仕事を辞めて転職する際は、中途採用の選考を通過する必要があります。
ただ、その選考を通過するのは決して容易ではありません。
転職活動時の平均応募社はおよそ20社、そこからなんとか1社内定をもらえる程度であり、残りの会社は書類選考、1次面接、2次面接など複数の関門を通過できずに終わってしまうでしょう。
では、人事の人は何を重視して採用可否を判断しているのでしょうか。
内定率を上げるためにも、重視される点を探っていきます。
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書類選考を通ればほぼ内定なの?
書類選考に通ると内定も決まるのではないかと思う人がいますが、結論から言うと書類選考が通ったからといって内定まで決まるとは限りません。
ほぼ内定が決まったと思い込んでしまう理由として、書類選考がすんなり通ったことや、新卒のときに比べて職務経歴書のスキル欄を埋める内容が豊富なこと、これまでの実績から即戦力としてアピールできることなどが挙げられます。
書類選考通過だけで内定の可能性はかなり低い
書類選考が終わると次は面接がありますが、書類選考にすんなり通ったからといって油断は禁物です。
面接を通過するためには、転職理由や志望動機などの関連付け、自己分析や企業研究などしっかり準備しておき、面接でスムーズに話せるよう練習することが大事です。
ただ、この面接も書類選考に通過しなければ受けることはできないため、履歴書や職務経歴書も手を抜かずに作成するようにしましょう。
書類選考の通過率は30~50%
全体を通して見ると、応募して書類選考を通過する確率は30%程度です。
そこから一次面接を通過する確率は30%程度、その後最終面接を通過し内定を得る確率は50%程度となります。
人事部では、書類選考の段階から慎重に審査しているので、その点は理解しておきましょう。
企業が中途採用を行った場合、雇った人によっては大きなメリットをもたらす可能性もあれば、逆にデメリットにしかならない場合もあります。
すぐ辞められてしまえば採用や教育にかけた投資が無駄になってしまいますし、辞めずにいたとしても給与に見合う仕事をしてくれない場合もあります。
そして、一度正社員として雇った場合、企業はそう簡単にクビにできません。
だからこそ人事部は慎重に、書類選考や面接を通して限られた情報を徹底的に分析し、採用の可否を判断していくのです。
採用担当者は書類選考で何を見ているのか?
では、企業の人事は中途採用の際にどこで合否を判断するのでしょうか。
実際の人事の声を紹介するのでチェックしてみてください。
経験、スキル
弊社では経験者採用しか行っていないため、当然、過去の職歴に基づいた経験、そしてスキルといった点は重視します。
その他の点については特別に問題がない(転職回数が多すぎる、短期離職を繰り返している、志望動機などが明らかに手を抜いている)限りは書類選考を通過させ面接で判断するようにしています。
基本的に履歴書だけではわからない部分が多いので、できるだけ多くの人を面接するように心がけています。
中途採用では即戦力の人材を求めているので、まずは最低限の経験があることを条件としており、こちらが希望している人材とマッチしていない場合は不合格としています。
求人票において必須条件として書かせていただいていますが、その条件に満たない応募者も多いのが現状です。
ただ稀に希望している条件に満たない人でも生かせそうな経験を持っており、もしかしたらと思った場合には面接で判断する場合もあります。
未経験者であってもこれまでどんな経験をしてきたか、どんなスキルを持っているかという点は重視しています。
未経験者の中でも本当にゼロから育てていく必要がある人もいれば、前職の経験を生かして仕事をできる人もいますからね。
第二新卒者に関しては経験やスキルを重視しません。
同じ仕事をしてきたと言っても十分にスキルが身についている場合はほとんどなく、むしろそれがマイナスに働いてしまう場合があるのであくまでポテンシャル重視です。
ただ全く見ないわけではありません。
多少は働いてきた中で何の経験もしてきませんでしたという人は避けますね。
新卒採用と違って、中途採用では経験やスキルを重視される場合がほとんどで、それは未経験者採用の際にも同じようです。
