多くの会社では年1回に昇給のタイミングがあります。
そして、どれくらい昇給するかはそれぞれの企業によって大きく異なるものの、1年で平均5,000円程度の昇給が行われます。
ただ、求人票や労働条件通知書には「昇給年1回」と書かれているにも関わらず、昇給が1度だけでなく何年も連続で昇給が行われていないなんて企業も少なくありません。
昇給があると書かれているにも関わらず昇給がないと、労働者は「嘘をつかれた」という気持ちにもなっても不思議ではありません。
では、年1回の昇給があると書かれているにも関わらず昇給がないのは、問題ないことなのでしょうか。
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昇給がないことに不満があれば、転職するのもおすすめ
ですが、上記の場合ではない時は、会社が意図して昇給をしていないことがあります。このようなブラック体質の企業より、継続して昇給のある企業への転職も検討してみましょう。
昇給ありなのに昇給しない、実は結構よくある話
求人では昇給ありとなっているのに、実際に働くと昇給しないケースがあります。
昇給年1回は求人票での定型文、実際は昇給なしも多い
転職サイトやハローワークで掲載されている求人票や、転職エージェントからの紹介で貰う求人票の福利厚生欄を見ると、ほとんどの会社で「昇給年1回」と書かれています。
これはもはや定型文です。
ここ数年は昇給の実績がなかったとしてもとりあえず書いています(もちろん毎年しっかり昇給している会社もありますが)。
この記載があっても、たまにどころか毎年昇給なし、それこそ入社してから何年働いても1円も昇給がないなんて会社も決して少なくありません。
厚生労働省の「令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」によると、定期昇給なしは管理職25.5%で一般職16.9%(*)と、全体で見ると2割強もの企業に及びます。
このように求人票の「昇給年1回」が全くの嘘になってしまっているわけです。
昇給年1回は、あくまで昇給の機会があるという話
「昇給年1回」は、残念ながら毎年1回昇給があるという意味で使われていません。
あくまで、必ず昇給するとは限らないけど、年1回は昇給が行われる機会はあるという意味です。
業績、経営状態、個人の成績など様々なことを考慮した結果、昇給なしもありうるのが通常です。
ずっと業績が良くない会社であれば、何年も昇給なしが続くことも決して珍しくありません。
勤続年数ごとの給与体系がしっかり決まっている大企業ならまだしも、中小企業だと昇給がなかったなんて話はよく聞きます。
ただ、その中小企業も求人票ではおそらく「昇給年1回」と書いているはずです。
中小企業を含めると、昇給なしの会社はそれなりに多いのです。
昇給年1回が実施されないことに違法性はないの?
労働者の立場に立ってみると、「昇給年1回」と書いているにも関わらず昇給が全くないなんて嘘つかれたと腹立ってしまいますよね。
では、そこに違法性はないのでしょうか。
昇給に関する事項は就業規則への記載が必須
昇給に関する事項は、就業規則での「絶対的必要記載事項」に該当しています。
絶対的必要記載事項
- 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇
並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項- 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の
締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項- 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
厚生労働省:「就業規則」
昇給に関しては、就業規則に必ず掲載ということです。
また労働基準法第89条に基づいて考えると、就業規則自体も常時10人以上の労働者がいる会社は作成義務あります。
そして毎年の昇給が必須なのか、昇給はあくまで機会の話であり、なくても問題ないのかは、この就業規則の内容によって変わります。
昇給が必ずあると記載されているなら、一切の昇給なしは違法
就業規則の昇給に関する事項について、必ず昇給があるとされた文面があるのであれば、それに従い昇給させなければなりません。
必ずと書かれているのに一切の昇給なしは違法です。
