年間休日96日という数字を求人広告ではよく見ます。
特に、飲食業や小売業の正社員募集で見受けられますが、労働条件としては正直言ってあまりよくありません。
実際、働いている人も休日が少なすぎると感じる人が多いでしょう。
では年間休日96日で働くとしたら、どんな風に働くことになるでしょうか。
今回は年間休日96日の内訳や法律との関係性について紹介します。
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年間休日96日の内訳。かなり少ないほうかも
完全週休2日制(毎週2日休み)の場合、それだけで年間休日数は104日です。
そのため、年間休日96日であれば、1日しか休めない週もあることが分かります。
想定できる大まかな内訳は次の通りです。
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単純計算で、96日を12ヶ月で割ると1ヶ月間の休みは8日間、年末年始やGW等の長期連休がないと仮定し、1ヶ月に1度、1日休みの週があることになります。
■イメージ図(半年分)
もしくは隔週で週1休みと週2休みが入れ替わる4週6休制とし、残りを年末年始等の休みにあてたり、祝日を休みにする場合もあります。
■イメージ図(半年分)グレーに塗った箇所が休日
具体的な日数の内訳は以下になります。
日曜日休み | 52日 |
土日隔週休み | 26日 |
祝日休み | 16日 |
年末年始休み | 2日(1/1は祝日に含む為除く) |
合計休日 | 96日 |
ちなみに、厚生労働省が発表した「令和4年就労条件総合調査」によると年間休日数の平均は115.3日です。
加えて、年間休日数が100日未満の企業は18.7%しかないという点を考えると96日は少ない部類に入ります。
「年間休日が96日以下の企業もあるからまだいい方だ」と思った人は、ちょっと待ってください。自分より辛い人がいる、と我慢せず、自分が「休みが少なくて辛い」と感じるならその気持ちに耳を傾けた方がいいでしょう。
ちなみに、正社員や契約社員の休日数を考えた時に判断基準として120日という数字をよく耳にしますが、これは土日かつ祝日、年末年始休みの場合、年間休日は120日を超えるところからきています。
労働時間次第では違法になる可能性も
労働基準法において、休日は週1日または4週で4日以上と決まっているため、最低52日休日があれば違法とはなりません。
第32条 使用者は労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
(休日) 第35条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
ただし、休日52日で1日の労働時間が8時間あると注意が必要です。
上記のように【労働時間は週40時間以内】と定められているため、週1休みで毎日8時間働くと、週48時間でオーバーしてしまいます。
この場合、8時間分は時間外労働、すなわち残業となります。
残業をさせるには36協定を結んでいることが前提条件で、使用者は当然、割増賃金を支払う必要があります。
もし、年間休日が96日しかないにも関わらず、1日あたりの労働時間が8時間以上で残業代が支払われていないのであれば、それは労働基準法に抵触してます。
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休みが少ないデメリットを再確認
では、休みが少ないとどのようなデメリットがあるのか、改めて確認していきましょう。
プライベートの時間が取れない
休日が少なければ、当然、プライベートの時間は減ります。
仕事が趣味のような方もいるので一概には言えませんが、「仕事はあくまで生活のため」と考えている方は、趣味などに充てる時間が確保できず辛い思いをしてしまいます。
また、仕事のストレスを解消する時間が無いと、心の状態が不安定になるでしょう。
疲れが取りにくい
働く時間が増えれば、当然、身体を休める時間が減ります。
睡眠時間を削ったり、食事する時間が短くなったりすれば、身体への負担が増えます。
「休み明けなのに疲れている」といった状態になり、仕事のパフォーマンスが落ちることも考えられるでしょう。
健康を害したら、仕事どころではありません。
他の人と休みが合わない
家族や友人と休みを合わせようと考えた時、当然、休みが多い人の方が他の人と合わせやすいでしょう。
反対に休みが少ない人は、なかなか他の人と休日を合わせられず、すれ違いが生じてしまいます。
家族と過ごす時間が少なくなり、関係悪化につながることもあります。
有給が取得しにくい可能性も
これまでの3つのデメリットとは毛色が異なりますが、もともとの休日日数が少ない会社は、慢性的に人手が足りなくて休めないような会社である可能性もあります。
有給休暇は本来なら自分のタイミングで取得できるものですが、有給も消化しにくい雰囲気であることがあるでしょう。
年間休日120日以上の会社はたくさんある
あなたは「年間休日120日は魅力的だけど、そんなのは大手の正社員だけ」と思っているかもしれません。
確かに、いわゆる大企業の正社員でいるほうが休日数は多いです。
年間休日120日を超える企業のうち50%以上が「従業員が1000人以上」であるのに対し、「従業員100人未満」は25%程度。
ただし、見方を変えれば【中小企業4社のうち1社は、年間休日120日超え】であるわけです。
探せば見つかるかもしれませんが、探さなければ今のままです。
とにかく休みたい!という人なら他業種に行くこともできるし、雇用形態も問わないのであれば、正社員から契約社員になってでも休みたい、という人もいるかもしれません。
まずは求人内容を見るだけでも、休日数に不満があるなら転職活動を始めてみましょう。
もっと休みが多い会社に転職しよう
上述したように、年間休日96日はかなり少ないです。
もちろん、「年間休日が少なくたって仕事が楽しいから良い」「1日の労働時間が短くて良い」と感じる人もいるので絶対に悪いわけではありません。
ただ「もっと休みがほしい」「やっぱり週に2回は休みたい」と考えているなら、休みの多い会社への転職をしても良いでしょう。
およそ8割の会社は年間休日が100日以上あり、およそ半分の会社は年間休日が110日もありますから、もっと休みが多い会社への転職は十分に可能です。
そして、転職活動する際は転職サイトや転職エージェントを有効活用していきましょう。
転職サイトは求人を探すだけではなく、自分の強みや市場価値の診断ができたり、スカウトサービスを使えば好条件の非公開求人からオファーを貰えたり、書類選考や1次面接が免除となる場合もあります。
また、転職エージェントではキャリアの相談や履歴書の作成補助、面接の練習といったものをしてくれますし、何より自分に合った仕事、自分が希望している仕事を多数紹介してくれます。
転職エージェントとの面談は土日でも可能である為、働きながら転職活動を進める場合であっても柔軟に対応してくれます。
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