会社から出される宿題、これってサービス残業で違法ではないの?

会社から宿題を出され、家でやってくるようにと命じられたことはありませんか?

特に新入社員、若手の人だと、帰宅後や土日にかなりの時間をその宿題に費やすことになっているという人も多いと思います。

ただ一つ疑問なのが、これって単なる持ち帰り残業でサービス残業で違法なのではないかという点。実際のところどうなるのでしょうか。

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※1 2020年9月

会社から出される宿題のせいで、平日どころか土日まで潰れる人も

  • 本を読んで作文を書いてくる
  • 研修に参加してレポートを書いてくる
  • 仕事に必要な知識を自宅で身につけてくるように命じられる

こういった会社からだされた宿題を仕事以外に行うとなれば、当然自分のプライベートの時間を犠牲にしなくてはなりません。

数十分で終わる程度のものであればまだしも、中には何時間、何十時間とかける必要がある宿題をだされた結果、平日どころか土日のどちらも潰れてしまっているなんて人も少なくないでしょう。

おそらく誰だって嫌だと思うでしょうが、もしもやらなかったら怒られるし、評価を下げられると思うとやらざるを得ませんよね。

ただそうは言っても毎日仕事で疲れているのに、帰ってからもほぼ仕事のようなことをして、休みの日すらも仕事のようなことをして、そしてまた休みが明けて仕事が始まる。これではしんどくてたまりません。

実際のところ、こういったことはホワイト企業であっても、多かれ少なかれ行われています。

労働管理を行っている人事がそういったレポートは業務時間内に行うようにと言っていたとしても、職場の上司がそんなものは家でやってこいと言ったり、業務時間内にそれを行う時間をとらせてくれないという場合もあるでしょう。私自身、そういった経験をしたこともあります。

宿題のせいで体を壊す人も

たとえば年に1回そういったことがあるとか、月1回あっても数十分程度で終わるものであれば、そこまでの影響はないでしょう。もちろんその時は嫌でたまりませんが。

ただこれが、そして休みすら潰れるくらいまでひどく、かつ頻繁に行われていたらどうでしょうか。

会社がそれは業務ではないと言い張っても、実際にやる本人からしてみれば業務と一緒。

心身を休めることもできず、好きなことすることもできず、ただストレスが溜まっていく一方。残業をしているのと何ら変わりません。

たとえば毎日平均2時間を宿題にあてているとしたら月60時間。実際に行っている残業が30時間あるとすると合わせれば90時間。過労死ラインである80時間を超えます。

そんな状況が続いてしまえば、体を壊す人だって当然でてくるのは当然です。しかも残業代は出ませんからね。

会社から命じられる宿題を業務時間外に行うことの違法性

ではこの会社から出される宿題、果たして法律上はどうなのでしょうか。

労働時間の定義

まずは労働時間とはどういったものなのか、そこを確認していきましょう。

厚生労働省の資料によると、労働時間は以下のように書かれています。

現 在 の 通 説 ・ 判 例 ・ 行 政 解 釈 は 、 「 労 基 法 上 の 労 働 時 間 と は 、 労 働者 が 使 用 者 の 指 揮 命 令 (監 督 )下 に お か れ て い る 時 間 」と 定 義 し て い る 。

書かれている通り、労働時間かどうかは「使用者の指揮命令下」にあるかどうか、そこによって決まるということです。

もし指揮命令下にあればそれは労働時間となるし、そうでなければたとえ仕事に関することを行っていたとしても労働時間にはなりません。

指揮命令下とは

では指揮命令下とはどういったことを言うのでしょうか。

これは単に近くに上司がいて仕事について指示する状態にある場合に限定されたものではありません。

上の資料によると、指揮命令下について以下のように記載されています。

「指揮命令下」という文言は、必ずしも具体的に直接命令された事実だけを意味するものでなく、命じられた業務を遂行するために必要不可欠ないし不可分な行為をする時間も含まれると解されている。

直接命令されてその仕事を行っている場合は当然指揮命令下にある状態。ただそうではなく担当の仕事を行っている際に、必要なことをしている場合も指揮命令下にある状態となります。

たとえば社員が上司に指示されたわけではなく自主的に残業している場合や、持ち帰って仕事をしている場合であっても、その目的が上司から指示された仕事を終わらせる為に必要なものであるならば、それは指揮命令下となり労働時間に該当し残業代が支払われなければなりません。

義務付けられた宿題は業務

では会社から義務づけられた宿題はどうなるでしょうか。

まず○○をやってきなさい、○○を提出しなさいなどを指示された時点で、それを行う為に費やす時間は指揮命令下にあるとみなされ労働時間に該当します。

もし提出が義務ではなく自由という扱いになっていても、その提出をしないことによって評価を下げられるなどがある場合であれば義務付けているのと同等である為、指揮命令下にあるとみなされる可能性が高いでしょう。

またレポート等を業務時間中にやっていいと言われているが、他の業務でそれを行う時間がなく、かつ残業することも許可してもらえずにやむを得ず自宅でやることになった場合も、これは指揮命令下にある状態で労働時間にみなされる可能性が高いです。

休日の研修参加は?

休日での研修参加は出欠の自由度によって決まります。

たとえば自由参加であり、欠席しても何のお咎めがないのであれば、労働時間にはあたりません。

しかし参加を義務付けられている場合や、もし欠席すると査定等で不利益を被る、研修内容に関わるテストが行われるといったことがあれば、それは指揮命令下にある状態となり労働時間とみなされます。

宿題は強制である以上労働時間。残業代が支払われなければ違法。

会社から出される宿題はおそらくほとんど強制でしょう。やってもやらなくてもいい、提出してもしなくてもいいなんてということはなく、やらなくてはいけない状態にあるはずです。

そしてそうなっていればこれは上述しているように労働時間扱い。

宿題をする為に行った時間に対しての残業代や休日出勤手当などは払われていないでしょうから(払う気があるなら会社で残業をさせているはず)、これは労働基準法第37条1項に対する法律違反です。

労働基準法第37条1項

使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

たとえば基本給が20万円の人であれば、1時間1,300円、30時間すれば3万9千円、これが1年続けば46万8千円もの大金が支払われずにいるということです。

あまりにひどい量を与えられている時に考えるべきこと

正直なところ、会社から宿題を出されるというのは少なくないのが現実です。

たとえ大手のホワイト企業でも全くないとは言い切れません。

人事は気を付けて自宅ではなく業務時間内で行うことを命じていても、それが管理職全体までは浸透できておらずに上司が部下に対してレポート等を行う時間を与えなかったり、それどころか直接家でやるように言ってくる場合もあるのです。

そんな上司は、少なからずいるものです。

たださすがに毎日だとか、休みすら潰れるほどの量を与えられるのであれば、その会社でこのまま働き続けるかは考えなくてはいけません。

おそらくそこまで行くと、単なる上司個人の考えによるものではなく、会社ぐるみはそれがだめだとわかっていても意図的に行っている可能性が高いです。単なるブラック企業です。

そんな会社で働いていたは損するだけです。

なによりろくに体や心を休ませることもできずに限界を超えてしまうい、体を壊してしまうことに繋がりかねません。

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