給料が高くて休みが多い、サービス残業はなく長時間労働もない。そんなホワイト企業で働きたいと考えるのは当然のこと。
ただ同業他社に転職することを考えても、中々良い企業は見つからないという人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、待遇等は業界によって大きく異なり、同じ業界内ではどうしても似たりよったりになってしまう為です。
そこで今回は各種データからホワイト企業の多い業界を紹介していくことにします。
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ホワイト企業の多い業界の特徴
まずはホワイト企業の多い業界の特徴について紹介していきます。
平均年収が高い
平均年収は高いにこしたことありませんが、業界によって平均年収は大きく異なります。
単純にお金をたくさん貰えるというのも一つのメリットではありますが、平均年収が高いということはそれだけ利益をしっかり社員に還元しているということであり、労働者のことをしっかり考えてくれている企業であるということも伺いしれます。
年間休日数が多い
法律上義務付けられている休日数は週1回、もしくは4週に4日。1年間で考えると52日間になります。
ただ残業を除いた1週間あたりの所定労働時間は週40時間と定められている為、1日8時間勤務とした場合の最低年間休日数は105日となります。
ただ企業によってはこの最低限の日数では足りないと考え休日を増やしてくれている企業も多く、年間休日数が120日以上というのがホワイト企業かどうかの一つの指標になっていますね。
この年間休日数も業界によってかなり異なる部分。
業界自体の平均が120日以上となっている業界もあれば、100日程度しかない業界もあります。
有給休暇取得日数が多い
有給休暇は労働者の権利であり、会社は取得することを拒否することはできません。
ただ現実は中々取りにくく、せっかく休むことができる権利を持っているのに使わないまま消えていってしまっている人もたくさんいるでしょう。
有給休暇の付与日数は半年働いた時点で10日、そこから1年ごとに増えていき、6年半以上働いた場合には最低20日付与されます。
しかし取得日数の平均は9.1日、少ない業界だと5日程度しかありません。
離職率が低い
ホワイト企業かブラック企業かを判断に離職率は非常に有効な数値です。
休みや給料、残業の多さやサービス残業の有無など総合的に見て労働者にとって働きやすい会社ならその会社を辞める人は少なくなるので離職率は低くなるし、逆に労働者にとって働きにくい会社なら社員が次から次へと会社を辞めていくので離職率は高くなります。
新卒3年以内の平均離職率は大卒で3割程度となりますが、業界によってこの数字は大きく異なります。
福利厚生が充実している
社会保険等の法律で義務付けられた法定福利を除くと、企業にとってわざわざする必要はありませんが、従業員の生活や働きやすさを確保する為、わざわざお金をかけて実施しています。
当然福利厚生が充実している企業の方が社員のことを考えた会社である可能性が高いですね。
ただし中には住宅手当や家族手当等の福利厚生には不公平感があると考え、福利厚生を廃止してその分社員に給料として還元するという企業もあるので、充実していないからといって必ずしもホワイト企業ではないというわけではありません。
業界別の各種データ
ではここから各種データを業界別にみていきましょう。
平均年収
国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、業種別の平均年収は以下の通りになっています。
- 建設業・・・502万円
- 製造業・・・520万円
- 卸売業・小売業・・・383万円
- 宿泊業・飲食サービス業・・・251万円
- 金融業・保険業・・・631万円
- 不動産業・物品賃貸業・・・446万円
- 運輸業・郵便業・・・445万円
- 電気・ガス・熱供給・水道業・・・759万円
- 情報通信業・・・622万円
- 学術研究・教育業・・・498万円
- 医療・福祉・・・397万円
- 複合サービス事業・・・437万円
- サービス業・・・363万円
- 農林水産・工業・・・312万円
最も平均年収が高いのは電気・ガス・水道業。最下位の宿泊・飲食サービス業と比べると3倍以上になっています。
年間休日数
厚生労働省の就労条件総合調査結果によると、業界別の平均年間休日数は以下の通りになっています。
- 建設業:112.2日
- 製造業:117.6日
- 電気・ガス・水道業:120.9日
- 情報通信業:119.8日
- 運輸業:106.6日
- 卸売業、小売業:111.0日