経験さえクリアしていれば、あとは面接次第と考えている企業も少なくはありません。
ただ、第二新卒での転職では経験やスキルがそれほど重視はされず、基本的なビジネスマナーや柔軟性の高さなどが求められます。
志望動機
中途採用の際、熱意があるかないかというのはとても重視している点です。
やはり熱意がある人ほど仕事での貢献度が高く、短期離職等のリスクも低いですから。
転職には色々な目的があるでしょうし、大半は年収が低いから、人間関係が上手くいかなかったらか、残業が多かったからなどネガティブな理由から転職する人だとは思います。
それが悪いとは一切思いません。
ただ、それはあくまで転職する理由であり、私共の会社に入社したい理由ではありません。
少なくとも、この会社にどうしても入りたいという熱意は伝えてほしいですね。
中途採用時に何を一番重視しますかという質問に対し、経験やスキルなどではなく熱意を最重要視している企業は実はとても多いです。
そのため、高いスキルを持っていても熱意が感じられず落とされてしまう人もいますし、逆にスキルが多少低くても熱意の部分で逆転できる場合もあります。
志望動機は熱意を伝える上で最も重要と言っても過言ではないので、決して手を抜かずに書きましょう。
年齢が上がると採用されにくい
企業規模や年齢によるものの、マイナビ転職のデータによると中途採用の書類選考を通過するのは30%程度です。
大手企業は転職希望者が多く倍率が上がるため通過率は低くなり、ベンチャー企業や中小企業は30~50%と通過率は高めの傾向があります。
年代では20代の通過率が高く、50代に向かうにつれて低くなります。
年齢別 応募社数 | |
~19歳 | 4.1社 |
20~25歳 | 6.3社 |
26~30歳 | 7.1社 |
31~35歳 |
8.2社 |
36~40歳 | 8.7社 |
41~45歳 | 10.1社 |
46~50歳 | 12.1社 |
51~55歳 | 14.5社 |
56~60歳 | 14.5社 |
61歳以上 | 15.2社 |
これは、企業が高年収の即戦力となる人材よりも、低年収でもこれから長く勤めてくれて、即戦力になるであろう人材を欲しているからです。
企業として将来を考えれば当然の話で、特に大企業への転職は年齢が高くなるほど書類選考の通過が難しくなります。
転職しようか悩んでいる方は1歳でも若い今、行動を起こすことが重要です。
自分の年齢で転職できるか不安な方は、転職エージェントのサポートを受けながら転職することをおすすめします。
書類選考の通過率を上げるためのポイント
書類選考では応募者のさまざまな部分を見て採用の判断を行っています。
職歴や学歴といった部分に関しては、これから何とかしようにもできることではありません。
ただ、その他の部分はこれからいくらでも質を上げられます。
では、どんな工夫をしたら書類選考の通過率を上げられるのか、ポイントを確認していきましょう。
応募書類は簡潔にまとめる
採用担当者は応募者全員の書類に目を通すため、応募者が多い場合はとても忙しい状態になると考えられます。
そのため、応募書類はできるだけ簡潔にまとめることはもちろん、応募書類を見て1分以内に面接したいと思わせるような状態が理想的です。
読みやすい、伝わりやすい、良い意味でインパクトがある、自分の経験や強みをイメージして書いてみましょう。
応募書類を作成するときに気を付けたいポイントをまとめたので参考にしてみてください。
最新の情報から記載すること
職務経歴書は3枚程度にまとめるケースが一般的ではあるものの、1枚目でアピールポイントや人柄がわかる場合と、3枚目まで読まないわからない場合では、1枚目で内容がわかる方が読み手に優しいといえます。
1枚目から読み手ファーストの職務経歴書の場合、仮に応募要件を満たしていない人だったとしても、興味を惹くポイントがあれば細かくチェックしてもらえるでしょう。
そのため、最新の情報から記載することが重要で、業務内容に加えて工夫したところやその結果を記載することが効果的です。
応募職種に関連する分野の資格取得や、独学だったとしても学んでいることがあれば、それを記載するのも良い方法です。
