地方・都市部問わずにポピュラーな仕事なのが工場作業になります。
正社員から派遣、副業の方まで幅広い層の方が働いている工場作業というのはどのようなものなのかを解説します。
工場作業は辛いのか
まずは工場作業とはどのようなものがあるのか、そしてそれらはどう辛いのかというのを解説します。
工場作業の種類の一例
多種多様な作業内容があるので、チェックしましょう。
ライン作業
テレビで缶詰や瓶詰の加工を見かけたこともあるでしょう。ライン作業というのはベルトコンベアにて流れてくる商品を仕分けしたり、部品を組み立てたりする作業です。すべてをひとりでということではなく、商品が出来上がるひとつの過程を任されて行なうというイメージになります。
オペレーター
製造や加工をする際に動かす機械を操作する役割です。ON/OFFのボタンを押すだけでいいというものもあれば、技術が必要なものなどもあり、勤め先によって重要度が異なります。
検品・検査
製品に異常がないか検査します。通販の場合は注文された商品が入っているか、破損していないか、サイズは合っているのかなどをチェックします。
ピッキング
工場・倉庫内にある物を探して運搬する作業です。フォークリフトを操作することもあるので資格がある人は有利になるでしょう。
接合
物を作る工場では部品と部品を繋げる溶接といった作業もあります。国家資格が必要なため有資格者は有利になるでしょう。
塗装
製品の表面に塗料などを塗って色を付けます。車の部品や電気製品などこれも塗装するんだという驚きのあるものまで幅広くあります。
以上のように工場作業というのは多種多様なものがあります。
どの企業がキツイ?
工場作業というのは大手メーカーである元請けから仕事を受け、一次請け、二次請けと続いていきます。
一次請けはメーカーグループ各社で、中間管理職には元請けである大手メーカーからの天下りをした人もいます。
そして、二次請けは外注工場や請負業者、派遣会社などが担当します。
離職率が特に高いのは二次請け企業ですが、一次請けの企業も離職率が高いというのは覚えておきましょう。
一次請け・二次請けは大手メーカーと違い、労働環境があまり良いとは言えないことが多くあります。
また、作業内容そのものもつらいことが多く、工場作業は辛いという経験をしがちです。
工場作業が辛いと言われる理由10つ
次に工場作業が辛いと言われる理由をチェックしましょう。
夜勤やシフト制で不規則
工場作業はシフト制の勤務が多くなっています。早番、日勤、遅番、夜勤といったシフトで24時間稼働しているところもあります。
不規則な生活サイクルというのは心身にかかる負担が極めて大きく、体調を崩しがちです。
さらに、夜勤によって昼夜の感覚も大きく狂うので、自分の体調に気になるところが出てきたり、周りの人との時間も合わせらなく休日は一人で過ごすということも多くなるでしょう。
自分の健康だけでなく精神面でもリスクが大きいのが工場作業です。
立ちっぱなし作業で体力を使う
工場作業は長時間に渡り、立った状態で作業します。
基本は工場内の作業となり、同じことを繰り返す作業であれば集中力が削がれますし、精神的な負担が極めて大きいです。
立ったままの作業を長時間こなしても体力的に問題ない方は大丈夫ですが、そうではない方は腰、膝などを痛めるリスクが出てきます。
工場での事故は命や今後の人生に関わる深刻なものになる可能性もあるので、適正の有無は非常に重要です。
単純作業を繰り返すことが多い
工場作業では、立った状態で何時間も同じことをひたすら繰り返すものもあります。
単純作業の繰り返しに適正がある方は、むしろスムーズに仕事をこなせて楽なことがありますが、そうでない場合は心身の疲弊が尋常ではありません。
うつ状態に陥る可能性もあるので、自身が単純作業の繰り返しに向いているのかよく考える必要があります。
もしも向いていないと判断した場合は、工場作業で他の業務にまわしてもらえないかを上司にお願いするのがおすすめです。
ミスしたときの損害が大きい
工場には多種多様な機械があり、高額なものがごまんとあります。
そのため、操作を誤ったり物に躓いたり、落としたりしてしまうと、機器を破損してしまいかねません。
そうなると、職場に大きな損害を与えてしまいます。
損害賠償を要求されるということは、まずありませんが、職場に損害を与えたことでいづらくなったり、周囲からの扱いが悪くなったりします。
工場の作業は単純作業が多いですが、ミスをした時は極めて不味いことになりかねないというのを覚えておきましょう。
製造するものによっては工場内の温度が一定になっていることがあり、暑さ・寒さで辛いこともある
製造・塗装などさまざまな作業を行う工場内は、一定の温度に保つ必要があるものもあります。
1年を通してずっと暑い、またはずっと寒いという環境に耐えられるかどうかは重要です。
勤務する工場がどのような労働環境で、自分が暑さや寒さに得意かも検討する必要があります。
人体に害がある薬品などを扱うから福利厚生が整っていない
工場作業は常に命の危険が伴うと言っても良いくらいには危険があります。
有害な薬品、一歩間違えたら指を落としてしまう機械を取り扱います。
そのことから、もしも工場作業でミスや事故が原因で怪我をしても、保証をしてもらえない可能性があります。
工場作業をする場合は、福利厚生を必ず確認しましょう。
村社会的な人間関係
工場はその中が1つの社会になっていて、人間関係が非常に近くなることがあります。
