給料を初めてもらったとき求人欄に書いてあった金額より少ないと思ったことはありませんか?

それもそのはず。求人欄に書かれていた給料はそのまま支給ではなく、給料から税金や保険料などが差し引かれて支給されているのです。

実際に支給される金額を「手取り」と呼びますが、この手取りを月35万円にするためには額面でいくら稼ぐ必要があるのでしょうか?

今回は給料から差し引かれる内訳や手取りで35万円を実現できる職種、そしてそれだけの収入があればどれだけ貯蓄できるかなどを考えていきましょう。

就職や転職を希望している方はぜひ参考にしみてください。

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手取り35万円にするために必要な額面とは?

ネットで月収の手取額を調べると35万円という金額が散見されますが、実際のところはどうなのでしょうか?

国税庁の2018年度分『民間給与実態統計調査』によると年収の平均は404.7万円です。

引用元:平成30年分民間給与実態統計調査結果について

 

ただしこの平均は勤続年数や年齢ごとに分けた数値ではありません。

平均すると勤続年数が12.2年、年齢は46.4歳となっています。

このことも踏まえた上で単純に404.7万円を12ヵ月で割ると約33.7万円です。

2018年度は12年勤務した46歳でも平均で35万円に届いていません。付け加えておくとこの調査の平均年収はボーナスも含み、税金を差し引いていません。つまり月収の手取りはもっと少なくなります。

では手取りで35万円を得るには額面でいくら必要になるのでしょうか?

【手取りで35万円を得るには】

手取りで35万円を得るには額面で46.5万円、年収を12ヶ月で単純計算をした場合額面で年収550万前後が目安となります。

ただ、この年収はボーナスなどを覗いた金額となるので、手取り35万をもらいつつ+αでボーナスの金額も加算すると620万~690万円ほどになります。(ボーナスを2ヶ月~4ヶ月想定)

額面から差し引かれる内訳の詳細

額面から引かれる税金は地域によって少し差があります。

東京・大阪・福岡の3都市で引かれる税金の内訳を表にしました。

 

東京

大阪

福岡

年収

558万円

558万円

558万円

健康保険

27.6万円

28.4万円

28.6万円

厚生年金

51.0万円

51.0万円

51.0万円

雇用保険

1.7万円

1.7万円

1.7万円

所得税

27.4万円

27.3万円

27.3万円

住民税

27.9万円

27.8万円

27.8万円

年収合計

422.33万円

421.69万円

421.57万円

月収合計

35.19万円

35.14万円

35.13万円

差が出てくるところは健康保険・所得税・住民税の部分です。

ただし、どの金額も地域による誤差は微々たるものなので558万円あれば月の手取りが35万になります。

生活モデルの例

手取りで月35万円を稼ぐのに必要な額面や稼げる職種を確認してきましたが、今度は30代前半の独身男性が東京で生活する場合のシミュレーション見てみましょう。

都内で少し余裕のある生活

家賃100,000円
食費40,000円
水道光熱費10,000円
通信費10,000円
衣類・日用品30,000円
娯楽費50,000円
合計230,000円

貯金は11万円分することができ、全体的に余裕はある内容となっています。

家賃などを少し切り詰めた場合

上記の例とは少し条件を変えて家賃などを変えた

家賃60,000円
食費40,000円
水道光熱費10,000円
通信費10,000円
衣類・日用品20,000円
娯楽費40,000円
合計180,000円

どちらのシミュレーションも金銭的な余裕はあるので、一人暮らしはもちろん家族がいる場合でも十分養うことは可能でしょう。

手取り35万円の年収と職種

手取りの月収が35万円に相当する額面は約50万円であり、年収で考えるとボーナス込みで600万円あれば確実です。では年収が600万円以上700万円以下の年代別割合はどうなっているのでしょうか?

