ずっと頑張って長年働いてきたのに、いつまで経っても昇進することなく平社員のまま。
このままでは昇給の見込みもないし転職すべきでは? と考えるのは自然なことです。
万年ヒラ社員だとして本当に転職すべきなのかについて解説します。
万年ヒラ社員の特徴5つ
何年働いてもヒラ社員のままという人物の共通点とはどんなところでしょうか。
もしもこれらに当てはまる点があるなら、改善できないか考えてみるのも良いでしょう。
指示された仕事ができない
最低限でも指示された仕事は必ずこなせるようにしておく必要があります。
もしも割り当てられた仕事ができないという場合は、指示されたことを必ずメモしたり、できないと少しでも判断したらすぐに周囲に頼るようにしましょう。
事前に仕事の手順を頭の中でシミュレーションしておくのも有効です。
言われた仕事しかやらない
仕事をする上で重要なのは、言われたことをきちんとできることです。
しかし、言われたことだけをやって、以降は仕事を一切しないという勤務態度では、上司としてはいちいちこちらから指示をしないといけない手のかかる存在と見なされます。
ヒラ社員は業務を統括する立場ではないので、自己判断であれこれやるのは禁物ですが、かといって自分に与えられた仕事を済ませたらボーッとしているようでは、昇進するには心もとないと見なされます。
社内でのコミュニケーションが不足している
業務を円滑に進めるにはコミュニケーションをしっかり取っておくことが大切です。
コミュニケーションが不足していると、困ったときにフォローしてもらいにくくなりますし、仕事の変化にも対応しにくくなります。
普段は同僚や上司とあまり話さないという方は「今日は良い天気ですね」くらいのあたりさわりのない会話をすることを意識してみるのがおすすめです。
同じミスを繰り返す
失敗は誰にでもありますし、苦手なことは複数回つまずいてしまうのもよくあります。
しかし、周囲の目にも付くほどにミスを繰り返してしまうと「この人は仕事を覚えられない」と判断される危険があります。
「何度教えてもこの人は成長しない」と見なされると、昇進は不可能になります。
何度も同じ失敗をする場合は、しっかりと対策を練る必要があります。
向上心や野心がない
勤務意欲というのは仕事に対する姿勢として非常に重要なものです。
強い向上心や野心を持っていても、内に秘めていて外に出すことがない場合は知られることがありません。
もしも上司や同僚に野心や向上心が無いと判断されてしまうと、仕事そのものへの情熱が薄いと判断される危険もあります。
ヒラ社員でいるメリット4つ・デメリット3つ
それでは、ヒラ社員で居続けることで発生するメリットとデメリットの両方を見ていきましょう。
メリット
まずはヒラ社員のメリットを紹介します。
残業代が付く
ヒラ社員の方は残業をすると残業代が付くようになります。
これによって本来の給料よりも高額の給料を受け取ることが可能になります。
働けば働くほど給料が直接的に上がるのがヒラ社員の長所と言えるでしょう。
責任がなく気楽に仕事ができる
ヒラ社員は上司と違って職場の部下や業務全体を監督する立場にはいません。
そのため、ヒラ社員は常に現場と自分の仕事だけに集中して働くことができます。
責任の重い仕事が任されることはありませんが、その分だけ気軽に楽しく仕事をし続けることが可能です。
労働組合に守られる
普段から労働組合の存在を当たり前に感じている方は、労働組合というのが会社員でいる以上はずっと保護してくれるものだと考えても不思議ではありません。
しかし、実際には労働組合こそがヒラ社員とそれより上を分ける大きな区分になります。
ヒラ社員という定義は非常に曖昧ですが、少なくとも労働組合に保護されないのがヒラ社員より上の会社員だと定義することができます。
労働組合は、組合員の不満・苦情を会社に伝えてくれるありがたい存在です。
労働条件を良くしたり不当な解雇を無くしてくれたりするように働きかけてくれるのも労働組合です。
ヒラ社員の強力なメリットとして挙げられるのが労働組合だと言えるでしょう。
ずっと現場で働ける
上司・管理職になるとこれまで親しんできた現場から離れがちになります。
ずっと働いてきてやりがいのある現場から遠ざかるというのは心寂しいものがありますし、昇進しても実際に管理職に適正があるかは未知数です。
自分に管理職の適性がないと判断した場合は、ヒラ社員としてずっと現場で働くことを選ぶというのも十分に有効な選択と言えます。
デメリット
次はヒラ社員で居続けることで発生するデメリットを見ていきましょう。
退職金が安い
40代・50代ともなると老後の備えも意識し始める頃です。
しかし、ヒラ社員のままだと退職金はあまり大きくなりません。
退職金というのは毎年加算されるポイントの合計によって算出される仕組みです。
したがって、管理職の方よりもヒラ社員の方の方が加算されるポイントが少ないので、退職金も少なくなってしまいます。
老後の備えに退職金をあてにするのは厳しくなるのが、ヒラ社員でいることのデメリットであることを覚えておきましょう。
残業がないと賃金が安い
ヒラ社員は労働時間によって給料がどんどん上がっていきますが、裏を返せば残業をしないと給料が低くなります。
しかし、40代を過ぎた辺りからはそれまでの体力がどんどん無くなっていき、残業をすると肉体面でも精神面でも疲労が溜まっていく可能性があります。
そうなるといつかは体を壊してしまい、残業ができなくなってあまり高くない賃金しか得られなくなるということも十分にありえます。
ヒラ社員でいつづけるには体力も非常に重要ということです。
社会の目が厳しい
仮に本人が満足していたとしても、一生ヒラ社員でいるというのは社会的な目が厳しいことになります。
そして、社会の目が厳しいということは、家族からの目も厳しくなるかもしれないということです。
「40代になってもヒラ社員ということは、この人はあまり仕事ができないんだな」と判断するの近所の人々だけでなく、家族・両親・友人・親類の人々もそう判断するかもしれないことは覚えておく必要があります。
ヒラ社員は転職した方が良いのか?
