会社での不遇な待遇や厳しい労働条件から転職を考えたり、早期退職制度を利用して定年前に退職し再就職することに決めたりと、中高年であっても違う会社に移ることを希望する人は多いかと思います。
ただ転職、再就職において年齢はかなり大きな影響があり、年齢が高くなるにつれて厳しくなっていくということはよく言われていることです。
関連:40代以降の中高年が転職が失敗してしまう理由。むしろ年齢以外の原因が多い。
中高年の転職は本当に難しいのか
転職では、20代のほうがしやすく、40代、50代となると難しくなってくると言われていますがそれは事実なんでしょうか。
それがわかるデータとして転職活動時の応募社数や転職活動にかかった期間を見ていきましょう。
まず応募社数ですが、全年齢の平均は18.27社。
これを年齢別に見たとき、20代男性で14.98社、20代女性で14.04社なんですが、40歳以上の男性だと23.65社、40歳以上の女性だと31.60社となっており、かなり差がひらいていることがわかります。
次に転職活動にかかった期間。
20代だと3ヶ月以内に転職活動が終わった人が90.5%もいるのですが、40代だと58.8%、50代だと30.6%となり、年齢が高くなるにつれて転職活動をする期間が延びていくことがわかります。
まとめると、中高年者が転職活動をした場合は若い世代に比べてたくさんの会社を受けなくてはならないし、時間もかかるということで、やっぱり難しいということは言えるでしょう。
ただ、それでも40代以降の人の半数は3ヶ月以内に転職することができていますし、半数の人は応募社数が10社以内で転職を成功させており、めちゃくちゃ困難であるというわけではなさそうです。
時に近年は中高年層の転職も活発になっており、転職成功者のうち40歳以上の人の割合は2007年でたった2.5%だったのに今は15.1%にもなっています。
中高年の転職、再就職が難しい理由
昔に比べて転職、再就職しやすくなった中高年層ですが、20代に比べると転職が難しいということには変わりません。
そこには以下の理由が挙げられます。
厳しいマッチング、年齢相応のスキルを求められる
中高年の転職、再就職ではポテンシャルの高さは評価されずに、現時点で持っている年齢相応のスキル、そしてマッチングが重要視されます。
20代、30代にはない長い会社生活で培った汎用性、希少性の高い専門スキルを持っている上で、その能力を求められる会社に応募しなくてはなかなか受からない為、自然と難しくなってしまうのです。
普通に会社生活を送っていると、30代である程度無難に仕事をこなせるようになる為、成長が鈍化してしまっているという人も多数いて、企業が40代に求めている能力を持てていないという人が多いようです。
プライドの高さ
40代、50代ともなるとプライドも高くなってしまって、それが転職、再就職を阻害する要因となってしまっています。
大企業がいい、上場企業がいい、管理職がいい、年下にはへこへこしたくない。そんな高望みや甘えによって自らのクビを絞めてしまっているのです。
そんな考えを持っていては、20代だろうと30代だろうと転職は難しいものとなるでしょう。
現状をよく理解し、受け入れるということはしなくてはいけないことです。
プレイヤーから離れている
中高年の場合、管理職になってから長いという人も多いかもしれません。
管理職へ転職では評価されるのですが、プレイヤーとして募集している企業にとっては、そのことが不利に働いてしまう可能性もあるのです。
管理職としての経験が長ければ長いほど、管理する側になってしまい現場での仕事の仕方を忘れてしまっていませんか?
