕方がイマイチわからない
訪問営業と違って、テレアポは電話を通してのみの営業になります。
そのため、営業を進める上での情報が『氏名、電話番号、年齢等』と非常に少なく、そのなかで話を進めなければいけません。そして、電話を受け取った側が、今どんな状況になっているかも電話ではわかることがありません。
したがって、テレアポは営業の先輩や上司に教えてもらうなどをしない限りはどうやって営業をするのかほとんどわからないことになります。
一方で、営業を受けた方はそのことを知らないため、気分を害したり、キツイことを言ってきたりします。
なにもわからないままでやっているのに、電話をかけた先と職場の両方に怒られてしまうというのは、割に合わないと思って当然でしょう。
やりがいを感じない
「仕事においてやりがいを感じるというのは仕事をしている相手が目の前にいる時である」という人は多いことでしょう。しかし、テレアポの仕事というのは電話を通して行うものです。
営業を通して契約が行われたことで相手の状況がどのように改善されたかというのはわかりませんし、声だけではどれだけ相手が喜んだり感謝をしていたりするのかもつかみにくいです。
加え、電話を通しての営業ということから、いつも同じことの繰り返しをしている気分にもなりえます。
声だけを相手に毎日怒られながら仕事をし、契約を取っても成果が伝わりにくいというのはテレアポの仕事の特徴とも言えます。
やりがいを感じる機会が少ないのがテレアポという業務の大きな欠点だと言えるでしょう。
スキルアップできる要素がない
紹介したように、テレアポは電話を通してのみの営業になり、毎日が同じことの繰り返しになりがちです。
このことから、スキルアップできる余地が少なく、時間を無駄にしていると考えがちです。そういった焦りは日々積み重なって、自分を追い詰める原因にもなります。
仕事をするのはお金のためだけでなく、スキルを磨いて、より良い仕事に就くためと思っている人には向いていない職でもあるので、退職・転職を考えても良いでしょう。
自信がすり減っていく
テレアポなどの営業は他の業務と違って、自分のスキル以外の要素が非常に複雑に絡んできます。
その上で相手に怒鳴られたりキツイ扱いをされることが多く、電話越しだから相手の意図以上にマイナスの印象に受け取りやすくもあります。
仮に営業という業務を経験し、自分の営業スキルに自信をつけていたとしても、テレアポは他の営業とは勝手が違うことからどんどん自信を失う危険があります。
一度無くした自信を取り戻すのは非常に困難なことも多いので、取り返しがつかないことになる前にテレアポを辞めるのも十分に有効な選択だと言えるでしょう。
テレアポに向いている人・向いていない人
次に、テレアポという仕事に向いている方というのはどんな人物なのかについても解説します。
向いている人
テレアポ適正がある方というのは単純にまとめると「コミュニケーション能力が高く、ストレス耐性が高い」人物になります。
特に、自分の意見や思想を抑えて相手に合わせた会話ができる人というのが、声だけで営業を成功させるのには重要になります。
そして、営業先や上司に理不尽に怒られても立ち直れるメンタルも重要です。もちろん、会話そのものに長けているのも仕事においてはプラスに働きます。
テレアポというのは他の営業とは違うスキルが求められるので、自分に適性がないと判断した場合は、潔く他の営業職を選択するというのもキャリア形成においては非常に重要と言えるでしょう。
また給与や時給の高さを魅力に感じ、電話営業だからと割り切れる人にも向いています。
収入が第一で、契約が取れないことに落ち込むのではなく、仕方ない、次の人に電話をしようと気持ちをすぐ切り替えられる人は、自分の優先順位が分かっているので働きやすいとも言えます。
向いていない人
テレアポという仕事をする上で非常に重く働くデメリットが「電話が苦手」というものです。
意外と自覚しにくいことではあるので、自分が長時間電話をすることにストレスを抱かないかどうかを確かめてみましょう。
また仕事として割り切れない人や知らない相手だと言っても、キツイことを言われて傷つきやすい人も向いてはいません。
ストレス耐性が無いと日々の業務や人間関係にて生じるストレスに耐えられず、コミュニケーション能力が低い場合は仕事そのものに苦労します。
営業という業界事態が強いストレスのあるものですが、テレアポは特にストレスの大きい仕事というのを覚えておきましょう。
テレアポを辞めたいときの対処法
実際に辞めたいと思ったら、やる気が一気に来てしまい仕事に支障が出てしまいます。
そこで、円満に辞めれるように対処法をみておきましょう。
仕事から離れる
