建設コンサルタントはキャリアを積むほど年収に繋がる!おすすめ資格・難易度・メリットについて

建築コンサルタントとして、必須となる資格はありません。新卒として就職した時点では無資格でも、働きながら資格を取得すればOKなのです。

しかし、「少しでも就職を有利に進めたい」「早く建設コンサルタントとして独り立ちしたい」「収入アップを狙いたい」と考えるなら、資格を取得しておくに越したことはありません。

では、建設コンサルタントとして役立つ資格にはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、建設コンサルタントとして必要な資格について解説します。各資格の難易度やメリットはもちろん、建設コンサルタントを目指す方法についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

建設コンサルタントについて

建設コンサルタントについて

建設コンサルタントとは専門技術を有した人が、国土交通省などの国の機関や都道府県をはじめとする地方自治体・民間などに対して技術的な提案をしたり、事業者に代わって必要な調査・企画・立案を行ったりする企業や個人です。

簡単に言ってしまえば、社会的インフラサービスを「計画+調査+設計+管理」の側面からプロデュースする仕事になります。

近年では、事業者と国民のコミュニケーションや、国民への説明責任を十分に果たすという役割も担っています。事業者への支援に加えて、社会的合意形成や事業執行のマネジメントも大切な仕事です。

そんな建設コンサルタントとして働く場合、必要な資格は定められていません。

ただし、専門的な知識が必要な仕事のため、資格はあった方が仕事の獲得がしやすくなっています。

建設コンサルタントが持っておきたい資格について

建設コンサルタントが持っておきたい資格について

ここでは、建設コンサルタントとして持っておいた方が良い資格について解説します。

技術士

建設コンサルタントとして役立つ資格1つ目は技術士です。

技術士とは、文部科学省が管理する国家資格で、計画・調査・設計など科学技術に関する専門的な技能を有すると証明できます。

資格取得には、毎年10月頃に開催されるマークシート形式の一次試験に合格したうえで、4年以上の実務経験を積み、最後に筆記形式と口頭形式の二次試験に合格しなければなりません。

一次試験の合格率は40~50%で、二次試験まで含めると合格率は10~20%と難易度は非常に高めです。一次試験の合格率だけでも低いため、一次試験だけ合格した場合でも就職などでアピール出来るでしょう。

ちなみに、文部科学省認定の学校の課程を修了すると一次試験が免除となります。

RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)

建設コンサルタントとして役立つ資格2つ目はRCCM(シビルコンサルティングマネージャ)です。

RCCMは、建設コンサルタント協会という一般社団法人が認定する民間資格となっています。

そもそも、技術史の資格保有者が非常に少なく、建設コンサルタントにおいても管理技術者となれる人材が不足していたため、補う目的で作られた資格です。

公共工事などで調査・評価・管理・検査を行うための資格として役立ちます。

合格率は30~50%前後と、技術士よりはハードルが低めです。

しかし、試験を受けるためには学歴に応じて数年単位の実務経験が求められます。例えば、大学卒業なら7年、短大や高専卒なら9年、高卒なら11年の実務経験がないと駄目なのです。

試験そのものの難易度こそ低いものの、試験を受ける権利を得るまでに長い年月がかかるので、一概に「RCCMの方が取得は簡単」と言えないのが実情でしょう。

土木施工管理技士

建設コンサルタントとして役立つ資格3つ目は土木施工管理技士です。

土木工事に関する工程・安全・品質・予算などを管理できると証明する国家資格になります。

資格には1級と2級が用意されていて、それぞれ証明できるスキルが異なります。

  • 1級:大規模な土木工事
  • 2級:小規模な土木工事

建設コンサルタントとして役立てたいなら1級の取得が必要です。

そして、1級の試験に臨む場合は実務経験を積まなければなりません。土木・工学系の大学卒業なら3年、その他の大学卒業なら4年、高卒なら11年半の実務経験が求められます。

合格率は、学科が50%で実地が30%なので、最終的な合格率は15%前後です。

建築士

建設コンサルタントとして役立つ資格4つ目は建築士です。

戸建住宅・マンション・店舗・オフィスビルといった建物の、設計や建築工事を監督ができると証明する国家資格になります。

本来、建設コンサルタントの仕事は道路やトンネル・橋・ダムといったインフラ工事なので、建築士の仕事とは別とされています。しかし、建築士が設計した図面を建設コンサルタントが監修するため、2つの仕事には深い関わりがあるのです。