ヒラ社員でいつづけるのと、転職するの、どちらが良いのかというのは非常に難しい問題です。
転職しない方が良いケース
これまで働いてきた職場からべつの職場に移るというのは、培ってきた信頼関係やキャリアをほぼ0にして再スタートを切るということです。
つまり、もしもこれから昇進できる見込みがあったのに次の職場に移った場合は、出世に近づいていたキャリアがなくなります。
今の職場で働いていたら出世できそう、あともう少しで仕事ができるようになりそうと思える場合は、転職をしない方が良いでしょう。
出世できそうにないなら転職
その職場でのキャリアが長くなればなるほど色々と見えてくるものです。
今の職場にいても出世できそうか、その職場事態に未来があるのかというのは、長く働いてきた方ほどよく見えているものです。
40代・50代にもなるとこれまでのキャリアも重要ですが、これからの時間もそれ以上に重要です。
「この職場にいても、自分は何も変わることがない」と判断した場合は、潔く転職に踏み切りましょう。
ヒラ社員の転職は不利になるのか?
転職をするとなると、ヒラ社員でずっと今の職場で働いてきたという方は不利のように思えるかもしれません。
しかし、実際には世の中の40代・50代の大半がヒラ社員です。
重要なの転職をする際に履歴書にどういったことを記入し、自分のこれまでを書けるのかということになります。
40代・50代になると求められるのは肩書よりも即戦力になるかどうかです。
自分がこれまでにどんな仕事をしてきて、どういったことを任されてきたのかをきちんとアピールすれば、ヒラ社員の転職でも十分に成功します。
ヒラ社員が転職を上手に進める方法4つ
それでは、ヒラ社員が転職を成功させるのに有効な方法4つを紹介します。
履歴書に詳細な経歴を書く
ヒラ社員の方が転職する場合、肩書や役職を記入することはできません。
代わりに記入するべきなのが「これまでどんな仕事を任されてきたか」です。
どのような仕事をし、それが職場でどんな効果を発揮してきたのかを事細かに書きましょう。
多少大げさに映ったとしても、採用担当者に自分がどんな人間で、どんなことをしてきたのかを知ってもらう方がずっと重要です。
企業研究を徹底する
転職をする場合に重要なのが、できるだけ前の職場と通じる業界に転職をすることです。
もちろん、あまりに適正がなかった場合はまるで違う業界に飛び込むのも適切ですが、これまでの経歴を活かせる職場に転職する方が成功率は大きく上昇します。
また、企業研究を徹底的に行なった上で、転職先にしたい企業に申込をしたということが、相手の企業に伝われば、こちらの評価も非常に高くなります。
自己分析を徹底する
良い転職をするのに欠かせないのが、自分は何ができるのかを徹底的に把握しているということです。
自分にはどのようなスキルがあるのか、自分にはどんな経歴があるのか、細かいことまで洗い出しておかないといけません。
こういったことは誰かと話し合いながら自分を再発見するというのも有効な手です。
転職エージェントに登録し、エージェントのカウンセリングを受けながら履歴書を作ってもらうのもおすすめです。
自分に合った仕事や企業を見つける
これまでの仕事・職場では昇進の見込みがないから転職するということは、それまでの職場は自分に合っていなかったということです。
どうして自分が昇進できなかったのか、出世できなかった理由はいったいなんなのかということをよく考え、自分に合った仕事・企業はなんなのかをよく考えましょう。
40代・50代といったベテランにもなると、いったん立ち止まって自分の適正を見つめ直すことは、これからの人生そのものを充実させるのにも役立ちます。