季節労働者が加入できる雇用保険について。失業した際もらう特例一時金のもらい方。

普段働いている地元が雪や季節の変化によって本業ができなくなった場合に、季節の間だけ働くというのが季節労働です。

短期でまとまったお金を得られるメリットのある季節労働ですが、体力的に厳しい仕事が多くもあります。

そんな季節労働を安心して働くには、雇用保険を利用するのが有効です。

季節労働者の雇用保険の加入条件

季節労働者の雇用保険の加入条件

一般労働者の雇用保険の加入条件は、「1週間に20時間以上働き、31日以上雇用される」というものになりますが、季節労働者の雇用保険の加入条件は違います。

以下が季節労働者が雇用保険に加入する条件になるのでチェックしましょう。

  • 31日間以上働く見込みがある
  • 所定労働時間が週20時間以上
  • 学生ではない(例外あり)

雇用保険法では、季節労働者のことを「短期雇用特例被保険者」と言います。

この「短期雇用特例被保険者」は「季節的に雇用される人」と「短期間の雇用に就くことが常態化している人」の2種類があり、季節労働者は前者となります。

なお、「短期間の雇用に就くことが常態化している人」が雇用保険に加入する条件は、「1年未満の雇用契約を異なる会社で繰り返し、これからも一年未満の」

仕事を探す上では、この雇用保険に入る資格を満たせるかどうかを基準にするのがおすすめです。

また、保険に関する疑問や不安な点は保険のプロに相談するのもおすすめです。

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季節労働者の加入条件

季節労働者の加入条件

雇用保険に季節労働者が加入する条件を紹介したので、次は季節労働者の定義についても紹介します。

季節に左右される仕事に従事する人

冬になると雪で閉ざされる土地で働いているという人や、観光シーズン以外は暇になってしまう人を季節労働者と言います。

繁忙期には長時間労働と高密度の業務をしますが、それ以外はあまり忙しくないという、季節で労働が左右される仕事に就いているというのが季節労働者です。

1年のうち4ヵ月以上の雇用契約を結ぶ

基本的には1シーズン以上働くことになるというのが季節労働者です。

1年で4ヶ月以上の雇用契約を結べるかどうかで雇用保険に加入できる季節労働者かが決まります。

週の所定労働時間が30時間以上

一週間に5日働くとすると、一日6時間以上働くのが季節労働者が雇用保険に加入する条件です。

季節労働は短期間である分、過密労働の傾向がありますが、仕事を選ぶ上でチェックしましょう。

季節労働者が雇用保険の特例一時金が支給を受けるには、ハローワーク(住所地を管轄する職業安定所)に本人が出向き、求職の申し込みをし、特例受給資格の決定が必要です。ではこの特例一時金とはどういったものなのでしょうか。

季節労働者が雇用保険の特例一時金が支給を受けるには

季節労働者は資格を満たすと雇用保険の「特例一時金」を受給できます。

これがあると、離職時に失業保険代わりにもなるので非常に便利です。

 

参考:雇用保険における特例一時金とは

 

季節労働者が失業後にもらう特例一時金とは

季節労働者が失業後にもらう特例一時金とは

季節間のみの短期労働をするのが季節労働ですが、離職期間は無職になってしまう危険があります。

季節労働の雇用期間と本業ができるようになるタイミングが必ず重なるというわけではありません。

そんな離職期間でも失業保険と同じように保証になるのが「特例一時金」です。

この特例一時金を受給する条件についても紹介します。

特例一時金とは、住居地を管轄する職業安定所であるハローワークに季節労働者本人が出向き、求職の申し込みをし、特例受給資格の決定をすることが必要になります。

そして、上で紹介した「季節労働者が雇用保険に加入する条件」に該当する場合、雇用保険の「短期雇用特例被保険者」になります。

雇用保険の特例一時金受給資格を満たすことで、離職時の給付金を失業保険代わりに受け取ることが可能となります。

ここで「特例一時金」の受給資格について紹介します。

 

(1) 離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あること。
※ 被保険者期間は、1暦月中に賃金支払の基礎となった日が11日以上ある月を1か月として計算します。
(2) 失業の状態にあること。
 失業とは、積極的に就職しようとする意思と、健康上及び環境上いつでも就職できる能力がありながら職業につくことができず、現在仕事を探している状態にあることをいいます。
 したがって、例えば、次のような方は、特例一時金の支給を受けることはできません。
① 病気やケガのためすぐに就職することができない方(労災保険の休業補償給付や健康保険の傷病手当金などの支給を受けている方も含みます。)
② 離職した後しばらくの間休養する方
③ 家事の手伝いや家業に従事して就職することができない方
④ すでに就職している方(パートやアルバイトも含みます。)や自営業を営んでいる方(準備を含みます。)
⑤ すでに就職先が決まっており仕事を探さない方
⑥ 会社などの取締役に就任している方(活動や報酬がない場合はハローワークでご確認ください。)

 

引用:北海道ハローワーク「特例一時金の支給を受けることができる方は

以上が「特例一時金」の受給資格になります。

ハローワークが雇用保険の被保険者でないことが確認できる場合や、求職の申込をすることでハローワークが就職していない常態であることと就職する意思・能力を確認できるという条件もあるのは要チェックです。