噂が回るのが非常に速いですし、普通なら口にするのがはばかられるようなことが周知されることもあります。
人間関係がドライになりやすい反面、距離は非常に近くなりがちなのが工場という職場です。
昇給・昇級が確約されていない
元請け企業はともかく、一次請け・二次請けの工場は従業員の離職率が非常に高く、「従業員はいつか辞めるもの」という意識があります。
そのため、長期間にわたって働いたところで昇給するかは不確かで、昇級できるかも不明瞭と言えます。
気になる方は、面接などで「ボーナスはあるか、昇級制度はあるのか」ということを尋ねてみましょう。
ボーナスがあったりなかったり
職場によってボーナスがあるところと無いところがあります。また業績によって支給すると伝えられたまま、出たりでなかったりすることも。
働く前にボーナスについて必ず確認しないといけません。
繁忙期・閑散期の差がある
工場は需要のある製品・部品を製作したり、接合・塗装します。
そのため、需要が高まる繁忙期があり、そういったシーズンは残業が当たり前になることがあります。そのほか、テレビやニュースで爆発的に売れてしまったときにも対応していかなければなりません。
工場作業で良かったと思えるところ3つ
次に、工場作業勤務で良かったと思えるところを紹介します。
覚えることが少なくすぐ一人立ちできる
工場の作業は覚えることが少なめなので、仕事を覚える難易度が低い傾向にあります。
そのことから、いつまでも上司や先輩のお世話になる必要がなく、すぐに一人で仕事ができるようになります。
複雑な作業が苦手という方は、覚えることが少なめな工場作業に適正があると言えるでしょう。
個々の責任はあまり重くない
工場作業は各業務内容をそれぞれが担当します。
そのため、個人個人の責任はあまり大きくなく、働き始めてすぐに重大なことを任されることもありません。
単純作業が多いことから、責任に耐えられるかよりも、精神的な持久力が非常に重要になります。
辛抱強い作業は得意でも、責任が重い仕事は苦手な方におすすめです。
人間関係がドライ
工場は危険な作業かつ心身の両方にも負担がかかります。。
このことから、離職者が非常に多く、人が辞めるとなってもあまり気にされることがありません。
さらに、工場は営業などと違って、工場という狭い空間に閉じこもって作業することになるので、誰かと話しながらということはなく、淡々と仕事をこなしていきます。
他の仕事では人間関係の構築に自信が無いという方でも、工場での労働ならできる可能性があります。
工場の仕事はどんな人に向いているのか
最後に、工場作業に向いている人・向いていない人を紹介します。
【向いている人】
まずは「工場作業に適正のある人」を紹介します。
単純作業が好きな人
複雑な作業ではなく、単純な作業を繰り返すのが得意という方に向いています。
立ちながらの単純作業の繰り返しで長時間を過ごすのが苦ではないという方は、厳しい工場作業を乗り切れる可能性が高まります。
例えば、お弁当のご飯のところにひたすら梅干を詰めていく作業は辛いという人もいれば、楽だからいいという人もいます。自分は単純作業が苦痛ではないかを知っておくといいでしょう。
仕事中のコミュニケーションを少なくしたい人
工場は単純作業かつそれぞれが自分の仕事に従事しています。
したがって、仕事が終わってからではなく、仕事中のコミュニケーションは少なくできます。
ものづくりが好き、機械いじりが好きな人
工場作業は毎日、何かを組み立てたり塗ったりです。
子供の頃から工作や日曜大工などのものづくりが得意という方に、工場作業はおすすめです。
【向いていない人】
「工場作業に向いていない方」もチェックしましょう。
同じ作業をするのが苦手な人
やりがいのある複雑な仕事が好きという方は、工場作業に適正があるとは言えません。
シンプルな作業を繰り返し行っていくものなので、同じことの繰り返しを嫌う方には苦痛になります。
体力に自信がない人
工場作業は精神的にも肉体的にも負担の大きいものです。
体力に自信の無い方や、集中力のない方は大事故に繋がりかねません。
夜勤をしたくない人
工場作業はシフトが不安定で夜勤もあります。
夜勤で生活サイクルを崩したくないという方は、夜勤のない工場を選ぶか、自分が工場作業に向いているかを考え直しましょう。
仕事で評価されたい人
工場作業は自分一人ではなく、工場全体が1つのチームとなって作業します。
自分にしか出来ないことをやって評価されたいという方は、工場作業に向いていないと言えます。
プライバシーを大事にしたい人
工場作業は狭い社会であるため、従業員の情報はすぐに広まります。
親密さ、距離の近さよりも自分だけの空間、時間を大事にしたい方は、工場作業が向いていないこともあります。
工場勤めは人間関係が苦手でひとつのことに集中できる人に向いている
物作りが基本のため、人と話しながら作業をするというよりも、一人で商品と向き合うことがほとんどです。
そのため人間関係に不安のある人なら、工場勤務は向いているでしょう。
また、応用いる仕事よりも教えられたことを淡々とする方が気が楽だという人や繰り返しの作業は嫌いではないという方にも向いています。
出くわす場面によって対応が違うという仕事よりも、同じことを繰り返してこなしていくことに安心を持てるなら工場勤務を考えてみるといいでしょう。一度経験すれば、万が一転職となってもこのことを活かすこともできますし、性に合えば長く務めることもできるので、自分に合いそうと思ったらチャレンジしてみてください。