適応力が低い
年齢が高くなるにつれて適応力が低くなってしまうのも企業が中高年層を嫌がる理由。
新たな会社で働くということは、当然仕事を覚えて、システムを覚えて、環境に慣れて、新たな人間関係を築かなくてはなりません。
年齢が高くても何の問題もないという人ももちろんいるのですが、平均的にみると若い世代に比べて時間がかかる傾向にあります。
給料が高い
中高年になると、給与も高くなってしまいがちになるのも採用を敬遠する理由。
たとえそこまでの給与をだす価値がなくても、会社の都合上、給与規定に従って年齢相応の給与をださなくてはならないという会社も多く、中高年を採用する際の採用基準がかなり高くなってしまっている場合も多いです。
もう一つのパターンとして、求職者側が提示する給与が高すぎるという場合もあります。
自分の実力を客観的に見ず、以前の会社並みの給与を望んで企業側と条件が合わないという場合が非常に多いです。
自分を知り、企業をよく知ることが転職で成功する為に大切
中高年者が転職する場合、大事なのは自分のことを客観的に知ること、そして現在の社会事情や企業の都合、要望をよく知ることが大切になります。
20代の頃のような、「入社してから頑張ります」は通用しません。
冒頭でも述べているように転職できる可能性はむしろ高いのですが、気を付けるべき点を気を付けてチャレンジしていきましょう。
転職サイトは求人を探すだけではなく、自分の強みや市場価値の診断ができたり、スカウトサービスを使えば好条件の非公開求人からオファーを貰うことができたり、場合によっては書類選考や1次面接が免除となる場合もあります。
また、転職エージェントではキャリアの相談にのってくれたり、履歴書の作成補助、面接の練習といったものをしてくれますし、何より自分に合った仕事、自分が希望している仕事を多数紹介してくれます。
転職エージェントとの面談は土日でも可能である為、働きながら転職活動を進める場合であっても柔軟に対応してくれます。
転職支援サービスのおすすめ順は以下の通り。
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- doda
- マイナビジョブ20s
リクルートエージェント
対象の年代 | 20代~30代 |
---|---|
どんな人に向いている? | ・若年層の方 ・より多くの求人を紹介してもらいたい方 ・年収や入社日などの交渉を任せたい方 ・年収UPを実現したい方 |
転職エージェントといえば、まずリクルートエージェントが最大手として挙がります。
公開求人・非公開求人ともに15万件以上取り扱っており、業界No.1の転職成功実績があります。扱う求人数が多いので、経験者・未経験者、若年層・ミドル層などどんな方でも利用することができます。
キャリア相談から履歴書や面接対策、年収交渉などをして貰えるので、転職活動がかなり楽になるし、何より15万件以上ある非公開求人を紹介して貰えるというのが最大のメリット。
待遇の良い求人は応募が殺到する為、検索しても出てこない非公開求人となっている場合が多いです。優良企業、ホワイト企業に転職したいなら非公開求人抜きで考えるわけにはいきません。
もちろん、公開求人にも優良求人はたくさんありますので、公開求人を15万件から検索できるメリットは非常に大きいです。
求人の量・質、サポートなどの評判も良く、私も利用しましたが対応が良かったという印象を持っています。
とにかく転職活動するならまず大手。求人数だけではなく、企業への交渉力や情報収集力も強いので、あえて大手を外す意味はありません。
マイナビエージェント
対象の年代 | 20代~30代 |
---|---|
どんな人に向いている? | ・若年層の方 ・関東、関西で仕事を探している方 ・企業への連絡や面接対策など、エージェントに任せたい方 ・フリーター→正社員を目指したい方 |
新卒の就職時にマイナビを利用していた人は多いと思いますが、マイナビエージェントはそのマイナビの20代、30代に特化した転職エージェント。
求人数だけ見たら他にもっと多いものがあるんですが、首都圏、関西圏の20代、30代にとってはかなり良い転職エージェントです。
求人数は2万件以上、そのうち8割以上が非公開求人となっています。
年齢、地域を絞った割にはかなりの量だと言えるでしょう。
doda
対象の年代 | 25歳~34歳 |
---|---|
どんな人に向いている? | ・特に技術職、営業職を希望の方 |
dodaはリクルートエージェントに次いで求人数が多い転職エージェントです。
リクルートエージェントやマイナビエージェントは、転職活動を行う際、必ずエージェントのサポートを受けながら進めることになりますが、dodaではサポートが要らなければ受けないということも可能です。
エージェントを利用したからといって転職を強要されることはありません。しかし、すぐに転職する気がない方にとっては利用しづらいかもしれません。
その代わり、非公開求人を受けることができなくなりますが、「今すぐ転職したいわけではない」「いい求人があれば転職したい」などエージェントからのサポートを受けづらいと考えている方にとってはメリットがあります。
マイナビジョブ20s
対象の年代 | 20代 |
---|---|
どんな人に向いている? | ・20代の方 |
マイナビジョブ20sは20代のサポートに特化した転職エージェントです。
一度正社員として就職した方はもちろん、フリーター→正社員への転職にも強いのが特徴です。
扱っている求人はすべてが20代が対象です。サポートを担当してくれるエージェントも20代のサポートを専門としているので、あなたのポテンシャルを十分に引き出して転職成功へ導いてくれるでしょう。
転職を考えている20代の方は忘れずに登録しておきたい転職エージェントです。