ただ、単に昇給ありとしているだけなら、極端な話し10円だけでも良くなります。
ですから、労働者の立場としては毎年1回必ず昇給がある旨、そして昇給額は〇円以上である旨を書かれて初めて一定の昇給額が担保されるわけです。
ただ、当たり前ですけど就業規則にここまでの記載が書かれているケースはまずありません。
基本的には金額の記載はなし、頻度に関しても下記のように記述されている場合がほとんどです。
ほとんどの会社では但し書きがあり、しなくても良い制度になっている
昇給に関しては、基本的に但し書きや制限があり、毎年の昇給する義務がなくなるようにつくられています。
以下は厚生労働省が出している「モデル就業規則」の昇給に関する事項です。
(昇給)
第47条 昇給は、勤務成績その他が良好な労働者について、毎年〇月△日をもっ
て行うものとする。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある
場合は、行わないことがある。
2 顕著な業績が認められた労働者については、前項の規定にかかわらず昇給を行うこ
とがある。
3 昇給額は、労働者の勤務成績等を考慮して各人ごとに決定する。
毎年1回昇給はあるものの、あくまで勤務成績などが良好な労働者に限定し、かつ会社業績等などの理由で行わない場合もあるという条件が課されています。
会社によって内容に多少の差はあるものの、ほとんどはこのように年1回、毎年の昇給を義務としないように就業規則を作っています。
すなわち、求人票で昇給年1回と書かれていても昇給なしというのは、問題とはならないわけです。
昇給ありなのに昇給しない場合に試してほしい解決策
昇給ありのはずなのに昇給しない場合に試してほしい解決策を以下で紹介していきます。
1:業務態度の改善や業務の効率化を図り、評価を上げる
昇給に必要なのは、上司や会社から良い評価を得ることです。
まずは「業務を通して会社にどれだけ貢献できているか」「会社が求めている働きができているか」など、自身の業務に対する姿勢を客観的に見直してみましょう。
そして、改善が必要だと思ったら業務態度の改善や業務の効率化を図るなど、評価を上げられる努力をしてみてください。
2:昇給できないか、直接上司に相談する
昇給についての不満や疑問を、直接上司に相談してみるのも一つの手です。
その際、決して感情的になりすぎないようにし、これまでの実績を具体的に説明したり、担当業務が昇給に値する理由を冷静に示したりするようにしてください。
この相談を通して昇給のための改善点を指摘してもらえたり、新しいプロジェクトへの参加機会を与えられたりする場合もあります。
3:副業を始めて、収入を補う
昇給こそないものの、プライベートの時間が確保できており、気持ちに余裕があるという方は、副業の収入で昇給がない分を補うのも選択肢の1つです。
新しいスキルが身につく仕事や、前から気になっていた仕事を選んでみても良いでしょう。
ただし、企業によっては副業が認められていない場合もあるため注意が必要です。
副業を始める前に、現職の職務規定を十分に確認してください。
また、本業に影響を及ぼすものは避けるべきです。
4:昇給制度をきちんと導入している会社へ転職する
昇給制度をきちんと導入している会社へ転職するのは、確実な解決策といえます。
昇給することで「残業代」「賞与」「退職金」のアップも見込め、生涯賃金が改善する可能性もあるでしょう。
昇給ありの会社に転職する際は、現職の給与規定や評価制度と比較してみてください。
とは言っても、昇給制度がきちんと導入されているか判断するのは難しいです。
そんな時は、転職エージェントの力を借りてみてください。
転職エージェントなら企業の採用条件を熟知しているため、昇給制度がきちんと導入されていて、なおかつあなたに合う企業を紹介してくれます。
昇給年1回を信用してはだめ!転職時は会社についてしっかり調べることが重要
入社時点でどのくらいの給料を貰えるかは大切ですが、どれくらい昇給するかも非常に重要です。
そして、昇給年1回という言葉は単なる定型文であり、求人票だけを見てその会社で本当に毎年昇給があるかないか、長く働けば給料が上がっていくのかどうかを見抜けません。
たまに実績を記載しているところもありますが、それも正直あまり参考にはなりません。
だからこそ、転職時には企業の内部情報を知っているプロにサポートしてもらう方が良いのです。
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