毎日の仕事で受けるストレスによって心身の余裕を無くしてしまっていたときは、仕事から一旦離れて有給休暇を取ってみるというのがおすすめです。
テレアポは疲れを自覚しにくく、周囲にも軽視されがちな仕事です。
疲れやストレスの大きさは自身でしか分からないことなので、周りを気にせずに休みを取り、友達や恋人と過ごしたり、旅行を楽しんだりするといいでしょう。
他にも、家でのんびりしたり、資格勉強をしてみるというのも気分転換になります。
上司や同僚に相談
仕事にストレスを持ち、辞めようかどうしようか迷っているのであれば、一人で悩まずに上司や同僚に相談するのもおすすめです。
同じ職場で働いている人なら、自分が抱える悩みに違った角度からアドバイスをもらえることもあります。転職・退職の経験があるという人から経験談を聞くこともできます。
また、人に話すことで楽になれることもあります。とにかく周りに話をして、話を聞いてみるというのは気持ちを軽くすることにも繋がるでしょう。
配置転換や異動
退職・転職はリスクが大きい行動となるので、まずは「同じ会社にいたままでできること」を探しましょう。
今のテレアポという仕事そのものが上手く行っていないという場合は、配置転換をお願いし、別の部署に移してもらうという手があります。
配置転換によって新しい環境と気持ちで仕事を始めることが出来ますし、退職などで勤続年数をリセットする必要がありません。
また、異動によって立場や勤務地を変えてもらうことで業務は変わらなくとも、今とは別の土地、別の職場で働き始めることができます。人間関係がメインの悩みという方は、異動をお願いしても良いでしょう。
転職
紹介した対策では足りない、足りなかったという場合、転職を検討しましょう。ここで重要なのは転職活動を始めるのは早ければ早いほど良いということです。
退職してから転職活動を始めると、収入が途切れてしまう危険があり、緊張の糸も切れてしまうことが考えられます。転職先の業種を同じテレアポにするのか、営業職にするのか、別の職種にするのかについてよく考える必要があります。
転職活動には履歴書を詳細にまとめる必要もあり、準備が必要ですので、転職を始める前から色々と考えましょう。
転職エージェントのサービスに登録すると、キャリアコンサルティングをしてくれて、履歴書をまとめた上に、さまざまな職場を紹介してもくれます。
色々なものを使って余裕のある転職活動を送るようにするのが重要です。
テレアポを辞めたい人は次にどんな仕事を選んだら良いか
それでは、テレアポを辞めたいと考えている方は、他にどのような仕事に向いているのかも紹介します。
コールセンターのスーパーバイザー
転職で重要なのは前職で培ったキャリアとスキルを活かすということです。
その点、コールセンターのスーパーバイザーはきついテレアポの経験を活かせるので、特におすすめです。
コールセンターのスーパーバイザーは、オペレーターの研修・育成とコールセンター全体の監督・管理を行うのが業務内容です。テレアポといえば電話での仕事の中でも特に大変な仕事です。
そのため、テレアポの経験からオペレーターの気持ちに寄り添った指導ができ、キャリアとスキルをしっかりと活かすことができます。
営業事務
営業部門のサポート・バックアップをする営業事務もテレアポの経験を活かすのにおすすめの仕事で、事務作業の側面から関わることが多くあります。
テレアポの仕事を経験してきたことから、営業の辛さを理解でき、その上で自分の経験から周りを助けることが出来ます。
キャリアを活かした上で、やりがいもハッキリと得られるので、テレアポから営業事務への転職は、どのような業種であってもおすすめと言えます。
工場など単調な作業の仕事
テレアポで心身共に疲れたなら、単純作業や決められた作業を行う軽作業がおすすめです。
上司からの指導が全くないわけではありませんが、よほどのことが無い限りは怒鳴られたりすることは少なくなり、穏やかに仕事をすることができます。
また、仕事ごとに人員が分かれていて、雑談もほぼないので、職場の人間関係に不安を抱くことも少なくなります。
法人営業
逆転の発想として、テレアポの仕事でやりがいを感じられなかったという方は、企業を相手にする法人営業に転職するという手もあります。
非常に難しい仕事ですが、収入が非常に高くなり、扱う金額も大きくなり、やりがいは大きい仕事と言えるでしょう。
また、相手の顔を見て営業をするので、テレアポと違って情報量が多く、テレアポよりも簡単に感じられる方もいることでしょう。
テレアポは非常にキツイ仕事です。転職をすると決めた場合は、キャリアとスキルを活かし、なおかつ自分に適性があると思えるものを選びましょう。