- 金融業、保険業:119.1日
- 不動産業:115.9日
- 宿泊業、飲食サービス業:102.9日
- 生活関連サービス業、娯楽業:105.6日
- 教育、学習支援業:113.3日
- 医療、福祉:111.5日
業界によって20日間以上も開きがあることがわかります。
20日間となると月1~2日。これってだいぶ大きいですよね。
有給休暇取得日数
厚生労働省の就労条件総合調査結果によると、業界別の有給休暇取得日数は以下の通りになっています。
- 建設業:7.0日
- 製造業:11.0日
- 電気・ガス・水道業:14.2日
- 情報通信業:11.5日
- 運輸業:9.3日
- 卸売業、小売業:6.5日
- 金融業、保険業:11.2日
- 不動産業:8.6日
- 宿泊業、飲食サービス業:5.2日
- 生活関連サービス業、娯楽業:6.7日
- 教育、学習支援業:8.0日
- 医療、福祉:8.9日
毎年10日以上有給休暇を取ることができている企業もちらほらありますね。
離職率
厚生労働省の新規学卒者の離職状況によると、大卒新卒者の3年以内離職率は以下の通りになっています。
- 建設業:30.4%
- 製造業:18.7%
- 電気・ガス・水道業:8.5%
- 情報通信業:24.5%
- 運輸業:26.0%
- 卸売業:28.5%
- 小売業:37.5%
- 金融業、保険業:21.0%
- 不動産業:35.9%
- 宿泊業、飲食サービス業:50.5%
- 生活関連サービス業、娯楽業:47.9%
- 教育、学習支援業:47.3%
- 医療、福祉:38.4%
業界によってかなり差があることが見受けられますね。
データから見るホワイト企業の多い業界
これらのデータから考えるとホワイト企業の多い業界として以下の4つが挙げられます。
- 電気・ガス・水道業
- 情報通信業
- 金融業、保険業
- 製造業
やっぱりインフラ系は強いですね。給料も高くて休みが多い。労働者にとっては働きやすい業界だと思います。
情報通信業は電話等の通信関係、テレビ局などの放送関係、インターネット事業等がこれに当たりますが、数値としてかなり他の業界よりも良いことがわかります。ただこの業界は会社によってかなり差が大きいかもしれません。
製造業は業界全体としてかなり働きやすい環境ではあるものの、どんな製品を扱っているかによってもその様相は変わります。
例えば自動車業界だと有給休暇はかなり取りやすい傾向にあったり、平均年収もそれぞれのメーカーによって差が大きいです。
業界によって大きな差がある理由
業界によって、平均年収は3倍以上、年間休日数では20日以上、有給休暇取得日数は8日以上とかなり大きな差があることがわかりました。
なぜ業界が違うことでここまで大きな差が生まれてしまうのでしょうか。
1人あたりの利益率
労働者1人当たりの利益率が高ければ、その分社員に還元することができるお金は増えます。
また会社としても余裕を持つことができる為、休日数を増やしたり、福利厚生を充実させたりといったことにもつながります。
逆に利益率が低いと、少しでも利益率を上げようと少ない給料でできるだけ働かせることにつながってしまい、ホワイト企業とはかけ離れていってしまいます。
参入障壁
莫大なお金がかかる、高い技術力が必要などの理由から参入障壁が高くなっている場合だと競合となる会社も少なくなる為、厳しい価格競争にならずに済みますし会社としての安定性も高くなります。
また技術力が必要となる会社では社員の代わりがいくらでもいるわけではないので、優秀な人材を確保する為、そして社員を定着させる為に年収や休日、福利厚生によって働きやすい環境を作っている場合が多くなります。
労働組合
労働組合は会社ごとだけではなく産業別にもあります。
その組合が強ければ、業界としての労働条件決定に大きな影響を及ぼすことになります。
ただ日本では一般的に企業別の労働組合の権限が大きい為、重要度はそちらの方が高いのです。
ホワイト企業で働きたいなら他業界に転職することも考えよう
もしあなたが今の待遇、働き方等に不満を感じているならば、ぜひ他業界への転職を検討してみてください。
視野を同業界の範囲に狭めてしまっていてはだめです。
業界が変われば大きく変わる可能性があります。
実際、全く未経験の職種に転職したにも関わらず業界を変えたことで年収は増え、休みも増えたという人だっています。
一度どういった業界が良いか、転職エージェントに相談してみるといいでしょう。全然違う業界でも、あなたの希望にあった業界を提案してくれるかもしれません。
ただ転職サイトをのぞいてみただけでも色々と発見があるかもしれません。
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