また、「特例一時金」受給資格決定日と認定日にも就職していないことをハローワークが確認できなければいけません。

さらに、紹介した条件を全てクリアしても開業していたり、家事手伝いをしていたり、家業をしていたりで実際に就職することが不可能なら、「特例一時金」を受給できないことも覚えておきましょう。そのほか今後働く気がないときも受給はできません。

つまり離職した後に「就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力」があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態であれば申請をすることができるということになります。

厚生労働省の特例一時金の案内では下記の10つの条件に当てはまる人は受給できないことになっています。

① 家事に専念する方
② 昼間学生、または昼間学生と同様の状態と認められるなど、
学業に専念する方
③ 家業に従事し職業に就くことができない方
④ 自営を開始、または自営準備に専念する方
(求職活動中に創業の準備・検討を行う方は支給可能な
場合があります。)
⑤ 次の就職が決まっている方
⑥ 雇用保険の被保険者とならないような短時間就労のみを
希望する方
⑦ 自分の名義で事業を営んでいる方
⑧ 会社の役員などに就任している方
(就任の予定や名義だけの役員も含む)
⑨ 就職・就労中の方(試用期間を含む)
⑩ パート、アルバイト中の方(週あたりの労働時間が20時間未満
の場合は、支給を受けることが可能な場合があります。)

引用:離職されたみなさまへ <特例一時金のご案内>厚生労働省

季節労働者が特例一時金を受給する手順

季節労働者が特例一時金を受給する手順

また、「特例一時金」を取得する流れというのも解説します。

必要書類を用意する

「特例一時金」の受給資格を満たしたら、次は申込をする前に必要書類を用意しましょう。

  • 雇用保険被保険者離職票
  • 雇用保険被保険者離職票
  • 顔写真1枚(よこ2.5cm たて3cm)
  • 振込希望先の金融機関の預金通帳(キャッシュカードは不可)
  • 身分証明書など

以上が容易すべき必要書類になります。

「身分証明書など」についても、チェックしましょう。

必要な身分証明書など

1種類提出で確認可能なもの
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 顔写真付き住民基本台帳カード
2種類提出で確認可能なもの
  • 住民票記載事項証明書(住民票、写真のない住民基本台帳カード、印鑑証明書)
  • 年金手帳
  • 国民健康保険証または健康保険被保険者証
  • 地方自治体が発行する身分証明書
  • 官公庁や自治体などが発行する各種免許 (ボイラー技師、クレーン運転士、無線従事者、船舶操縦士など)
  • 身体障害者手帳

以上が「特例一時金」を受給する上で用意しておくべき書類です。

こういったものは必要になっても何処にあるのかわからない場合、用意したり見つけたりするのに時間がかかることがあります。

前もって用意しておくことで慌てることなく「特例一時金」受給に進むことができます。

参考:北海道ハローワーク「特例一時金の支給を受けることができる方は

 

住居地を管轄するハローワークに行く

求職票と用意した必要書類を持って、住居地にあるハローワークへと申込をしに行きます。

「短期雇用特例被保険者」いわゆる雇用保険加入資格を満たした季節労働者の方は、離職票が2枚以上ある可能性があるのは気をつけましょう。

受給資格を満たしているのかハローワークが確認するのにも使いますので、求職票はすべて提出しておく必要があります。

ハローワークが受給資格を確認

提出した書類を基にハローワークが、申込者に「特例一時金」を受給する資格があるかどうかを確認します。

ここでハローワークによって「特例一時金」受給資格があると判断された場合は、特例一時金が受給可能になります。

特例受給資格者証が交付される

「特例一時金」受給資格があると判断されると、特例受給資格者証が交付されることになります。

そして、渡された特例受給資格者失業認定申告書を、失業認定日までに記入しておかないといけません。

失業認定日にハローワークへ

指定された失業認定日にハローワークへ行き、記入済みの特例受給資格者失業認定申告書を窓口に提出し、失業認定に関する手続きを進めます。

そして、ハローワークが失業の認定が行われた時点で、「特例一時金」の交付が開始されます。

離職した日の翌日から6ヶ月後までが受給可能

特例一時金の受給可能期間は、離職した日の翌日を起算日とした6ヶ月後までになります。

なお、離職日から7日間の待機期間が定められているので、特例一時金の受給資格を満たしても、この待機期間を過ぎるまで待たなければいけません。

基本手当日額40日分(暫定)が支給

特例一時金の支給額は、ハローワークが算出した基本手当の日額40日分(暫定)となります。

なお、ハローワークによる失業認定日と特例一時金の受給期限日が30日未満という場合は、残っている日数分がマイナスされます

特例一時金は一般雇用の失業保険と違って毎月支給されるわけではありません。

また支給額は失業日直前の6ヶ月間の給与と、失業日における年齢に基づいて決定されます。

手続き1回につき1回の支給だというのを覚えておきましょう。

参考:離職されたみなさまへ <特例一時金のご案内>厚生労働省

 

 

季節労働者は多少手間でも、ハローワークで求職申込を行い特例受給資格の決定を受けてから季節労働者として働こう

季節労働者は多少手間でも、ハローワークで求職申込を行い特例受給資格の決定を受けてから季節労働者として働こう

季節や繁忙期・閑散期などで収入が大きく変動する季節労働者は、収入が非常に不安定なことがあります。

ハローワークで求職を申込をし、条件を満たしていると「特例一時金」を受給できるようになります。

1年に4ヶ月以上働き、週の所定労働時間が30時間以上になる仕事をすることで、季節労働者として本業が出来ないときの保証に有効活用しましょう。