年代別年収600~700万円の割合

年代

割合

20代

2.20%

30代

9.30%

40代

12.50%

50代

11.50%

上の表から600万円以上の年収に該当する人は40~50代などの管理職やハイキャリア層が中心となっており、20代のうちから600万円代の年収がある人はほんの一握りということがわかります。

30代でも9.3%いますが、全体の割合から見ても決して高い数値ではないので、600万円以上の年収を得るのは決して誰でも可能ということではありません。

年収は業界や職種にも依存をする

年収上げるには現在所属している会社で実績を認められて出世をすることも一つの方法ですが、そもそも業界・職種の平均年収が低い場合は出世をしたところで年収が上がりにくくなっています。

そのため、すぐに年収を上げたいと考えている方は自分の欲しい年収を得るためには業界・職種を変えてみるのがおすすめです。

専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)

職種

20代平均年収

30代平均年収

40代平均年収

50代以降平均年収

戦略/経営コンサルタント

524万円

861万円

879万円

871万円

業務改革コンサルタント(BPR)

520万円

716万円

会計コンサルタント/財務アドバイザリー

486万円

656万円

リスクコンサルタント

576万円

633万円

コンサルタント職は人気も高く大手だけではなく中小のベンチャー系企業でも年収が高いところが多くあります。

ただ、コンサルティングをするということは深い専門知識はもちろん、依頼主の状況を冷静に分析して、目標に向けてどのような行動をするべきかという提案力が必要になります。

求められる能力が高い高いということもあり、その分年収が高くなる傾向があるようです。

管理系職種

職種

20代平均年収

30代平均年収

40代平均年収

50代以降平均年収

知的財産/特許

409万円

606万円

724万円

867万円

経営企画/事業企画

434万円

621万円

754万円

865万円

管理系職種は会社を運営する上で必要になる部署となりますが、20代のうちは平均年収は低めの傾向があります。

しかし、30~40代で年収がぐんと上がることが多いので、長い目で見た時には他の職種に見劣りしません。

特に経営企画に関わる方は中小企業なら30~1040代で取締約になることも珍しくないので、もしそのようなポジションになれば年収は一気に上ると思われます。

技術系(IT/通信)職種

職種

20代平均年収

30代平均年収

40代平均年収

50代以降平均年収

プロジェクトマネジャー

472万円

658万円

742万円

824 万円

プリセールス

445万円

643万円

784万円

843万円

ITコンサルタント

463万円

675万円

821万円

874万円

IT系はプロジェクトマネージャーなどの案件全体を管理する役職になると年収は上がる傾向にあります。

ただ、下請け・孫請の業務が中心という会社は会社の売上自体も上がりにくい構造となっているので、比例して従業員の年収も上がりにくい傾向があります。

もし年収を上げたいと考えている方は上流工程に関わる会社や役職を目指しましょう。

営業系職種

職種

20代平均年収

30代平均年収

40代平均年収

50代以降平均年収

MR

476万円

706万円

営業-医薬品メーカー

486万円

673万円

862万円

959万円

営業-リース(金融)

431万円

626万円

790万円

営業職は30代~40代で役職に就く方が多いことから一気に年収が跳ね上がるケースが多いです。

また、同じ業界内でも年収に開きがあることが特徴です。

その代わり年収が高い企業はノルマが厳しかったり、求められる数字が高いことも多いので注意が必要です。

30代以降が年収600万円の目安になる

どの業種でも30代から急激に年収が上がることが多くみられます。

しかし、必ずしも30代になったら年収が600万円台になるということではないので、実際にいま自分が所属している会社の年収の上がり幅はその基準に到達するまでどのくらい時間がかかるのか確認するのをおすすめします。

もしも30代になっても年収の上がり幅が鈍化している場合は傾向としてその後も年収が上がる可能性は低いので転職を検討してみてもいいでしょう。

参考サイト 平均年収ランキング 最新版【職種別】

年収を一つの指標として仕事の選び方を考える

手取りを35万円にするために必要な月収の額面や年収、そしてそれを実現できる職種などを確認してきました。

実のところ手取りで35万円を達成するためには額面で月46.5万円程度は最低でも見ておかなければならず、条件を満たす職種は少ないということがわかります。

求人があったとしても20代での手取りは低く、その職種で経験を積み実績を上げていく必要があるので、手取りで月35万円を目指すなら若いうちからしっかりと計画を立てて臨まなければなりません。

しかし、年収が高い会社や職業は当然のことながら求められることが多くなりますので、年収の高さはあくまでも一つの指標として考えて、仕事内容・環境・給与・人間関係などを総合的に考えて自分の合っている職場はどこなのかと考えましょう。

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