自発的に学ぶ姿勢があることは企業側としても歓迎する部分なので、応募要件を満たしていない場合でも書類選考を通過できる可能性が出てきます。
また、求める人物像を理解していることや、スキルや経験が応募要件にマッチしていることも書いておきましょう。
+αのPRを忘れない
専門的な知識や資格がある、経験があることは伝わっても、自己PRが上手くできていないために人柄や性格が伝わらない職務経歴書はプラスの評価を受けにくい可能性があります。
企業が求める人物像にマッチした自己PRや仕事に対する姿勢や強み、具体的なエピソードを添えて書くとより伝わりやすくなります。
工夫したところや実績は定量的、定性的の両方の観点から見て書きましょう。
また、壁にぶつかったときに何をがんばったか、未経験の仕事をするときどんな勉強をしたのか、経験や結果の文言のみでは伝えられない内容を書くことが必要です。
ドキュメントの体裁を整える・誤字脱字はチェックする
内容が良い職務経歴書でも、体裁が崩れていたり誤字脱字が多かったりすると見送られてしまうことがあります。
伝えたいことが簡潔にまとまっているか文章力が問われる部分です。
見出しや箇条書きの利用、文体の統一などドキュメントの体裁は整っているか、誤字脱字はないか必ずチェックするようにしましょう。
また、意外によくあるのが専門用語や社内用語を使ってしまうケースです。
採用担当者や人事担当者が必ずしも理解できるとは限らないので、誰が読んでもわかるような言い回しにするのがベターでしょう。
嘘で通過しても面接で落とされる
書類選考で落とされる状態が続いてしまうと、つい嘘を書いてしまう人も少なくありません。
特に仕事での実績や経験、スキルといった部分はどう書いても書類上だけならばれることはありません。
しかし嘘を書いたとしても、とても高い確率で面接で落とされてしまうでしょう。
企業側も応募者の自己申告である履歴書に関して完全に信じているわけではなく、面接でより具体的な質問をして真偽を確かめてきます。
嘘をついてしまうとこれに対応できず、結局面接に行く交通費と時間が無駄になってしまうことになります。
また、万が一内定までたどりつけたとしても入社後に、嘘に見合うだけの仕事をしなければならずとてつもなく苦労することになるでしょう。
限られた武器を最大限に使おう
履歴書では嘘を書くのはNGでも、少々過剰にアピールすることは許されています。
また、すでに持っている武器は増やせなくても、限られた武器を最大限活用することはできます。
実は武器に気づいていないパターンも多いです。
転職エージェントと話したところ、最初は「実績などに書くことがない」と言っていた人でも、一つひとつ話を聞いていくといくらでも出てくる場合が多いと言っていました。
履歴書を書くにあたり、隠れた武器を見つけてその武器を最大限に生かすことが重要です。
プロを頼って転職活動の質を向上させよう
履歴書を一人で書こうとしても、本やネットを見てもありきたりな情報しか出てこないためなかなか難しいことでしょう。
もし、一人で作る自信がないけど、質の高い履歴書を作りたいならプロの力を頼ることをおすすめします。
転職エージェントは、質の高い履歴書となるよう添削したり、アピールポイントを押さえた面接練習をしたり手厚いサポートをしてくれることが特徴です。
転職活動は限られた内容のみで自分を最大限アピールしていく必要があるのでどうしてもコツが要ります。
そのコツを知っているプロに頼れば成功率は上昇する可能性があります。
また、転職エージェントは登録料や利用料は完全無料、採用担当者や人事に興味を持ってもらえるような履歴書作成を手伝ってもらいましょう。
完成度の高い応募書類を作りたい方は、転職エージェントの利用がおすすめ!
転職希望者にとって書類選考は面接に進むための重要なステップです。
最初の書類選考で落ち続けているときは、読み手ファーストの伝わりやすい書類が作成できていない可能性があります。
ただ、なかなか1人で質の高い応募書類を作るのは難しいことです。
せっかく苦労して作成しても書類選考に通らなければ時間のロスにもなります。
そのため、完成度の高い応募書類を作りたいなら、転職エージェントを利用してみましょう。
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