そのため、建設コンサルタントが建築士の資格を持っていれば仕事で役立つこと間違いありません。

ただし、合格率は20%前後と少し難しいため、最優先で取得すべき資格ではないのも事実です。

測量士

建設コンサルタントとして役立つ資格5つ目は測量士です。

建設工事や土木工事を予定している土地で、面積や形状・高低差・位置などの測量を行うための国家資格になります。

大規模なインフラ関係の工事となると測量作業は必要不可欠です。そのため、建設コンサルタントとして測量士の資格を持っていれば、重宝されること間違いありません。

ちなみに、測量士の資格取得には複数のルートがあります。その中でも最も短期間で取得できるのが、測量士の国家資格なのです。

とはいっても、合格率は10%前後と低めなので、しっかりと対策を講じてから試験を受けてみてください。

建設コンサルタントに有用な資格は実は幅広い分野がある

建設コンサルタントに有用な資格は実は幅広い分野がある

建設コンサルタントに有用な資格と一言で言っても、実は幅広い分野があるのです。

建設コンサルタント会社「株式会社五星」の技術者資格者一覧を参考に見てみると、非常に多くの分野があると理解できます。

ここでは、数が多いのでいくつかを抜粋して見てみましょう。

技術士

建設部門

河川、砂防及び海岸、鋼構造及びコンクリート、土質及び基礎、道路、施工計画、施工設備及び積算

上下水道部門

下水道、上水道及び工業用水道

農業部門

農業土木

情報工学部門

情報システム

総合技術監理部門

建設-河川、砂防及び海岸、建設-電力土木、上下水道-上水道及び工業用水道

RCCM

下水道

河川、砂防及び海岸、海洋

港湾及び空港

鋼構造及びコンクリート

上水道及び工業用水道

都市計画及び地方計画

土質及び基礎

道路

農業土木

施工計画・施工設備及び積算

建設情報

出典元:建設コンサルタント株式会社五星「技術資格者一覧」

このように、一つの資格でも様々な分野の有資格者がいると確認できます。

建設コンサルタントとして活躍したいなら、1種類の資格に絞るのではなく、連携可能なジャンルの資格を複数取得しておくと信頼はもちろん、実績や年収を増やすにも役立つでしょう。

ちなみに、技能検定の職種に関しては、以下のリンク先を参考にしてみてください。

技能検定職種一覧表はこちら

建設コンサルタントは国土交通省に登録できる

建設コンサルタントは国土交通省に登録できる

建設コンサルタントは、国土交通省に登録ができます。

具体的には、土木建築に関する21の登録部門の全部、もしくは一部委について建設コンサルタントを営む人が一定の条件を満たせば、国土交通大臣の登録が受けられるのです。

国土交通省が認定するのは以下の21部門となっています。

「河川、砂防及び海岸・海洋」「港湾及び空港」「電力土木」「道路」「鉄道」「上水道及び工業用水道」「下水道」「農業土木」「森林土木」「水産土木」「廃棄物」「造園」「都市計画及び地方計画」「地質」「土質及び基礎」「鋼構造及びコンクリート」「トンネル」「施工計画、施工設備及び積算」「建設環境」「機械」「電気電子」

登録を受ける要件は以下の通りです。

1.登録を受けようとする登録部門ごとに当該部門にかかる業務の技術上の管理をつかさどる専任の者(以下「技術管理者」という。)を置く者であること。

技術管理者は、原則として各登録部門に対応した選択科目で技術士法による第二次試験に合格して同法による登録を受けている技術士であることが必要です。なお、技術管理者は常勤し、その業務に専任する必要があります。

 

2.財産的基礎又は金銭的信用を有する者であること。

 (1)法人の場合は、資本金が500万円以上であり、かつ、自己資本が1000万円以上である者

 (2)個人の場合は、自己資本が1000万円以上である者

引用元:国土交通省「建設産業・不動産業|登録の要件」

(1)次の事項を記載した登録申請書

1.商号又は名称

2.営業所(本店又は常時建設コンサルタント業務に関する契約を締結する支店若しくは事務所3.をいう。)の名称及び所在地

3.法人である場合は、その資本又は出資の額及び役員の氏名、個人である場合はその氏名及び支配人がある時はその者の氏名

4.登録を受けようとする登録部門及び技術管理者の氏名

5.他に営業又は事業を行っている場合は、その営業又は事業の種類

引用元:国土交通省「建設産業・不動産業|登録を受けるには」

国土交通省に登録すれば、技術力や経営力の確認ができるうえに、業者の経営状態や実績の把握もできるので非常に多くのメリットがあるのです。また、登録を受けるには以下の書類を国土交通省に提出する必要があるのです。

建設コンサルタントの年収について

建設コンサルタントの年収について

dodaに掲載されている「中日本建設コンサルタント株式会社」の平均年収を参考に、建設コンサルタントの年収を確認していきましょう。

技術職・専門職(建設・建築・不動産・プラント・工場)

l  30歳:年収585万円
l  40歳:年収735万円

建設・プラント・不動産業界・大手企業社員の年収統計情報と比べると、30歳・40歳の年収が85~161万円も高いと分かります。

【建設・プラント・不動産業界・大手企業社員の年収統計情報】

 

男性

女性

20~24歳

354

368

25~29歳

453

378

30~34歳

504

377

35~39歳

537

382

40~44歳

574

364

45~49歳

620

411

50~54歳

649

416

55~59歳

637

428

厚生労働省などが発表した正確なデータこそないものの、各世代で年収が100万円前後高いという結果です。

このように、建設コンサルタントの年収は非常に高いということが分かります。

参考:doda「中日本建設コンサルタント株式会社の平均年収、給与情報」

建設コンサルタントを目指すなら建設業界で働き経験と勉強を重ねて目指そう

建設コンサルタントを目指すなら建設業界で働き経験と勉強を重ねて目指そう

建設コンサルタントの年収の高さや社会への貢献度などを知ると、興味を惹かれる方は多いでしょう。

しかし、新卒からいきなり建設コンサルタントを目指すのは少しハードルが高いので、建設業界で働きながら経験と勉強を重ねて、建設コンサルタントを目指すのがおすすめです。

転職などをする際は、資格を持っているとアピールできるので、資格取得も視野に入れながら勉強を進めると良いでしょう。